Firefoxでウェブサイトを閲覧していると、「位置情報へのアクセスを許可しますか?」という通知が表示されることがあります。
この位置情報機能は便利な反面、プライバシーの観点から不安を感じる人も多いでしょう。
この記事では、Firefoxの位置情報機能の仕組み、サイトごとの許可・拒否設定、完全に無効化する方法を詳しく解説します。
プライバシーを守りながら快適にブラウザを使いたい人に役立つ内容です。
Firefoxの位置情報機能とは

位置情報機能は、ウェブサイトがユーザーの現在地を把握するための機能です。
HTML5 Geolocation APIという標準技術を使って実装されています。
この機能により、ウェブサイトはユーザーの位置に応じたサービスを提供できます。
たとえば、近くのレストラン検索、天気予報、地域限定のニュース配信などです。
ただし、位置情報が常に送信されるわけではありません。
ウェブサイトが位置情報を要求したとき、Firefoxはユーザーに許可を求める通知を表示します。
Firefoxが位置情報を取得する仕組み
Firefoxは、複数の方法を組み合わせて位置情報を推定します。
IPアドレスによる推定
最も基本的な方法です。
接続しているIPアドレスから、おおよその地域を特定します。
精度は低く、せいぜい市町村レベルまでしかわかりません。
ただし、位置情報の許可なしでも、ウェブサイト側で推定可能な情報です。
Wi-Fiアクセスポイントによる推定
より正確な位置情報を得るための方法です。
位置情報へのアクセスを許可すると、Firefoxは以下の情報を収集します。
- 周囲のWi-FiアクセスポイントのMACアドレス
- 各アクセスポイントの電波強度
- PCのIPアドレス
これらの情報をGoogle Location Serviceに送信します。
Googleは、ストリートビュー撮影車などで収集した膨大なデータベースを使って、数メートル以内の精度で位置を推定します。
推定された位置情報は、要求元のウェブサイトに送信されます。
GPSによる推定(モバイル端末のみ)
スマートフォンやタブレットでは、GPS情報も利用できます。
GPS対応端末では、さらに高精度な位置情報が取得されます。
位置情報が使われる場面
位置情報は、主に以下のような場面で活用されます。
便利な用途
- 地図アプリでのナビゲーション
- 近隣の店舗検索
- 地域限定の天気予報
- ローカルニュースの配信
- 配達サービスの住所入力補助
制限のための用途
- 地域制限コンテンツの判定
- 著作権ライセンスの地域管理
- 政府の規制に基づくアクセス制限
ジオブロック(地域制限)と呼ばれる仕組みで、特定の地域からのアクセスだけを許可したり、逆に制限したりします。
位置情報のプライバシーリスク
位置情報の収集には、いくつかのプライバシーリスクがあります。
位置履歴の蓄積
長期間にわたって位置情報が追跡されると、詳細な個人データが蓄積されます。
以下のような情報が推測される可能性があります。
- 自宅や職場の場所
- よく訪れる場所
- 生活パターンや習慣
- 興味や趣味
- 交友関係
こうした情報は、マーケティングや広告配信に利用されることがあります。
第三者への情報提供
位置情報を許可したサイトが、その情報を第三者に提供する可能性があります。
各サイトのプライバシーポリシーを読まない限り、データの扱われ方はわかりません。
セキュリティリスク
位置情報が漏洩すると、ストーカー被害や空き巣などの犯罪に悪用される恐れもあります。
特に、リアルタイムの位置情報は慎重に扱うべきです。
Firefoxで位置情報を設定する方法(基本)
サイトごとに位置情報の許可・拒否を管理する方法を説明します。
通知が表示されたときの対応
ウェブサイトが位置情報を要求すると、アドレスバーの左側に通知が表示されます。
「位置情報へのアクセスを許可しますか?」というメッセージです。
選択肢は2つです
- 「許可」:そのサイトに位置情報を送信します
- 「ブロック」:そのサイトへの位置情報送信を拒否します
「このサイトでは今後も同様に処理する」にチェックを入れると、以後そのサイトで同じ選択が自動的に適用されます。
チェックを入れずに選択した場合、次回アクセス時にまた通知が表示されます。
設定画面から管理する方法
すでに許可・拒否した設定を変更したい場合は、設定画面から管理できます。
