「パソコンにNahimicというソフトが入っているけど、これって何?」
「必要なの?削除しても大丈夫?」
「どうやって使えばいいの?」
ゲーミングPCやノートPCを購入すると、プリインストールされていることが多いNahimic(ナヒミック)。でも、何のためのソフトなのか、どう使えば良いのか、よく分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Nahimicの基本から使い方、メリット・デメリットまで、初心者の方にも分かりやすく完全解説します。
Nahimicとは?
簡単に言うと
パソコンの音質を向上させ、ゲームや音楽、映画をより臨場感のある音で楽しめるようにするオーディオソフトウェアです。
正式名称
Nahimic Audio(ナヒミック オーディオ)
現在は「Nahimic by SteelSeries」として提供されています。
開発元
元々の開発元
- フランスのA-Volute(ア・ボルート)社が開発
- 2004年設立
- 当初は軍事用の戦闘機シミュレーターなどに3Dサウンド技術を提供
- 2015年にゲーミングPC向けにNahimicブランドを立ち上げ
現在の開発元
- 2020年4月、SteelSeries(スティールシリーズ)がA-Volute社を買収
- 現在はSteelSeriesソフトウェアライブラリの一部として提供
SteelSeriesとは?
- ゲーミングデバイスの有名メーカー
- キーボード、マウス、ヘッドセットなどを製造
どんなパソコンに入っている?
Nahimicは、以下のメーカーのPCにプリインストールされていることが多いです。
主な対象メーカー
- MSI(特にゲーミングノート、マザーボード)
- Lenovo(Legion シリーズなど)
- Dell / Alienware
- ASUS(一部モデル)
- Gigabyte(マザーボード)
- AsRock(マザーボード)
- Huawei / Honor
- NEC(一部モデル)
- マウスコンピューター(一部モデル)
- ドスパラ(一部モデル)
主な対象製品
- ゲーミングノートPC
- ゲーミングデスクトップPC
- ゲーミングマザーボード
- 一部の一般向けノートPC
Nahimicの目的
3つの主な目的
- 音質の向上
- PCメーカーが意図した通りの音響性能を実現
- スピーカーの性能を最大限に引き出す
- 過剰な振動を抑えてスピーカーを保護
- バーチャルサラウンド
- 通常のステレオ(2ch)スピーカーやヘッドフォンで7.1chサラウンドを再現
- ゲームや映画で臨場感のある音響体験
- ゲーマー向け機能
- 足音や銃声の方向を視覚的に表示
- マイク音質の向上
- ボイスチャットとゲーム音のバランス調整
Nahimicの主な機能
Nahimicには、音響体験を向上させるための様々な機能があります。
1. バーチャルサラウンド(7.1ch)
最も重要な機能
通常のステレオ(2ch)スピーカーやヘッドフォンで、7.1chサラウンドを仮想的に再現します。
7.1chとは?
- フロント左右:2
- センター:1
- サイド左右:2
- リア左右:2
- サブウーファー:0.1
- 合計8つのスピーカーで構成されるサラウンドシステム
どうやって実現している?
- Nahimic独自のサウンドテクノロジー
- 人間の耳が音の方向を認識する仕組みを利用
- 音の遅延や音量差を計算して、立体的な音場を創出
効果
- 音に包まれているような感覚
- ゲームで敵の位置が分かりやすくなる
- 映画で臨場感が増す
- ASMRなどの立体音響コンテンツで効果大
注意点
- ヘッドフォン・イヤホンで効果を実感しやすい
- スピーカーでは効果が分かりにくい場合もある
2. イコライザー(10バンド)
音の周波数を細かく調整できる機能です。
イコライザーとは?
