南無妙法蓮華経とは?意味・由来・唱える宗派をわかりやすく解説

神話・歴史・文化

「なんみょうほうれんげきょう」という言葉、聞いたことはありませんか?
お葬式やお寺で耳にすることが多いこの言葉、実は日本の仏教で非常に重要な意味を持っているんです。

この記事では、南無妙法蓮華経の意味や由来、どんな宗派で唱えられているのかを、わかりやすく解説します。


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南無妙法蓮華経とは?

南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう、または、なんみょうほうれんげきょう)は、法華経系の仏教で唱えられる言葉です。
これは「お題目」とも呼ばれ、日本では鎌倉時代の僧・日蓮によって広められました。

簡単に言えば、「法華経の教えに心から帰依します」という意味を持つ言葉なんですね。

南無妙法蓮華経は全部で7文字から成り立っていて、「七字の題目」とも呼ばれています。
それぞれの文字には深い意味があるんです。


南無妙法蓮華経の意味を分解してみると?

南無妙法蓮華経を、もう少し詳しく見ていきましょう。

南無(なむ・なん)

「南無」は、古代インドの言葉・サンスクリット語の「ナマス(namas)」または「ナモー(namo)」という言葉を漢字で音写したものです。
意味は「帰依する」「信じて従う」ということ。

ちなみに、インドで挨拶として使われる「ナマステ」も、この「ナマス」と同じ語源なんですよ。

妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)

「妙法蓮華経」は、法華経の正式な名前です。
もともとはサンスクリット語で「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ(Saddharmapundarika-sutra)」と呼ばれていました。

これを5世紀初頭(406年)に、中国の僧・鳩摩羅什(くまらじゅう)が漢訳したときの題名が「妙法蓮華経」なんです。

それぞれの文字の意味は:

  • (みょう):不思議な、素晴らしい
  • (ほう):真理、仏の教え
  • 蓮華(れんげ):ハスの花
  • (きょう):お釈迦様の教えを記した書物

蓮華(ハスの花)には特別な意味があります。
ハスは泥の中から清らかな花を咲かせますよね。
これは「苦悩に満ちた現実の中でも、人は仏の境地を開くことができる」ということを象徴しているんです。

また、ハスは花と実が同時に存在する珍しい植物です。
これは「原因と結果が同時に存在する」という仏教の教え(因果倶時)を表しているとも言われています。

全体の意味

つまり、南無妙法蓮華経とは:
「素晴らしい真理を説いた法華経の教えに、心から帰依します」
という意味になるわけですね。


法華経ってどんなお経?

南無妙法蓮華経を理解するには、法華経について知っておく必要があります。

法華経(妙法蓮華経)は、大乗仏教の重要な経典の一つです。
お釈迦様が晩年の8年間で説いた教えとされ、全28品(章)から構成されています。

法華経の最大の特徴は、「誰でも仏になれる」と説いている点です。
それまでの仏教では、悟りを開けるのは限られた修行者だけだと考えられていました。
しかし法華経は、性別や身分、能力に関係なく、すべての人に仏性(仏になる可能性)があると説いたんですね。

法華経は日本では古くから重視されてきました。
飛鳥時代の615年には、聖徳太子が『法華義疏』という法華経の解説書を著したとされています。
また、平安時代には最澄が天台宗を開き、法華経を根本経典としました。


日蓮と南無妙法蓮華経

南無妙法蓮華経を広めたのが、鎌倉時代の僧・日蓮(1222-1282)です。

日蓮は若い頃から仏教の真理を求め、比叡山延暦寺をはじめ、鎌倉、京都、奈良など各地で修学しました。
様々な経典や宗派を学んだ結果、日蓮は「法華経こそが仏教の最も優れた教えである」という結論に達したんです。

そして1253年4月28日の早朝、日蓮は千葉県の清澄寺(せいちょうじ)の旭が森で、太平洋から昇る朝日に向かって初めて「南無妙法蓮華経」と唱えました。
この日が、日蓮宗の立教開宗の日とされています。

日蓮が32歳のときでした。

日蓮は、南無妙法蓮華経を唱えること(唱題)によって、誰もが自身の中にある仏性を開き、現世での成仏が可能になると説きました。
長大な法華経の全文を読経しなくても、その題目である「南無妙法蓮華経」を唱えることで、法華経のすべての功徳を得られるとしたんですね。

この教えは、文字が読めない庶民でも実践できる、非常に画期的なものでした。


南無妙法蓮華経を唱える宗派

南無妙法蓮華経は、主に以下の宗派で唱えられています。

日蓮宗

日蓮を開祖とする宗派で、日本仏教十三宗の一つです。
日蓮宗では、南無妙法蓮華経の唱題を最も重要な修行としています。

朝と夕方の勤行では、法華経の重要な部分である「方便品第二」と「如来寿量品第十六(自我偈)」を読経し、その後に南無妙法蓮華経を唱えます。

法華宗

日蓮の教えを受け継ぐ宗派で、日蓮宗から分かれた複数の宗派を総称して法華宗と呼ぶこともあります。

天台宗

最澄が開いた天台宗でも、南無妙法蓮華経は唱えられています。
実は、南無妙法蓮華経という言葉自体は、日蓮以前から天台宗を中心に存在していました。

平安時代初期(9世紀)に最澄が中国天台宗の思想を日本に伝え、法華経を根本経典とする日本天台宗を確立しました。
現在も天台宗では、朝の勤行で南無妙法蓮華経を唱えています。

創価学会など

日蓮の教えを基盤とする宗教団体でも、南無妙法蓮華経の唱題が中心的な実践となっています。


南無妙法蓮華経と南無阿弥陀仏の違い

仏教で唱える言葉として、「南無妙法蓮華経」のほかに「南無阿弥陀仏」も有名ですよね。
この二つの違いは何でしょうか?

どちらも「南無」で始まりますが、意味は異なります。

  • 南無妙法蓮華経:「法華経の教えに帰依します」
  • 南無阿弥陀仏:「阿弥陀仏に帰依します」

南無阿弥陀仏は、浄土宗や浄土真宗で唱えられる念仏です。
阿弥陀仏の救いを信じて唱えることで、極楽浄土に往生できるとされています。

一方、南無妙法蓮華経は、法華経の教えを信じ、自身の中にある仏性を開くことを目的としています。

どちらが優れているということではなく、それぞれ異なる教えと実践方法を持つ、ということですね。


参考情報

この記事の作成にあたり、以下の情報源を参照しました:

さらに詳しく知りたい方へ:

  • 『妙法蓮華経(法華経)』の各種翻訳版
  • 日蓮の主要著作(『立正安国論』『開目抄』『観心本尊抄』など)
  • 天台宗や日蓮宗の公式サイト

まとめ

南無妙法蓮華経についてまとめると:

  • 意味:「法華経の教えに心から帰依します」
  • 由来:サンスクリット語と漢訳仏典が組み合わさった言葉
  • 広めた人:鎌倉時代の僧・日蓮(1253年に初めて唱えた)
  • 法華経:お釈迦様が説いた「誰でも仏になれる」と教える経典
  • 唱える宗派:日蓮宗、法華宗、天台宗、創価学会など

南無妙法蓮華経は、単なる呪文ではなく、仏教の深い教えが凝縮された言葉なんですね。
日蓮が朝日に向かって初めて唱えてから770年以上経った今も、多くの人々に唱え続けられています。

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