パソコンで音が出なくなったとき、原因を探していくと「Windows Audio Endpoint Builder」というサービスが停止していることがあります。このサービス、実は音を出すために欠かせない重要な役割を担っているんです。
今回は、Windows Audio Endpoint Builderの正体と、音が出ないときの対処法について分かりやすく解説していきます。
Windows Audio Endpoint Builderって何?

Windows Audio Endpoint Builderは、Windowsに標準で搭載されているシステムサービスの一つです。
簡単に言うと、パソコンに接続されたスピーカーやヘッドフォン、マイクといった音の入出力機器を管理する係なんですね。
このサービスは、Windows Vistaから導入されました。それまでのWindows XPでは、音に関する処理がもっとシンプルな仕組みだったのですが、Windows Vistaで大きく改良されたわけです。
どんな仕事をしているの?
Windows Audio Endpoint Builderが担当している主な仕事は以下の通りです。
オーディオデバイスの検出
パソコンにスピーカーやヘッドフォンを接続したとき、「あ、新しい機器がつながったな」と認識してくれます。
デバイスの初期設定
接続された機器を使えるように、必要な設定を自動で行います。
接続状態の監視
ヘッドフォンを抜いたり挿したりしたときに、その変化を検知して対応してくれます。専門用語で「ジャック検出」と呼ばれる機能です。
デバイス情報の管理
各オーディオ機器の性能や設定などの情報を保存・管理しています。
Windows Audioサービスとの関係
Windows Audio Endpoint Builderは、一人で全てをこなしているわけではありません。「Windows Audio」という別のサービスと協力して働いています。
役割分担を分かりやすく説明すると、こんな感じです。
- Windows Audio Endpoint Builder:スピーカーやマイクが「接続されている」と認識する担当
- Windows Audio:実際に音を処理して出力する担当
つまり、Windows Audio Endpoint Builderが「準備係」で、Windows Audioが「実行係」なんですね。
だから、どちらか一方が止まってしまうと音が出なくなってしまいます。両方がきちんと動いていて初めて、音が正常に再生されるわけです。
サービスの確認方法
Windows Audio Endpoint Builderが正常に動いているか確認してみましょう。
サービス画面での確認手順
- 「Windows」キーと「R」キーを同時に押します
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが開くので、「services.msc」と入力してEnterキーを押します
- サービスの一覧が表示されるので、「Windows Audio Endpoint Builder」を探します
- サービスをダブルクリックすると、詳細情報が表示されます
この画面で確認すべきポイントは2つです。
スタートアップの種類
「自動」になっていることを確認してください。これが「手動」や「無効」になっていると、パソコン起動時にサービスが自動で開始されません。
サービスの状態
「実行中」と表示されているか確認しましょう。停止していたら、音が出ない原因になっている可能性が高いです。
音が出ないときの対処法
Windows Audio Endpoint Builderが原因で音が出なくなったときの解決方法を紹介します。
方法1:サービスを再起動する
最も効果的な方法は、サービスの再起動です。
- 先ほどの手順でサービス画面を開きます
- 「Windows Audio Endpoint Builder」を右クリックします
- 「再起動」を選択します
- 確認メッセージが表示されたら「はい」をクリックします
この操作で、接続しているスピーカーなどが再認識されることがあります。
方法2:コマンドプロンプトから操作する
より確実に再起動したい場合は、コマンドプロンプトを使います。
- スタートメニューで「cmd」と検索します
- 「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します
- 以下のコマンドを順番に入力します
net stop AudioEndpointBuilder
このコマンドを入力すると、確認メッセージが表示されるので「Y」キーを押してEnterキーを押します。
次に、サービスを再開します。
net start AudioEndpointBuilder
これで、Windows Audio Endpoint Builderが再起動されます。
方法3:Windows Audioサービスも一緒に再起動する
Windows Audio Endpoint Builderだけでなく、Windows Audioサービスも一緒に再起動すると、より効果的な場合があります。
コマンドプロンプトで以下の順番に実行してください。
net stop "Windows Audio"
net start "Windows Audio"
net stop AudioEndpointBuilder
net start AudioEndpointBuilder
方法4:オーディオデバイスを再認識させる
デバイスマネージャーから、オーディオデバイスそのものを再認識させる方法もあります。
- スタートメニューを右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します
- 「オーディオの入力および出力」を展開します
- 該当するデバイス(スピーカーなど)を右クリックします
- 「デバイスを無効にする」を選択してから、もう一度右クリックして「デバイスを有効にする」を選択します
この操作で、Windows Audio Endpoint Builderがデバイスを再検出してくれることがあります。
よくあるトラブルと原因
スリープ復帰後に音が出ない
パソコンをスリープから復帰させたとき、Windows Audio Endpoint Builderの起動に失敗していることがあります。
この場合は、先ほど紹介したサービスの再起動を試してみてください。
タスクマネージャーでCPU使用率が高い
まれに、Windows Audio Endpoint Builderが大量のCPUリソースを使用してしまうことがあります。
考えられる原因
- オーディオドライバーの不具合
- マルウェア感染の可能性
- システムファイルの破損
対処法
- パソコンを再起動してみる
- オーディオドライバーを最新版に更新する
- ウイルススキャンを実行する
それでも解決しない場合は、システムの復元を検討してください。
サービスが開始できない(エラー1079)
「サービスを開始できませんでした」というエラーが表示されることがあります。
これは、サービスを実行するための権限設定に問題がある可能性があります。
対処法
- サービス画面でWindows Audio Endpoint Builderを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「ログオン」タブを開く
- 「ローカルシステムアカウント」が選択されているか確認
設定を変更したら、パソコンを再起動してください。
サービスを無効にしても大丈夫?