- 特定の周波数帯(低音、中音、高音)の音量を増減させる機能
- 音楽ジャンルや好みに合わせて音質をカスタマイズ
Nahimicのイコライザー
- 10バンド:10の周波数帯を個別に調整可能
- 周波数範囲:低音域から高音域まで
周波数帯の分類
- 31Hz – 62Hz:超低音(ズンズンという重低音)
- 125Hz – 250Hz:低音(ベースライン、キックドラム)
- 500Hz – 1kHz:中低音(ボーカルの太さ)
- 2kHz – 4kHz:中高音(明瞭さ、楽器の輪郭)
- 8kHz – 16kHz:高音(シンバル、空気感)
プリセット
- 音楽、映画、ゲーム、コミュニケーション用のプリセットあり
- カスタム設定も保存可能
有名な設定例
- Eargasm Explosion:海外で人気の設定(低音と高音を強調)
3. サウンドトラッカー
ゲーマー向けの独自機能
ゲーム内の足音や銃声などの音がどの方向から発生したかを、画面上に視覚的に表示する機能です。
表示方法
- 円形のレーダー上にアイコンで表示
- 音の方向と距離が分かる
- リアルタイムで更新
カスタマイズ可能
- レーダーの位置(画面のどこにでも配置可能)
- レーダーのサイズ
- 透明度
- 色
対応ゲーム
- Nahimic公式サイトに対応ゲームリストあり
- 注意:APEX Legends、Battlefield 2042など、最新ゲームには対応していないことが多い
メリット
- 聴覚と視覚の両方で敵の位置を把握
- 音が聞こえにくい環境でも有利
デメリット
- 対応ゲームが限定的
- ゲームによっては動作しない
4. オーディオプロファイル
使用シーンに合わせて、最適な音響設定を自動的に切り替える機能です。
4つのプロファイル
音楽(Music)
- バランスの取れたリスニング
- ボーカルや楽器の明瞭さを重視
- 低音から高音までフラットな特性
映画(Movie)
- ダイナミックレンジの拡大
- 爆発音や効果音の迫力を強調
- セリフの聞き取りやすさも考慮
ゲーム(Gaming)
- 足音や銃声などの重要な音を強調
- 方向感覚を重視
- サラウンド効果を最大化
コミュニケーション(Communication)
- ボイスチャットの音声を明瞭に
- ノイズキャンセリング
- マイク音質の最適化
スマートプロファイル(Smart)
- 使用中のアプリを自動検知
- 最適なプロファイルに自動切り替え
- 手動で切り替える必要なし
5. マイクエンハンスメント
マイク音質を向上させる機能です。
主な機能
ノイズキャンセリング
- 背景雑音を除去
- キーボードのタイピング音、エアコン、ファンの音などを軽減
エコー除去
- スピーカーから出る音がマイクに入るのを防ぐ
- ハウリングを防止
ボイスレベルの自動調整
- 声の大きさを一定に保つ
- 小さい声でも聞き取りやすく
- 大きい声でも歪まない
こんな時に便利
- オンライン会議(Zoom、Teams、Discord)
- ゲーム配信
- ボイスチャット
6. ボリュームスタビライザー
音量の強弱を一定にする機能です。
通常モード
- 音量の急激な変化を抑える
- 映画の静かなシーンと爆発シーンの音量差を縮小
ナイトモード(Night Mode)
- さらに音量を一定に
- 夜間や集合住宅で大きな音を出せない時に便利
- 小さい音量でも聞き取りやすい
メリット
- 音量調整の手間が減る
- 周囲への配慮
デメリット
- ダイナミックレンジが狭くなる
- 迫力が減る場合がある
7. サウンドシェアリング
2つのヘッドフォンで同じ音声を同時に聴ける機能です。
対応デバイス
- USB接続
- Bluetooth接続
- 3.5mmジャック接続
使用例
- 友人と一緒に映画を観る
- 2人でゲームの音を聴く
- 音楽を共有
必要なもの
- Nahimic Mirroring Device(別途インストールが必要な場合あり)
8. Easy Surround(イージーサラウンド)
Bluetoothスピーカーをリアスピーカーとして活用
有線スピーカーとBluetoothスピーカーを組み合わせて、本物のサラウンド環境を構築できる機能です。
