Googleで検索すると、あなたの検索履歴が記録されているって知っていましたか?
どのサイトを訪れたか、何に興味があるか、すべて追跡されています。
そんな追跡を避けたい人のために生まれたのが「Startpage.com」です。
この記事では、プライバシーを最優先する検索エンジンStartpage.comについて、仕組みから使い方まで詳しく解説します。
Startpage.comとは

基本情報
Startpage.comは、オランダに拠点を置くプライバシー重視の検索エンジンです。
Startpage B.V.という会社が運営しており、本社はオランダのハーグにあります。
「世界で最もプライベートな検索エンジン(The world’s most private search engine)」を自称しています。
最大の特徴
Startpageの一番の特徴は、Googleの検索結果を使いながら、個人情報を完全に保護することです。
Googleと同等の検索品質を維持しつつ、プライバシーを守れる珍しい検索エンジンです。
他のプライバシー重視検索エンジンの多くはBing(Microsoft)の検索結果を使っていますが、Startpageは違います。
Startpageの誕生と歴史
プライバシー保護への道のりを見てみましょう。
1998年:Ixquickとして誕生
Startpageの起源は、1998年にデビッド・ボドニックが設立した「Ixquick」というメタ検索エンジンです。
最初はプライバシーに特化していたわけではありませんでした。
2000年にオランダのサーフボード・ホールディングBVが買収しました。
2006年:プライバシー重視へ転換
2005年に実施された監査で、大量の個人情報を保有していることが判明しました。
検索クエリ、訪問日時、クリックしたリンク、IPアドレスなど、膨大なデータが蓄積されていたのです。
これを問題視した経営陣は、2006年にすべての古いデータを削除しました。
新しいポリシー「ユーザーの個人データを一切収集しない」を掲げました。
これがStartpageのプライバシー保護の始まりです。
2009年:Startpage.comの誕生
2009年7月7日、Ixquickは「Startpage.com」という新しいサービスを開始しました。
覚えやすく、入力しやすいドメイン名になりました。
Ixquickとの違いは、Google検索エンジンの結果のみを表示することでした。
同じ年の2009年1月から、IPアドレスの記録も完全に停止しました。
2018年:ブランド統一
2018年春から夏にかけて、Ixquick名義のサービスをすべてStartpage.comに統一しました。
以降は「Startpage」ブランドのみを使用しています。
2019年:買収と論争
2019年1月、広告企業System1の一部門であるPrivacy One Group Ltdが買収しました。
この買収は最初透明性が不足していたため、プライバシー研究者の間で懸念が生じました。
一時的にPrivacyToolsのレビューサイトから削除されることもありました。
しかし、Startpageはプライバシー保護の理念を維持することを明言し、最終的には信頼を回復しました。
Startpageがプライバシーを保護する仕組み
どうやって個人情報を守っているのか、詳しく見てみましょう。
Googleとの間に入る
Startpageは、ユーザーとGoogleの間に立つ「仲介者」として機能します。
手順1:あなたがStartpageで検索
検索キーワードを入力します。
手順2:Startpageが個人情報を削除
Startpageのサーバーが、あなたのIPアドレスや識別情報をすべて削除します。
手順3:匿名でGoogleに送信
個人情報が削除された検索クエリのみをGoogleに送信します。
手順4:Googleが結果を返す
Googleは誰が検索したか分からないまま、検索結果を返します。
手順5:あなたに結果を表示
Startpageが検索結果を受け取り、あなたに表示します。
この仕組みにより、Googleと同じ検索結果を得ながら、プライバシーを完全に保護できます。
収集しない情報
Startpageは以下の情報を一切収集しません。
IPアドレス
2009年から完全に記録を停止しています。
検索履歴
何を検索したか、一切記録されません。
クリック履歴
どの検索結果をクリックしたかも記録されません。
デバイス情報(フィンガープリント)
使用しているスマホやパソコンの情報も収集しません。
追跡Cookie
ユーザーを追跡するためのCookieは使用しません。
「ユーザーのIPアドレスを保存または共有しない唯一のプライベート検索エンジン」と自称しています。
暗号化通信
すべての通信はSSL/TLSで暗号化されています。
さらに、PFS(Perfect Forward Secrecy:完全転送秘匿性)という技術も使用しています。
PFSとは、「仮に秘密鍵が後から漏れても、過去の通信内容は解読できないようにする仕組み」です。
傍受や盗聴からもしっかり保護されています。
EUのプライバシー法に準拠
Startpageはオランダに拠点を置いているため、EUの厳格なプライバシー法の保護を受けています。
GDPR(一般データ保護規則)
