SharePointのテキスト列とは

SharePointのリストやライブラリでは、データを整理するために「列」を使用します。
テキストデータを格納する列には、「1行テキスト」と「複数行テキスト」の2種類があります。
一見似ているように見えますが、両者には大きな違いがあります。
適切に使い分けることで、効率的なデータ管理が可能になります。
1行テキストと複数行テキストの基本的な違い
比較表
| 項目 | 1行テキスト | 複数行テキスト |
|---|---|---|
| 最大文字数 | 255文字 | 63,999文字 |
| 表示形式 | 1行で表示 | 複数行で表示可能 |
| 書式設定 | 不可 | 可能(リッチテキスト) |
| 並べ替え | 可能 | 不可 |
| フィルター | 可能 | 可能 |
| 検索 | 可能 | 可能 |
| 計算列での使用 | 可能 | 制限あり |
| ルックアップ列 | 使用可能 | 使用不可 |
| 列の種類の変更 | 複数行へ変更可能 | 1行へ変更は制限あり |
| インデックス作成 | 可能 | 不可 |
この表からわかるように、機能面では1行テキストの方が柔軟です。
複数行テキストは、長文を格納する際に使用します。
1行テキストの特徴
基本仕様
最大文字数
255文字まで入力できます。
これを超える場合は、複数行テキストを使用する必要があります。
表示形式
リストビューで1行に表示されます。
長いテキストでも1行に収まるように表示されます。
使用例
- 従業員名
- 部署名
- メールアドレス
- 電話番号
- 従業員ID
- 郵便番号
- 住所(短い場合)
- 製品名
- プロジェクト名
カスタマイズオプション
文字数制限の設定
最大文字数を255文字以下に制限できます。
設定方法
- 列の設定を開く
- 「最大文字数」を指定
- 保存
使用例
従業員IDが5桁の場合、最大文字数を5に設定します。
これにより、ユーザーは5文字しか入力できなくなります。
既定値の設定
新しいアイテムを追加する際に、自動的に表示されるテキストを設定できます。
使用例
プロジェクトの担当会社名を格納する列で、よく使う会社名を既定値に設定します。
ユーザーは必要に応じて変更できます。
一意の値の強制
同じ値の重複を防ぎます。
使用例
従業員IDや製品コードなど、重複してはいけない値に使用します。
1行テキストのメリット
柔軟性が高い
後から他の列の種類に変更しやすいです。
複数行テキストに変更することも可能です。
並べ替えが可能
リストビューで並べ替え(ソート)ができます。
アルファベット順や五十音順に並べられます。
計算列で使用可能
計算式の中で1行テキストを参照できます。
文字列の結合や条件分岐に使用できます。
ルックアップ列として使用可能
他のリストを参照する際に使用できます。
インデックス作成が可能
大量のデータがある場合、検索やフィルターの速度を向上させるインデックスを作成できます。
1行テキストのデメリット
文字数制限
255文字を超えるテキストは格納できません。
複数行表示不可
改行を含むテキストを入力しても、1行で表示されます。
書式設定不可
太字、斜体、色などの書式設定はできません。
複数行テキストの特徴
基本仕様
最大文字数
63,999文字まで入力できます。
非常に長い文章も格納可能です。
表示形式
複数行で表示されます。
改行も正しく反映されます。
使用例
- 製品の詳細説明
- イベントの概要
- プロジェクトの進捗メモ
- 問い合わせ内容
- 議事録
- コメント欄
- フィードバック
テキストの種類
複数行テキストには、3つのテキスト形式があります。
1. プレーンテキスト
最もシンプルな形式です。
書式設定なしのテキストのみを格納します。
特徴
- 改行は保持される
- 書式設定不可
- HTMLタグは使用不可
2. リッチテキスト
書式設定が可能なテキストです。
特徴
- 太字、斜体、下線が使用可能
- フォントサイズの変更可能
- 箇条書きと番号付きリストが作成可能
- テキストの色変更可能
- テキストリンクの挿入可能
- 画像の挿入可能(URLで指定)
- 表の挿入可能
3. 拡張リッチテキスト
リッチテキストのすべての機能に加えて、以下が可能です。
追加機能
- より高度な書式設定
- HTMLソースの編集
注意点
拡張リッチテキストは、ライブラリでは使用できません。
リストでのみ使用可能です。
カスタマイズオプション
表示行数の設定
アイテム編集時に表示される行数を指定できます。
設定方法
- 列の設定を開く
- 「編集用の行数」を指定
- 保存
使用例
イベントの説明文を格納する列で、10行表示するよう設定します。
ユーザーは入力したテキストを見やすく確認できます。
注意
この設定は入力時の表示行数であり、実際に格納できる文字数には影響しません。
リストビューでの表示行数も変わりません。
既存テキストへの変更内容の追加
変更履歴を保持する機能です。
仕組み
- 編集のたびに、変更日時とユーザー名が記録される
- 以前のバージョンも保持される
- 履歴を確認できる
使用例
