「何もしていないのにメモリ使用率が80%を超えている…」
「アクティビティモニタを見たら、使用済みメモリが異常に多い…」
「8GBのメモリなのに、もう6GB使われている。大丈夫?」
この記事では、Macのメモリ使用率が通常時でも高いという状況について、原因と解決方法を詳しく解説します。
【重要】まず知っておくべきこと:高いメモリ使用率は正常かも

Macのメモリ管理の基本原則
結論から言うと、Macのメモリ使用率が高いのは、ほとんどの場合「正常」です。
これは2013年のmacOS 10.9(Mavericks)以降、Appleがメモリ管理の方針を大きく変更したためです。
Appleの基本方針:
「未使用のメモリは無駄なメモリ」
Unused RAM is Wasted RAM
つまり、Macは意図的にメモリを使い切る設計になっています。
なぜメモリを使い切るのか?
理由1:パフォーマンス向上のため
Macは、よく使うデータを先読みしてメモリに保存(キャッシュ)します。
例:Safariをよく使う
↓
Macが自動的にSafariのデータをメモリにキャッシュ
↓
次回起動が速くなる
理由2:効率的なメモリ利用
空いているメモリがあれば、そこに「念のため」データを保存しておきます。
必要になったら即座に使え、不要になったらすぐに解放される仕組みです。
Windowsとの違い
| OS | メモリ管理の考え方 |
|---|---|
| Windows | できるだけメモリを空けておく |
| Mac(2013年以降) | できるだけメモリを使い切る |
重要:
Windowsの感覚で「メモリ使用率が高い=悪い」と考えると、Macでは誤解します。
本当に問題があるか確認する方法
では、どうやって「正常な高メモリ使用率」と「問題のある高メモリ使用率」を見分けるのでしょうか?
確認すべき指標は「メモリプレッシャー」
メモリ使用率(%)ではなく、「メモリプレッシャー」を見てください。
メモリプレッシャーの確認方法
- アクティビティモニタを開く
- Spotlight(Command + Space)で「アクティビティモニタ」と検索
- または、アプリケーション→ユーティリティ→アクティビティモニタ
- 上部の「メモリ」タブをクリック
- 画面下部の「メモリプレッシャー」のグラフを確認
メモリプレッシャーの判定基準
✅ 緑色:正常
→ 問題なし。メモリは効率的に使われている
⚠️ 黄色:やや負荷が高い
→ 少し注意。アプリを減らした方が良いかも
❌ 赤色:メモリ不足
→ 問題あり。対策が必要
重要な原則:
- メモリプレッシャーが緑色なら、使用済みメモリが90%でも問題なし
- メモリプレッシャーが赤色なら、使用済みメモリが50%でも問題あり
スワップ使用領域も確認
アクティビティモニタの下部に「スワップ使用領域」という項目があります。
スワップとは:
メモリが足りなくなった時に、ストレージ(SSD/HDD)を一時的にメモリ代わりに使う機能
判定基準:
- 0 GB または 数百 MB:正常
- 数 GB以上:メモリ不足の可能性
注意:
再起動してからしばらく経つと、スワップが1〜2GB程度になるのは正常です。
通常時のメモリ使用率の目安
「正常」と言われても、実際どのくらいが普通なのか気になりますよね。
メモリ搭載量別の目安
8GBメモリの場合
アイドル時(何もしていない時):
- 使用済みメモリ:4〜6 GB
- 使用率:50〜75%
通常使用時(ブラウザ数タブ+軽作業):
- 使用済みメモリ:6〜7.5 GB
- 使用率:75〜95%
メモリプレッシャー:緑〜黄色
16GBメモリの場合
アイドル時:
- 使用済みメモリ:6〜10 GB
- 使用率:40〜65%
通常使用時:
- 使用済みメモリ:10〜14 GB
- 使用率:65〜90%
メモリプレッシャー:緑
32GB以上の場合
アイドル時:
- 使用済みメモリ:8〜15 GB
- 使用率:25〜50%
通常使用時:
- 使用済みメモリ:15〜25 GB
- 使用率:50〜80%
メモリプレッシャー:緑
重要なポイント:
メモリが多いほど、Macは積極的に多くのメモリを使います。
つまり、32GBのMacで20GB使われていても、これは正常です。
本当に問題がある場合の症状

以下のような症状がある場合は、メモリ不足の可能性があります。
症状チェックリスト
✅ メモリプレッシャーが頻繁に黄色や赤色になる
✅ スワップ使用領域が5GB以上
✅ アプリの切り替えが遅い
✅ ブラウザのタブ切り替えに時間がかかる
✅ アプリが頻繁にクラッシュする
✅ 「アプリケーションのメモリが不足しています」という警告が出る
✅ Macが頻繁にフリーズする
✅ ファンが常に全開で回っている