EU市民のプライバシーを保護する法律に完全準拠しています。
米国の法律の影響を受けない
愛国者法(Patriot Act)やPRISMなどの米国政府の監視プログラムの対象外です。
2008年にはEuropean Privacy Seal (EuroPriSe)の認証を受けました。
2009年、2011年、2013年にも再認証されています。
匿名ビュー(Anonymous View)機能
検索結果だけでなく、訪問先のウェブサイトからも身元を隠せる機能です。
匿名ビューとは
検索結果のサイトをStartpageのプロキシ経由で閲覧できる機能です。
VPNのような働きをして、あなたの情報を隠してくれます。
検索結果の各リンクの横に「匿名ビューで訪問する」というボタンが表示されます。
匿名ビューの仕組み
このボタンをクリックすると、Startpageのサーバーを経由してサイトにアクセスします。
訪問先のサイトには以下の情報が隠されます。
あなたのIPアドレス
本来のIPアドレスではなく、Startpageのサーバーのアドレスが表示されます。
地域情報
どの国や地域からアクセスしているか分かりません。
ブラウザ情報
使用しているブラウザの種類や設定も隠されます。
リファラー情報
どこからそのサイトに来たかも隠されます。
匿名ビューのメリット
この機能を使うと、いくつかのメリットがあります。
追跡広告を防ぐ
一度訪問しただけで、その後ずっと関連広告が表示される現象を防げます。
地域制限を回避
国や地域によって異なる価格表示やコンテンツ制限を気にせず閲覧できます。
プライバシー保護
どのサイトを訪れたか、外部に知られません。
完全無料で、会員登録も不要です。
検索結果の品質
Googleの結果を使っているので、高品質な検索結果が期待できます。
パーソナライズされない検索
Googleは通常、検索履歴や閲覧履歴を分析して、個人ごとに最適化された結果を表示します。
これを「パーソナライゼーション」と言います。
一見便利に思えますが、問題点もあります。
フィルターバブル
自分の見たいもの以外が見えなくなり、情報の中で孤立する危険性があります。
偏った情報
特定の視点の情報ばかりが表示され、多様な意見に触れにくくなります。
Startpageの場合、パーソナライズ機能がないため、誰が検索しても同じ結果が表示されます。
これにより、ピュアで公平な検索結果を得られます。
検索精度について
Googleの検索エンジンを使用しているため、基本的な検索精度は高いです。
ただし、一部のユーザーからは「本家Googleと比べると少し精度が低い」という声もあります。
これは、パーソナライズ機能がないことと、独自のカスタマイズが影響している可能性があります。
検索する分野によっても精度は変わるようです。
検索速度について
Startpageの検索速度は、Googleと比べるとやや遅いと感じることがあります。
これは、ユーザーのプライバシーを保護するために、情報を匿名化してGoogleから検索結果を取得するプロセスに時間がかかるためです。
ただし、日常的な使用には支障のないレベルです。
Startpageの使い方
実際の使い方はとてもシンプルです。
基本的な使い方
手順1:Startpage.comにアクセス
ブラウザで「startpage.com」と入力します。
手順2:検索キーワードを入力
検索ボックスにキーワードを入力します。
手順3:検索ボタンをクリック
エンターキーを押すか、検索ボタンをクリックします。
手順4:結果を確認
Googleと同様の検索結果が表示されます。
GoogleやYahooと同じ感覚で使えます。
検索対象の選択
Startpageでは、検索対象を選択できます。
Web
通常のウェブページ検索です。
Images(画像)
画像を検索できます。
Videos(動画)
動画コンテンツを検索できます。
News(ニュース)
ニュース記事を検索できます。
検索結果ページの上部にあるタブで切り替えられます。
設定のカスタマイズ
検索結果ページの右上にある「Settings」から設定を変更できます。
Search Language(検索言語)
検索結果の言語を選択します。
日本語での検索なら「Japanese」を選びます。
Region(地域)
どの地域の検索結果を優先するか設定できます。
Appearance(外観)
テーマや色を変更できます。
Privacy Settings(プライバシー設定)
より詳細なプライバシー設定が可能です。
設定はCookieに保存されます(90日間有効)。
Cookieを使いたくない場合は、URLパラメータで設定を保存することもできます。
ブラウザでの設定方法

デフォルト検索エンジンとして設定すると、より便利に使えます。
Google Chrome
手順1:設定を開く
右上の三点リーダー(︙)をクリックして「設定」を選択します。
手順2:検索エンジンの設定
左側メニューから「検索エンジン」を選択します。
「検索エンジンの管理」をクリックします。
手順3:Startpageを追加
「その他の検索エンジン」の「追加」ボタンをクリックします。
名前、キーワード、URLを入力します。
手順4:デフォルトに設定
追加したStartpageの右側にある三点リーダーをクリックします。