- Firefoxのメニューボタン(画面右上の三本線)をクリック
- 「設定」を選択
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 下にスクロールして「許可設定」のセクションを探す
- 「位置情報」の横にある「設定」ボタンをクリック
設定ウィンドウが開き、位置情報を許可・拒否したサイトの一覧が表示されます。
サイトごとの設定変更
- 状態を変更したいサイトを選択
- 「許可」または「不許可」を選択
- 不要なサイトは「ウェブサイトを削除」で削除できます
設定をリセットする方法
すべてのサイトの設定をまとめて削除したい場合は、「すべてのウェブサイトを削除」をクリックします。
位置情報の要求を完全にブロックする方法

すべてのサイトからの位置情報要求を自動的にブロックできます。
設定画面からブロックする
前述の「位置情報の設定」ウィンドウで、以下を選択します。
「位置情報へのアクセスの要求をブロックする」にチェックを入れる
これにより、以下のようになります。
- すべてのサイトからの位置情報要求が自動的に拒否される
- 許可を求める通知も表示されなくなる
- 個別にサイトを許可することもできなくなる
注意点
この設定を有効にすると、位置情報が必要なサービスが正常に動作しなくなります。
地図アプリや配達サービスなど、位置情報が不可欠なサイトでは問題が発生する可能性があります。
位置情報機能を完全に無効化する方法(about:config)
より確実に位置情報機能を無効にしたい場合は、about:configを使います。
この方法では、Firefoxの位置情報機能そのものを停止します。
手順
- アドレスバーに「about:config」と入力してEnterキーを押す
- 「危険性を承知の上で使用する」をクリック
- この警告は、不適切な設定変更がブラウザの動作に影響する可能性を示しています
- 今回の変更は安全ですが、自己責任で行ってください
- 検索バーに「geo.enabled」と入力
- 表示された「geo.enabled」をダブルクリック
- 値が「true」から「false」に変わることを確認
これで位置情報機能が完全に無効になります。
再び有効にしたい場合は、同じ手順で「geo.enabled」をダブルクリックして「true」に戻します。
値の意味
- true:位置情報機能が有効(デフォルト)
- false:位置情報機能が無効
Windows 11 24H2での位置情報通知
Windows 11 バージョン24H2にアップデートすると、新しい動作が追加されました。
「位置情報へのアクセス許可を待機しています」という通知が頻繁に表示されるようになったのです。
表示される通知
「位置情報へのアクセス許可を待機しています システム設定で Firefox に位置情報へのアクセスを許可してください」
Google検索などを行うたびに表示されることもあり、煩わしく感じる人が多いようです。
対処法
前述の「完全にブロックする方法」または「about:configでの無効化」を実行してください。
これにより、この通知も表示されなくなります。
スマートフォン版Firefoxの位置情報設定
スマートフォン(AndroidとiPhone)でも位置情報を管理できます。
Android版Firefoxの設定
Firefoxアプリ内での設定
- Firefoxアプリを開く
- 右下の三点メニュー(⋮)をタップ
- 「設定」を選択
- 「サイトの許可設定」をタップ
- 「位置情報」を選択
- 「ブロック」を選択すると、すべてのサイトで位置情報がブロックされます
Android端末の設定から管理
より確実に制御したい場合は、端末側の設定を変更します。
- 端末の「設定」アプリを開く
- 「アプリと通知」→「アプリの権限」を選択
- 「位置情報」を選択
- Firefoxを探してタップ
- 「許可しない」を選択
これにより、Firefoxアプリ全体で位置情報が使用できなくなります。
iPhone版Firefoxの設定
Firefoxアプリ内での設定
- Firefoxアプリを開く
- 画面右下の三本線メニューをタップ
- 「環境設定」または「設定」を選択
- 「プライバシー」セクションの「データ管理」をタップ
- 位置情報の設定を変更
iPhone端末の設定から管理
