SharePointのファイルをWindowsエクスプローラー(またはMac Finder)で操作したいと思ったことはありませんか。
本記事では、SharePointとOneDriveを使ってファイルをローカルPC上のエクスプローラーと同期する方法、ファイルオンデマンド機能、トラブルシューティングまで詳しく解説します。
SharePointのエクスプローラー同期とは

SharePointのエクスプローラー同期とは、SharePointサイトのドキュメントライブラリをPCのエクスプローラーに同期させる機能です。
OneDrive同期クライアントを使用することで実現します。
同期のメリット
SharePointとエクスプローラーを同期すると、以下のようなメリットがあります。
ローカル環境で直接操作できる
ブラウザを開かなくても、エクスプローラーから直接SharePointのファイルにアクセスできます。
普段使い慣れたエクスプローラーの操作で、ファイルの開く、編集、保存、移動、コピーなどが可能です。
オフラインでも作業できる
同期したファイルは、インターネット接続がない環境でも利用できます。
オンラインに戻ると、変更内容が自動的に同期されます。
デスクトップアプリで編集できる
ExcelやWordなどのデスクトップアプリケーションで直接ファイルを編集できます。
ブラウザ版のOfficeに不慣れな方でも、使い慣れた環境で作業を進められます。
ドラッグ&ドロップで簡単移動
エクスプローラー上でドラッグ&ドロップするだけで、ファイルの移動や整理ができます。
フォルダ構成の変更も、エクスプローラーの操作だけで完結します。
自動バックアップ
ローカルで編集した内容は、自動的にSharePointにアップロードされます。
手動でアップロードする手間が省けます。
OneDriveショートカットとの違い
SharePointファイルにアクセスする方法として、「同期」と「OneDriveショートカット」の2つがあります。
同期(Sync)
特定のデバイスにファイルをダウンロードし、ローカルとクラウドを同期します。
デバイスごとに設定が必要で、同期したデバイスでのみファイルにアクセスできます。
OneDriveショートカット
OneDriveの「マイファイル」にショートカットを追加します。
すべてのデバイスからアクセスでき、同期よりもパフォーマンスが向上します。
Microsoftは、より汎用性の高いオプションとしてOneDriveショートカットの使用を推奨しています。
ただし、本記事では従来の同期機能について詳しく解説します。
ファイルオンデマンドとは
ファイルオンデマンド(Files On-Demand)は、OneDriveとSharePointの同期機能の重要な要素です。
ファイルオンデマンドの仕組み
ファイルオンデマンドを有効にすると、ファイルのインデックス(ファイル名やフォルダ構造)のみがエクスプローラーに表示されます。
実際のファイルデータは、必要になるまでダウンロードされません。
これにより、大量のファイルがあるSharePointライブラリでも、PCのストレージ容量をほとんど消費せずに同期できます。
ファイルの状態アイコン
ファイルオンデマンドが有効な場合、エクスプローラーで各ファイルの状態がアイコンで表示されます。
青い雲アイコン(オンラインのみ)
ファイルのインデックスのみが存在し、実際のデータはクラウドにあります。
このファイルを開くと、その時点でダウンロードされます。
緑のチェックマークアイコン(このデバイスで常に使用可能)
ファイルがローカルにダウンロードされており、オフラインでも利用できます。
右クリックから「このデバイスで常に保持」を選択したファイルがこの状態になります。
白い丸のチェックマークアイコン(ローカルで利用可能)
最近開いたファイルで、一時的にローカルに保存されています。
ストレージ容量が必要になると、自動的に削除される場合があります。
鍵アイコン(読み取り専用)
読み取り専用の同期ファイルです。
編集権限がない、チェックアウトが必要、または必須列やメタデータがある可能性があります。
SharePointをエクスプローラーと同期する方法
SharePointのドキュメントライブラリをエクスプローラーと同期する手順を説明します。
事前準備
同期を開始する前に、以下を確認してください。
OneDrive同期クライアントがインストールされている
Windows 10以降のPCには、OneDrive同期クライアントが標準でインストールされています。
