Microsoft 365(Office)を使おうとしたら、突然こんなエラーメッセージが表示された……。
組織の別のアカウントがこのデバイスで既にサインインしています。
別のアカウントでもう一度お試しください。
英語では以下のように表示されます。
Sorry, another account from your organization is already signed in on this computer.
「組織って何?」「別のアカウントなんて使ってないのに」と困惑してしまいますよね。
このエラーは、Microsoft 365(旧Office 365)を使っている多くのユーザーが経験する非常に一般的な問題です。
でも、安心してください。正しい手順を踏めば、ほとんどの場合解決できます。
今回は、このエラーの原因と、Windows・Mac それぞれの効果的な解決方法を、初心者にもわかりやすく詳しく解説していきますね。
エラーの基本情報

どんなエラー?
このエラーは、Microsoft 365アプリ(Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど)を起動または使用中に表示されます。
表示されるメッセージの例
- 「組織の別のアカウントがこのデバイスで既にサインインしています」
- 「申し訳ございません。このコンピューターに、組織内の別のアカウントが既にサインインしています」
- 「Sorry, another account from your organization is already signed in on this computer」
影響を受けるアプリケーション
- Microsoft Word
- Microsoft Excel
- Microsoft PowerPoint
- Microsoft Outlook
- Microsoft Teams
- Microsoft OneDrive
- その他のMicrosoft 365アプリ
影響を受けるバージョン
- Microsoft 365(旧Office 365)
- Office 2019
- Office 2016
- Office 2013
- Office for Mac
エラーが発生する原因
原因1: 同じ組織の別のアカウント情報が残っている(最も一般的)
これが最も多い原因です。
同じ会社や学校の別のアカウントで以前サインインした情報が、デバイスに残っている状態です。
例:
- 以前は
tanaka@company.comでサインインしていた - 今は
suzuki@company.comでサインインしようとしている - 両方とも同じ組織(@company.com)のアカウント
原因2: 認証キャッシュの不整合
Microsoft 365は、OneAuthという認証システムを使っています。
この認証情報がデバイスにキャッシュ(一時保存)されており、古い情報と新しい情報が競合してエラーが発生します。
原因3: Windows の「職場または学校アカウント」設定
Windows 10/11 の設定で、組織アカウントが登録されたままになっている場合があります。
原因4: 資格情報マネージャーに古い情報
Windowsの「資格情報マネージャー」に、古いMicrosoft 365アカウントの情報が保存されています。
原因5: レジストリに古いアカウント情報
Windowsのレジストリに、古いアカウントのプロファイル情報が残っています。
原因6: 複数アカウントの同時使用
Microsoft 365の仕様:
- 同じ組織(テナント)の複数アカウントを、同時にサインインすることはできません
- セッションごとに1つのアカウントのみサポート
対処法:Windows編
以下の方法を順番に試してください。
【方法1】すべてのOfficeアプリからサインアウトして再サインイン
最も基本的で効果的な方法です。
手順
- すべてのMicrosoft 365アプリを開く Word、Excel、PowerPointなど、使用しているすべてのアプリ
- 各アプリで以下の操作を実行
- 「ファイル」→「アカウント」をクリック
- 「ユーザー情報」セクションを確認 サインインしているアカウントが表示されます
- 「サインアウト」をクリック 複数のアカウントが表示される場合は、すべてサインアウトしてください
- すべてのOfficeアプリを完全に閉じる タスクマネージャーでOfficeプロセスが残っていないか確認
- Windowsを再起動
- Officeアプリを開き、正しいアカウントでサインイン
【方法2】Windowsの「職場または学校アカウント」を削除
Windows設定に残っている組織アカウント情報を削除します。
手順
- Windowsの「設定」を開く
- スタートボタン→「設定」(歯車アイコン)
- または、Windows + I キー
- 「アカウント」をクリック
- 左側のメニューから「職場または学校にアクセスする」をクリック Windows 11の場合は「職場または学校アカウント」
- 表示されているアカウントを確認 問題のある組織アカウントが表示されているはずです
- アカウントをクリックして「切断」をクリック
- 確認画面で「はい」をクリック
- Windowsを再起動
- Officeアプリを開き、正しいアカウントでサインイン
【方法3】OneAuthのキャッシュを削除
Microsoft 365の認証キャッシュを手動で削除します。
手順
- すべてのMicrosoft 365アプリを完全に閉じる
- エクスプローラーを開く Windows + E キー
- アドレスバーに以下を入力してEnter
%localappdata%\Microsoft\OneAuth\accounts
- フォルダ内のファイルを確認 GUIDファイル(長い英数字の名前のファイル)が1つまたは複数表示されます
- メモ帳でファイルを開く
- ファイルを右クリック
- 「プログラムから開く」→「メモ帳」
account_hintsの値を確認 使用したいアカウントのメールアドレスが含まれているか確認- 使用しないアカウントのファイルを削除
