SharePoint(シェアポイント)は、Microsoft社が提供する企業向けの情報共有・文書管理プラットフォームです。
クラウド上でファイルを保存・共有できるだけでなく、社内ポータルサイトの作成や業務プロセスの自動化など、多彩な機能を備えています。
Microsoft 365に含まれているため、WordやExcel、Teamsなどの他のMicrosoft製品とシームレスに連携できる点も大きな特徴です。
現在、世界中で20万社以上の企業がSharePointを活用しています。
テレワークが普及した現代において、場所を問わず情報にアクセスできるSharePointの重要性はますます高まっています。
SharePointの歴史と進化

SharePointは2001年に「SharePoint Portal Server」としてリリースされました。
当初はドキュメント管理ツールとしての側面が強かったものの、バージョンアップを重ねるごとに機能が拡充されてきました。
2010年以降、クラウド化が本格的に進み、現在の「SharePoint Online」がMicrosoft 365の一部として提供されるようになりました。
最新のSharePointは、AIや自動化技術との連携も進んでおり、業務効率化のプラットフォームとして進化を続けています。
なお、オンプレミス版の「SharePoint Server 2016」と「SharePoint Server 2019」は、2026年7月14日にサポートが終了する予定です。
該当バージョンを使用している場合は、クラウド版への移行を検討する必要があります。
SharePointとOneDriveの違いは?
SharePointとよく比較されるサービスに「OneDrive」があります。
どちらもMicrosoft社が提供するクラウドストレージサービスですが、利用目的と機能に明確な違いがあります。
SharePoint:
組織やチームでの利用を想定した企業向けサービスです。
複数のユーザーでファイルや情報を共有し、ポータルサイトを作成できます。
全文検索機能にも対応しており、ファイルの内容まで検索可能です。
OneDrive:
個人での利用を想定したサービスです。
基本的には本人以外アクセスできず、共有設定を行うことで他のユーザーもアクセスできるようになります。
ファイル名での検索のみに対応しています。
SharePointとOneDriveは連携できるため、個人のファイルはOneDriveで管理し、チームで共有するファイルはSharePointで管理するという使い分けが効果的です。
SharePointとTeamsの関係性
SharePointとTeamsは、どちらもMicrosoft 365のアプリケーションですが、主な目的が異なります。
SharePointは「情報共有・文書管理」を主目的としています。
一方、Teamsは「リアルタイムコミュニケーション」を主目的としたツールです。
実は、Teamsのチャネル内でファイルを共有すると、そのファイルは自動的にSharePointに保存されます。
TeamsのバックエンドでSharePointが動いているため、両者は密接に連携しているのです。
SharePointの主な機能
SharePointには、業務効率化に役立つ多彩な機能が搭載されています。
ここでは特に重要な機能を紹介します。
ポータルサイトの作成
SharePointでは、部署やプロジェクトごとに専用のポータルサイトを作成できます。
チームサイト:
少人数のチームでファイルや情報を共有し、共同作業を行うためのサイトです。
プロジェクトメンバー間での情報共有に最適です。
コミュニケーションサイト:
少数の作成者が多数の視聴者に向けて情報を発信するサイトです。
社内掲示板や全社向けのお知らせページとして活用できます。
多様なテンプレートが用意されているため、HTMLなどの専門知識がなくても、ドラッグ&ドロップの操作で簡単にサイトを構築できます。
ファイル共有とドキュメント管理
SharePointの中核となる機能がドキュメント管理です。
クラウド上にファイルをアップロードすると、チームメンバー全員がアクセスできるようになります。
ファイルごとに細かくアクセス権限を設定できるため、セキュリティも安心です。
さらに、変更履歴が自動的に記録されるバージョン管理機能により、過去のバージョンに戻すことも可能です。
誤って上書きしてしまった場合でも、以前の状態に復元できます。
リアルタイムでの共同編集
SharePointでは、複数のユーザーが同じファイルを同時に編集できます。
会議中に参加者全員で議事録を作成したり、企画書をリアルタイムで修正したりすることが可能です。
誰がどこを編集しているかが視覚的にわかるため、作業の重複を避けられます。
