世界史の条約一覧|古代から現代まで知っておきたい重要条約を徹底解説

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「条約」と聞くと、なんだか堅苦しいイメージがありませんか?でも実は、条約ってドラマチックなんです。戦争の勝者と敗者が向き合い、時には恨みや野心がぶつかり合い、そして世界の形が変わる——そんな瞬間が詰まっているのが条約なんですね。

この記事では、世界史を動かした重要な条約を時代別にわかりやすく解説します。受験勉強にも役立つ一覧表付きなので、ぜひ最後まで読んでみてください。


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条約とは?

条約とは、国と国との間で交わされる正式な約束事のことです。戦争の終結、領土の分割、貿易のルールなど、内容はさまざま。現代では国際機関との間で結ばれることもあります。

興味深いのは、条約の名前の多くが「地名」になっていること。ウェストファリア条約、ヴェルサイユ条約、ウィーン会議……これらは条約が締結された場所に由来しています。


古代〜中世の条約

世界最古の平和条約:エジプト・ヒッタイト平和条約

紀元前1269年頃、古代エジプトとヒッタイト王国の間で結ばれた条約で、現存する世界最古の平和条約とされています。「銀の条約」とも呼ばれ、条約文が銀板に刻まれていたことに由来します。

面白いのは、エジプト版とヒッタイト版で「どちらが先に和平を求めたか」が違うこと。お互い「相手からお願いしてきた」と記録しているんですね。外交の駆け引きは3000年以上前から変わらないようです。

ヴェルダン条約(843年)

カール大帝が築いたフランク王国を、孫の3人が分割した条約です。この条約によって、現在のフランス、ドイツ、イタリアの原型が生まれました。ヨーロッパの国境線のルーツとも言える重要な条約なんですね。


近世の条約(15〜18世紀)

トルデシリャス条約(1494年)

スペインとポルトガルが「新世界を半分こしよう」と決めた条約です。コロンブスのアメリカ到達から2年後、ローマ教皇の仲介のもとで結ばれました。

この条約で引かれた線によって、アメリカ大陸のほとんどはスペイン領、ブラジルはポルトガル領になることが決まりました。地球の反対側の土地を、当事者不在で勝手に分け合ってしまう——今では考えられないことですよね。

ウェストファリア条約(1648年)

三十年戦争を終結させた条約で、「近代国際法の出発点」と呼ばれることがあります。この条約によって、各国の主権と領土の不可侵性という考え方が確立されたとされているんですね。

ドイツの人口の約30%が失われたとも言われる悲惨な戦争の後、ヨーロッパは「もう宗教を理由に戦争するのはやめよう」という合意に至りました。現在の国際秩序の原型とも言える「ウェストファリア体制」という言葉は、この条約に由来しています。

ユトレヒト条約(1713年)

スペイン継承戦争を終結させた条約です。この条約でイギリスはジブラルタルを獲得し、植民地帝国としての基盤を固めました。

「フランスのルイ14世が孫をスペイン王にしたい」という野望から始まった戦争が、結果的にイギリスの覇権拡大につながったのは皮肉な話です。

パリ条約(1783年)

アメリカ独立戦争の講和条約で、イギリスがアメリカ合衆国の独立を正式に承認しました。アメリカにとっては「国家誕生の証明書」とも言える条約です。

ちなみに「パリ条約」という名前の条約は歴史上たくさんあるので、年号と一緒に覚えるのがポイントです。


19世紀の条約

ウィーン議定書(1815年)

ナポレオン戦争後のヨーロッパ秩序を再編した国際会議の成果です。オーストリアの外相メッテルニヒが主導し、「勢力均衡」の原則に基づいてヨーロッパの国境線が引き直されました。

この会議の最大の功績は、約100年間もヨーロッパで大規模な戦争が起きなかったこと。敗戦国フランスも交渉に参加させるなど、後のヴェルサイユ条約とは対照的なアプローチでした。

南京条約(1842年)

アヘン戦争の講和条約で、清がイギリスに香港島を割譲しました。中国にとっては「不平等条約」の始まりであり、近代史の屈辱として記憶されています。

下関条約(1895年)

日清戦争の講和条約です。清は日本に対して、朝鮮の独立承認、遼東半島・台湾の割譲、賠償金2億両の支払いを認めました。日本がアジアの新興大国として台頭するきっかけとなった条約です。

ポーツマス条約(1905年)

