「Windowsにログインしたら、デスクトップのファイルが全部消えている!」
「C:\Users\TEMPというフォルダが作成されている…」
「一時プロファイルでサインインしています」というメッセージが表示されたら、それはTEMPユーザー(一時ユーザープロファイル)の問題です。
この記事では、TEMPユーザーとは何なのか、なぜ発生するのか、そしてデータを失わずに元に戻す方法を徹底的に解説します。
TEMPユーザー(一時ユーザープロファイル)とは

まず、TEMPユーザーが何なのか理解しましょう。
TEMPユーザーの正体
TEMPユーザーは、Windowsが正常なユーザープロファイルを読み込めなかった時に、一時的に作成される緊急用のプロファイルです。
通常、Windowsにログインすると、C:\Users\ユーザー名というフォルダからあなたの設定やファイルが読み込まれます。
しかし、このフォルダが破損したり、アクセス権に問題があったりすると、Windowsは仕方なく一時プロファイル(TEMP)を作成してログインさせます。
TEMPフォルダの場所
一時プロファイルは、以下の場所に作成されます。
C:\Users\TEMP
または
C:\Users\TEMP.ドメイン名
ドメインに参加しているPCの場合、ドメイン名が付きます。
ユーザープロファイルとは
ユーザープロファイルとは、Windowsがユーザーごとに管理している設定とデータの集まりです。
プロファイルに含まれるもの:
- デスクトップの背景
- スクリーンセーバー
- デスクトップ上のファイルとフォルダ
- ドキュメント、ピクチャ、ダウンロード等のフォルダ
- ブラウザのお気に入り
- アプリの設定
- レジストリ設定(NTUSER.DAT)
これらすべてがC:\Users\ユーザー名フォルダに保存されています。
TEMPユーザーになるとどうなるか
TEMPユーザーでログインすると、以下の症状が出ます。
症状1:デスクトップが真っ新
普段デスクトップに置いていたファイルやショートカットがすべて消えたように見えます。
実際は消えていませんが、一時プロファイルには何もないため、空のデスクトップが表示されます。
症状2:「一時プロファイルでサインインしています」のメッセージ
ログイン時に、以下のようなメッセージが表示されます。
英語版:
You've been signed in with a temporary profile.
You can't access your files, and files created in this profile will be deleted when you sign out.
日本語版:
一時プロファイルでサインインしています。
ファイルにアクセスできません。このプロファイルで作成されたファイルは、サインアウト時に削除されます。
症状3:設定がすべて初期状態
- ブラウザのお気に入りがない
- デスクトップの背景が初期設定に戻っている
- インストールしたアプリは存在するが、設定が初期化されている
症状4:Windowsの起動に時間がかかる
通常より明らかに起動時間が長くなります。
症状5:ログアウトするとデータが消える
最も重要な注意点:
一時プロファイルで作成したファイルや変更した設定は、ログアウトすると完全に削除されます。
絶対にやってはいけないこと:
- デスクトップやドキュメントにファイルを保存
- 重要なファイルを一時プロファイル内に移動
TEMPユーザーが発生する原因
なぜこの問題が起きるのか、主な原因を見ていきましょう。
原因1:ユーザープロファイルの破損(最も多い)
最も一般的な原因です。
プロファイル内の重要ファイル(特にNTUSER.DAT)が破損すると、Windowsはプロファイルを読み込めません。
破損の原因:
- Windows Updateの失敗
- 強制シャットダウン(電源ボタン長押しや突然の停電)
- ハードディスクの物理的な故障
- ウイルス感染
- 不適切なシステムファイルの削除
原因2:レジストリの問題
Windowsは、レジストリの以下の場所にユーザープロファイルの情報を記録しています。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\ProfileList
このレジストリキーが壊れていると、正常なプロファイルを読み込めません。
よくあるレジストリの問題:
- SID(セキュリティ識別子)が重複している
- プロファイルパスが間違っている
.bak拡張子が付いたキーが残っている
原因3:C:\Usersフォルダを直接削除した
絶対にやってはいけない操作ですが、よくある原因です。
C:\Users\ユーザー名フォルダを、Windowsの機能を使わずに直接削除すると、レジストリにSIDだけが残り、プロファイルが見つからなくなります。
原因4:ディスク容量不足
システムドライブ(通常Cドライブ)の空き容量が極端に少ないと、プロファイルを読み込むための作業領域が足りず、エラーになります。
原因5:アクセス権の問題
ユーザープロファイルフォルダに適切なアクセス権が設定されていないと、読み込みに失敗します。
原因6:ネットワークの問題(ドメイン環境のみ)
企業のドメイン環境では、ユーザープロファイルをサーバーに保存していることがあります。
ネットワーク接続が不安定だと、プロファイルをダウンロードできず、一時プロファイルになります。
データは本当に消えたのか?