「デフォルトに設定」を選択します。
これでアドレスバーからの検索がStartpageになります。
Firefox
手順1:拡張機能をインストール
Firefoxアドオンページで「Startpage」を検索します。
「Startpage HTTPS Privacy Search Engine」をインストールします。
または、手動で設定することもできます。
手順2:設定画面を開く
「設定」→「検索」と進みます。
手順3:デフォルト検索エンジンを変更
「既定の検索エンジン」のプルダウンメニューからStartpageを選択します。
これで検索バーやアドレスバーからStartpageで検索できます。
Vivaldi
VivaldiブラウザにはデフォルトでStartpageが登録されています。
2025年7月から、日本語版Vivaldiのデフォルト検索エンジンがStartpageになりました。
手順1:設定を開く
「設定」→「検索」と進みます。
手順2:デフォルトを選択
「デフォルト検索エンジン」からStartpageを選択します。
すぐに使い始められます。
Brave
BraveブラウザにもStartpageが用意されています。
手順1:設定を開く
右上のメニューから「設定」を選択します。
手順2:検索エンジン
左側メニューから「検索エンジン」を選択します。
手順3:Startpageを選択
検索エンジン一覧からStartpageを選択します。
Braveユーザーにも人気です。
スマホアプリ
StartpageはiOSとAndroid向けのアプリも提供しています。
アプリの特徴
単なる検索エンジンではない
SafariやChromeのような、フルブラウザアプリとして機能します。
プライバシー保護
検索だけでなく、ブラウジング全体がプライベートに保護されます。
タブ管理
複数のプライベートタブを安全に管理できます。
位置情報の保護
実際の位置を明かさずにマップを利用できます。
無料でダウンロードできます。
ダウンロード方法
iOS(iPhone/iPad)
App Storeで「Startpage」を検索してインストールします。
Android
Google Play ストアで「Startpage」を検索してインストールします。
言語設定で日本語を選択すれば、日本語での検索が可能です。
Startpageのメリット
プライバシー重視の検索エンジンとしての利点を整理しましょう。
強力なプライバシー保護
完全な匿名性
IPアドレスも検索履歴も、一切記録されません。
追跡なし
広告ターゲティングや第三者によるデータ収集のリスクがありません。
法的保護
EUのGDPRなど、世界で最も厳格なプライバシー法の保護下にあります。
プライバシーを何より重視する人にとって、最適な選択肢です。
Googleと同等の検索品質
高品質な検索結果
Googleの検索エンジンを使用しているため、検索精度が高いです。
馴染みのある結果
Googleからの乗り換えでも、違和感なく使えます。
他のプライバシー検索エンジンの多くはBingベースなので、これは大きなメリットです。
無料で使える
完全無料
すべての機能が無料で使えます。
登録不要
アカウント作成や個人情報の登録も不要です。
広告は控えめ
表示される広告は、検索キーワードに基づいたものだけです。
個人データに基づく広告は一切ありません。
収益は、検索キーワードに関連した文脈広告とアフィリエイトリンクから得ています。
匿名ビュー機能
VPNのような機能
別途VPNを契約しなくても、匿名でサイトを閲覧できます。
簡単に使える
検索結果からワンクリックで利用できます。
完全無料
この機能も追加料金なしで使えます。
プライバシーをさらに強化できます。
Startpageのデメリット
もちろん、いくつかの欠点もあります。
パーソナライズ機能がない
個人に最適化されない
検索履歴に基づいた個別最適化はありません。
便利さは劣る
Googleの便利なパーソナライズ機能は使えません。
これはメリットでもありデメリットでもあります。
検索速度がやや遅い
Googleより遅い
プライバシー保護のプロセスに時間がかかるため、若干遅く感じます。
許容範囲
とはいえ、日常使用には問題ないレベルです。
速度を最優先する人には向かないかもしれません。
日本語UIが一部未対応
設定画面が英語
ウェブサイト自体の日本語対応は限定的です。
検索結果は日本語
検索結果自体はGoogleベースなので、日本語でも問題ありません。
英語が苦手な人には、少し使いづらいかもしれません。
設定が消える
Cookieに依存
設定はCookieに保存されます(90日間有効)。
Cookieを削除すると設定も消える
ブラウザのCookieをクリアすると、設定もリセットされます。
アカウント同期がない
複数デバイスで設定を共有する機能はありません。
設定を頻繁に変える人には不便かもしれません。
他のプライバシー検索エンジンとの比較
代表的な競合サービスと比べてみましょう。
DuckDuckGo
共通点
どちらもプライバシーを重視しています。
違い
DuckDuckGoは独自のアルゴリズムとBingの結果を組み合わせています。
Startpageは純粋にGoogleの結果を使っています。
どちらが良い?