基本的に、Windows Audio Endpoint Builderを無効にすることはおすすめしません。
このサービスを停止すると、以下のような問題が起こります。
- スピーカーやヘッドフォンから音が出なくなる
- マイクが使えなくなる
- Windows Audioサービスも正常に動作しなくなる
- 音量調整ができなくなる
どうしても無効にする必要がある特殊な環境でない限り、常に「自動」で起動する設定にしておくのが安全です。
サービスが悪意のあるプログラムに悪用されていないか?
Windows Audio Endpoint Builderは、Windowsの正規のシステムサービスです。
ただし、他のシステムプロセスと同様に、マルウェアに偽装される可能性はゼロではありません。
正規のプロセスかどうか確認する方法
タスクマネージャーで以下の点を確認してください。
プロセス名
「Service Host: Windows Audio Endpoint Builder」または「svchost.exe」と表示されているか確認します。
ファイルの場所
タスクマネージャーでプロセスを右クリックして「ファイルの場所を開く」を選択すると、「C:\Windows\System32」フォルダが開くはずです。
それ以外の場所にあったら要注意です。
CPU使用率やメモリ使用量
通常、Windows Audio Endpoint Builderはほとんどリソースを消費しません。
もし常に高いCPU使用率を示していたら、何らかの問題がある可能性があります。ウイルススキャンを実行することをおすすめします。
Windows Audio Endpoint Builderの歴史
このサービスは、Windows Vistaで初めて導入されました。
それまでのWindows XPでは、オーディオデバイスの管理がもっとシンプルな仕組みでした。しかし、USB接続のオーディオ機器やBluetoothスピーカーなど、多様な音響機器が登場したことで、より高度な管理システムが必要になったわけです。
Windows Vistaでは、MMDevice API(Multimedia Device API)とWASAPI(Windows Audio Session API)という新しい技術が導入され、Windows Audio Endpoint Builderがこれらの技術を支える重要な役割を担うようになりました。
現在のWindows 11に至るまで、基本的な仕組みは変わらず使われ続けています。
まとめ
Windows Audio Endpoint Builderは、パソコンの音を出すために欠かせないシステムサービスです。
スピーカーやヘッドフォン、マイクといったオーディオデバイスを検出・管理し、Windows Audioサービスと協力して音の再生を実現しています。
音が出ないトラブルに遭遇したら、まずはこのサービスが正常に動作しているか確認してみてください。サービスの再起動だけで解決することも多いですよ。
普段は意識することのない裏方の存在ですが、快適なパソコンライフを支える大切な機能なんですね。

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