パソコンのプログラム一覧を見ていると、「Microsoft Visual C++」というソフトがたくさん並んでいますよね。
容量を空けたくてアンインストールしようとしたら、エラーが出て削除できない。そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
今回は、Visual C++がアンインストールできない原因と、その解決方法を詳しく解説していきます。エラーメッセージの意味から具体的な対処法まで、順を追って説明しますので、ぜひ参考にしてください。
Visual C++とは何か

まず、Visual C++について簡単に説明しましょう。
Microsoft Visual C++再頒布可能パッケージ(Redistributable Package)は、Visual Studioというソフトで作られたプログラムを動かすために必要なランタイムライブラリです。
ランタイムライブラリとは、プログラムが実行される際に必要となる共通の部品のようなもの。多くのゲームやアプリケーションが、このVisual C++に依存して動作しています。
なぜたくさんインストールされているのか
パソコンを使っていると、Visual C++が複数バージョンインストールされている状態になります。これには理由があります。
- バージョンごとに互換性がない:2005、2008、2010、2015-2022など、各バージョンは別物として扱われる
- アプリごとに必要なバージョンが異なる:古いゲームは古いバージョンを必要とすることが多い
- x86版とx64版が別々:32ビット用と64ビット用でそれぞれインストールされる
- アプリを削除してもVisual C++は残る:アプリをアンインストールしても、Visual C++は削除されない仕様
つまり、Visual C++が複数インストールされているのは正常な状態なんですね。
Visual C++がアンインストールできない主な原因
アンインストールができない場合、いくつかの原因が考えられます。
原因1:インストールログファイルのエラー
「インストールのログファイルを開くときに、エラーが発生しました」というメッセージが表示される場合があります。
これは、アンインストールに必要なログファイルが見つからない、または破損している状態。ログファイルの場所が存在しないか、書き込み権限がないことが原因です。
原因2:別のインストールが進行中
「0x80070652 – 別のインストールが実行中です」というエラーが出ることがあります。
これは、Windows Installerサービスが他の処理を実行している状態。実際には他のインストール作業をしていなくても、バックグラウンドで処理が残っている場合に発生します。
原因3:MSIファイルの破損や欠落
Visual C++のインストーラーファイル(MSIファイル)が破損していたり、必要なファイルが見つからない状態。
特定のフォルダやレジストリキーが参照されているのに、実際にはそのファイルが存在しないケースですね。
原因4:レジストリの問題
Windowsのレジストリに不整合が生じている場合、アンインストールに失敗することがあります。
過去に不完全なアンインストールを行った場合や、システムエラーによってレジストリが破損した場合に発生しやすい問題です。
原因5:msiexec.exeプロセスの残留
Windows Installerのプロセス(msiexec.exe)が終了せずに残っている場合、新しいインストールやアンインストールができなくなります。
Visual C++をアンインストールする前の注意点
実際に削除を試みる前に、いくつか確認しておくべきポイントがあります。
本当に削除する必要があるか
Visual C++は、各バージョン平均10MB程度の容量しか使いません。全部合わせても数百MB程度です。
容量不足が理由でアンインストールを考えているなら、他の大きなファイルを削除するか、ディスクのクリーンアップを実行する方が効果的でしょう。
どのアプリが使用しているか不明
Visual C++を削除すると、それに依存しているアプリケーションが動作しなくなります。
どのアプリがどのバージョンを使っているか完全に把握するのは困難。削除後にアプリが起動しなくなっても、どのバージョンを再インストールすればいいか分からなくなることがあります。
基本的には削除非推奨
特別な理由(再インストールが必要、破損している)がない限り、Visual C++の削除は推奨されません。
Windowsやインストール済みアプリケーションが正常に動作するために必要な場合が多いためです。
解決方法1:Microsoftの公式トラブルシューティングツールを使う
最も簡単で安全な方法は、Microsoftが提供する公式ツールを使用することです。
トラブルシューティングツールのダウンロード
Microsoftの「Program Install and Uninstall troubleshooter」をダウンロードします。
