SharePointを使用していて「502 Bad Gateway」というエラーに遭遇したことはありませんか。
502エラーはサーバー間の通信障害を示すもので、ユーザー側では直接解決できない厄介なエラーです。
この記事では、SharePointで発生する502エラーの原因、ユーザー・管理者それぞれの対処法、そして予防策まで詳しく解説します。
502エラーとは

502エラーは「502 Bad Gateway」と表示されるHTTPステータスコードです。
502エラーの意味
502エラーは、Webサーバーがゲートウェイまたはプロキシサーバーから無効な応答を受け取ったことを意味します。
正常な通信の流れ
- ユーザーがSharePointにアクセス
- ゲートウェイ/プロキシサーバーが要求を受け取る
- バックエンドのSharePointサーバーに転送
- SharePointサーバーが処理して応答
- ゲートウェイ経由でユーザーに結果を返す
502エラーが発生する流れ
- ユーザーがSharePointにアクセス
- ゲートウェイ/プロキシサーバーが要求を受け取る
- バックエンドサーバーに転送を試みる
- サーバーが応答しないか、無効な応答を返す
- ゲートウェイが「502 Bad Gateway」エラーを返す
つまり、中継サーバーと実際のSharePointサーバー間で通信問題が発生している状態です。
SharePointでの表示例
SharePointで502エラーが発生すると、以下のようなメッセージが表示されます。
表示メッセージの例
- 「502 Bad Gateway」
- 「502 Server Error」
- 「502 – Web サーバーがゲートウェイまたはプロキシ サーバーとして機能しているときに無効な応答を受信しました」
- 「The SharePoint server returned an error: (502) Bad Gateway」
画面が真っ白になり、エラーメッセージだけが表示されることが一般的です。
SharePointで502エラーが発生する主な原因
SharePointで502エラーが発生する原因は複数あります。
原因1:サーバー間の通信障害
SharePointファームの2つのサーバー間で通信が失敗すると、502エラーが発生します。
発生シナリオ
- フロントエンドサーバーとバックエンドサーバー間の接続断
- ファーム内の複数サーバー間のネットワーク問題
- サーバーの一時的なダウンまたは再起動
SharePoint Onlineの場合も、Microsoftのデータセンター内で同様の問題が発生する可能性があります。
原因2:プロキシサーバーの問題
プロキシサーバーが関与している場合、プロキシとSharePointサーバー間でエラーが発生することがあります。
プロキシ関連の問題
- プロキシサーバーの設定ミス
- プロキシのタイムアウト設定が短すぎる
- プロキシサーバーの過負荷
- プロキシとバックエンドサーバー間のネットワーク断
企業環境では、プロキシサーバーを経由してSharePointにアクセスするケースが多いため、この原因は特に重要です。
原因3:サーバーのタイムアウト
リクエストの処理に時間がかかりすぎると、タイムアウトが発生して502エラーになります。
タイムアウトが発生するケース
- 大量のデータを処理している
- 複雑なクエリを実行している
- サーバーのリソースが不足している
- ネットワークの応答が遅い
タイムアウト設定が短すぎる場合、正常なリクエストでもエラーになることがあります。
原因4:サーバーの過負荷
SharePointサーバーに過度なアクセスが集中すると、処理しきれずに502エラーが発生します。
過負荷の原因
- 同時アクセス数の急増
- 大容量ファイルの一斉アップロード
- 重いワークフローの大量実行
- サーバースペック不足
アクセスが集中する時間帯に頻発する場合は、サーバー過負荷が原因の可能性が高いです。
原因5:DNS解決の問題
DNSサーバーが正しく応答しない、またはバックエンドサーバーのFQDNを解決できない場合にも502エラーが発生します。
DNS関連の問題
- DNSサーバーが応答していない
- ドメイン名の解決に失敗
- カスタムDNSの設定ミス
- DNS キャッシュの問題
特にオンプレミスのSharePoint環境では、DNS設定が原因となることがあります。
原因6:ファイアウォールやセキュリティ設定
ファイアウォールの誤った設定により、正常なアクセスが遮断されて502エラーになることがあります。
セキュリティ設定の問題
- ファイアウォールルールの設定ミス
- ネットワークセキュリティグループ(NSG)の制限
- Webアプリケーションファイアウォール(WAF)の誤検知
- SSL/TLS証明書の不一致
正常なトラフィックを不正アクセスと誤認識して遮断している可能性があります。
原因7:API呼び出しやPower Automateの問題
