新しいMacを購入したとき、古いMacから設定やデータを引き継ぐ作業が必要になりますよね。
「データ移行って難しそう」「失敗したらどうしよう」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、Appleが用意している「移行アシスタント」という機能を使えば、ほとんどの作業を自動で行ってくれるんです。一方で、「新しいMacをクリーンな状態で使いたい」という方には手動移行という選択肢もあります。
今回は、移行アシスタントを使った自動移行と手動移行の両方について、メリット・デメリットを含めて詳しく解説していきます。
移行アシスタントとは?

Apple公式のデータ移行ツール
移行アシスタントは、macOSに標準で搭載されているApple公式のデータ移行ツールです。
このツールを使うと、書類、アプリケーション、ユーザーアカウント、各種設定などを古いMacから新しいMacへ自動的に転送できます。
移行元となる機器は以下の3つから選べます:
- 別のMac:直接Mac同士でデータを転送
- Time Machineバックアップ:外付けHDDなどに保存したバックアップから復元
- Windowsパソコン:Windows用の移行アシスタントを使用
移行できる主なデータ
移行アシスタントで転送できる主なデータは次の通りです。
ユーザーアカウント
各ユーザーのアカウント情報と設定が引き継がれます。
アプリケーション
インストール済みのアプリが新しいMacにコピーされます。ただし、macOSのバージョンに対応していないアプリは転送されない場合があります。
書類とファイル
デスクトップ、書類フォルダ、ダウンロードフォルダ、写真、音楽、動画などのファイルが転送されます。
システム設定
Wi-Fi設定、プリンター設定、カスタマイズした環境設定などが引き継がれます。
メール・連絡先・カレンダー
メールアカウント、連絡先、カレンダーの予定などが転送されます。
移行アシスタントの使い方|Mac to Macの場合
移行前の準備
移行作業を始める前に、以下の準備を行いましょう。
1. 両方のMacでソフトウェアをアップデート
システム環境設定(またはシステム設定)から「ソフトウェアアップデート」を開き、利用可能な最新のアップデートをすべてインストールします。
2. 両方のMacを近くに置く
特にWi-Fiで転送する場合は、2台のMacを近くに配置しておくと転送が安定します。
3. 電源に接続
移行には時間がかかるため、両方のMacを電源に接続しておきましょう。
4. ウイルス対策ソフトやファイアウォールをオフ
セキュリティソフトが転送を妨げる可能性があるため、移行が完了するまで一時的にオフにします。
新しいMac側の操作手順
初めて起動する場合
新しいMacを初めて起動すると、設定アシスタントが自動的に起動します。言語、国、Wi-Fi設定などを進めていくと、「情報を転送」という画面が表示されるので、そこで移行アシスタントを選択できます。
すでに初期設定が完了している場合
- Finderを開き、「アプリケーション」→「ユーティリティ」フォルダを開きます
- 「移行アシスタント」をダブルクリックします
- 管理者パスワードを入力して「OK」をクリックします
転送方法の選択
「Mac、Time Machine、または起動ディスクから」を選択し、「続ける」をクリックします。
古いMac側の操作手順
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」から「移行アシスタント」を開きます
- 「続ける」をクリックします
- 管理者パスワードを入力して「OK」をクリックします
- 「別のMacへ」を選択し、「続ける」をクリックします
この時点で、すべての開いているアプリケーションが自動的に終了します。
接続とデータ転送
1. Mac同士を認識
新しいMacの画面に古いMacが表示されるので、選択して「続ける」をクリックします。
2. セキュリティコードの確認
両方のMacに6桁のセキュリティコードが表示されます。コードが一致していることを確認して、古いMac側で「続ける」をクリックします。
3. 転送するデータを選択
移行アシスタントが転送可能なデータの容量を計算します。計算が終わったら、転送したいデータのカテゴリにチェックを入れて「続ける」をクリックします。
4. 転送の完了を待つ
転送するデータ量によって、数時間かかる場合があります。画面には残り時間と進捗状況が表示されるので、完了するまで待ちましょう。
Time Machineバックアップから移行する方法
Time Machineバックアップを使うメリット
Time Machineバックアップからの移行には、次のようなメリットがあります。
古いMacが手元になくても移行できる
すでに古いMacを処分してしまった場合でも、バックアップさえあれば移行可能です。
安定した転送
外付けHDDやSSDから直接転送するため、ネットワークの影響を受けません。
Time Machineからの移行手順
- Time Machineバックアップを保存した外付けドライブを新しいMacに接続します