進捗報告欄で、いつ誰が何を追記したかを記録できます。
既定値の設定
新しいアイテムを追加する際に表示されるテキストを設定できます。
複数行テキストのメリット
大量のテキスト格納
63,999文字まで格納できるため、長文でも問題ありません。
書式設定が可能
リッチテキストを使用すれば、読みやすく装飾できます。
変更履歴の保持
「既存テキストへの変更内容の追加」機能で、編集履歴を残せます。
複数行表示
改行を含むテキストも正しく表示されます。
複数行テキストのデメリット
並べ替え不可
リストビューで並べ替え(ソート)ができません。
これは複数行テキストの大きな制限です。
計算列での使用が制限される
計算式の中で複数行テキストを参照することには制限があります。
ルックアップ列として使用不可
他のリストを参照する際に使用できません。
インデックス作成不可
検索やフィルターの速度向上のためのインデックスを作成できません。
データ取り出しが困難
レポートやワークフローで複数行テキストのデータを扱うのは、カスタムコーディングが必要になることがあります。
リストビューでの表示
モダンUIのSharePointでは、複数行テキストは一部のみ表示され、省略されます。
全文を見るには、アイテムを開く必要があります。
クラシックUIでは全文が表示されますが、レイアウトが崩れることがあります。
列の種類の変更
1行テキスト→複数行テキストへの変更
可能です
既存のデータを失うことなく変更できます。
手順
- 列の設定を開く
- 列の種類を「複数行テキスト」に変更
- 保存
注意点
- 既存のデータはそのまま保持される
- 255文字以下のデータも正常に移行される
- 変更後は1行テキストには戻せない
複数行テキスト→1行テキストへの変更
可能ですが、注意が必要です
SharePointは警告メッセージを表示します。
「データの損失が発生する可能性があります」
データ損失のリスク
複数行テキストの列に256文字以上のデータが含まれている場合、そのデータは切り捨てられます。
255文字を超える部分が失われます。
確認方法
変更前に、すべてのアイテムのテキスト長を確認してください。
- リストをExcelにエクスポート
- LEN関数で文字数を確認
- 255文字以下であることを確認
手順
リッチテキストの場合は、まずプレーンテキストに変更する必要があります。
- 複数行テキストの設定を「プレーンテキスト」に変更
- 保存
- 再度設定を開く
- 列の種類を「1行テキスト」に変更
- 保存
Power Automateでの注意点

Power Automate(旧Flow)を使用している場合、列の種類を変更すると問題が発生することがあります。
よくあるエラー
症状
列を「1行テキスト」から「複数行テキスト」に変更したのに、255文字以上のテキストを入力するとエラーになる。
エラーメッセージ例
The API operation 'PostItem' requires the property 'item/Column' to be a string of maximum length '255' but is of length '300'.
原因
フローが列の変更を認識していません。
フローは、列がまだ「1行テキスト」だと思い込んでいます。
仕組み
「項目の作成」アクションは、リストを選択した際に列の情報を自動で認識します。
しかし、フロー保存後にリストの設定を変更しても、フローはそれを自動で認識しません。
対処法
方法1:フローを保存し直す
- フローの編集画面を開く
- 何も変更せずに「保存」をクリック
- これでフローがリストの最新設定を読み込む
- フローを再実行
方法2:列を削除して再追加
「項目の作成」アクションで問題の列を一度削除してから、再度追加します。
- フローを編集
- 「項目の作成」アクションを開く
- 該当する列のフィールドを削除
- 保存
- もう一度同じ列を追加
- 保存
これでフローが列の最新の種類を認識します。
使い分けのポイント
1行テキストを使うべき場合
短いテキストの場合
255文字以内で収まるテキストは、1行テキストを使用します。
並べ替えが必要な場合
リストビューで並べ替えたい列は、1行テキストにします。
計算やルックアップで使用する場合
他の列や計算で参照する可能性がある場合は、1行テキストにします。
将来的に列の種類を変更する可能性がある場合
1行テキストは、他の種類への変更が容易です。
具体例
- 名前
- メールアドレス
- 電話番号
- 部署名
- プロジェクト名
- 製品コード
- ステータス(ただし選択肢列の方が適切)
複数行テキストを使うべき場合
長いテキストの場合
255文字を超える可能性があるテキストは、複数行テキストにします。
改行を含むテキストの場合
複数の段落や箇条書きを含む場合は、複数行テキストにします。
書式設定が必要な場合
太字や色などの装飾が必要な場合は、複数行テキストのリッチテキストにします。
変更履歴を保持したい場合
「既存テキストへの変更内容の追加」機能を使いたい場合は、複数行テキストにします。
具体例
- 製品の詳細説明
