Windowsアップデート後、見覚えのない「Nahimic Companion」というソフトが勝手にインストールされていて驚いた経験はありませんか?
「同意した覚えもないのに利用規約への同意を求められた」
「アンインストールしても何度も復活する」
「プログラムと機能の一覧に表示されない」
こうした声が多く寄せられています。実は、このNahimic Companionは普通の方法では完全に削除できない、かなり厄介なソフトウェアなんです。
今回は、Nahimic Companionを完全にアンインストールする方法を、手順を追って詳しく解説します。
Nahimic Companionとは?なぜ勝手にインストールされるのか

Nahimic Companionは、MSI、ASRock、Dell、Lenovoなどのメーカー製PCに搭載されるオーディオドライバーに付随するアプリケーションです。
本来の目的と機能
このアプリは、Nahimicオーディオドライバーの管理と設定を行うために作られました。
バーチャル7.1chサウンドやイコライザー設定、マイク強化機能などにアクセスできます。新しいオーディオデバイスを接続したときに、自動的に最適化を提案してくれる機能もあるんですね。
なぜ勝手にインストールされるのか
問題は、Windowsアップデートを通じて自動的にインストールされることです。
ユーザーの許可を求めることなく、「推奨ドライバー更新」として配信されます。MSIなどの特定メーカーのマザーボードやノートPCを使っていると、ある日突然インストールされているわけです。
しかも、利用規約への同意を求めるポップアップが表示されるため、多くの人が「これは何?」と戸惑います。
なぜ削除が難しいのか?復活する理由
Nahimic Companionの削除が困難な理由は、その仕組みにあります。
通常のアンインストール方法が効かない
最も困るのが、「プログラムと機能」や「アプリと機能」の一覧に表示されないケースがあることです。
スタートメニューからアンインストールしようとしても、設定画面に飛ぶだけで該当するアプリが見つからない。これでは削除のしようがありませんよね。
複数の場所に分散している
Nahimicは、以下の複数の場所に分散してインストールされています。
- アプリケーション本体
- Nahimicサービス(バックグラウンドプロセス)
- Nahimic Mirroring Device(仮想デバイス)
- A-Volute Nh3 Audio Effects Component(オーディオエフェクト)
- レジストリキー
- タスクスケジューラのタスク
これら全てを削除しないと、残った部分が自動的に他の部分を再インストールしてしまうんです。
Windowsアップデートが再インストールする
最も厄介なのが、完全に削除してもWindowsアップデートが再びインストールしてしまうことです。
Windowsは、「このPCにはNahimicオーディオデバイスがある」と認識しているため、定期的にドライバー更新として配信します。まるでウイルスのような挙動ですよね。
アンインストールする前の注意点
削除作業を始める前に、以下の点に注意してください。
音質が変わる可能性がある
Nahimicは、一部のメーカーでPC本体のスピーカー最適化に使われています。
削除すると、メーカーが意図した音質から変わってしまう可能性があります。特にMSIのノートPCでは、スピーカーから音が出なくなるケースも報告されているんです。
レジストリ編集のリスク
完全削除にはレジストリ編集が必要になります。
レジストリは、Windowsの設定が保存されている重要な場所です。間違えて必要なキーを削除すると、システムが起動しなくなる恐れもあります。必ずレジストリのバックアップを取ってから作業してください。
復元ポイントの作成
何か問題が起きたときに備えて、システムの復元ポイントを作成しておきましょう。
これがあれば、作業前の状態に戻せます。「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「システム」→「システムの保護」から作成できます。
Nahimic Companionの完全アンインストール手順
それでは、実際の削除手順を見ていきましょう。PC再起動は、全ての手順が終わってから1回だけ行います。
手順1:Nahimic Companionアプリのアンインストール
まず、アプリ本体を削除します。
- Windowsキー + I で設定を開きます
- 「アプリ」→「インストールされているアプリ」(Windows 11)または「アプリと機能」(Windows 10)を選択します
- 「Nahimic Companion」を探します
- 見つかったら、「…」メニューから「アンインストール」を選択します
