「白雪姫」「赤ずきん」「シンデレラ」——子どものころに読んだこれらの物語、実は深い教訓が込められていたってご存知でしたか?
グリム童話は単なる「めでたしめでたし」の物語ではありません。200年以上も読み継がれてきた理由は、人間の本質をついた教訓があるからなんですね。
この記事では、グリム童話の有名な作品から学べる教訓を一覧でわかりやすく紹介します。
グリム童話とは?

グリム童話は、19世紀ドイツでグリム兄弟(兄ヤーコプと弟ヴィルヘルム)が編纂した昔話集です。正式名称は『子どもと家庭のメルヒェン集』といいます。
ここがポイントなんですが、グリム兄弟は物語を「創作」したわけではありません。ドイツ各地に伝わる民話を聞き取り、書き留めたんですね。つまり、何百年も語り継がれてきた「人々の知恵」が詰まっているわけです。
1812年の初版から7回も改訂され、現在は170以上の言語に翻訳されています。ユネスコ世界記憶遺産にも登録されている、まさに人類の宝物なんです。
グリム童話に共通する教訓のパターン
グリム童話の教訓には、いくつかの共通パターンがあります。
「勧善懲悪」がもっとも多いテーマです。良い行いをすれば報われ、悪いことをすれば罰を受ける。シンプルですが、だからこそ子どもにも伝わりやすいんですね。
「親の言いつけを守る」というメッセージも頻繁に登場します。赤ずきんが道草をして危険な目に遭うように、大人の忠告には理由があるということを教えています。
また、「欲深さへの警告」も見逃せません。魔女、継母、悪い王——欲望に駆られたキャラクターは必ず破滅を迎えます。
さらに意外と多いのが「兄弟姉妹の絆」です。ヘンゼルとグレーテルのように、家族が協力して困難を乗り越える物語が数多く収録されています。
有名なグリム童話と教訓【ピックアップ解説】
赤ずきん
森の中でオオカミに話しかけられた少女が、おばあさんと一緒に食べられてしまう——という衝撃の展開で知られる物語です。
グリム版では猟師に助けられてハッピーエンドになりますが、もともとはバッドエンドだったとか。「知らない人についていってはいけない」「寄り道をしてはいけない」という、いま聞いても納得の教訓ですよね。
興味深いのは、赤ずきんが2回目にオオカミに遭遇したとき、今度は騙されずに対処できるようになること。「失敗から学ぶ」というメッセージも込められているんです。
白雪姫
美しさへの嫉妬から継母に命を狙われる姫の物語。ディズニー映画でおなじみですが、原作はかなりダークです。
教訓は「外見だけにとらわれると身を滅ぼす」ということ。
鏡に「世界で一番美しいのは誰?」と聞き続ける女王の姿は、現代のSNS社会にも通じるものがありますね。
一方で白雪姫は、見た目ではなく心の美しさで周囲を味方につけていきます。七人の小人たちとの友情も、信頼関係の大切さを教えてくれます。
シンデレラ(灰かぶり)
ディズニー版と違い、グリム版にはカボチャの馬車も妖精も出てきません。代わりに登場するのは、母の墓に植えた木から現れる白い鳥。毎日墓参りを欠かさなかったシンデレラの信仰心が、奇跡を呼び寄せるんですね。
さらに衝撃的なのは結末。義姉たちは靴に足を入れるためにかかとや指を切り落とし、最後は目をえぐり取られてしまいます。「悪行は必ず報いを受ける」という教訓が、かなり痛烈に描かれています。
ヘンゼルとグレーテル
飢饉の時代、森に捨てられた兄妹がお菓子の家の魔女と対決する物語です。
この話のすごいところは、子どもたちが自分の力で困難を切り抜けるところ。パンくずで道しるべを作ったり、魔女の目をごまかしたり。「機転を利かせる」「兄妹で協力する」ことの大切さを教えています。
また、魔女と継母の両方が死ぬ結末には、「欲深い者は滅びる」というメッセージが込められています。
ブレーメンの音楽隊
年老いて「もう役に立たない」と追い出されたロバ、イヌ、ネコ、オンドリ。彼らが力を合わせて泥棒を追い払い、新しい居場所を見つける物語です。
一匹では弱くても、協力すれば強くなれる。「チームワークの力」を教えてくれる作品ですね。また、年をとっても人生をあきらめる必要はないというメッセージも読み取れます。
グリム童話の教訓一覧表
| 作品名 | 主な教訓 | キーワード |
|---|---|---|
| 赤ずきん | 知らない人を信用しない、親の言いつけを守る | 警戒心、従順 |
| 白雪姫 | 嫉妬や虚栄心は身を滅ぼす、内面の美しさこそ大切 | 謙虚さ、心の美 |
| シンデレラ(灰かぶり) | 美徳は報われる、悪は必ず罰せられる | 忍耐、因果応報 |
| ヘンゼルとグレーテル | 兄弟の絆、機転と勇気で困難を乗り越える | 協力、知恵 |
| ブレーメンの音楽隊 | 協力すれば弱者でも強くなれる、年齢は関係ない | チームワーク |
| オオカミと七匹の子やぎ | 親の言いつけを守る、見た目で判断しない | 用心深さ |
| ラプンツェル | 自由への渇望、愛は困難を乗り越える | 自立、真実の愛 |
| いばら姫(眠れる森の美女) | 運命には逆らえないこともある、悪意は報いを受ける | 運命、忍耐 |
| ルンペルシュティルツヒェン | 約束を守ることの重さ、嘘はいつかばれる | 誠実さ |
| かえるの王様 | 一度した約束は守らなければならない | 約束厳守 |
| 星の銀貨 | 無私の心、与えることで得られる幸せ | 慈善、無欲 |
| 金のがちょう | 親切は予想外の形で報われる | 親切心 |
| 小人の靴屋 | 恩義には報いるべき、誠実な労働は報われる | 感謝、勤勉 |
| つぐみのひげの王様 | 傲慢は戒められる、苦労して初めてわかることがある | 謙虚さ |
| ホレばあさん | 勤勉は報われ、怠惰は罰せられる | 勤勉vs怠惰 |
| 六人の家来 | 一人ひとりの能力を活かせば不可能も可能になる | 個性の尊重 |
| 森の中の三人の小人 | 親切な心と素直さが幸運を呼ぶ | 素直さ |
| 千匹皮 | 困難から逃げず、知恵で切り抜ける | 自立心 |
| 命の水 | 正直者が最後に報われる、傲慢な者は失敗する | 誠実さ |
| 金の鳥 | 忠告を聞かないと痛い目に遭う | 助言の重要性 |
まとめ
グリム童話の教訓をまとめると、以下のポイントが浮かび上がります。
- 「善は報われ、悪は罰せられる」という勧善懲悪が基本
- 親や目上の人の忠告には耳を傾けるべき
- 欲深さ、嫉妬、虚栄心は破滅への道
- 困難なときこそ家族や仲間との絆が大切
- 正直さ、親切さ、勤勉さは必ず報われる
200年以上前に編纂された物語ですが、そのメッセージは現代にも通用するものばかり。むしろSNS時代の今だからこそ、「見た目より中身」「欲張りすぎない」といった教訓が心に響くのかもしれませんね。
子どものころに読んだグリム童話を、大人になった今あらためて読み返してみてはいかがでしょうか。きっと新しい発見があるはずです。


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