- プロジェクトの進捗報告
- 議事録
- コメント欄
- フィードバック
- 問い合わせ内容
- 作業メモ
迷った場合の推奨
原則:1行テキストを優先
迷った場合は、まず1行テキストを使用することをおすすめします。
理由
- 後から複数行テキストに変更できる
- 柔軟性が高い
- 並べ替えやその他の機能が使える
ただし、明らかに長文になることがわかっている場合は、最初から複数行テキストにしましょう。
リッチテキストエディタの使い方
リッチテキストの基本操作
複数行テキストでリッチテキストを有効にすると、エディタが使用できます。
主な機能
- 太字:テキストを選択してBボタン
- 斜体:テキストを選択してIボタン
- 下線:テキストを選択してUボタン
- 箇条書き:箇条書きボタンをクリック
- 番号付きリスト:番号付きリストボタンをクリック
- リンク:リンクボタンをクリックしてURLを入力
- 色変更:テキストカラーボタンをクリック
改行の使い分け
通常の改行(Enter)
Enterキーを押すと、段落が変わります。
HTMLでは<p></p>タグが追加されます。
結果
行間が大きく空きます。
1行だけの改行(Shift + Enter)
Shift + Enterを押すと、段落内で改行します。
HTMLでは<br/>タグが追加されます。
結果
行間が狭くなります。
使い分け
- 段落を分ける:Enter
- 段落内で改行:Shift + Enter
多くのユーザーは、Shift + Enterを知らずに「行間が広すぎる」と感じています。
この使い分けを知ると、きれいなレイアウトが作れます。
ソースの編集
HTMLソースを直接編集できます。
方法
- リッチテキストエディタで「ソースの編集」ボタンをクリック
- HTMLコードが表示される
- 直接編集できる
- 再度ボタンをクリックして通常モードに戻る
用途
- 高度な書式設定
- 外部からコピーしたHTMLの貼り付け
- 不要なタグの削除
よくある質問
Q1:1行テキストで改行は入力できますか?
A:入力はできますが、表示は1行になります。
改行は無視されて、スペースに置き換えられます。
複数行で表示したい場合は、複数行テキストを使用してください。
Q2:複数行テキストを並べ替えできませんか?
A:SharePointの標準機能では不可能です。
どうしても並べ替えが必要な場合は、以下の方法があります。
- データをExcelにエクスポートして並べ替える
- カスタムビューを作成(上級者向け)
- Power Appsでカスタムフォームを作成
ただし、基本的には複数行テキストは並べ替えできないものと考えてください。
Q3:既存のデータを失わずに列の種類を変更できますか?
A:1行テキスト→複数行テキストへの変更は、データを失わずに可能です。
逆方向(複数行→1行)は、255文字を超えるデータがある場合、切り捨てられます。
変更前に必ずデータを確認してください。
Q4:複数行テキストで画像を挿入できますか?
A:リッチテキストモードでは、画像のURLを指定して挿入できます。
ただし、ローカルファイルからの直接アップロードはできません。
画像は別途SharePointライブラリにアップロードして、そのURLを使用します。
Q5:リストビューで複数行テキストの全文を表示できますか?
A:モダンUIでは、複数行テキストは省略表示されます。
全文を見るには、アイテムを開く必要があります。
クラシックUIに切り替えると、全文が表示されますが、レイアウトが崩れることがあります。
一覧表示を重視する場合は、複数行テキストは非表示にして、別の列で管理することをおすすめします。
Q6:文字数のカウントはどうやって確認しますか?
A:SharePoint標準では文字数カウント機能はありません。
確認方法
- テキストをコピー
- Wordやテキストエディタに貼り付け
- 文字数をカウント
または、Power Automateで文字数をカウントして、別の列に表示することも可能です。
まとめ
SharePointの1行テキストと複数行テキストには、明確な違いがあります。
1行テキストの特徴
- 最大255文字
- 1行表示
- 並べ替え可能
- 計算やルックアップで使用可能
- 柔軟性が高い
- 短いテキストに最適
複数行テキストの特徴
- 最大63,999文字
- 複数行表示
- 並べ替え不可
- 書式設定可能(リッチテキスト)
- 変更履歴保持可能
- 長文に最適
使い分けの基本原則
- 迷ったら1行テキストを使う
- 明らかに長文になる場合は複数行テキスト
- 並べ替えが必要なら1行テキスト
- 書式設定が必要なら複数行テキスト
列の変更時の注意
- 1行→複数行:データ損失なし、変更可能
- 複数行→1行:255文字超はデータ損失のリスク
- Power Automateを使用している場合は、フローの更新が必要
適切な列の種類を選択することで、効率的なデータ管理が可能になります。
プロジェクトの要件をよく検討して、最適な選択をしましょう。


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