- 画面の指示に従ってアンインストールします
注意:一覧に表示されない場合は、次のステップに進んでください。
手順2:Nahimicサービスの停止と無効化
バックグラウンドで動くサービスを停止します。
- Windowsキー + R で「ファイル名を指定して実行」を開きます
- 「services.msc」と入力してEnterキーを押します
- 「Nahimic service」を探してダブルクリックします
- 「停止」ボタンをクリックします
- 「スタートアップの種類」を「無効」に変更します
- 「回復」タブに移動します
- 「最初のエラー」「2回目のエラー」「それ以降のエラー」の全てを「何もしない」に設定します
- 「適用」→「OK」をクリックします
これで、サービスが自動的に起動しなくなります。
手順3:デバイスマネージャーからの削除
仮想デバイスを削除します。
- Windowsキー + X を押して「デバイスマネージャー」を選択します
- 「サウンド、ビデオ、およびゲーム コントローラー」を展開します
- 以下の項目を見つけて、それぞれ右クリック→「デバイスのアンインストール」を選択します
- Nahimic Mirroring Device
- A-Volute Nh3 Audio Effects Component
- 「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除します」にチェックを入れます
- 「アンインストール」をクリックします
- 「ソフトウェアコンポーネント」も展開して確認します
- 「Nahimic Mirroring Component」があれば、同様に削除します
手順4:タスクスケジューラからの削除
自動実行タスクを削除します。
- Windowsキー + R で「taskschd.msc」と入力してEnterキーを押します
- タスクスケジューラライブラリを確認します
- Nahimicに関連するタスクを全て見つけます
- それぞれ右クリックして「削除」を選択します
これで、定期的に実行されるタスクが無くなります。
手順5:レジストリキーの削除
警告:この手順は慎重に行ってください。必ずバックアップを取ってから作業します。
- Windowsキー + R で「regedit」と入力してEnterキーを押します
- レジストリエディタが開いたら、「編集」→「検索」を選択します
- 「Nahimic」と入力して「次を検索」をクリックします
- 見つかったキーを右クリックして「削除」を選択します
- F3キーを押して次の「Nahimic」キーを検索します
- 見つかった全てのNahimic関連キーを削除します
主な削除対象は以下の場所です。
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\NahimicService
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Nahimic_Mirroring
- HKEY_CURRENT_USER\Software\Nahimic
全て削除できたらレジストリエディタを閉じます。
手順6:残存ファイルの削除(オプション)
より徹底的に削除したい場合は、ファイルも削除します。
- エクスプローラーで以下のパスを開きます
C:\Program Files (x86)\MSI\One Dragon Center\Nahimic - Nahimicフォルダを右クリックして削除します
C:\Windows\System32フォルダでNahimicを含むファイルを検索します- 見つかったファイルを削除します(管理者権限が必要な場合があります)
手順7:PC再起動
全ての手順が完了したら、PCを再起動します。
再起動後、Nahimic Companionが起動しないことを確認してください。
Windowsアップデートでの再インストールを防ぐ方法

ここまでの手順で削除できますが、Windowsアップデートが再びインストールする可能性があります。これを防ぐには、追加の設定が必要です。
方法1:グループポリシーでドライバーインストールをブロック(Pro版以上)
Windows 10/11 Proをお使いの場合は、この方法が有効です。
- Windowsキー + R で「gpedit.msc」と入力します
- 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「システム」→「デバイスのインストール」→「デバイスのインストールの制限」を開きます
- 「これらのデバイスIDと一致するデバイスのインストールを禁止する」をダブルクリックします
- 「有効」を選択します
- 「表示」ボタンをクリックして、以下のハードウェアIDを追加します
