「長年の論争に終止符を打つ」「独身生活に終止符を打つ」――こんな言葉を見たり聞いたりしたことはありませんか?
「終止符を打つ」は、日常会話からビジネスシーン、ニュースまで、幅広い場面で使われる慣用句です。でも、具体的にどんな意味で、どんなときに使えばいいのか、ちょっと迷ってしまうこともありますよね。
この記事では、「終止符を打つ」の意味や由来、正しい使い方から類義語、英語表現まで、わかりやすく解説していきます。
「終止符を打つ」とは?基本的な意味

「終止符を打つ(しゅうしふをうつ)」とは、物事をはっきりと終わりにする、きちんとした区切りをつけるという意味の慣用句です。
ポイントは「はっきりと」終わらせること
ただ自然に終わるのではなく、誰かの明確な意思や行動によって結末を迎える、というニュアンスが含まれています。
例えば:
- 「長年続いた紛争に終止符を打つ」
- 「プロジェクトに終止符を打って、新しい挑戦に進む」
- 「不毛な議論に終止符を打つ」
このように、意図的に、そして決定的に物事を終わらせるときに使う表現なんです。
「終止符」って何?由来を知ろう
なぜ「終止符を打つ」というのでしょうか?この言葉の由来を理解すると、より深く意味が分かってきます。
「終止符」とはピリオドのこと
「終止符」とは、もともと欧文(英語など)で文の終わりに打つ符号、つまりピリオド(.)のことを指します。
英語で文章を書くとき、必ず最後にピリオドを打ちますよね。それが「終止符」です。
音楽の終わりを示す符号でもある
音楽用語としての「終止符」もあります。楽譜で曲の終わりを示す符号のことですね。
これも「ここで終わり」というはっきりしたマークになっています。
文章や音楽から転じて慣用句に
このように、文章や音楽で「終わり」を明確に示すマークである「終止符」から転じて、物事の終わり、結末という意味の慣用句として使われるようになりました。
ピリオドや終止符を打つことで、文や曲がはっきりと終わるように、何かに「終止符を打つ」ことで、その物事が明確に終わるわけです。
日本語の「。」は終止符とは呼ばない
ちなみに、日本語の文末に書く「。」は「終止符」とは呼びません。正式には「句点(くてん)」と言います。
もともと漢文を読む際に使われていた符号が由来で、句の切れ目に打つから「句点」なんです。
「終止符」という言葉は、あくまでも欧文のピリオドや音楽の終了記号を指す言葉として生まれたため、日本語の句読点には使わないんですね。
「終止符を打つ」の使い方と例文
では、実際にどんな場面で使えばいいのでしょうか?シーン別に例文を見ていきましょう。
ビジネスシーンでの使い方
ビジネスでは、プロジェクトの完了や契約の終了時によく使います。
例文1:プロジェクトの終了
「3年間続いたこのプロジェクトに終止符を打ち、次の新しい挑戦に進むことになった」
長期間取り組んできた仕事に区切りをつけ、新しい段階に移る意思が込められています。
例文2:議論の終結
「そろそろ時間なので、この議論に終止符を打つことにしましょう」
話し合いを締めくくり、結論を出す場面で使えます。
例文3:対立の解消
「両者が和解することで、長年の法廷闘争に終止符を打つことができた」
問題が解決し、争いごとが終わったことを表現しています。
人間関係での使い方
恋愛や友情、職場の人間関係でも使われます。
例文4:関係の終了
「彼とは価値観が合わず、この関係に終止符を打つことを決めた」
人間関係を終わらせる決断をしたことを表しています。
例文5:悩みからの解放
「職場の人間関係に悩み続けていたが、転職という形で終止符を打った」
問題から解放され、新しい道に進む決意を示しています。
個人的な習慣や生活での使い方
自分の生活習慣や長年続けてきたことを終わらせる場面でも使えます。
例文6:独身生活の終わり
「長かった独身生活に終止符を打ち、結婚することになった」
人生の新しい段階に入ることを表現しています。
例文7:悪習慣の改善
「夜更かしの習慣に終止符を打ち、早寝早起きの生活に切り替えることにした」
古い習慣を断ち切り、新しい習慣に変える強い意志が感じられます。
例文8:趣味の整理
「結婚を機に、アニメのフィギュア収集に終止符を打つことを決意した」
長年続けてきた趣味や活動を終わらせる決断を表しています。
社会的・歴史的な出来事での使い方
ニュースや歴史的な文脈でもよく使われます。
例文9:歴史的な変化
「国王の独裁に終止符を打ち、民主的な選挙制度への道を開いた」
大きな社会的変化や改革を表現しています。
例文10:長い歴史の終わり
「90年以上この町を見守り続けてきた老舗百貨店が、その歴史に終止符を打つことになった」
長く続いてきた何かが終わることへの感慨が込められています。
使うときの注意点

「終止符を打つ」を使う際には、いくつか気をつけるべきポイントがあります。
注意点1:問題が解決していない場面では使わない
「終止符を打つ」は、物事が実際に終わった、または終わらせると決めた場面で使う表現です。
間違った使い方:
「問題の解決に向けて終止符を打ちます」
これだとまだ解決していないのに終わらせようとしているように聞こえて、混乱を招きます。
正しい使い方:
「問題が解決し、この件に終止符を打つことができた」
実際に区切りがついた場面でのみ使うことが大切です。
注意点2:「終止符を迎える」は間違い
よくある間違いとして、「終止符を迎える」という表現があります。
間違い: 「このプロジェクトは終止符を迎えた」
正しい: 「このプロジェクトに終止符を打った」または「このプロジェクトは終焉を迎えた」
