日本史の文化一覧|飛鳥から江戸まで全13種類を徹底解説

神話・歴史・文化

「飛鳥文化」「天平文化」「国風文化」……。日本史を勉強していると、次から次へと「〇〇文化」が出てきて混乱しませんか?

実はこれ、日本という国が約1400年かけて積み上げてきた「文化の履歴書」なんです。時代が変われば、権力者も変わる。権力者が変われば、流行も変わる。その変化の跡が「〇〇文化」として名前がついているわけですね。

この記事では、飛鳥時代から江戸時代までの主要な13の文化を、時代順にわかりやすく解説します。それぞれの文化が「どんな時代背景で生まれたのか」「何が特徴なのか」を押さえれば、日本史の流れがグッと見えてきますよ。


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日本史の文化は「外国の影響」と「日本独自」の繰り返し

まず大きな流れを押さえておきましょう。

日本の文化史には、ひとつのパターンがあります。それは「外国文化を取り入れる時期」と「日本独自の文化を育てる時期」が交互にやってくるということ。

たとえば飛鳥・天平文化は中国や朝鮮半島の影響をガンガン受けています。ところが国風文化になると「日本らしさ」を追求し始める。鎌倉時代にはまた中国(宋)の影響を受けて……という具合です。

この「輸入と独自化」の波を意識すると、各文化の特徴がつかみやすくなります。


古代の文化(飛鳥〜平安)

飛鳥文化|日本初の仏教文化

聖徳太子の時代、日本で初めて本格的な仏教文化が花開きました。

注目すべきは、この文化が「国際的」だったこと。朝鮮半島や中国はもちろん、遠くギリシャやインドの影響まで見られるんです。法隆寺の仏像をよく見ると、ギリシャ彫刻っぽい雰囲気があるのはそのためですね。

代表的な建築は、現存する世界最古の木造建築「法隆寺」。7世紀に建てられたものが今も残っているって、考えてみるとすごいことです。

白鳳文化|若々しい仏教芸術

大化の改新のあと、藤原京を中心に栄えた文化です。

飛鳥文化では「外国のマネ」という面もありましたが、白鳳文化になると日本人らしい感性が出てきます。仏像も、飛鳥時代のものより表情が柔らかく、おおらかな雰囲気に変わっていくんですね。

薬師寺の「薬師三尊像」は、この時代を代表する傑作です。

天平文化|国際色豊かな奈良の栄華

奈良時代、聖武天皇のもとで花開いた貴族・仏教文化です。「天平」という元号から名前がつきました。

この時代、日本は遣唐使を通じて唐(中国)の文化をどんどん取り入れていました。唐はシルクロードを通じて西アジアやインドともつながっていたので、天平文化は「シルクロードの終着点」とも言えます。

正倉院に残る宝物を見ると、ペルシャ風のガラス器や楽器があったりして、当時の国際性がうかがえますね。東大寺の大仏も、この時代に造られました。

弘仁・貞観文化|密教と唐風の融合

平安時代の前半、9世紀頃の文化です。最澄や空海が唐から持ち帰った密教の影響が色濃く出ています。

密教の世界観を表現した「曼荼羅」や、神秘的な雰囲気の仏像が特徴。空海が開いた高野山や、最澄の比叡山延暦寺は、この時代に基礎が築かれました。

国風文化|「ひらがな」が生んだ日本独自の美

894年、遣唐使が廃止されます。これをきっかけに、日本は独自の文化を育て始めました。

最大の発明は「かな文字」。漢字だけでは表現しにくかった日本人の感性を、ひらがな・カタカナで自由に表現できるようになったんです。

その結果生まれたのが「源氏物語」や「枕草子」。紫式部や清少納言といった女性作家が活躍できたのも、かな文字のおかげでした。

建築では「寝殿造」、絵画では「大和絵」が発展。今の日本文化の原点は、この国風文化にあると言っても過言ではありません。

院政期文化|貴族から武士へ、過渡期の文化

平安時代の終わりごろ、院政(上皇による政治)が行われた時期の文化です。

貴族の力が衰え、武士が台頭してくる過渡期。だからこそ、貴族たちは「自分たちの栄光を記録しておかなければ」と、歴史物語や絵巻物をたくさん作りました。

「平家物語」の原型もこの頃に生まれています。


中世の文化(鎌倉〜室町)

