ゲーム機の代名詞とも言える「PlayStation」。
1994年の誕生から30年以上が経ち、今や世界中で愛されるゲームブランドとなりました。
でも、このPlayStationが実は「任天堂との破談」から生まれたって知っていましたか?
そして、歴代機種を合計すると5億台以上も売れているんです。
この記事では、PlayStationの波乱万丈な誕生秘話から、各世代のハードがどう進化してきたのかまで、30年の歴史をわかりやすく振り返ります。
- PlayStationの誕生秘話|任天堂との「破談」が始まり
- 初代PlayStation(1994年)|3D革命の幕開け
- PlayStation 2(2000年)|歴代最高の1億5700万台
- PlayStation Portable(2004年)|携帯機への挑戦
- PlayStation 3(2006年)|苦戦からの巻き返し
- PlayStation Vita(2011年)|後継の携帯機
- PlayStation 4(2014年)|4K時代の到来
- PlayStation 5(2020年)|次世代の超高速体験
- PlayStation歴代ハード一覧表
- PlayStationが業界に与えた影響
- 累計5億台を突破したPlayStationブランド
- まとめ
- 参考情報
PlayStationの誕生秘話|任天堂との「破談」が始まり
PlayStationの歴史は、意外な形で始まりました。
ソニーと任天堂の共同開発
1990年、ソニーのエンジニア・久夛良木健氏は任天堂にCD-ROM技術を売り込みました。
当時、ゲーム業界は任天堂とセガの二強時代。
ソニーはゲーム業界の後発組でした。
任天堂はこの提案を受け入れ、1990年1月にスーパーファミコン互換機の共同開発契約を締結します。
この互換機の名前が、まさに「PlayStation」だったんです。
名前の由来は「Play(遊び) + Station(場所)」。
エンジニアの夢のコンピューター「WorkStation」から発想を得て、遊びのための夢のコンピューターという意味を込めて命名されました。
1991年のCES、衝撃の「裏切り」
1991年5月31日、ソニーはニューヨークでPlayStationのスペックを発表しました。
当時のゲーム業界は大いに盛り上がります。
ソニーと任天堂の最強タッグの誕生だと。
ところが翌日。
サンフランシスコで開催されたCESで、任天堂が突然こう発表したんです。
「オランダのフィリップス社と共同でスーパーファミコン対応のCD-ROMアダプターを開発する」
世界中が見守る中、ソニーは公然と恥をかかされました。
任天堂は、ソニーがCD-ROMソフトのライセンス権を持つことを危惧し、土壇場で梯子を外したのです。
逆境から生まれた独自ゲーム機
この屈辱を受けて、久夛良木氏は独自のゲーム機開発を決意します。
ソニー社内では「任天堂という京都の花札屋に負けたらどうするんだ」という反対意見もありましたが、大賀典雄社長の後押しで開発は続行されました。
1993年11月、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)を設立。
そして1994年12月3日、初代PlayStationが誕生します。
任天堂との破談がなければ、今のPlayStationは存在しなかったかもしれません。
初代PlayStation(1994年)|3D革命の幕開け
1994年12月3日、初代PlayStationが発売されました。
発売日は「1・2・3(ワン・ツー・スリー)」の語呂合わせで選ばれています。
圧倒的な3D性能
初代PSの最大の特徴は、家庭用ゲーム機として本格的な3Dグラフィックを実現したことです。
32ビットCPUと大容量のCD-ROMを採用し、それまでのゲーム機とは一線を画す映像美を見せつけました。
価格は39,800円。
当時としては高価でしたが、その性能は衝撃的でした。
サードパーティーに優しい戦略
任天堂がロムカセット製造で高いロイヤリティを課していたのに対し、ソニーはCD-ROMの安価な製造コストとサードパーティーに優しい開発環境を提供しました。
この戦略が功を奏し、多くのゲームメーカーがPlayStationに参入。
『ファイナルファンタジーVII』『バイオハザード』『グランツーリスモ』といった名作が次々と誕生します。
結果、初代PlayStationは全世界で約1億249万台を売り上げる大ヒットとなりました。
PlayStation 2(2000年)|歴代最高の1億5700万台
2000年3月4日、PlayStation 2が発売されました。
このPS2こそ、ゲーム史上最も売れたハードです。
DVD再生機能が普及を後押し
PS2の革新は、ゲーム機としての性能だけではありませんでした。
DVD再生機能を搭載したことで、「安価なDVDプレーヤー」としても注目を集めたんです。
当時、単体のDVDプレーヤーは5万円以上が相場。
それに対してPS2は39,800円で、ゲームもDVDも楽しめる。
これが爆発的なヒットの要因となりました。
PS1との互換性
PS2はPS1のソフトもそのまま遊べる互換機能を搭載。
既存のPSユーザーを取り込むことに成功し、販売台数を大きく伸ばしました。
代表作は『ファイナルファンタジーX』『ドラゴンクエストVIII』など。
PS2は2013年まで生産が続けられ、最終的に全世界で約1億5,700万台を売り上げました。
この記録は今も破られていません。