これらの症状がない場合は、メモリ使用率が高くても問題ありません。
メモリ使用状況の詳しい確認方法
アクティビティモニタの見方を詳しく解説します。
アクティビティモニタの各項目の意味
1. 物理メモリ
Macに搭載されているRAMの総量です。
2. 使用済みメモリ
現在使われているメモリの合計。
右側に内訳が表示されます:
アプリメモリ:
アプリが使用しているメモリ
確保されているメモリ:
macOSシステムが動作するために必要なメモリ。
他のアプリは使用できません。
圧縮:
メモリ不足を避けるために圧縮されたメモリ。
Macの賢い機能で、停止中のアプリのメモリを圧縮します。
3. キャッシュされたファイル
パフォーマンス向上のために未使用メモリにキャッシュされたファイル。
重要:
これは「使用済み」に含まれますが、必要に応じて即座に解放されます。
つまり、実質的には空きメモリと同じです。
4. スワップ使用領域
メモリ不足時に、ストレージをメモリ代わりに使っている量。
5. メモリプレッシャー
メモリがどれだけ効率的に使われているかを視覚的に表現。
これが最も重要な指標です。
どのアプリがメモリを使っているか確認
- アクティビティモニタの「メモリ」タブ
- 上部の「メモリ」列をクリックして、使用量順にソート
- 上位にあるアプリが大量のメモリを使っています
一般的なメモリ使用量の目安:
- Safari/Chrome(5〜10タブ): 1〜3 GB
- Visual Studio Code: 500 MB〜1 GB
- Photoshop: 2〜5 GB
- Final Cut Pro: 3〜10 GB
- Slack: 300〜800 MB
- Spotify: 200〜500 MB
メモリを解放する11の方法

メモリプレッシャーが黄色や赤色になった場合の対処法です。
方法1:不要なアプリを終了する【最も効果的】
手順:
- アクティビティモニタを開く
- 「メモリ」タブで使用量順にソート
- 使っていない大きなアプリを選択
- 左上の「×」ボタンをクリック
- 「終了」または「強制終了」
よくあるメモリ大食いアプリ:
- Google Chrome(特に多数のタブを開いている時)
- Slack
- Microsoft Teams
- Adobe製品
- 仮想マシン(Parallels、VMware)
方法2:ブラウザのタブを減らす
ブラウザのタブは、1つ1つがメモリを消費します。
目安:
- 1タブ:50〜200 MB
対策:
- 使わないタブは閉じる(Command + W)
- ブックマークして後で開く
- タブ管理拡張機能を使う
Chrome向け拡張機能:
- The Great Suspender(タブを自動的に休止)
- OneTab(タブをリスト化して保存)
方法3:ログインユーザー項目を減らす
Mac起動時に自動で起動するアプリを減らします。
手順:
- システム設定(または環境設定)を開く
- 「一般」→「ログイン項目」
- 不要なアプリを選択
- 「−」ボタンで削除
よく自動起動するアプリ:
- Dropbox
- Google Drive
- Creative Cloud
- Spotify
- Skype
方法4:Safariの閲覧履歴とキャッシュをクリア
手順:
- Safari→「履歴」→「履歴を消去」
- 期間を「すべての履歴」に設定
- 「履歴を消去」をクリック
または:
- Safari→「開発」→「キャッシュを空にする」
注意:
「開発」メニューが表示されていない場合:
Safari→環境設定→詳細→「メニューバーに”開発”メニューを表示」にチェック
方法5:Macを再起動する【超簡単】
最も簡単で効果的な方法です。
効果:
- キャッシュがクリアされる
- 圧縮メモリが解放される
- スワップ使用領域がリセットされる
目安:
週に1回は再起動することをおすすめします。
方法6:ターミナルで圧縮メモリを解放
アプリを終了せずにメモリを解放できます。
手順:
- ターミナルを開く(アプリケーション→ユーティリティ)
- 以下を入力してEnter:
sudo purge
- Macのパスワードを入力してEnter
注意:
- 一時的にMacが数秒間フリーズすることがあります
- 効果は一時的です
方法7:Finderの「最近使った項目」機能をオフ
Finderが全てのファイルを記憶しているため、メモリを消費します。
手順:
- Finderを開く
- Finder→環境設定(または設定)
- 「一般」タブ
- 「最近使った項目」のチェックを外す
方法8:ビジュアルエフェクトを減らす
macOSの視覚効果もメモリを消費します。
手順:
- システム設定→アクセシビリティ
- 「ディスプレイ」
- 「視差効果を減らす」にチェック
- 「透明度を下げる」にチェック
方法9:不要なアプリをアンインストール
使っていないアプリを削除します。
注意:
ただアプリを削除するだけでは、関連ファイルが残ります。
推奨方法:
- AppCleaner(無料)を使う
- アプリと関連ファイルを完全削除
方法10:デスクトップのファイルを減らす
意外かもしれませんが、デスクトップのファイルが多いとメモリを消費します。
理由:
macOSは各ファイルのプレビューをメモリに保存するため
対策:
- デスクトップのファイルをフォルダにまとめる
- 書類フォルダに移動
- 外部ストレージに移動
方法11:ストレージの空き容量を増やす
ストレージ容量が少ないと、スワップが正常に動作しません。
目安:
最低でも10〜20 GBの空き容量を確保
確認方法:
- Apple メニュー→「この Mac について」
- 「ストレージ」タブ
ストレージを増やす方法:
- 不要なファイルを削除
- 写真をiCloudに移動
- 古いiOSバックアップを削除
- Time Machineローカルスナップショットを削除
メモリクリーニングアプリは使うべき?

結論から言うと、基本的には不要です。
おすすめしない理由
理由1:macOS自体が優秀
macOSのメモリ管理は非常に優秀です。
人間が手動で管理するより、OSに任せた方が効率的です。
理由2:一時的な効果しかない
メモリクリーニングアプリで解放しても、すぐにまた使用率が上がります。
これは正常な動作です。
理由3:逆効果の可能性
無理やりメモリを解放すると、キャッシュが消えて次回の起動が遅くなります。
例外:使っても良い場合
以下の場合は、使用を検討しても良いでしょう:
✅ 一時的な作業のため
- 動画編集など、一時的に大量のメモリが必要
- 作業前にメモリを解放したい
✅ メモリリークの対処
- 特定のアプリがバグで異常にメモリを消費
- アプリを再起動するのが面倒
おすすめのメモリ管理アプリ
使うなら以下がおすすめ:
1. CleanMyMac X(有料)
- Apple公証済み
- メニューバーからワンクリックで解放
- 総合的なMacメンテナンス機能
2. Memory Clean 3(無料)
- シンプルで軽量
- メニューバーに常駐
3. Memory Diag(無料)
- リアルタイムのメモリ監視
- 自動解放機能
注意:
- CleanMyMac以外の「Mac クリーナー」は避けてください
- 一部は詐欺まがいのアプリです
根本的な解決方法
一時的な対処ではなく、根本から解決する方法です。
解決策1:メモリを増設する
メモリ増設可能なMacモデル:
✅ 増設可能:
- 2012年以前のMacBook Pro
- 2012年以前のiMac(一部)
- 2017〜2020のIntel iMac 27インチ
- Mac mini(一部のモデル)
- Mac Pro
❌ 増設不可:
- 2012年以降のMacBook Air
- 2012年以降のMacBook Pro Retinaモデル
- M1/M2/M3チップ搭載の全てのMac
- 2012年以降のMacBook(12インチ)
確認方法:
- Apple メニュー→「この Mac について」
- モデル名を確認
- Appleサポートサイトまたはメーカーサイトで確認
解決策2:メモリ搭載量が多いMacに買い替え
増設できないMacの場合、この選択肢になります。
購入時の推奨メモリ容量:
軽作業(ウェブ閲覧、メール、Office)
- 最低:8 GB
- 推奨:16 GB(将来のため)
一般的な作業(上記+写真編集、軽い動画編集)
- 推奨:16 GB
プロフェッショナル作業(動画編集、3D、プログラミング)
- 推奨:32 GB以上
ヘビーワーク(4K/8K動画、仮想マシン複数)
- 推奨:64 GB以上
重要:
Appleのメモリアップグレード価格は非常に高額です。
購入時によく検討してください。後から増設できません。
解決策3:ワークフローを見直す
メモリを増やせない場合は、使い方を工夫します。
工夫1:一度に開くアプリを減らす
- 作業ごとにアプリを開閉
- マルチタスクを避ける
工夫2:ブラウザタブを減らす
- タブ管理ツールを使用
- セッション保存機能を活用
工夫3:軽量アプリに切り替える
- Chrome → Safari(Macに最適化)
- Photoshop → Pixelmator Pro(軽量)
- Slack → ウェブ版Slack
工夫4:定期的に再起動
- 週1回は再起動する習慣をつける
よくある質問
Q1. メモリ使用率90%は危険ですか?