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「位置情報サービス」をタップ
- Firefoxを探してタップ
- 「なし」を選択
これにより、Firefox全体で位置情報が無効になります。
位置情報を偽装する方法
位置情報を完全にブロックせず、別の場所として報告する方法もあります。
開発者やテスト目的で使われることが多い機能です。
VPNサービスの利用
最も効果的な方法は、VPNサービスを使うことです。
VPNに接続すると、IPアドレスが変わり、位置情報も変わります。
ただし、Wi-Fiアクセスポイント情報は実際の場所を示すため、完全な偽装にはなりません。
Location Guard拡張機能
Firefoxに「Location Guard」という拡張機能をインストールすると、位置情報を偽装できます。
機能
- 固定の位置を設定できる
- ランダムなノイズを追加できる
- サイトごとに設定を変えられる
この拡張機能は、ChromeやEdgeでも利用できます。
about:configで位置を変更
about:configから手動で位置情報を設定することもできます。
- about:configを開く
- 「geo.provider.network.url」を検索
- 編集アイコン(ペン)をクリック
- 以下の形式で緯度・経度を入力
data:application/json,{"location": {"lat": 緯度, "lng": 経度}, "accuracy": 27000.0}
例:東京タワーの場合
data:application/json,{"location": {"lat": 35.6586, "lng": 139.7454}, "accuracy": 27000.0}
この方法は高度な知識が必要で、初心者には推奨されません。
よくある質問
Q1. 位置情報を許可すると危険ですか?
信頼できるサイトなら問題ありません。
ただし、不明なサイトや必要性が不明確なサイトへの許可は避けるべきです。
位置情報を許可する前に、以下を確認しましょう。
- サイトが本当に位置情報を必要としているか
- プライバシーポリシーが明記されているか
- HTTPS接続(鍵マーク)で保護されているか
Q2. 位置情報を拒否すると、どのサイトも使えなくなりますか?
いいえ、ほとんどのサイトは位置情報なしでも利用できます。
位置情報が必須なのは、地図アプリや配達サービスなど一部のサービスだけです。
Q3. 一度許可した設定は自動的に更新されますか?
はい、「このサイトでは今後も同様に処理する」にチェックを入れた場合、設定は保存されます。
次回からは通知なしで位置情報が送信されます。
設定を変更したい場合は、前述の「設定画面から管理する方法」で変更できます。
Q4. 位置情報を完全に無効にすると、何か問題がありますか?
位置情報が必要なサービスが正常に動作しなくなります。
具体的には以下のようなサービスです。
- Google Mapsなどの地図サービス
- 配達サービスの住所入力補助
- 地域の天気予報
- 近隣の店舗検索
これらを使わない、または手動で場所を指定できれば問題ありません。
Q5. IPアドレスだけでどれくらい正確な位置がわかりますか?
IPアドレスからわかるのは、せいぜい市町村レベルまでです。
番地まで特定することはできません。
より正確な位置情報が必要な場合、サイトはWi-Fiアクセスポイント情報を要求します。
これには位置情報の許可が必要です。
まとめ
Firefoxの位置情報機能は、便利なサービスを提供する一方で、プライバシーへの配慮も必要です。
自分のニーズに合わせて、適切に設定を管理しましょう。
位置情報設定のポイント
- 基本的には必要なサイトだけに許可する
- 信頼できないサイトには拒否する
- プライバシーを重視するなら完全にブロックする
- about:configで位置情報機能を無効化できる
- スマホでは端末側の設定も確認する
設定は何度でも変更できます。
まずは「サイトごとに許可・拒否する」方法から始めて、必要に応じて完全ブロックを検討するのがおすすめです。
プライバシーを守りながら、快適なブラウジング環境を整えていきましょう。

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