仕組み
- 有線スピーカー:フロントスピーカーとして使用
- Bluetoothスピーカー:リアスピーカーとして使用
- 両方を同時に鳴らしてサラウンド効果を実現
推奨環境
- Bluetooth 5.0以上
メリット
- 専用のサラウンドシステムを購入しなくても良い
- 既存のBluetoothスピーカーを活用できる
Nahimicのメリット
1. 無料で高機能
追加費用なし
- PC購入時にプリインストール
- 追加料金は一切不要
- 有料の音響ソフトと同等の機能
2. 簡単操作
初心者でも使いやすい
- 直感的なユーザーインターフェース
- プリセットが用意されている
- 複雑な設定は不要
3. メーカー問わず使える
オーディオデバイスを選ばない
- どんなスピーカーでも使える
- どんなヘッドフォンでも使える
- 100円均一のイヤホンでも効果あり
- メーカー専用ソフトのような制限がない
4. ゲームに特化した機能
サウンドトラッカー
- FPSゲームで有利になる
- 視覚的に敵の位置が分かる
低遅延
- ゲームプレイに適した設計
5. マイク音質の向上
ノイズキャンセリング
- 背景雑音を除去
- クリアな音声
エコー除去
- オンライン会議で便利
6. PCメーカーの音響設計を実現
スピーカー保護
- 過剰な振動を抑える
- 歪みを防ぐ
- 音量を上げてもブーンという音が出にくい
Nahimicのデメリット・注意点
1. バックグラウンドで動作する
リソースを消費
- CPUやメモリを使用
- ゲームのパフォーマンスに影響する可能性(わずか)
2. 音質の好みは人それぞれ
万人向けではない
- バーチャルサラウンドの効果に個人差
- 音楽ジャンルによって向き不向き
- オリジナルの音を好む人には不要
3. サウンドトラッカーの対応ゲームが限定的
最新ゲームに未対応
- APEX Legends、Valorant、Call of Duty最新作などには非対応
- 対応ゲームリストを確認する必要あり
4. 他のオーディオソフトと競合する可能性
相性問題
- Realtek Audio Console
- メーカー独自のオーディオソフト
- サードパーティのイコライザーソフト
これらと同時に使用すると、音が出ない、設定が反映されないなどの問題が起こる場合があります。
5. ドライバーの更新が必要
定期的なメンテナンス
- Windows Updateで動作しなくなることがある
- メーカーサイトから最新版をダウンロードする必要あり
Nahimicの使い方
起動方法
方法1:スタートメニューから
- スタートボタンをクリック
- 「すべてのアプリ」をクリック
- スクロールして「Nahimic」を探す
- クリックして起動
方法2:検索から
- タスクバーの検索ボックスをクリック
- 「Nahimic」と入力
- 検索結果から「Nahimic」をクリック
方法3:タスクトレイから
タスクトレイ(画面右下)にNahimicのアイコンがあれば、クリックして起動できます。
基本設定
バーチャルサラウンドをオンにする
- Nahimicを起動
- 「オーディオ」タブをクリック
- 「バーチャルサラウンド」のスイッチをオン
- 効果を確認
オーディオプロファイルを選択
- 「オーディオ」タブ
- 画面上部のプロファイル選択
- 音楽 / 映画 / ゲーム / コミュニケーション / スマートから選択
イコライザーを調整
- 「オーディオ」タブ
- イコライザーアイコン(波形マーク)をクリック
- 10のスライダーを上下に動かして調整
- プリセットを選択するか、カスタム設定を作成
マイクエンハンスメントを有効化
- 「マイク」タブをクリック
- 「ノイズキャンセリング」をオン
- 「エコー除去」をオン
- 「ボイスレベル」を調整
サウンドトラッカーの使い方
- 「トラッカー」タブをクリック
- 「サウンドトラッカーを有効にする」をオン
- 対応ゲームを起動
- ゲーム画面にレーダーが表示される
- 位置、サイズ、透明度、色をカスタマイズ
よくある質問(FAQ)
Q1:Nahimicって必要ですか?