Office 2016以降をインストールしている場合も、同期クライアントが含まれています。
インストールされていない場合は、Microsoft公式サイトからダウンロードしてインストールしてください。
OneDriveにサインインしている
タスクバーの通知領域(画面右下)に、青い雲アイコンが表示されていることを確認します。
表示されていない場合は、OneDriveを起動してサインインしてください。
ファイルオンデマンドを有効化
同期前に、ファイルオンデマンド機能を有効化することをお勧めします。
- タスクバーの通知領域でOneDriveアイコン(青い雲)をクリック
- ヘルプと設定をクリック
- 設定を選択
- 設定タブを開く
- 詳細設定セクションを探す
- 「ファイルオンデマンド」で容量を節約し、ファイルを使用するときにダウンロードにチェックが入っていることを確認
「ファイルオンデマンドをオフにする」と表示されている場合は、既に有効になっています。
SharePointライブラリの同期手順
- ブラウザでSharePointサイトを開く
- 同期したいドキュメントライブラリに移動
- ツールバーの同期ボタンをクリック
- 表示されていない場合は、…(3点リーダー)から探す
- 「このサイトは、Microsoft OneDriveを開こうとしています」という確認画面が表示される
- チェックボックスにチェックを入れて開くをクリック
- OneDriveが起動し、同期が開始される
- 「ファイルを同期しています」画面が表示されたら閉じるをクリック
同期が完了すると、エクスプローラーに組織名のフォルダが表示されます。
例: C:\Users\[ユーザー名]\[組織名]\[サイト名] - [ライブラリ名]
特定のフォルダのみを同期
ライブラリ全体ではなく、特定のフォルダだけを同期することもできます。
- SharePointサイトで同期したいフォルダを開く
- そのフォルダで同期ボタンをクリック
- 以降は上記と同じ手順
複数のライブラリを同期
複数のSharePointライブラリを同期することも可能です。
それぞれのライブラリで同期ボタンをクリックすれば、別々のフォルダとしてエクスプローラーに表示されます。
エクスプローラーでの操作方法
同期したSharePointファイルは、エクスプローラーで通常のローカルファイルと同じように操作できます。
ファイルの開き方
- エクスプローラーでSharePointフォルダを開く
- ファイルをダブルクリック、またはEnterキーを押す
ファイルオンデマンドが有効な場合、オンラインのみのファイル(青い雲アイコン)を開くと、その時点でダウンロードが開始されます。
ファイルの編集と保存
- エクスプローラーからファイルを開く
- デスクトップアプリケーションで編集
- 保存(Ctrl+S)
変更内容は自動的にSharePointに同期されます。
他のユーザーにも、数秒以内に反映されます。
ファイルの移動とコピー
コピー
- コピーしたいファイルを選択
- Ctrl+Cを押す
- コピー先のフォルダを開く
- Ctrl+Vを押す
移動
- 移動したいファイルを選択
- Ctrl+Xを押す
- 移動先のフォルダを開く
- Ctrl+Vを押す
ドラッグ&ドロップ
ファイルを別のフォルダにドラッグして、マウスボタンを離すだけでも移動できます。
これらの操作は、すべてSharePointに反映されます。
ファイルの追加
エクスプローラーの同期フォルダにファイルを追加すると、自動的にSharePointにアップロードされます。
方法1: コピー&ペースト
- 追加したいファイルを選択
- Ctrl+Cでコピー
- SharePointの同期フォルダを開く
- Ctrl+Vで貼り付け
方法2: ドラッグ&ドロップ
追加したいファイルを、SharePointの同期フォルダにドラッグします。
ファイルの削除
- 削除したいファイルを選択
- Deleteキーを押す
重要な注意点
オンラインのみのファイル(青い雲アイコン)を削除すると、すべてのデバイスとクラウドから削除されます。
つまり、SharePoint上のファイルも削除されます。
誤って削除した場合は、ブラウザでSharePointのごみ箱にアクセスし、復元できます。
職場または学校用のOneDriveやSharePointでは、削除されたファイルは最大93日間ごみ箱に保管されます。
ファイルをオフラインで利用可能にする