account_hintsに使用したいアカウントが含まれていないファイルを削除 - Officeアプリを起動して再サインイン
【方法4】資格情報マネージャーから削除
Windowsの資格情報マネージャーに保存されている古いOfficeアカウント情報を削除します。
手順
- コントロールパネルを開く
- スタートボタンをクリック
- 「コントロール パネル」と検索して開く
- 「資格情報マネージャー」をクリック 見つからない場合は、検索ボックスで「資格情報」と検索
- 「Windows資格情報」タブをクリック
- 「汎用資格情報」セクションを確認
- Office関連の資格情報を探す 名前の例:
MicrosoftOffice16_Data:SSPI:xxxxx@company.comMicrosoftOffice16_Data:Live:xxxxx@company.com
- 問題のあるアカウントをクリック→「削除」をクリック
- Windowsを再起動
- Officeアプリを起動して再サインイン
【方法5】レジストリから削除(上級者向け)
⚠️ 警告: レジストリの編集は慎重に行ってください。誤った操作はシステムに深刻な影響を与える可能性があります。
手順
- すべてのOfficeアプリを閉じる
- レジストリエディターを開く
- Windows + R キー
- 「regedit」と入力してEnter
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」
- 以下のパスに移動
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Common\Identity\Identities
ヒント: アドレスバーに直接ペーストできます
- 「Identities」フォルダを展開 複数のGUIDフォルダが表示されます
- 各フォルダの内容を確認 右側のウィンドウで、使用しないアカウントのメールアドレスを探す
- 問題のあるアカウントのフォルダを右クリック→「削除」
- レジストリエディターを閉じる
- Windowsを再起動
- Officeアプリを起動して再サインイン
【方法6】Officeを修復
Officeアプリケーション自体に問題がある場合は、修復を実行します。
手順
- コントロールパネルを開く
- 「プログラム」→「プログラムと機能」をクリック
- 「Microsoft 365」または「Microsoft Office」を探してクリック
- 「変更」ボタンをクリック
- 「クイック修復」を選択して「修復」をクリック 解決しない場合は、「オンライン修復」を試してください
- 修復が完了したらWindowsを再起動
対処法:Mac編

Macユーザー向けの対処法を解説します。
【方法1】すべてのOfficeアプリからサインアウト
手順
- すべてのMicrosoft 365アプリを開く
- 各アプリで以下の操作
- メニューバーの「Word」(または該当アプリ名)→「サインアウト」をクリック
- すべてのOfficeアプリを完全に終了
- Macを再起動
- Officeアプリを開いて再サインイン
【方法2】ターミナルでOneAuthをリセット(最も効果的)
Macでは、ターミナルコマンドでOneAuthの認証情報をリセットできます。
手順
- すべてのMicrosoft 365アプリを完全に閉じる
- ターミナルを開く
- Finderを開く
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」
- 以下のコマンドを入力してEnter
defaults write com.microsoft.Word ResetOneAuthCreds -bool YES
注意: Wordの部分は、使用しているアプリに応じて変更してください
- Excel:
com.microsoft.Excel - PowerPoint:
com.microsoft.Powerpoint - Outlook:
com.microsoft.Outlook
- すべてのOfficeアプリに対してコマンドを実行 または、すべてをまとめて実行:
defaults write com.microsoft.Word ResetOneAuthCreds -bool YES
defaults write com.microsoft.Excel ResetOneAuthCreds -bool YES
defaults write com.microsoft.Powerpoint ResetOneAuthCreds -bool YES
defaults write com.microsoft.Outlook ResetOneAuthCreds -bool YES
- Macを再起動
- Officeアプリを開いて再サインイン
【方法3】License Removal Toolを使用
Macの場合、Microsoftが提供する公式ツールを使ってライセンス情報を完全に削除できます。
手順
- License Removal Toolをダウンロード Microsoftの公式サイトから「License Removal Tool」をダウンロード
- すべてのOfficeアプリを閉じる
- ダウンロードしたファイルを実行
- ツールの指示に従って実行
- 完了後、Macを再起動
- Officeアプリを開いて再サインイン
【方法4】Officeサポートファイルを削除
より徹底的な方法として、Officeのサポートファイルを削除します。
手順
- すべてのOfficeアプリを閉じる
- Finderを開く
- メニューバーの「移動」→「ホーム」をクリック
- 「ライブラリ」フォルダを表示
- 「移動」メニューを開いたまま、Optionキーを押す
- 「ライブラリ」が表示される
- 以下のフォルダに移動して、該当ファイルを削除
~/Library/Group Containers/UBF8T346G9.Office/~/Library/Containers/com.microsoft.*/
- Macを再起動
- Officeを再インストールまたは起動して再サインイン
よくある質問
Q1. 「組織」とは何ですか?