鎌倉文化|武士と庶民のための新しい仏教

源頼朝が鎌倉幕府を開き、武士が主役になった時代。文化も「質実剛健」に変わります。

一番の特徴は「鎌倉新仏教」の誕生。法然の浄土宗、親鸞の浄土真宗、日蓮の日蓮宗、栄西の臨済宗、道元の曹洞宗など、今も続く宗派がこの時代に生まれました。

どれも「難しい修行や学問は必要ない。念仏を唱えるだけ、座禅を組むだけでいい」という教え。戦で人を殺す武士や、字も読めない庶民でも救われる道を示したんですね。

彫刻では、運慶・快慶による東大寺南大門の「金剛力士像」が傑作。筋肉の躍動感、血管の浮き出た表現……見る者を圧倒する迫力です。

北山文化|金閣に見る公武融合

室町時代前期、3代将軍・足利義満の時代に栄えた文化です。

義満は南北朝を統一し、室町幕府の最盛期を築いた人物。政治だけでなく文化にも力を入れ、京都の北山に豪華な別荘を建てました。それが「金閣」です。

金閣の面白いところは、1階が貴族風(寝殿造)、2階が武家風、3階が禅宗風という「和洋折衷」ならぬ「公武折衷」になっていること。義満の権力の象徴ですね。

この時代、観阿弥・世阿弥の親子が「能」を大成させました。

東山文化|銀閣と「わび・さび」の誕生

室町時代後期、8代将軍・足利義政の時代の文化です。

義政は政治家としては失格でしたが、芸術のセンスは抜群。応仁の乱で京都が焼け野原になっても、東山に銀閣を建てて芸術活動に没頭しました。

金閣が「派手・豪華」なら、銀閣は「渋い・落ち着いた」印象。この時代に「わび・さび」という美意識が生まれ、茶の湯や生け花、水墨画など、今に続く日本文化の原型ができあがりました。

雪舟の水墨画も、この時代を代表する作品です。


近世の文化(安土桃山〜江戸)

桃山文化|天下人の豪華絢爛

織田信長・豊臣秀吉の時代。戦国の世が終わり、天下統一が進む中で生まれた文化です。

キーワードは「豪華絢爛」。安土城や大坂城といった巨大な城郭、狩野永徳の金碧障壁画、千利休の茶道など、スケールの大きさと洗練された美が共存しています。

面白いのは、茶道が「わび茶」として発展したこと。豪華な城と、狭くて質素な茶室が同じ時代に存在するんです。真逆のようで、どちらも「既存の価値観にとらわれない」という点では共通しています。