特定のファイルを常にローカルに保存して、オフラインでも利用できるようにする方法です。
- 対象のファイルまたはフォルダを右クリック
- このデバイスで常に保持を選択
アイコンが緑のチェックマークに変わり、ファイルがダウンロードされます。
ストレージ容量を解放する
ローカルに保存されたファイルを削除して、ストレージ容量を解放する方法です。
- 対象のファイルまたはフォルダを右クリック
- 空き容量を増やすを選択
ファイルはクラウドに残り、アイコンが青い雲に変わります。
ファイルは削除されず、オンラインのみの状態になります。
同期設定の管理

OneDriveの同期設定を管理する方法を説明します。
同期フォルダの選択
同期するフォルダを選択または解除できます。
- タスクバーのOneDriveアイコンをクリック
- ヘルプと設定をクリック
- 設定を選択
- アカウントタブを開く
- フォルダーの選択をクリック
- 同期するフォルダにチェックを入れ、同期しないフォルダのチェックを外す
- OKをクリック
同期の一時停止
一時的に同期を停止することができます。
- タスクバーのOneDriveアイコンをクリック
- ヘルプと設定をクリック
- 同期を一時停止を選択
- 停止する時間を選択(2時間、8時間、24時間)
同期の解除
特定のSharePointライブラリの同期を完全に解除する方法です。
- タスクバーのOneDriveアイコンをクリック
- ヘルプと設定をクリック
- 設定を選択
- アカウントタブを開く
- 同期を解除したいSharePointサイトを選択
- フォルダーの選択をクリック
- すべてのフォルダのチェックを外す
- OKをクリック
同期を解除すると、エクスプローラーからファイルが削除されますが、SharePoint上にはファイルが残ります。
PCのリンク解除
OneDriveアカウント自体をPCからリンク解除する方法です。
- タスクバーのOneDriveアイコンをクリック
- ヘルプと設定をクリック
- 設定を選択
- アカウントタブを開く
- このPCのリンク解除をクリック
- 確認画面でアカウントのリンク解除をクリック
リンクを解除すると、すべての同期が停止します。
トラブルシューティング
SharePointの同期でよくある問題と解決方法を紹介します。
同期ボタンが表示されない
原因1: サイトが同期設定されていない
組織のIT管理者がSharePointサイトでOneDrive同期アプリを有効化していない可能性があります。
解決方法: IT部門に連絡して、同期機能の有効化を依頼してください。
原因2: 権限不足
ライブラリに対する十分な権限がない可能性があります。
解決方法: サイト管理者に権限の付与を依頼してください。
同期が開始されない
原因: OneDriveが起動していない
タスクバーにOneDriveアイコンが表示されていない場合があります。
解決方法
- Windowsの検索ボックスに「OneDrive」と入力
- OneDriveアプリをクリックして起動
- サインインして同期を開始
ファイルが同期されない
原因1: ファイル名に使用できない文字が含まれている
SharePointでは、以下の文字をファイル名に使用できません。
" * : < > ? / \ |#や%で始まるファイル名.lock、CON、PRN、AUX、NULなどの予約語
解決方法: SharePoint上でファイル名を変更してください。
原因2: ファイルサイズが大きすぎる
250GB以上のファイルは同期できません。
解決方法: ファイルを分割するか、ブラウザから直接アップロードしてください。
原因3: パスが長すぎる
ファイルのフルパスが400文字を超えると、同期に失敗します。
解決方法: フォルダ階層を浅くするか、ファイル名を短くしてください。
同期の速度が遅い
原因: 帯域幅制限
OneDriveのアップロード/ダウンロード速度が制限されている可能性があります。
解決方法
- タスクバーのOneDriveアイコンをクリック
- ヘルプと設定→設定を選択
- ネットワークタブを開く
- アップロード速度とダウンロード速度で「制限しない」を選択
- OKをクリック
同期保留中のまま進まない
原因: 同期クライアントの問題
OneDrive同期クライアントに問題が発生している可能性があります。
解決方法1: OneDriveのリセット
- Windowsキー + Rを押す
- 「