安心してください。データは消えていません。
一時プロファイルでログインしていても、元のプロファイルフォルダは残っています。
元のデータの場所を確認する方法
- エクスプローラーを開く
C:\Usersを開く- 自分のユーザー名のフォルダがあるか確認
フォルダが存在すれば、データは残っています。
フォルダ名の例:
C:\Users\TaroC:\Users\Taro.DOMAIN(ドメイン環境)
バックアップフォルダも確認
以下のフォルダも確認してください。
C:\Users\Taro.000C:\Users\Taro.bakC:\Users\Taro.old
これらにデータが残っている可能性があります。
TEMPユーザー問題を解決する方法

難易度順に、解決方法を紹介します。
方法1:単純に再起動(まず試す)
難易度:★☆☆☆☆
最も簡単な方法です。一時的な問題であれば、再起動で解決することがあります。
手順:
- PCを再起動
- 同じユーザーでログイン
- 正常なプロファイルで起動するか確認
それでもダメなら、4回連続で再起動してください。
多くの場合、4回目で正常に戻ります。
方法2:セーフモードで起動してから通常起動
難易度:★★☆☆☆
セーフモードで起動することで、問題を起こしているプロセスを回避できます。
手順:
- Windowsの設定を開く
- 「更新とセキュリティ」→「回復」
- 「PCの起動をカスタマイズする」の下の「今すぐ再起動」
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」
- キーボードで「4」を押して「セーフモードを有効にする」
- セーフモードでログイン
- 特に何もせずに再起動
- 通常モードでログイン
方法3:レジストリを修正(最も効果的)
難易度:★★★☆☆
最も効果的な方法ですが、レジストリを編集するため注意が必要です。
警告:レジストリの編集は、間違えるとWindowsが起動しなくなる可能性があります。必ず事前にバックアップを取ってください。
準備:SID(セキュリティ識別子)を確認
- コマンドプロンプトを開く
- 以下のコマンドを実行
whoami /user
- 表示されたSID(例:S-1-5-21-1234567890-…)をメモ
手順:
ステップ1:レジストリエディターを開く
- Windows + R を押す
- 「regedit」と入力してEnter
- レジストリエディターが開く
ステップ2:レジストリをバックアップ
- 「ファイル」→「エクスポート」
- 適当な場所に保存
ステップ3:ProfileListに移動
- 以下のキーに移動
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\ProfileList
ステップ4:自分のSIDを探す
左側のツリーで、先ほどメモしたSIDを探します。
通常、2つのキーが見つかります:
S-1-5-21-....-1001(TEMPプロファイル)S-1-5-21-....-1001.bak(元のプロファイル)
ステップ5:プロファイルパスを確認
それぞれのキーをクリックして、右側のProfileImagePathを確認します。
.bakなしのキー:C:\Users\TEMPを指している(これがTEMPプロファイル).bak付きのキー:C:\Users\ユーザー名を指している(これが元のプロファイル)
ステップ6:修正を実行
パターンA:.bakキーが存在する場合(通常)
.bakなしのキー(TEMPプロファイル)を右クリック→「削除」.bak付きのキーを右クリック→「名前の変更」- 末尾の
.bakを削除(例:S-1-5-21-....-1001.bak→S-1-5-21-....-1001) - レジストリエディターを閉じる
- PCを再起動
パターンB:.bakキーが存在しない場合