このツールは、インストールやアンインストールに関する問題を自動的に検出して修復してくれる診断プログラムです。
使用手順
- ツールをダウンロードして実行
- ダブルクリックでツールを起動
- 「アンインストール」を選択
- 問題のタイプを聞かれたら「Uninstalling」を選ぶ
- Visual C++を選択
- 一覧から削除したいVisual C++のバージョンを選択
- ツールが自動修復を実行
- 問題を検出して修復してくれる
- 修復完了後、再度アンインストールを試す
- 通常の方法でアンインストールできるようになっているはず
解決方法2:システムファイルチェッカーを実行する
Windowsのシステムファイルに問題がある場合、それを修復することで解決できることがあります。
SFCスキャンの実行
- コマンドプロンプトを管理者として開く
- スタートメニューで「cmd」と検索
- 右クリックして「管理者として実行」
- 以下のコマンドを入力
sfc /scannow
- スキャンが完了するまで待つ
- スキャンには時間がかかることがある
- 完了後、パソコンを再起動
DISMコマンドの実行
SFCで解決しない場合は、DISMコマンドも試してみましょう。
dism /online /cleanup-image /restorehealth
このコマンドは、Windowsのシステムイメージを修復してくれます。実行後は必ず再起動してください。
解決方法3:msiexec.exeプロセスを終了する

Windows Installerのプロセスが残っている場合、それを手動で終了させます。
タスクマネージャーでの操作
- タスクマネージャーを開く
- Ctrl + Shift + Escキーを同時押し
- 「詳細」タブに切り替え
- タブが表示されていない場合は「詳細」をクリック
- msiexec.exeを探す
- プロセス一覧から「msiexec.exe」を見つける
- プロセスを終了
- 右クリックして「タスクの終了」を選択
- 複数ある場合はすべて終了
- アンインストールを再試行
- 通常の方法で削除できるか試す
解決方法4:Windowsを再起動する(重要なポイント)
単純ですが、非常に効果的な方法があります。
シャットダウンではなく、「再起動」を選択することです。
Windows 10以降では、シャットダウン時に高速スタートアップという機能が働き、一部のプロセスやサービスが完全には終了しません。再起動を選ぶことで、システムが完全にリフレッシュされ、残っていたプロセスがクリアされます。
- スタートメニューを開く
- 電源アイコンをクリック
- 「再起動」を選択(シャットダウンではない)
- 再起動後、アンインストールを試す
解決方法5:レジストリを手動で編集する(上級者向け)
注意:レジストリの編集は慎重に行ってください。誤った操作はシステムの不具合を引き起こす可能性があります。必ず事前にバックアップを取ってください。
レジストリエディタの起動
- Windowsキー + Rで「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「regedit」と入力してEnterキー
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」
該当するキーを削除
- 以下のパスに移動
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall
- Visual C++に関連するキーを探す
- エラーメッセージに表示されたプロダクトIDやGUID({}で囲まれた英数字)を検索
- 該当するキーを削除
- 右クリックして「削除」を選択
- レジストリエディタを閉じて再起動
Package Cacheフォルダの削除
破損したキャッシュファイルが原因の場合もあります。
- 以下のフォルダを開く
C:\ProgramData\Package Cache\
- Visual C++関連のフォルダを探す
- GUIDで始まるフォルダ名
- 該当するフォルダを削除
- 管理者権限が必要な場合がある
解決方法6:サードパーティツールを使用する
公式の方法で解決できない場合、サードパーティのアンインストーラーを試すことができます。
Revo Uninstallerの使用
Revo Uninstallerは、通常のアンインストールで削除できない残留ファイルやレジストリまで削除してくれるツールです。
- Revo Uninstallerをダウンロード・インストール
- 公式サイトから入手(無料版あり)
- アプリを起動
- インストール済みプログラムの一覧が表示される
- Visual C++を選択
- 削除したいバージョンを右クリック
- 「アンインストール」を選択
- ツールが通常のアンインストールを試みる
- 残留ファイルとレジストリをスキャン
- アンインストール後、残ったファイルを検出
- 残留物を削除
- 検出された項目を削除して完了