%localappdata%\Microsoft\OneDrive\onedrive.exe /reset」と入力 - OKをクリック
- 1〜2分待つ
- OneDriveアイコンが再表示されることを確認
数分経ってもアイコンが表示されない場合は、以下を実行してください。
- Windowsキー + Rを押す
- 「
%localappdata%\Microsoft\OneDrive\onedrive.exe」と入力 - OKをクリック
解決方法2: OneDriveの再インストール
- コントロールパネルから「Microsoft OneDrive」をアンインストール
- PCを再起動
- https://aka.ms/installodbから最新版をダウンロード
- インストール後、サインインして再設定
エクスプローラーでSharePointが開けない
原因1: サインインしていない
OneDriveにサインインしていない可能性があります。
解決方法: タスクバーのOneDriveアイコンをクリックして、サインインしてください。
原因2: 信頼済みサイトに追加されていない
Internet Explorerの設定でSharePointが信頼済みサイトに追加されていない可能性があります。
解決方法
- Internet Explorerの設定を開く
- インターネットオプションを選択
- セキュリティタブを開く
- サイトをクリック
- SharePointのURLを追加
- 閉じる→OKをクリック
原因3: WebClientサービスが実行されていない
WebClientサービスが停止している可能性があります。
解決方法(Windows 11)
- Windowsキー + Rを押す
- 「
services.msc」と入力してOKをクリック - 「WebClient」を探す
- 右クリックして開始を選択
ショートカットのエラー
「このフォルダーを同期できません – この共有ライブラリから既にフォルダーへのショートカットを同期しています」というエラーが表示される場合があります。
原因: OneDrive内に既に同じライブラリへのショートカットが存在しています。
解決方法
- エクスプローラーでOneDriveフォルダを開く
- リンクアイコンが表示されているフォルダを探す
- 右クリックしてショートカットの削除を選択
- 再度同期を試す
同期の制限事項
SharePointの同期機能には、いくつかの制限があります。
ファイル数の制限
1つのOneDriveアカウントで同期できるファイル数は、すべてのライブラリを合わせて30万ファイルまでです。
ファイルサイズの制限
250GB以上のファイルは同期できません。
パスの長さ制限
ファイルのフルパスが400文字を超えると、同期に失敗します。
特殊なライブラリは同期不可
以下のようなライブラリは同期できません。
- IRM(Information Rights Management)保護が有効なライブラリ(一部条件下で可能)
- チェックアウトが必須のライブラリ
- 必須メタデータがあるライブラリ
OneNoteノートブックの移動不可
コンピューター上でOneNoteノートブックをサイト間で移動することはできません。
Officeファイルを移動すると、バージョン履歴が失われます。
まとめ
SharePointのファイルをエクスプローラーと同期することで、ローカル環境で快適にファイル操作ができるようになります。
同期のメリット
- ブラウザを開かずにエクスプローラーから直接アクセス
- オフラインでも作業可能
- デスクトップアプリで編集できる
- ドラッグ&ドロップで簡単整理
- 自動バックアップで安心
同期の手順
- OneDriveにサインイン
- ファイルオンデマンドを有効化
- SharePointライブラリで「同期」ボタンをクリック
- エクスプローラーで組織名のフォルダを確認
ファイルオンデマンド
ファイルのインデックスのみを同期し、必要なファイルだけをダウンロードすることで、ストレージ容量を節約できます。
トラブルシューティング
同期がうまくいかない場合は、OneDriveのリセットや再インストールで解決することが多いです。
ファイル名やパスの長さにも注意が必要です。
SharePointとエクスプローラーの同期を活用して、より効率的なファイル管理を実現しましょう。

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