- TEMPプロファイルのキーをクリック
- 右側の
ProfileImagePathをダブルクリック - 値を正しいパス(
C:\Users\ユーザー名)に修正 - レジストリエディターを閉じる
- PCを再起動
方法4:システムの復元
難易度:★★☆☆☆
問題が発生する前の状態に戻します。
手順:
- Windows + R を押す
- 「rstrui」と入力してEnter
- システムの復元が起動
- 問題が発生する前の復元ポイントを選択
- 画面の指示に従って復元
注意:
- 復元には30分〜1時間かかることがあります
- 復元中は絶対にキャンセルしないこと
- 復元ポイントがない場合は使えません
方法5:新しいユーザーアカウントを作成してデータ移行
難易度:★★★★☆
プロファイルが完全に破損している場合の最終手段です。
手順:
ステップ1:新しいアカウントを作成
- Windowsの設定を開く
- 「アカウント」→「家族とその他のユーザー」
- 「その他のユーザーをこのPCに追加」
- 「このユーザーのサインイン情報がありません」
- 「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」
- ユーザー名とパスワードを設定(ユーザー名は英数字のみ)
- アカウントの種類を「管理者」に変更
ステップ2:新しいアカウントでログイン
- ログアウト
- 新しいアカウントでログイン
ステップ3:元のデータをコピー
- エクスプローラーを開く
C:\Users\元のユーザー名を開く- 以下のフォルダを新しいアカウントにコピー
- デスクトップ
- ドキュメント
- ピクチャ
- ダウンロード
- お気に入り(
AppData\Local\Microsoft\Windows内)
ステップ4:古いアカウントを削除(オプション)
- Windowsの設定を開く
- 「アカウント」→「家族とその他のユーザー」
- 古いアカウントを削除
データを救出する方法
TEMPユーザーの状態でも、元のデータは残っています。
救出手順
手順:
- 一時プロファイルの状態でログイン
- エクスプローラーを開く
C:\Users\元のユーザー名を開く- デスクトップ、ドキュメント等のフォルダを開く
- 重要なファイルを外付けHDDやUSBメモリにコピー
注意:
- 移動ではなくコピーすること
- 一時プロファイル(
C:\Users\TEMP)にはファイルを保存しないこと
よくある質問と回答
TEMPユーザーに関してよく聞かれる質問をまとめました。
Q1:TEMPユーザーでログインしたら、データは完全に消えますか?
A:いいえ、データは消えていません。
元のプロファイルフォルダ(C:\Users\ユーザー名)は残っています。
ただし、一時プロファイル内で作成したファイルは、ログアウトすると削除されます。
Q2:一時プロファイルで作業したファイルを保存するにはどうすればいいですか?
A:外付けドライブまたはクラウドストレージに保存してください。
一時プロファイル内(C:\Users\TEMP)に保存すると、ログアウト時に削除されます。
以下の場所に保存してください:
- 外付けHDD
- USBメモリ
- OneDrive
- Google Drive
Q3:何度再起動してもTEMPユーザーのままです。どうすればいいですか?
A:方法3(レジストリを修正)を試してください。
単純な再起動では直らない場合、レジストリの問題である可能性が高いです。
Q4:レジストリに.bakキーがありません。どうすればいいですか?
A:ProfileImagePathを正しいパスに修正してください。
誤:C:\Users\TEMP
正:C:\Users\実際のユーザー名
修正後、PCを再起動してください。
Q5:元のデータフォルダが見つかりません。どこにありますか?