Visual C++を再インストールする方法
削除後、またはエラーを解決するために再インストールが必要な場合があります。
公式サイトからダウンロード
Microsoftの公式サイトから最新版をダウンロードできます。
「Latest supported Visual C++ Redistributable downloads」というページで、必要なバージョンを入手しましょう。
バージョンの選び方
- 2015-2022統合版:最新のアプリケーションに対応
- 古いバージョン:特定のアプリが要求する場合のみインストール
- x86とx64:64ビットWindowsでは両方必要な場合がある
インストール手順
- ダウンロードしたファイルを実行
- ライセンス条項に同意
- インストールを選択
- 完了後、パソコンを再起動
特定のエラーメッセージへの対処法
「ファイルが見つかりません」エラー
このエラーが出る場合、インストールファイルが破損しているか、場所が変更されています。
- トラブルシューティングツールを使用
- レジストリから該当エントリを削除
- 最新版を再インストール
「ネットワークリソースが利用できません」エラー
インストールに使用した元のインストーラーファイルを探している状態です。
- 最新版のインストーラーをダウンロードして実行
- レジストリを編集して該当エントリを削除
「古いバージョンを削除できません」エラー
新しいバージョンをインストールしようとすると、このエラーが出ることがあります。
- まず古いバージョンをトラブルシューティングツールで削除
- システムを再起動
- 新しいバージョンをインストール
予防策と日常的な管理
システムの復元ポイントを作成
Visual C++を削除する前に、必ずシステムの復元ポイントを作成しましょう。
何か問題が起きた場合、復元ポイントを使って元の状態に戻すことができます。
- コントロールパネルを開く
- 「システムとセキュリティ」→「システム」
- 「システムの保護」タブ
- 「作成」ボタンをクリック
- 説明を入力して作成
定期的なWindows Update
Visual C++もWindowsの更新プログラムを通じてアップデートされることがあります。
定期的にWindows Updateを実行することで、最新の状態を保ち、セキュリティリスクを減らせます。
むやみに削除しない
繰り返しになりますが、Visual C++は基本的に削除しない方が安全です。
容量が気になる場合でも、他の大きなファイルやアプリを削除することを優先しましょう。
よくある質問
Q1:最新版だけ残して古いバージョンは削除してもいい?
基本的には推奨できません。古いアプリケーションやゲームは、特定の古いバージョンに依存していることがあります。削除すると、それらのアプリが動作しなくなる可能性があります。
Q2:Visual C++をすべて削除したらどうなる?
多くのアプリケーションが起動しなくなります。「MSVCP140.dllが見つかりません」などのエラーメッセージが表示され、プログラムが実行できません。
Q3:2015-2022統合版をインストールすれば古いバージョンは不要?
いいえ、2015-2022統合版は、2015から2022のランタイムをカバーしますが、2013以前のバージョンは別物です。古いバージョンが必要なアプリケーションもあるため、削除は慎重に。
Q4:アプリをアンインストールしたのにVisual C++が残っている
これは正常な動作です。Visual C++は共有ライブラリなので、一つのアプリを削除しても、他のアプリが使用している可能性があるため自動的には削除されません。
Q5:Visual C++が勝手にインストールされるのはなぜ?
アプリケーションやゲームをインストールする際、必要なVisual C++のバージョンが自動的にインストールされるためです。これはアプリが正常に動作するために必要な処理です。
まとめ
Visual C++がアンインストールできない問題は、様々な原因で発生します。
最も安全で効果的な解決方法は、Microsoftの公式トラブルシューティングツールを使用すること。それで解決しない場合は、システムファイルのチェック、プロセスの終了、レジストリの編集などを順に試していきましょう。
ただし、特別な理由がない限り、Visual C++の削除自体があまり推奨されないことも覚えておいてください。容量は小さく、多くのアプリケーションが依存しているため、削除するリスクの方が大きい場合があります。
どうしても削除が必要な場合は、必ずシステムの復元ポイントを作成してから作業を進めることをおすすめします。エラーが発生した場合も、慌てず一つずつ解決方法を試していけば、ほとんどの問題は解決できるはずです。
問題が解決しない場合や、どうしても不安な場合は、専門家やマイクロソフトのサポートに相談することも選択肢の一つですよ。

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