A. 「組織」とは、会社、学校、団体など、Microsoft 365を導入している法人・教育機関のことです。@の後ろのドメイン(例:@company.com)が同じアカウント同士は、同じ組織に属しています。
Q2. 個人用Microsoftアカウントと組織アカウントは違いますか?
A. はい、違います。個人用アカウント(@outlook.com、@hotmail.comなど)と、組織が管理するアカウント(@会社名.com、@学校名.ac.jpなど)は別物です。このエラーは主に組織アカウントで発生します。
Q3. 複数の組織アカウントを同時に使えますか?
A. 異なる組織(異なるテナント)のアカウントであれば、切り替えて使用できます。ただし、同じ組織の複数アカウントを同時にサインインすることはできません。
Q4. サインアウトしても解決しない場合は?
A. 単純なサインアウトだけでは、キャッシュや資格情報が残っている可能性があります。この記事の方法2以降の手順を試してください。
Q5. レジストリを編集するのは怖いです。他の方法はありますか?
A. はい、レジストリ編集は最終手段です。まずは方法1〜4を試してください。それでも解決しない場合のみ、レジストリ編集を検討してください。
Q6. 共有PCで発生しやすいですか?
A. はい、共有PCでは複数のユーザーが異なるアカウントでサインインするため、このエラーが発生しやすくなります。使用後は必ずサインアウトする習慣をつけましょう。
Q7. Web版のOffice(Office Online)では発生しますか?
A. いいえ、このエラーはデスクトップアプリ特有の問題です。Web版(ブラウザで使うOffice)では発生しません。緊急時はWeb版を使うこともできます。
予防策
1. 使用後は必ずサインアウト
特に共有PCを使用する場合は、作業終了時に必ずOfficeからサインアウトしてください。
2. アカウントを切り替える際の正しい手順
別のアカウントに切り替える場合:
- すべてのOfficeアプリからサインアウト
- すべてのOfficeアプリを閉じる
- Windowsを再起動(推奨)
- 新しいアカウントでサインイン
3. 定期的にキャッシュをクリア
月に1回程度、認証キャッシュをクリアすると、問題を予防できます。
4. Officeを最新版に保つ
Microsoft 365とWindowsを最新の状態に保つことで、既知のバグを回避できます。
トラブルシューティングのチェックリスト
問題が発生したら、以下の順番で確認してください。
□ すべてのOfficeアプリからサインアウトした
□ すべてのOfficeアプリを完全に閉じた
□ Windowsを再起動した
□ 「職場または学校アカウント」設定を確認した
□ OneAuthキャッシュを削除した
□ 資格情報マネージャーを確認した
□ レジストリを確認した(上級者のみ)
□ Officeの修復を実行した
□ Web版のOfficeで動作するか確認した
まとめ
「組織の別のアカウントがこのデバイスで既にサインインしています」エラーについて、詳しく見てきました。
重要なポイントをおさらいしましょう:
主な原因:
- 同じ組織の別のアカウント情報が残っている
- 認証キャッシュ(OneAuth)の不整合
- Windowsの「職場または学校アカウント」設定
- 資格情報マネージャーに古い情報
- レジストリに古いプロファイル
基本的な解決フロー:
1. すべてのOfficeアプリからサインアウト
↓
2. 「職場または学校アカウント」を削除
↓
3. OneAuthキャッシュを削除
↓
4. 資格情報マネージャーをクリア
↓
5. レジストリから削除(最終手段)
予防のためのポイント:
- 使用後は必ずサインアウト
- アカウント切り替え時は再起動
- 定期的にキャッシュをクリア
- Officeを最新版に保つ
このエラーは一見複雑に見えますが、ほとんどの場合、サインアウトと再サインイン、または認証キャッシュの削除で解決します。
それでも解決しない場合は、このガイドの手順を順番に試してみてください。
特に共有PCを使用している環境では、このエラーが発生しやすいので、使用後のサインアウトを習慣化することが重要です。
困ったときは、何度でもこのガイドを見返してくださいね。
快適なOfficeライフを!

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