SharePoint REST APIやPower Automateを使用している場合、特定の条件で502エラーが発生することがあります。
API関連の問題例
- メジャーバージョンのファイルプロパティ更新時のエラー
- 不正なフィールド値の送信
- データサイズの制限超過
- 無効なテキスト値の入力
Power Automateのフローで502エラーが発生する場合、データ型の不一致やフィールド制限が原因のことが多いです。
ユーザー側でできる対処法
502エラーは基本的にサーバー側の問題ですが、ユーザーができる対処法もあります。
対処法1:ページをリロードする
最も簡単な対処法は、ページを再読み込みすることです。
リロード方法
- F5キーを押す
- Ctrl + F5キーで強制リロード
- ブラウザの更新ボタンをクリック
一時的なネットワーク障害の場合、リロードすることで解決する可能性があります。
1〜2分待ってからリロードするとより効果的です。
対処法2:ブラウザのキャッシュをクリアする
ブラウザのキャッシュが原因で502エラーが表示されることがあります。
Google Chromeの場合
- Ctrl + Shift + Deleteを押します
- 「閲覧履歴データの削除」が表示されます
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れます
- 「データを削除」をクリックします
Microsoft Edgeの場合
- Ctrl + Shift + Deleteを押します
- 「閲覧データをクリア」が表示されます
- 「キャッシュされた画像とファイル」を選択します
- 「今すぐクリア」をクリックします
キャッシュをクリアしたら、再度SharePointにアクセスしてみてください。
対処法3:別のブラウザで試す
使用しているブラウザに問題がある可能性があります。
試すべきブラウザ
- Microsoft Edge
- Google Chrome
- Firefox
別のブラウザで正常にアクセスできる場合、元のブラウザの拡張機能や設定が原因の可能性があります。
対処法4:DNSキャッシュをクリアする
ローカルのDNSキャッシュが古い場合、502エラーが発生することがあります。
Windowsでの手順
- コマンドプロンプトを管理者として開きます
- 以下のコマンドを入力します
ipconfig /flushdns
- 「DNS リゾルバー キャッシュは正常にフラッシュされました」と表示されます
DNSキャッシュをクリアしたら、再度アクセスしてみましょう。
対処法5:他のユーザーも同じエラーか確認する
自分だけが502エラーに遭遇しているのか、他のユーザーも同様かを確認します。
確認方法
- 同僚に確認してもらう
- 別のデバイスからアクセスしてみる
- モバイル回線からアクセスしてみる
自分だけの場合は、ローカル環境の問題の可能性があります。
全ユーザーが同じエラーの場合は、サーバー側の問題です。
対処法6:時間をおいて再度アクセスする
一時的なサーバー障害やメンテナンスの可能性があります。
推奨する待ち時間
- 軽微な障害:5〜10分
- サーバーメンテナンス:30分〜1時間
- 大規模障害:数時間
時間をおいてから再度アクセスすると、問題が解決していることがあります。
対処法7:管理者に連絡する
上記の対処法を試しても解決しない場合は、SharePoint管理者に連絡しましょう。
連絡時に伝える情報
- エラーが発生した日時
- アクセスしようとしたページのURL
- エラーメッセージの全文
- 他のユーザーの状況
- 試した対処法
詳細な情報を提供することで、管理者が迅速に問題を特定できます。
管理者側でできる対処法
SharePoint管理者は、以下の対処法を試すことができます。
対処法1:サーバー状態の確認
まず、SharePointサーバーの状態を確認します。
SharePoint Onlineの場合
- Microsoft 365管理センターにアクセスします
- 「正常性」→「サービス正常性」を開きます
- SharePoint Onlineのステータスを確認します
- 障害情報や計画メンテナンスがないか確認します
オンプレミスSharePointの場合
- サーバーマネージャーでサービスの状態を確認します
- イベントビューアーでエラーログを確認します
- SharePoint ULSログを確認します
サーバー側で障害が発生している場合、Microsoftまたはインフラ担当者による対応が必要です。
対処法2:IISログとSharePoint ULSログの確認
ログを詳細に調査することで、エラーの原因を特定できます。
IISログの確認場所
- デフォルトパス:
C:\inetpub\logs\LogFiles - 502エラーのエントリを検索します
- タイムスタンプとリクエストURLを確認します
SharePoint ULSログの確認
- SharePoint管理シェルを開きます