- 新しいMacで移行アシスタントを開き、「続ける」をクリックします
- 「Mac、Time Machine、または起動ディスクから」を選択し、「続ける」をクリックします
- Time Machineバックアップを選択して「続ける」をクリックします
- バックアップの日時一覧から、復元したいバックアップを選択します
- 転送したい情報を選択して「続ける」をクリックします
- 転送が完了するまで待ちます
Windowsパソコンから移行する方法
Windows移行アシスタントの準備
Windows 10以降のパソコンからMacへデータを移行することもできます。
1. Windows移行アシスタントをダウンロード
Apple公式サイトから、使用しているmacOSのバージョンに対応したWindows移行アシスタントをダウンロードしてインストールします。
2. 両方のコンピュータを準備
- Windowsパソコンの最新アップデートをインストール
- 両方のコンピュータで開いているアプリをすべて終了
- 両方のコンピュータでBluetoothをオンに設定
移行手順
Mac側の操作
- 移行アシスタントを開き、「続ける」をクリックします
- 「Windowsパソコンから」を選択し、「続ける」をクリックします
Windows側の操作
- Windows移行アシスタントを起動します
- 画面の指示に従って操作します
- Macに表示されたコードを入力します
データの選択と転送
- MacがWindowsパソコンのドライブをスキャンして、移行可能なデータのリストを作成します
- 転送したい情報を選択または選択解除します
- 「続ける」をクリックして転送を開始します
Windowsから移行できる主なデータ
- 連絡先:Outlook、Peopleアプリの連絡先が「連絡先」アプリに転送されます
- カレンダー:OutlookやCalendarアプリの予定が「カレンダー」アプリに転送されます
- メール:OutlookやWindows Mailのメールと設定が「メール」アプリに転送されます
- ドキュメント:マイドキュメントなどのフォルダ
- 写真と動画:ピクチャフォルダなどの画像・動画ファイル
移行アシスタントのメリットとデメリット
メリット
1. 簡単で確実
難しい操作は不要で、画面の指示に従うだけで移行が完了します。
2. 作業環境がそのまま再現される
アプリの配置、デスクトップの状態、各種設定など、古いMacとほぼ同じ環境がすぐに使えます。
3. 転送漏れの心配が少ない
手動で移行する場合と違い、重要なファイルを移し忘れるリスクが低くなります。
デメリット
1. 不要なファイルも一緒に移行される
長年使っていたMacの場合、もう使わないアプリや不要なファイルもすべて転送されてしまいます。
2. 動作が重くなる可能性
古いOSのシステムファイルや設定が残ることで、新しいMacの動作が不安定になったり重くなったりする場合があります。
3. 転送に時間がかかる
特にWi-Fi経由の場合、大量のデータ転送には数時間以上かかることがあります。
手動移行という選択肢
手動移行がおすすめな人
次のような方には、移行アシスタントを使わない手動移行がおすすめです。
クリーンな環境で使いたい人
新しいMacを真っ新な状態から使い始めたい場合は、手動移行が最適です。
必要なデータだけを厳選したい人
長年蓄積された不要なファイルを断捨離したい場合に向いています。
macOSのバージョンが大きく異なる場合
古いOSから最新のOSへ移行する際、システムの互換性を考えると手動移行の方が安全な場合があります。
手動移行の基本的な流れ
1. 初期設定を「今は情報を転送しない」で進める
移行アシスタントのダイアログが表示されたら、左下の「今はしない」を選択します。
2. Apple IDでサインイン
既存のApple IDでサインインするか、新規作成します。
3. iCloudの設定
iCloud Driveを有効にすると、書類やデスクトップのファイルを自動的に同期できます。
4. 必要なアプリを再インストール
App StoreやWeb上から、必要なアプリを一つずつダウンロード・インストールします。
5. データを手動で転送
外付けHDDやクラウドストレージを使って、必要なファイルだけを新しいMacにコピーします。
手動移行で移すべき重要なデータ
書類フォルダ
仕事や個人の重要なファイルが保存されています。
デスクトップ
デスクトップに置いているファイルも忘れずにコピーします。
ダウンロードフォルダ
必要なファイルがあれば移行しましょう。
ピクチャ・ミュージック・ムービー
写真、音楽、動画などのメディアファイルを移行します。
ブラウザのブックマーク
SafariやChromeなどのブックマークをエクスポート・インポートします。
移行が進まないときの対処法
Wi-Fi接続が不安定な場合
Wi-Fi経由の移行で「残り時間が減らない」「進捗が止まる」という問題が発生することがあります。
解決策:ケーブルで接続
ThunderboltケーブルまたはEthernetケーブルで2台のMacを直接接続すると、高速で安定した転送が可能になります。