ROOT\NAHIMIC_MIRRORINGSWC\Nahimic*
- 「OK」をクリックします
これで、NahimicのドライバーがWindowsアップデートで配信されても、インストールされなくなります。
方法2:BIOSでオーディオコントローラーを無効化(最終手段)
どうしても再インストールを防げない場合の最終手段です。
- PCを再起動してBIOSに入ります(メーカーによって方法が異なります)
- 「Advanced」または「Integrated Peripherals」セクションを探します
- 「HD Audio Controller」を見つけて無効化します
- 設定を保存して終了します
注意:この方法を使うと、PC内蔵のオーディオが完全に使えなくなります。USB接続の外部オーディオインターフェースや、外付けスピーカーを使う必要があります。
方法3:Driver Store Explorerを使う(上級者向け)
GitHubで公開されているツールを使う方法もあります。
- Driver Store Explorer(Rapr)をGitHubからダウンロードします
- 管理者として実行します
- 「A-Volute Extension」ドライバーパッケージを探します
- 「Force Delete」を選択して削除します
- Windowsアップデートでこのドライバーが再配信されないよう設定します
この方法は、ドライバーストアから完全に削除するため、効果が高いです。
アンインストール後に問題が起きた場合
削除後にトラブルが発生することもあります。
PCから音が出なくなった
Nahimicを削除すると、一時的に音が出なくなる場合があります。
対処法は、Realtekオーディオドライバーを再インストールすることです。
- メーカーの公式サイトから最新のRealtekドライバーをダウンロードします
- インストーラーを実行します
- PCを再起動します
これで、Nahimicなしで音が鳴るようになります。
音質が悪くなった
Nahimicの補正機能に依存していた場合、音質が変わることがあります。
別のオーディオ強化ソフトを使うか、Windowsの標準イコライザー機能を活用してください。サウンド設定の「拡張」タブから、基本的な調整ができます。
削除できたか確認する方法
完全に削除できたか確認するには、以下をチェックしてください。
- タスクマネージャーで「NahimicService.exe」が動いていないか
- デバイスマネージャーに「Nahimic Mirroring Device」が表示されていないか
- スタートメニューに「Nahimic Companion」が表示されていないか
- サービス一覧に「Nahimic service」が存在しないか
これら全てが無ければ、削除成功です。
サードパーティツールを使う方法
手動での削除が難しい場合は、専用ツールを使う選択肢もあります。
Revo Uninstaller
Revo Uninstallerは、通常のアンインストールでは残ってしまうファイルやレジストリを自動で削除してくれるツールです。
無料版でも基本機能は使えます。Nahimic Companionを選択して「強制アンインストール」を実行すると、関連ファイルを全て探して削除してくれます。
IObit Uninstaller
IObit Uninstallerも、同様の機能を持つ無料ソフトです。
「パワフルアンインストール」機能を使えば、残存ファイルを徹底的にスキャンして削除できます。日本語に対応している点も使いやすいですね。
まとめ:完全削除は手間がかかるが可能
Nahimic Companionの完全アンインストールは、確かに手間がかかります。
通常のアプリのように「アンインストール」ボタンを押すだけでは削除できません。複数の場所から関連ファイルやサービスを取り除き、レジストリを編集する必要があります。
削除手順のおさらい
- Nahimic Companionアプリをアンインストール
- Nahimicサービスを停止・無効化
- デバイスマネージャーから仮想デバイスを削除
- タスクスケジューラのタスクを削除
- レジストリキーを削除
- 残存ファイルを削除
- PC再起動
- グループポリシーまたはBIOSで再インストール防止
これらの手順を丁寧に実行すれば、完全に削除できます。
ただし、PCの音響設計の一部として組み込まれている場合もあるので、削除後に音質が変わる可能性は理解しておきましょう。音楽制作やゲーム配信など、特別な用途でNahimicが邪魔になる場合以外は、そのまま使い続けるのも一つの選択肢です。
どうしても削除したい場合は、この記事の手順を参考に、慎重に作業を進めてくださいね。

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