Get-SPLogEventコマンドで最近のエラーを確認します- 502エラーに関連するエントリを探します
ログから具体的なエラー原因が判明することがあります。
対処法3:サーバーの再起動
一時的な問題の場合、サーバーを再起動することで解決できます。
SharePoint Onlineの場合
Microsoftが管理しているため、ユーザー側でサーバーを再起動することはできません。
オンプレミスSharePointの場合
- ユーザーに事前通知します
- SharePointサービスを停止します
- IISを再起動します
- SharePointサービスを開始します
- 正常動作を確認します
営業時間外に実施することをおすすめします。
対処法4:タイムアウト設定の調整
タイムアウトが原因の場合、設定を延長することで解決できます。
IISのタイムアウト設定
- IISマネージャーを開きます
- 該当のアプリケーションプールを選択します
- 「詳細設定」を開きます
- 「アイドルタイムアウト」を延長します(例:20分→30分)
- 「接続タイムアウト」も確認します
Application Request Routing(ARR)の場合
- IISマネージャーでARR設定を開きます
- プロキシ設定でタイムアウト値を増やします
- サーバーを再起動します
タイムアウトを延長しすぎると、他の問題が発生する可能性があるため注意が必要です。
対処法5:サーバー負荷の軽減
サーバーの過負荷が原因の場合、以下の対策を検討します。
即時対応
- 不要なワークフローやジョブを一時停止する
- アクセス制限を一時的にかける
- キャッシュを有効活用する
長期的対策
- サーバースペックのアップグレード
- ロードバランサーの導入
- CDNの活用
- 自動スケーリングの設定(SharePoint Online)
アクセスパターンを分析して、適切な対策を講じましょう。
対処法6:ファイアウォール設定の見直し
ファイアウォールが原因の場合、設定を確認します。
確認項目
- SharePointで使用するポートが開放されているか
- IPアドレス制限が適切か
- WAFルールが正しいか
- SSL/TLS証明書が有効か
設定を変更する前に、必ずバックアップを取ってください。
変更後は、段階的にテストを実施します。
対処法7:DNS設定の確認
DNS関連の問題の場合、以下を確認します。
確認項目
- DNSサーバーが正常に動作しているか
- Aレコード・CNAMEレコードが正しいか
- SharePointサーバーのFQDNが解決できるか
- カスタムDNSの設定が適切か
検証方法
- コマンドプロンプトを開きます
nslookup <SharePointのFQDN>を実行します- 正しいIPアドレスが返ってくるか確認します
DNS設定に問題がある場合は、ネットワーク管理者と協力して修正します。
対処法8:プロキシ設定の確認
プロキシサーバー経由でアクセスしている場合、プロキシ設定を確認します。
確認項目
- プロキシのタイムアウト設定
- プロキシのキャッシュ設定
- プロキシとバックエンド間の接続
- プロキシサーバーのリソース使用状況
プロキシログを確認することで、詳細なエラー原因が判明することがあります。
Power Automateでの502エラー対処法

Power AutomateでSharePointに接続する際の502エラーには、特有の対処法があります。
問題:メジャーバージョン更新時の502エラー
ファイルがメジャーバージョンの状態でプロパティを更新しようとすると、502エラーが発生することがあります。
解決方法
validateUpdateListItem() APIを使用する際に、ModifiedフィールドとEditorフィールドを追加します。
[
{
"FieldName": "YourField",
"FieldValue": "YourValue"
},
{
"FieldName": "Modified",
"FieldValue": "formatDateTime(utcNow(),'g')"
},
{
"FieldName": "Editor",
"FieldValue": "concat('[{''Key'':''',triggerOutputs()?['body/Editor/Claims'],'''}]')"
}
]
これらのフィールドを含めることで、502エラーを回避できます。
問題:無効なテキスト値エラー
フローで「Invalid text value」というメッセージと共に502エラーが発生する場合があります。
原因
- フィールドに許容されるサイズを超えるデータを送信している
- データ型が一致していない
- 特殊文字が含まれている
解決方法
- SharePointのフィールド設定を確認します
- 最大文字数制限を確認します
- データ型が正しいか確認します
- 特殊文字をエスケープまたは削除します
データを送信する前に、バリデーションを追加することをおすすめします。
問題:ライブラリ作成時の502エラー