PlayStation Portable(2004年)|携帯機への挑戦
2004年12月12日、PSP(プレイステーション・ポータブル)が発売されました。
PlayStationブランド初の携帯型ゲーム機です。
据え置き機に迫る性能
PSPは携帯機でありながら、PS1に匹敵するグラフィック性能を持っていました。
4.3インチの液晶画面、動画・音楽再生機能も搭載し、マルチメディアプレーヤーとしても人気を集めます。
『モンスターハンターポータブル』シリーズの大ヒットにより、特に日本で「狩りゲー」ブームを巻き起こしました。
PSPは全世界で約8,000万台を売り上げ、据え置き機以外での成功を証明しました。
PlayStation 3(2006年)|苦戦からの巻き返し
2006年11月11日、PlayStation 3が発売されました。
しかし、PS3は決して順風満帆なスタートではありませんでした。
高価格と開発の難しさ
PS3の初期価格は60GBモデルで59,980円。
高性能なCellプロセッサを搭載していましたが、その分高価で、開発も難航するゲームが多かったのです。
一方で、Blu-ray再生機能を搭載し、フルHD(1920×1080p)に対応。
PlayStation Networkも本格始動し、オンライン対戦やコミュニティ機能が充実しました。
後半の巻き返し
2009年にPS3 Slimを発売し、価格を下げたことで販売は回復。
『The Last of Us』『Demon’s Souls』『アンチャーテッド』といった名作も生まれました。
最終的にPS3は全世界で約8,740万台を売り上げ、厳しいスタートから見事に挽回しました。
ちなみに、「物売るってレベルじゃねぇぞ」というネットスラングは、PS3発売時の混雑から生まれたフレーズです。
PlayStation Vita(2011年)|後継の携帯機
2011年12月17日、PlayStation Vitaが発売されました。
PSPの後継機として開発された携帯型ゲーム機です。
有機ELと背面タッチパッド
PS Vitaは5インチの有機ELディスプレイを搭載し、鮮やかな映像を実現。
背面タッチパッドという独自の操作方法も採用しました。
リモートプレイ機能でPS3やPS4のゲームを遠隔プレイできる点も特徴でした。
市場では苦戦
しかし、スマートフォンゲームの台頭もあり、PS Vitaは携帯ゲーム機市場で苦戦。
最終的な出荷台数は1,000万〜1,500万台程度に留まりました。
2019年に生産終了となり、PlayStationの携帯機路線はここで一区切りとなります。
PlayStation 4(2014年)|4K時代の到来
2014年2月22日、PlayStation 4が発売されました。
PS3から順当に進化した次世代機です。
シェア機能とリモートプレイ
PS4の大きな特徴は「シェア」機能。
プレイ動画を簡単に録画・公開でき、ゲーム実況文化の広がりに貢献しました。
スマホやタブレットからのリモートプレイ機能も強化され、いつでもどこでもPS4のゲームが楽しめるようになります。
PS VRとPS4 Pro
2016年には4K解像度に対応したPS4 Proを発売。
同年、PlayStation VRも登場し、家庭で手軽にVR体験ができるようになりました。
代表作は『モンスターハンター:ワールド』『Marvel’s Spider-Man』『ゴッド・オブ・ウォー』など。
PS4は全世界で約1億1,700万台を売り上げ、PS2、初代PSに次ぐ歴代3位の記録を打ち立てました。
基本モデルは2022年末時点でも生産・販売が継続されています。
PlayStation 5(2020年)|次世代の超高速体験
2020年11月12日、PlayStation 5が発売されました。
現時点での最新機種です。
超高速SSDと圧倒的なロード時間短縮
PS5の最大の進化は、超高速SSDの搭載です。
これにより、ゲームのロード時間が劇的に短縮され、ロード画面がほぼ消滅したゲームも登場しました。
4K解像度はもちろん、最大120fpsの滑らかな映像表現が可能に。
レイトレーシング技術により、よりリアルな光の表現も実現しました。
DualSenseコントローラー
PS5では、コントローラーも大きく進化しました。
DualSenseコントローラーは、ハプティックフィードバック(触覚フィードバック)とアダプティブトリガーを搭載。
雨粒が手に当たる感触や、弓を引く抵抗感など、これまでにない没入感を提供します。
半導体不足による品薄
発売当初、コロナ禍による半導体不足と需要増により、長期間の品薄状態が続きました。
2023年頃からようやく供給が安定し、現在は通常通り購入できるようになっています。
2025年3月末時点で、PS5は全世界で約7,778万台を出荷。
PS4に迫るペースで販売を伸ばしています。
PS VR2の登場
2023年2月22日には、PS5専用のPlayStation VR2も発売されました。
2000×2040の有機ELディスプレイを2枚搭載し、初代PS VRの4倍の解像度を実現。
視線トラッキング機能により、よりリアルなVR体験が可能になっています。
PlayStation歴代ハード一覧表
| ハード名 | 発売日 | 販売台数(全世界) | 主な特徴 | 代表作 |
|---|---|---|---|---|
| PlayStation | 1994年12月3日 | 約1億249万台 | 32ビットCPU、CD-ROM、3Dポリゴン描画 | FF7、バイオハザード、グランツーリスモ |