Word、Excel、PowerPointなどのOffice文書に対応しており、コメント機能を使ってフィードバックを残すこともできます。
ワークフローの自動化
SharePointのワークフロー機能を活用すると、承認プロセスをシステム上で完結できます。
従来の紙ベースの申請では、承認者を探して印鑑をもらう手間がかかりました。
SharePointなら、申請ボタンを押すだけで自動的に関係者に通知が送られ、承認状況も一目で把握できます。
スマートフォンからも申請・承認が可能なため、外出先や出張先からでも業務を進められます。
Power Automateと連携することで、さらに高度な業務自動化も実現できます。
強力な検索機能
SharePointには、必要な情報を素早く見つけられる検索機能が備わっています。
ファイル名だけでなく、ファイル内の本文まで検索対象となる「全文検索」に対応しています。
キーワードやファイルの種類、更新日などで絞り込み検索も可能です。
検索結果をその場で並び替えたり、フィルタをかけたりできるため、大量のファイルの中から目的の情報を効率的に探せます。
リスト機能
リストは、データベースのように情報を管理できる機能です。
顧客の連絡先、タスクの進捗状況、在庫管理など、さまざまな情報を表形式で整理できます。
Excelを操作する感覚で、データの入力や編集が行えます。
豊富なテンプレートが用意されているため、イベント管理や問い合わせ追跡など、用途に応じた形式を選択できます。
カスタムリストで自由にリストを作成することも可能です。
Microsoft 365製品との連携
SharePointの大きな強みが、他のMicrosoft製品とのシームレスな連携です。
Teamsとの連携:
Teams上でファイルを共有すると、自動的にSharePointに保存されます。
Teamsのタブ内にSharePointのページを表示することもできます。
Outlookとの連携:
SharePointの予定表をOutlookと同期できます。
自分のスケジュールとチームのスケジュールを一画面で管理できます。
OneDriveとの連携:
個人用のOneDriveとチーム用のSharePointを使い分けることで、効率的なファイル管理が実現します。
モバイル対応
SharePointはスマートフォンやタブレットからもアクセスできます。
専用のモバイルアプリが用意されており、外出先や移動中でもファイルの閲覧・編集が可能です。
プッシュ通知機能により、重要な更新情報をリアルタイムで受け取れます。
デバイスを問わずに業務を進められるため、働き方の柔軟性が高まります。
SharePointを使うメリット
SharePointを導入することで、企業はさまざまなメリットを享受できます。
情報の一元管理
部署やプロジェクトごとに散在していた情報を一箇所に集約できます。
必要な情報がどこにあるか迷うことがなくなり、検索の手間が大幅に削減されます。
コミュニケーションの活性化
ファイルの共同編集やコメント機能により、チーム内のコミュニケーションが活発になります。
メールでのやり取りが減り、情報伝達のスピードが向上します。
セキュリティの強化
Microsoftのセキュリティ管理下にあるため、外部からの不正アクセスに強固です。
ユーザーごとに細かいアクセス権限を設定できるため、情報漏洩のリスクも軽減されます。
業務の効率化
承認フローの自動化やテンプレートの活用により、定型業務にかかる時間を削減できます。
バージョン管理機能により、ファイルの二重管理や上書きミスも防止できます。
コスト削減
クラウドサービスのため、サーバーの購入や保守管理のコストが不要です。
紙の使用量も減らせるため、印刷コストや保管スペースの削減にもつながります。
SharePointの使い方
SharePointを使い始めるための基本的な手順を説明します。
SharePointへのアクセス
Microsoft 365にサインインした状態で、以下の手順でSharePointにアクセスできます。
- Webブラウザで office.com にアクセス
- 画面左上の「すべてのアプリ」をクリック
- アプリ一覧から「SharePoint」を選択
サイトの作成
- SharePointのスタートページで「+ サイトの作成」をクリック
- 「チームサイト」または「コミュニケーションサイト」を選択
- テンプレートを選択して「テンプレートを使用」をクリック
- サイト名や説明を入力して「次へ」をクリック
- プライバシー設定と言語を選択
- 「サイトの作成」をクリック
- 所有者とメンバーを追加して「完了」をクリック
ファイルのアップロード
- 作成したサイトを選択