特定のサブサイトでライブラリを作成すると502エラーが発生するケースがあります。
特徴
- ライブラリは正常に作成される
- しかし、フローは502エラーで失敗と表示される
原因
- コンテンツタイプの設定問題
- サイトポリシーの制限
- 権限の問題
解決方法
- ルートサイトや他のサブサイトで同じフローを試します
- 問題のサブサイトの設定を確認します
- コンテンツタイプとサイトポリシーをレビューします
場合によっては、サブサイトの設定をリセットする必要があります。
502エラーの予防策
502エラーの発生を未然に防ぐための予防策を紹介します。
予防策1:定期的な監視
サーバーとネットワークの状態を常時監視することで、問題を早期発見できます。
監視項目
- サーバーのCPU・メモリ使用率
- ネットワークトラフィック
- 応答時間
- エラー発生率
監視ツールの導入
- Azure Monitor(SharePoint Online)
- System Center Operations Manager(オンプレミス)
- サードパーティの監視ツール
異常なトラフィックやエラー増加時にアラートを設定しましょう。
予防策2:適切なサーバースペック
サーバーのリソースが不足すると、502エラーのリスクが高まります。
推奨事項
- アクセス数に応じた適切なスペックを選択
- ピーク時の負荷を考慮
- 将来の成長を見込んだ余裕を持たせる
- 定期的なパフォーマンステストの実施
SharePoint Onlineの場合、必要に応じてプランのアップグレードを検討します。
予防策3:自動スケーリングの設定
アクセス増加時に自動的にリソースを追加することで、過負荷を防げます。
SharePoint Onlineの場合
Microsoftが自動的に管理しています。
オンプレミスやAzure VMの場合
- Azure Auto Scaleを設定
- 負荷に応じてVMを増減
- ロードバランサーと組み合わせる
自動スケーリングにより、常に適切なリソースを確保できます。
予防策4:定期的なバックアップ
問題発生時に迅速に復旧できるよう、定期的なバックアップが重要です。
バックアップ対象
- SharePointデータベース
- サーバー設定
- カスタマイゼーション
- ワークフロー定義
推奨バックアップ頻度
- 重要データ:毎日
- 設定情報:週次
- 完全バックアップ:月次
バックアップからの復元テストも定期的に実施しましょう。
予防策5:タイムアウト設定の最適化
適切なタイムアウト設定により、不要な502エラーを防げます。
設定のポイント
- 処理時間の実測値に基づいて設定
- 余裕を持たせる(実測値の1.5〜2倍)
- 定期的に見直す
短すぎるタイムアウトは502エラーの原因になり、長すぎるタイムアウトはユーザー体験を悪化させます。
予防策6:CDNの活用
静的コンテンツをCDNで配信することで、サーバー負荷を軽減できます。
CDNのメリット
- サーバー負荷の分散
- 応答速度の向上
- 502エラーのリスク軽減
SharePoint OnlineではOffice 365 CDNが利用できます。
予防策7:定期的なメンテナンス
システムの健全性を保つため、定期的なメンテナンスを実施します。
メンテナンス項目
- セキュリティパッチの適用
- 不要なデータの削除
- ログファイルのクリーンアップ
- パフォーマンスチューニング
計画的なメンテナンスにより、予期しない502エラーを防げます。
まとめ
SharePointの502エラーについて解説しました。
502エラーの基本
502エラーは「Bad Gateway」を意味し、サーバー間の通信障害を示します。
ゲートウェイまたはプロキシサーバーがバックエンドサーバーから無効な応答を受け取った際に発生します。
主な原因
サーバー間通信障害、プロキシ問題、タイムアウト、サーバー過負荷、DNS問題、ファイアウォール設定、API呼び出しエラーなどが原因となります。
ユーザー側の対処法
ページのリロード、ブラウザキャッシュのクリア、別ブラウザでの確認、DNSキャッシュのクリア、時間をおいて再アクセス、管理者への連絡などを試します。
管理者側の対処法
サーバー状態確認、ログ調査、サーバー再起動、タイムアウト調整、負荷軽減、ファイアウォール見直し、DNS確認、プロキシ設定確認を実施します。
Power Automateでの対処
メジャーバージョン更新時はModifiedとEditorフィールドを追加します。
データ型とフィールド制限を確認し、バリデーションを実装します。
予防策
定期的な監視、適切なサーバースペック、自動スケーリング、定期バックアップ、タイムアウト最適化、CDN活用、定期メンテナンスが重要です。
502エラーは基本的にサーバー側の問題ですが、適切な対処と予防により、影響を最小限に抑えることができます。


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