| PS one | 2000年7月7日 | PSに含まれる | 初代PSの小型版 | – |
| PlayStation 2 | 2000年3月4日 | 約1億5,700万台(歴代1位) | DVD再生、PS1互換、ネットワーク接続 | FF10、ドラクエ8、GTA SA |
| PSX | 2003年12月 | – | HDDレコーダー一体型(日本のみ) | – |
| PlayStation Portable | 2004年12月12日 | 約8,000万台 | 携帯型、動画・音楽再生 | モンハンポータブル |
| PlayStation 3 | 2006年11月11日 | 約8,740万台 | Blu-ray、PS Network、フルHD | The Last of Us、アンチャーテッド |
| PlayStation Vita | 2011年12月17日 | 約1,000万〜1,500万台 | 有機EL、背面タッチパッド | – |
| PlayStation 4 | 2014年2月22日 | 約1億1,700万台 | シェア機能、リモートプレイ、VR対応 | モンハンワールド、Spider-Man |
| PS4 Pro | 2016年11月10日 | PS4に含まれる | 4K解像度対応 | – |
| PlayStation VR | 2016年10月13日 | – | PS4専用VRヘッドセット | – |
| PlayStation 5 | 2020年11月12日 | 約7,778万台(2025年3月時点) | 超高速SSD、DualSense、レイトレーシング | Demon’s Souls、Horizon |
| PS VR2 | 2023年2月22日 | – | PS5専用VR、視線トラッキング | – |
※販売台数は各種資料をもとにした推定値を含みます
PlayStationが業界に与えた影響
PlayStationの登場は、ゲーム業界全体を大きく変えました。
ゲームの「大人向けエンタメ化」
それまでゲームは「子供の遊び」というイメージが強かったですが、PlayStationは映画のようなムービーシーンや、大人が楽しめるストーリーのゲームを次々と生み出しました。
『ファイナルファンタジーVII』のCGムービーは当時衝撃的で、多くの大人がゲームに戻ってくるきっかけとなりました。
CD-ROMの普及
PlayStationがCD-ROMを採用したことで、ゲーム業界全体が大容量メディアへと移行しました。
これにより、豪華な音楽や長編ムービーが可能になり、ゲームの表現力が飛躍的に向上したのです。
サードパーティー重視の姿勢
ソニーがサードパーティーに優しい開発環境を提供したことで、多様なゲームが生まれるエコシステムが確立されました。
この姿勢は現在のPS5まで引き継がれています。
累計5億台を突破したPlayStationブランド
PlayStation据え置き機5世代(PS1〜PS5)の累計販売台数は、約5億台を突破しています。
携帯機(PSP、PS Vita)を含めると約5億9,800万台に達する巨大ブランドです。
特にPS2の1億5,700万台という記録は、全ゲーム機史上1位。
今もこの記録は破られていません。
PlayStation Networkの月間アクティブユーザー数は、2020年時点で1億300万人に達し、オンラインゲームのプラットフォームとしても圧倒的な存在感を示しています。
まとめ
PlayStationの30年の歴史を振り返ると、いくつかのポイントが見えてきます。
- 誕生は「逆境」から: 任天堂との破談という屈辱が、独自路線を切り開くきっかけになった
- 技術革新の連続: 3DポリゴンからDVD、Blu-ray、超高速SSDまで、常に最新技術を取り入れてきた
- メディアプレーヤーとしての側面: PS2のDVD、PS3のBlu-rayなど、ゲーム以外の用途も重視
- 着実な進化: 各世代で確実に性能を向上させ、ユーザーを裏切らない
- ブランドの一貫性: 「PlayStation」という名前を30年間守り続けた
1994年、任天堂への「復讐」から始まったPlayStationは、今や世界中で愛されるゲームブランドに成長しました。
初代から最新のPS5まで、一貫して「ゲームの可能性を広げる」挑戦を続けています。
次の10年、20年で、PlayStationはどんな進化を遂げるのでしょうか。
その未来を見守るのも、また楽しみですね。
参考情報
この記事の作成にあたり、以下の情報源を参照しました:
- Wikipedia「PlayStation」
- Wikipedia「PlayStation (ゲーム機)」
- ゲーム機の進化の歴史~ PlayStation 編~ | ゲオ
- Sony Interactive Entertainment 沿革
- PlayStation公式 PlayStationの歴史年表
- Statista – Sony PlayStation sales data
- VGChartz – Platform Totals
- CESA – ゲーム産業の系譜: 久夛良木健氏インタビュー
- GAME Watch – プレイステーション30周年記念記事
さらに詳しく知りたい方へ:
- PlayStation公式サイト「30周年特設ページ」
- NHK「新プロジェクトX」PlayStation開発回(2025年放送予定)


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