出雲阿国の「かぶき踊り」もこの時代に生まれ、後の歌舞伎へとつながっていきました。

寛永文化|江戸時代の幕開け

江戸時代初期、3代将軍・徳川家光の頃の文化です。

桃山文化の豪華さを引き継ぎながら、徳川幕府の安定した世の中を反映して、より洗練された文化へと変化していきます。

俵屋宗達の「風神雷神図屏風」、桂離宮や修学院離宮といった建築が代表的。京都を中心に、朝廷や上方の町衆が担い手でした。

元禄文化|上方発、町人パワーの文化

江戸時代中期、元禄年間(1688〜1704年)前後に上方(京都・大阪)で栄えた町人文化です。

戦のない平和な世の中が続き、経済が発展。お金を持った町人たちが文化の担い手になりました。

井原西鶴の浮世草子、近松門左衛門の人形浄瑠璃、松尾芭蕉の俳諧、菱川師宣の浮世絵、尾形光琳の装飾画……教科書で見たことのある名前がずらりと並びます。

「憂き世」を「浮世」と読み替え、現世を肯定的に楽しもうという気風が特徴。人間味あふれる、生き生きとした文化でした。

化政文化|江戸発、庶民のエンタメ文化

江戸時代後期、文化・文政年間(1804〜1830年)を中心に江戸で栄えた庶民文化です。

元禄文化との違いは「中心地」と「担い手」。上方から江戸へ、豪商から一般庶民へと広がりました。

十返舎一九の「東海道中膝栗毛」は、弥次さん喜多さんの珍道中を描いたコメディ。葛飾北斎の「富嶽三十六景」、歌川広重の「東海道五十三次」といった浮世絵は、今や世界的に有名ですね。

川柳や狂歌で世の中を風刺したり、お伊勢参りの旅行が流行したり……庶民が娯楽を楽しむ文化だったと言えます。


日本史の文化一覧表

各文化の特徴を一覧表にまとめました。復習にお役立てください。

文化名時代時期中心地担い手主な特徴代表的な作品・人物
飛鳥文化飛鳥時代7世紀前半飛鳥地方蘇我氏・聖徳太子日本初の仏教文化、国際色豊か法隆寺、釈迦三尊像、玉虫厨子
白鳳文化飛鳥時代後期7世紀後半藤原京天皇・貴族おおらかで若々しい仏教芸術薬師寺薬師三尊像、高松塚古墳壁画
天平文化奈良時代8世紀平城京天皇・貴族シルクロードの終着点、仏教国家東大寺、正倉院宝物、万葉集
弘仁・貞観文化平安時代前期9世紀平安京天皇・貴族・僧侶密教の影響、唐風文化の継続空海、最澄、室生寺五重塔
国風文化平安時代中期10〜11世紀平安京藤原氏・貴族日本独自の文化、かな文字の発達源氏物語、枕草子、寝殿造
院政期文化平安時代後期11〜12世紀平安京上皇・貴族浄土思想、絵巻物の発達平等院鳳凰堂、源氏物語絵巻
鎌倉文化鎌倉時代12〜14世紀鎌倉・京都武士・庶民・僧侶質実剛健、鎌倉新仏教金剛力士像、新古今和歌集、平家物語
北山文化室町時代初期14〜15世紀前半京都北山足利義満・公家・禅僧公武融合、華やか金閣、能(観阿弥・世阿弥)
東山文化室町時代中期15世紀後半京都東山足利義政・禅僧・庶民わび・さび、簡素な美銀閣、書院造、水墨画(雪舟)
桃山文化安土桃山時代16世紀後半京都・大坂大名・豪商豪華絢爛、仏教色薄い安土城、大坂城、障壁画(狩野永徳)
寛永文化江戸時代初期17世紀前半京都朝廷・幕府・町衆桃山の継承、洗練桂離宮、風神雷神図屏風(俵屋宗達)
元禄文化江戸時代中期17世紀末〜18世紀初頭上方(京都・大坂)豪商・町人町人文化、人間味井原西鶴、松尾芭蕉、近松門左衛門
化政文化江戸時代後期19世紀初頭江戸庶民大衆娯楽、風刺葛飾北斎、歌川広重、十返舎一九

まとめ

日本史の文化を振り返ってみると、いくつかのポイントが見えてきます。

  • 外国文化の吸収と日本化を繰り返してきた:飛鳥・天平→国風、鎌倉→室町……と、取り入れては消化するサイクルがある
  • 担い手は時代とともに広がった:天皇・貴族→武士→町人・庶民へと、文化を楽しむ層が拡大していった
  • 宗教(特に仏教)の影響が大きい:古代から中世にかけては仏教が文化の中心。近世になると仏教色が薄まり、町人の娯楽が中心に
  • 今の日本文化の原点が詰まっている:茶道、華道、能、歌舞伎、浮世絵……現代に続く伝統芸能や美術のルーツが各時代にある

「〇〇文化」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、結局は「その時代の人たちが何を面白いと思い、何に価値を感じたか」の記録です。そう考えると、日本史の文化も身近に感じられるのではないでしょうか。

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