「終止符」は「打つ」もので、「迎える」ものではありません。「迎える」を使いたい場合は、「終焉(しゅうえん)を迎える」という表現を使いましょう。
注意点3:能動的な行為を表す
「終止符を打つ」には、誰かが意図的に行動して終わらせるというニュアンスがあります。
自然消滅したり、なんとなく終わったりする場合には、別の表現の方が適切です。
類義語と言い換え表現
状況に応じて使い分けられる、似た意味の表現を紹介します。
幕を閉じる/幕を下ろす
芝居が終わって幕を閉めることから転じて、物事が終わることを意味します。
例:「長年愛された人気番組が、視聴者に惜しまれながらも幕を閉じた」
「終止符を打つ」よりも、やや柔らかく、情緒的なニュアンスがあります。
けりをつける
物事に決着をつける、結論を出すという意味です。
例:「この問題にそろそろけりをつけよう」
少しカジュアルで、口語的な表現です。
決着をつける
争いや問題に最終的な結論を出すことです。
例:「両チームの激しい戦いに、ついに決着がついた」
勝負や争いの文脈でよく使われます。
ピリオドを打つ
「終止符を打つ」とほぼ同じ意味で、英語のピリオドから来ています。
例:「長年の研究にピリオドを打ち、新しいテーマに取り組む」
「終止符を打つ」と同様に使えますが、やや新しい表現です。
一区切りつける
物事にひとまずの区切りをつけることです。
例:「このプロジェクトに一区切りつけて、休暇を取ることにした」
完全に終わらせるというより、一段落させるというニュアンスです。
手を引く
関わっていたことから離れることです。
例:「この事業から手を引くことを決めた」
自分の意思で関係を断つという意味合いが強いです。
「終止符を打つ」の英語表現
英語でも似たような表現があります。場面に応じて使い分けてみましょう。
put an end to ~
最も一般的な表現で、「終止符を打つ」に最も近い意味です。
例文:
“We need to put an end to this meaningless argument.”
(この無意味な議論に終止符を打つ必要がある)
bring ~ to an end
何かを終わらせるという意味で、少しフォーマルな表現です。
例文:
“The diplomatic dialogue brought the conflict to an end.”
(外交対話によって、その紛争に終止符を打つことができた)
put a period to ~
ピリオドを打つという意味で、日本語の「終止符を打つ」に発想が似ています。
例文:
“His death put a period to the family feud.”
(彼の死が、一族の確執に終止符を打った)
call it quits
関係や活動を終わらせることを意味する、カジュアルな表現です。
例文:
“After 25 years, we decided to call it quits.”
(25年後、私たちはその関係に終止符を打つことにした)
draw a line under ~
過去のことに区切りをつけて、前に進むという意味です。
例文:
“It’s time to draw a line under the past and move forward.”
(過去に終止符を打ち、前に進むときだ)
実際の会話での使い方
実際の会話の中で、どのように使われるのか見てみましょう。
会話例1:ビジネスシーン
上司: 「このプロジェクト、そろそろまとめに入りたいと思うんだけど」
部下: 「そうですね。来月末には終止符を打って、次の案件に移りたいと思っています」
上司: 「了解。最後まで気を抜かずにやり遂げよう」
会話例2:友人との会話
友人A: 「彼氏とどうなったの?前に悩んでたよね」
友人B: 「うん、先週話し合って、その関係に終止符を打つことにしたの」
友人A: 「そうなんだ。辛い決断だったと思うけど、応援してるよ」
会話例3:家族の会話
子: 「お父さん、来年定年なんだよね」
父: 「ああ、40年続けたサラリーマン生活に終止符を打つことになるな」
子: 「定年後は何かやりたいことあるの?」
父: 「ゆっくり考えるよ。まずは長年の仕事に終止符を打って、新しい人生を始めたいね」
まとめ:明確な意思で物事を終わらせるときに使おう
「終止符を打つ」は、物事をはっきりと終わらせるときに使う、とても便利な慣用句です。
覚えておきたいポイント:
- 意味は「物事をはっきりと終わりにする」「きちんとした区切りをつける」
- 由来は欧文の文末記号「ピリオド」と音楽の終了記号から
- 誰かの明確な意思や行動によって終わらせるニュアンスがある
- 実際に区切りがついた場面で使う
- 「終止符を迎える」は間違い、「終焉を迎える」が正しい
- 英語では “put an end to” などが対応表現
ビジネスシーンでは、プロジェクトの完了報告や契約終了の際に使うとプロフェッショナルな印象を与えられます。プライベートでは、人生の節目や決断を表現するのに適した言葉です。
この慣用句を使うことで、「ただ終わった」のではなく、「自分の意思で区切りをつけた」という積極的な姿勢を伝えることができます。
人生には、時として自分で終止符を打たなければならない場面があります。そんなとき、この言葉を使って、前向きに新しい一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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