日露戦争の講和条約で、アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領の仲介で締結されました。日本は樺太の南半分を獲得しましたが、賠償金は得られず。これが日比谷焼打事件につながりました。


20世紀前半の条約

ヴェルサイユ条約(1919年)

第一次世界大戦の講和条約で、パリ講和会議の結果として締結されました。ドイツに対する巨額の賠償金や領土の縮小、軍備制限など、厳しい内容でした。

特に有名なのが「戦争責任条項」(第231条)。ドイツに戦争の全責任を負わせたこの条項は、ドイツ国民の間に強い不満を生み、後のナチス台頭の一因となりました。

経済学者ケインズは当時「これは報復の平和だ」と批判。一方で「まだ甘い」という声もあり、まさに「誰も満足しない条約」だったんですね。

ロカルノ条約(1925年)

ドイツとフランス・ベルギーの国境を相互に保障した条約です。ヴェルサイユ条約後の緊張関係を緩和し、「ロカルノの精神」と呼ばれる協調ムードが生まれました。ドイツの国際連盟加盟にもつながった重要な条約です。

不戦条約(ケロッグ=ブリアン条約)(1928年)

国際紛争の解決手段としての戦争を放棄することを宣言した条約です。「戦争を違法化する」という画期的な内容でしたが、実効性には限界がありました。それでも、現在の国際法における武力行使禁止原則の先駆けとなっています。


20世紀後半〜現代の条約

国連憲章(1945年)

第二次世界大戦後、サンフランシスコで50カ国の代表によって署名された、国際連合の設立文書です。国際平和と安全の維持、人権の尊重、国際協力の促進を目的としています。

国際連盟の失敗を教訓に、安全保障理事会に強制力を持たせるなど、より実効性のある仕組みが導入されました。

サンフランシスコ平和条約(1951年)

第二次世界大戦における連合国と日本との間の講和条約です。この条約によって日本は主権を回復しましたが、同時に沖縄・小笠原諸島はアメリカの施政下に置かれることになりました。

ローマ条約(1957年)

欧州経済共同体(EEC)の設立条約で、現在のEUの原型となりました。戦争を繰り返してきたヨーロッパが、経済統合を通じて平和を目指すという壮大な実験の始まりです。

核不拡散条約(NPT)(1968年)

核兵器の拡散を防ぐことを目的とした条約です。核保有国(米・露・英・仏・中の5カ国)以外への核兵器の拡散を禁止する一方、核軍縮の義務も定めています。

パリ協定(2015年)

地球温暖化対策の国際的な枠組みを定めた条約です。産業革命前からの気温上昇を2℃未満(できれば1.5℃未満)に抑えることを目標としています。気候変動という人類共通の課題に、ほぼすべての国が参加して取り組む画期的な合意でした。