A: メモリプレッシャーが緑なら問題ありません。
macOSは意図的にメモリを使い切るため、90%は正常です。
Q2. 「アプリケーションのメモリが不足しています」という警告が出ました
A: これは本当にメモリ不足です。
以下を試してください:
- 不要なアプリを終了
- ブラウザタブを減らす
- Macを再起動
- メモリ増設または買い替えを検討
Q3. キャッシュされたファイルは削除すべきですか?
A: いいえ、削除する必要はありません。
キャッシュは必要に応じて自動的に解放されます。
無理に削除すると、次回の起動が遅くなります。
Q4. スワップ使用領域が3GBですが大丈夫?
A: メモリプレッシャーが緑なら問題ありません。
長時間使用しているとスワップが増えるのは正常です。
気になる場合は再起動してください。
Q5. 8GBで足りますか?16GBにすべきですか?
A: 用途によります。
8GBで十分:
- ウェブ閲覧、メール、Office
- 軽い写真編集
16GB推奨:
- 動画編集
- プログラミング
- 複数アプリの同時使用
32GB以上推奨:
- プロの動画編集
- 3Dレンダリング
- 仮想マシン使用
Q6. M1/M2/M3チップのMacはメモリが少なくても大丈夫?
A: はい、Appleシリコンは効率的です。
M1/M2/M3チップは統合メモリ(ユニファイドメモリ)を使用し、Intel Macより効率的にメモリを使用します。
目安:
- M1/M2/M3の8GB ≒ Intel Macの12GB
- M1/M2/M3の16GB ≒ Intel Macの24GB
ただし、プロ用途なら16GB以上を推奨します。
Q7. Chromeのメモリ使用量が異常に多いです
A: Chromeはメモリを大量に消費することで有名です。
対策:
- 拡張機能を減らす
- タブを減らす
- Safariに切り替える(Macに最適化)
Q8. メモリリークとは何ですか?
A: アプリがメモリを解放せずに蓄積し続けるバグです。
症状:
- 特定のアプリのメモリ使用量が時間とともに増加
- アプリの再起動で改善
対処法:
- アプリを再起動
- アプリを最新版にアップデート
- 開発元に報告
Q9. macOSをアップデートしたらメモリ使用量が増えました
A: これは正常です。
新しいmacOSは追加機能のため、より多くのメモリを使用します。
数日使うと最適化され、安定します。
Q10. メモリプレッシャーが常に黄色です
A: 以下を試してください:
- 不要なアプリを終了
- ログイン項目を減らす
- ブラウザタブを減らす
- 再起動
- それでも改善しない→メモリ増設または買い替え
まとめ:メモリ使用率が高いことを恐れない
重要ポイント
✅ メモリ使用率が高い≠問題
- macOSは意図的にメモリを使い切る設計
✅ 見るべきは「メモリプレッシャー」
- 緑色なら全く問題なし
- 黄色なら要注意
- 赤色なら対策必要
✅ スワップ使用領域も確認
- 数GB程度は正常
- 10GB以上は要注意
✅ 本当に問題がある時の症状
- アプリの動作が重い
- 頻繁にクラッシュ
- 「メモリ不足」の警告
すぐにできる対策
- アクティビティモニタでメモリプレッシャーを確認
- 緑なら何もしなくてOK
- 黄色や赤なら不要なアプリを終了
- 週1回は再起動する習慣をつける
根本的な解決
- メモリ増設(可能なモデルのみ)
- メモリ容量の多いMacに買い替え
- ワークフローを見直す
最後に、もう一度繰り返します:
Macのメモリ使用率が高いのは、ほとんどの場合「正常」です。
「メモリプレッシャー」が緑色なら、心配する必要はありません。
Macを信頼して、快適に使いましょう!

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