- 左側のメニューから「ドキュメント」を選択
- ドキュメントエリアにファイルをドラッグ&ドロップ
複数のファイルをまとめてアップロードすることも可能です。
ファイルの共有
- 共有したいファイルの右側にある「…」をクリック
- 「共有」を選択
- メールアドレスを入力
- 「編集可能」「閲覧のみ可能」などの権限を設定
- 「送信」をクリック
リンクをコピーして、メールやチャットで直接共有することもできます。
SharePointの料金プラン

SharePointは以下のプランで利用できます。
Microsoft 365に含まれるプラン
個人・中小企業向け:
- Microsoft 365 Business Basic
- Microsoft 365 Business Standard
大企業向け:
- Office 365 Enterprise E1
- Office 365 Enterprise E3
- Office 365 Enterprise E5
これらのプランではSharePointが標準で含まれており、各ユーザーに1TBのストレージが提供されます。
単体プラン
SharePoint Online プラン1として、単体での購入も可能です。
ただし、Microsoft 365の他のアプリと連携できるメリットを活かすため、統合プランの利用が推奨されます。
料金の詳細は、Microsoft 365のプラン比較ページで確認できます。
SharePointが向いている企業
SharePointは特に以下のような企業や組織に適しています。
情報共有を強化したい企業
部署間での情報共有がスムーズでない場合、SharePointのポータルサイト機能が効果を発揮します。
全社共通の情報基盤を構築することで、情報の分断を解消できます。
複数拠点を持つ企業
本社と支社、工場と営業所など、離れた場所にいるメンバー間での情報共有が必要な企業に最適です。
場所を問わずリアルタイムで情報にアクセスできます。
ドキュメント管理が煩雑な企業
契約書や社内規程、マニュアルなどの管理が煩雑になっている企業に有効です。
バージョン管理や検索機能により、必要な文書を素早く見つけられます。
ワークフローを効率化したい企業
承認プロセスに時間がかかっている企業では、ワークフロー機能の活用が効果的です。
申請から承認までの時間を大幅に短縮できます。
Microsoftツールを使用している企業
既にOffice製品やTeamsを使用している企業なら、SharePointとの連携によりさらなる効率化が期待できます。
慣れ親しんだインターフェースで操作できる点も導入のハードルを下げます。
SharePoint導入時の注意点
SharePointを効果的に活用するために、導入時に注意すべきポイントがあります。
目的の明確化
SharePointは多機能なため、導入目的を明確にすることが重要です。
「何のために」「どの機能を」「誰が」使うのかを事前に整理しましょう。
段階的な展開
すべての機能を一度に導入すると、ユーザーが混乱する可能性があります。
まずは一部の部署やプロジェクトで試験的に導入し、成功事例を作ってから全社展開するアプローチが効果的です。
ユーザー教育
新しいツールを導入する際は、ユーザー向けの研修や説明会が不可欠です。
基本的な操作方法やルールを共有し、質問に答える体制を整えましょう。
運用ルールの策定
ファイルの命名規則、フォルダ構造、アクセス権限の管理など、運用ルールを事前に決めておくことが大切です。
ルールがないと、情報が整理されず、かえって混乱を招く可能性があります。
既存データの移行計画
既存のファイルサーバーやクラウドストレージからSharePointへデータを移行する場合は、計画的に進める必要があります。
どのデータを移行するか、どのような構造で保存するかを検討しましょう。
まとめ
SharePointは、企業の情報共有と業務効率化を強力に支援するプラットフォームです。
ファイル共有やドキュメント管理といった基本機能に加え、ポータルサイトの構築、ワークフローの自動化、強力な検索機能など、多彩な機能を備えています。
Microsoft 365の他のアプリとシームレスに連携できる点も大きな強みです。
TeamsやOneDrive、Outlookと組み合わせることで、さらに効率的な業務環境を構築できます。
導入にあたっては、目的を明確にし、段階的に展開することが成功の鍵です。
適切な運用ルールを設けることで、SharePointの効果を最大限に引き出せます。
情報の一元管理や業務の効率化を目指す企業にとって、SharePointは検討する価値のあるツールです。

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