特にThunderboltケーブルは転送速度が非常に速いのでおすすめです。ただし、両方のMacに対応したケーブルを用意する必要があります。
転送に時間がかかりすぎる場合
転送するデータ量によっては、移行に数時間から一晩かかることもあります。
目安となる所要時間
- 小規模な転送(数十GB):30分〜1時間
- 中規模な転送(100GB前後):1〜3時間
- 大規模な転送(300GB以上):3時間以上
注意点
- 両方のMacを電源に接続しておく
- スリープモードにならないように設定
- 転送中は他の作業を避ける
一部のアプリが移行されない場合
macOSのバージョンに対応していないアプリや、新しいバージョンがすでにインストールされているアプリは、移行されないことがあります。
対処法
移行後に、Mac App Storeまたは開発元のWebサイトから最新版をダウンロード・インストールします。
移行前にやっておくべきこと

バックアップの作成
万が一に備えて、移行作業を始める前に必ずバックアップを作成しましょう。
Time Machineでバックアップ
外付けHDDやSSDを接続して、Time Machineでフルバックアップを取ります。
重要なファイルを別途保存
特に重要なファイルは、クラウドストレージ(iCloud Drive、Google Drive、Dropboxなど)にもコピーしておくと安心です。
古いMacの整理
移行前に不要なファイルを削除しておくと、転送時間を短縮できます。
削除すべきファイル
- もう使わないアプリケーション
- 大きなサイズの不要なファイル(古い動画、インストーラーなど)
- ダウンロードフォルダの中の不要なファイル
- ゴミ箱の中身
アカウント情報の確認
各種サービスのログイン情報を事前に確認・整理しておきましょう。
確認すべき情報
- Apple IDのメールアドレスとパスワード
- 各種アプリのライセンスキー
- クラウドサービスのログイン情報
移行後にやるべきこと
動作確認
移行が完了したら、以下の項目を確認しましょう。
1. すべてのファイルが移行されているか
重要なフォルダやファイルが正しく転送されているか確認します。
2. アプリケーションが正常に動作するか
よく使うアプリを起動して、問題なく動作するか確認します。
3. Wi-Fi、プリンター、周辺機器の設定
ネットワークや周辺機器が正しく認識・接続されているか確認します。
古いMacの処理
新しいMacが問題なく使えることを確認したら、古いMacの処理を行います。
売却・譲渡する場合
- データを完全にバックアップ
- Apple IDからサインアウト
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」で初期化
- macOSの再インストール
自分で使い続ける場合
サブマシンとして使う場合は、不要なファイルを削除して整理しましょう。
よくある質問
Q1:移行アシスタントと手動移行、どちらを選ぶべき?
A:初めてMacを買い替える方や、すぐに同じ環境で作業を始めたい方は移行アシスタントがおすすめです。一方、クリーンな状態で使いたい方や、不要なファイルを整理したい方は手動移行が向いています。
Q2:移行にはどれくらい時間がかかる?
A:転送するデータ量と接続方法によって異なります。Wi-Fi接続で100GB程度の場合、1〜3時間が目安です。ケーブル接続(Thunderbolt)ならより高速に転送できます。
Q3:移行アシスタント使用後、古いファイルは削除される?
A:いいえ、削除されません。移行アシスタントはデータを「コピー」するので、古いMacのデータは残ります。
Q4:移行後にアプリが起動しない場合は?
A:macOSのバージョンに対応していない可能性があります。開発元のWebサイトから最新版をダウンロードしてインストールしてください。
Q5:移行アシスタントは初期設定後でも使える?
A:はい、いつでも使えます。「アプリケーション」→「ユーティリティ」フォルダから移行アシスタントを起動できます。
まとめ
Macの設定引き継ぎには、移行アシスタントを使った自動移行と、手動での移行という2つの方法があります。
移行アシスタントは、書類、アプリ、設定などを簡単に転送できる便利なツールで、Mac to Mac、Time Machineバックアップ、Windowsパソコンの3つの移行元から選べます。
画面の指示に従うだけで移行できるため、初心者の方でも安心して使えます。ただし、不要なファイルも一緒に転送されるため、動作が重くなる可能性があることも理解しておきましょう。
一方、手動移行は時間と手間がかかりますが、クリーンな環境で新しいMacを使い始められるメリットがあります。必要なデータだけを厳選して移行したい方に最適です。
移行作業を始める前には、必ずバックアップを作成し、両方のMacでソフトウェアをアップデートしておくことが重要です。
自分の状況や目的に合わせて、最適な移行方法を選んでくださいね!

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