Googleの検索結果に慣れている人はStartpageの方が使いやすいでしょう。
DuckDuckGoの方が知名度は高く、ユーザー数も多いです。
Brave Search
独自インデックス
Brave SearchはGoogleやBingに依存せず、独自のインデックスを持っています。
AI要約機能
検索結果をAIが要約してくれる機能があります。
どちらが良い?
完全な独立性を求めるならBrave Search。
Googleの検索品質を求めるならStartpage。
Ecosia
環境保護
Ecosiaは検索収益を植林活動に使うエコロジー重視の検索エンジンです。
プライバシー
プライバシー保護も重視していますが、主目的は環境保護です。
検索結果
Bingの結果をベースにしています。
環境保護に関心がある人にはEcosiaが良いでしょう。
よくある質問
Startpageについてよく寄せられる質問にお答えします。
Startpageは安全ですか?
はい、安全で信頼できるサービスです。
2006年から運営されており、EUのプライバシー基準を満たしています。
HTTPS暗号化を使用しており、接続と検索データは安全です。
ノーログポリシーにより、たとえ誰かが検索履歴を要求しても、提供するデータは存在しません。
無料で使えますか?
はい、完全無料です。
すべての機能を追加料金なしで利用できます。
広告収入で運営されていますが、個人データを使わない文脈広告のみです。
Googleより良いですか?
目的によります。
プライバシーを重視するなら
Startpageの方が圧倒的に優れています。
便利さや機能性を重視するなら
Googleの方が優れています。
検索品質では
ほぼ同等です(Googleの結果を使用しているため)。
何を優先するかで選ぶべきです。
検索履歴は保存されますか?
いいえ、一切保存されません。
Startpageは厳格なノーログポリシーを採用しています。
検索履歴、IPアドレス、個人情報、すべて記録されません。
ブラウザを閉じれば、セッションは完全に消去されます。
どうやって収益を得ているのですか?
主に2つの方法で収益を得ています。
文脈広告
検索キーワードに関連した広告を表示します。
個人データではなく、その検索クエリのみに基づいています。
アフィリエイト
検索結果に関連したアフィリエイトリンクからも収益を得ています。
個人データの販売は一切行っていません。
VPNとTorは使えますか?
はい、使えます。
以前はVPNやTorユーザーに制限がありましたが、現在は撤廃されています。
2024年4月現在、TorやVPNユーザーへの特別な障壁はありません。
Startpageは公式のTor Hidden Serviceも提供しています。
どの言語に対応していますか?
UIは11言語に対応しています。
デンマーク語、ドイツ語、英語、スペイン語、フランス語、オランダ語、ノルウェー語、ポーランド語、ポルトガル語、スウェーデン語、日本語。
検索自体は82言語で可能です(2025年時点)。
日本語での検索も問題なく使えます。
会社が買収されたって本当?
はい、2019年に買収されました。
広告企業System1の子会社Privacy One Groupが買収しました。
最初は懸念の声もありましたが、Startpageはプライバシー保護の理念を維持すると明言しました。
創業者が技術的な変更を拒否できる権限を持っており、オランダに本社を置き続けることでEU法の保護下にあります。
まとめ
Startpage.comについて詳しく解説しました。
Startpageは、Googleの検索品質とプライバシー保護を両立した検索エンジンです。
オランダに拠点を置き、EUの厳格なプライバシー法に準拠しています。
IPアドレスや検索履歴を一切記録せず、完全な匿名性を提供します。
匿名ビュー機能を使えば、訪問先のサイトからも身元を隠せます。
Googleと同等の検索結果を得ながら、追跡や監視から解放されます。
デメリットとしては、パーソナライズ機能がないことや、検索速度が若干遅いことがあります。
また、設定画面の一部が英語で、Cookieに依存する設定管理も欠点です。
それでも、プライバシーを最優先する人にとって、Startpageは最良の選択肢の一つです。
GoogleやYahooから乗り換えても、ほとんど違和感なく使えます。
この記事を参考に、ぜひStartpageを試してみてください。


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