世界史の条約一覧表

条約名年代当事国・関係国主な内容
エジプト・ヒッタイト平和条約前1269年頃エジプト、ヒッタイト現存する世界最古の平和条約
ヴェルダン条約843年フランク王国フランク王国を3分割、仏独伊の原型
トルデシリャス条約1494年スペイン、ポルトガル新世界の分割線を設定
アウクスブルクの和議1555年神聖ローマ帝国ルター派の信仰を容認
カトー=カンブレジ条約1559年フランス、スペインイタリア戦争の講和
ウェストファリア条約1648年神聖ローマ帝国、フランス、スウェーデン他三十年戦争の講和、近代国際法の起点
ピレネー条約1659年フランス、スペインフランス=スペイン戦争の講和
カルロヴィッツ条約1699年オスマン帝国、オーストリア他オスマン帝国領土縮小の始まり
ユトレヒト条約1713年イギリス、フランス、スペイン他スペイン継承戦争の講和
ニスタット条約1721年ロシア、スウェーデン北方戦争の講和、ロシアのバルト海進出
キャフタ条約1727年清、ロシア露清国境の画定
アーヘンの和約1748年オーストリア、プロイセン他オーストリア継承戦争の講和
パリ条約1763年イギリス、フランス、スペイン七年戦争の講和
パリ条約1783年イギリス、アメリカアメリカ独立承認
ウィーン議定書1815年欧州列強ナポレオン戦争後の秩序再編
アドリアノープル条約1829年ロシア、オスマン帝国露土戦争の講和、ギリシャ独立
南京条約1842年イギリス、清アヘン戦争の講和、香港割譲
日米和親条約1854年アメリカ、日本日本の開国
パリ条約1856年ロシア、オスマン帝国、欧州列強クリミア戦争の講和
日米修好通商条約1858年アメリカ、日本不平等条約、治外法権・関税権なし
北京条約1860年イギリス、フランス、清アロー戦争の講和
フランクフルト講和条約1871年ドイツ、フランス普仏戦争の講和、アルザス=ロレーヌ割譲
樺太・千島交換条約1875年日本、ロシア領土の交換
サン・ステファノ条約1878年ロシア、オスマン帝国露土戦争の講和(後にベルリン条約で修正)
ベルリン条約1878年欧州列強、オスマン帝国バルカン問題の調整
日清修好条規1871年日本、清日清間の対等な条約
日朝修好条規1876年日本、朝鮮朝鮮の開国(不平等条約)
日英通商航海条約1894年日本、イギリス治外法権の撤廃
下関条約1895年日本、清日清戦争の講和
ポーツマス条約1905年日本、ロシア日露戦争の講和
ヴェルサイユ条約1919年連合国、ドイツ第一次世界大戦の講和
サン=ジェルマン条約1919年連合国、オーストリア第一次世界大戦の講和
ヌイイ条約1919年連合国、ブルガリア第一次世界大戦の講和
トリアノン条約1920年連合国、ハンガリー第一次世界大戦の講和
セーヴル条約1920年連合国、オスマン帝国第一次世界大戦の講和(後にローザンヌ条約で破棄)
ローザンヌ条約1923年連合国、トルコセーヴル条約を破棄、トルコ共和国成立
ロカルノ条約1925年ドイツ、フランス、ベルギー他独仏国境の相互保障
不戦条約(ケロッグ=ブリアン条約)1928年多国間戦争の放棄を宣言
ミュンヘン協定1938年イギリス、フランス、ドイツ、イタリアズデーテン地方のドイツ編入を承認
独ソ不可侵条約1939年ドイツ、ソ連相互不可侵と秘密議定書(ポーランド分割)
大西洋憲章1941年アメリカ、イギリス戦後の国際秩序の原則を宣言
国連憲章1945年50カ国国際連合の設立
サンフランシスコ平和条約1951年連合国、日本第二次世界大戦の講和
日米安全保障条約1951年アメリカ、日本日米同盟の基礎
ローマ条約1957年西欧6カ国EEC(欧州経済共同体)の設立
部分的核実験禁止条約1963年米・英・ソ他大気圏・宇宙・水中での核実験禁止
核不拡散条約(NPT)1968年多国間核兵器の拡散防止
日中共同声明1972年日本、中国日中国交正常化
パリ和平協定1973年アメリカ、北ベトナム他ベトナム戦争の終結
日中平和友好条約1978年日本、中国日中友好関係の確立
キャンプ・デービッド合意1978年エジプト、イスラエル中東和平の画期
中距離核戦力全廃条約(INF条約)1987年アメリカ、ソ連中距離核ミサイルの全廃
マーストリヒト条約1992年EU加盟国欧州連合(EU)の設立
北米自由貿易協定(NAFTA)1994年アメリカ、カナダ、メキシコ北米の自由貿易圏創設
包括的核実験禁止条約(CTBT)1996年多国間あらゆる核実験の禁止(未発効)
京都議定書1997年多国間温室効果ガス削減の数値目標設定
ローマ規程1998年多国間国際刑事裁判所(ICC)の設立
リスボン条約2007年EU加盟国EU改革条約
パリ協定2015年多国間地球温暖化対策の国際枠組み

まとめ

世界史の条約について、古代から現代まで見てきました。

  • 条約は世界の形を変えてきた:トルデシリャス条約が南米の言語地図を、ヴェルサイユ条約が第二次世界大戦の引き金を作った
  • ウェストファリア条約(1648年)は「近代国際法の起点」:主権国家という概念が確立された
  • ウィーン会議(1815年)は「成功した平和」:約100年間の大規模戦争を防いだ
  • ヴェルサイユ条約(1919年)は「誰も満足しない条約」:厳しすぎる内容が次の戦争を招いた
  • 国連憲章(1945年)は現代の国際秩序の基盤:国際連盟の失敗を教訓に作られた

条約を学ぶことは、単に名前と年号を覚えることではありません。なぜその条約が結ばれ、どんな結果をもたらしたのかを理解することで、歴史の流れがぐっと見えてきますよ。

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