A:以下の場所を確認してください。
C:\Users\ユーザー名C:\Users\ユーザー名.000C:\Users\ユーザー名.bakC:\Windows.old\Users\ユーザー名
これらのどこにも見つからない場合、データが失われている可能性があります。
Q6:ドメイン環境で毎回TEMPユーザーになります。原因は?
A:ネットワーク接続の問題またはサーバーの問題です。
- ネットワーク接続を確認
- サーバー管理者に連絡
- ローカルプロファイルに切り替える
TEMPユーザー問題を予防する方法
この問題を今後発生させないための予防策です。
予防策1:定期的にバックアップを取る
最も重要な予防策です。
バックアップすべきもの:
- デスクトップのファイル
- ドキュメント
- ピクチャ
- ダウンロード
- ブラウザのお気に入り
バックアップ先:
- 外付けHDD
- クラウドストレージ(OneDrive、Google Drive等)
予防策2:正しくシャットダウンする
強制シャットダウンは、プロファイル破損の大きな原因です。
正しいシャットダウン手順:
- すべてのアプリケーションを閉じる
- スタートメニュー→電源→シャットダウン
やってはいけないこと:
- 電源ボタンを長押し
- 電源ケーブルを抜く
- バッテリーを外す
予防策3:Windows Updateを定期的に実行
Windows Updateには、プロファイル関連のバグ修正も含まれます。
予防策4:ディスク容量を確保する
システムドライブ(Cドライブ)の空き容量を常に20GB以上確保してください。
予防策5:ユーザーフォルダを直接削除しない
ユーザーアカウントを削除する時は、必ずWindowsの機能を使ってください。
正しい削除方法:
- 設定→アカウント→家族とその他のユーザー
- 削除したいアカウントを選択→削除
間違った削除方法:
C:\Users\ユーザー名フォルダを直接削除(絶対にダメ)
まとめ:TEMPユーザー問題は必ず解決できる
TEMPユーザー(一時ユーザープロファイル)問題について、まとめます。
TEMPユーザーとは
- Windowsが正常なプロファイルを読み込めない時に作成される一時プロファイル
C:\Users\TEMPに作成される- ログアウトするとデータが削除される
主な症状
- デスクトップのファイルが消えたように見える
- 「一時プロファイルでサインインしています」のメッセージ
- 設定がすべて初期状態
- Windowsの起動に時間がかかる
主な原因
- ユーザープロファイルの破損(最も多い)
- レジストリの問題
- C:\Usersフォルダの直接削除
- ディスク容量不足
- アクセス権の問題
データは消えていない
- 元のプロファイルフォルダ(
C:\Users\ユーザー名)は残っている - エクスプローラーで確認できる
- 外付けドライブにコピーすれば救出可能
解決方法(推奨順)
- 4回連続で再起動
- セーフモードで起動→通常起動
- レジストリを修正(最も効果的)
- システムの復元
- 新しいアカウントを作成してデータ移行
レジストリ修正の手順
- SIDを確認(
whoami /user) - レジストリエディターで
ProfileListに移動 .bakなしのキーを削除.bak付きのキーの名前を変更(.bakを削除)- PC を再起動
予防策
- 定期的にバックアップを取る
- 正しくシャットダウンする
- Windows Updateを実行
- ディスク容量を確保
- ユーザーフォルダを直接削除しない
重要なポイント
- データは消えていない!焦らずに対処する
- 一時プロファイル内にはファイルを保存しない
- レジストリ修正が最も効果的
- 新しいアカウント作成は最終手段
TEMPユーザー問題は、確かに焦る状況ですが、正しい手順を踏めば必ず解決できます。
最も重要なのは、一時プロファイル内でファイルを保存したり移動したりしないことです。
まずは4回連続で再起動を試し、それでもダメならレジストリ修正を行ってください。
レジストリ編集が不安な場合は、システムの復元を試すか、専門家に相談することをおすすめします。
元のデータは残っているので、落ち着いて対処すれば大丈夫ですよ!

コメント