A:用途によります。
必要な人
- ゲームをプレイする(特にFPS)
- 映画や音楽を臨場感のある音で楽しみたい
- オンライン会議やボイスチャットをよく使う
- 音質にこだわりたい
不要な人
- 音質に特にこだわらない
- パソコンのリソースを節約したい
- オリジナルの音を好む
Q2:削除しても大丈夫ですか?
A:はい、削除しても問題ありません。
Nahimicは音質向上ソフトなので、削除してもパソコンは通常通り動作します。
削除後の影響
- バーチャルサラウンドが使えなくなる
- イコライザー機能が使えなくなる
- 音質がWindows標準に戻る
削除方法
- 設定→アプリ→インストールされているアプリ
- 「Nahimic」を探す
- 「…」→「アンインストール」
Q3:音が出なくなりました
A:Nahimicが原因の可能性があります。
対処法
- Nahimicを一度終了して再起動
- Nahimicのドライバーを更新
- PCメーカーのサポートサイトから最新版をダウンロード
- Windowsのオーディオトラブルシューティングを実行
- 設定→システム→トラブルシューティング→オーディオの再生
- それでもダメなら、Nahimicを一度アンインストールして再インストール
Q4:バーチャルサラウンドの効果が分からない
A:ヘッドフォンやイヤホンで試してください。
スピーカーではバーチャルサラウンドの効果が分かりにくい場合があります。
確認方法
- ヘッドフォンを接続
- Nahimicでバーチャルサラウンドをオン
- YouTube等で「7.1chサラウンドテスト」と検索
- テスト動画を再生して効果を確認
Q5:ゲーム中にNahimicが重い
A:不要な機能をオフにしてください。
軽量化の方法
- サウンドトラッカーをオフ
- バーチャルサラウンドをオフ(ゲームによって)
- Nahimic自体を終了
それでも重い場合は、ゲーム中だけNahimicを無効にすることも検討してください。
Q6:他のオーディオソフトと併用できますか?
A:基本的には推奨されません。
複数のオーディオエンハンスメントソフトを同時に使うと、以下の問題が起こる可能性があります:
- 音が出ない
- 設定が反映されない
- 音質が悪化する
- エラーが発生する
どちらか1つを選んで使用してください。
Q7:Nahimicのバージョンを確認したい
A:Nahimicアプリの設定で確認できます。
- Nahimicを起動
- 右上の歯車アイコン(設定)をクリック
- 「バージョン情報」または「About」でバージョンを確認
Q8:Windows 11でも使えますか?
A:はい、Windows 11に対応しています。
Windows 10とWindows 11の両方で動作します。
Q9:Realtek Audio Consoleとの違いは?
A:Realtek Audio Consoleは汎用ドライバー、Nahimicは機能拡張ソフトです。
Realtek Audio Console
- オーディオチップのドライバー付属ソフト
- 基本的な音量調整、サウンドエフェクト
- ほぼすべてのPCに搭載
Nahimic
- サードパーティ製の音質向上ソフト
- バーチャルサラウンド、ゲーマー向け機能
- 特定のメーカーのPCにプリインストール
併用は可能ですが、設定が競合しないように注意が必要です。
Q10:SteelSeries Sonarとの違いは?
A:Nahimicはプリインストール版、Sonarは誰でも使える版です。
Nahimic
- 特定のPCメーカーとの提携製品
- プリインストールされている
- 対応PCでのみ使用可能
SteelSeries Sonar
- 誰でも無料でダウンロード可能
- より新しい機能
- どんなPCでも使える
Nahimicが使えない場合は、SteelSeries Sonarを試してみるのも良いでしょう。
まとめ
Nahimicについて、重要なポイントをおさらいしましょう。
Nahimicとは
PCの音質を向上させるオーディオソフトウェア
- SteelSeries(元A-Volute社)が開発
- MSI、Lenovo、Dell、GigabyteなどのゲーミングPCにプリインストール
- ゲーム、音楽、映画、会議など様々な用途に対応
主な機能7つ
- バーチャルサラウンド(7.1ch)
- イコライザー(10バンド)
- サウンドトラッカー(足音や銃声の視覚化)
- オーディオプロファイル(音楽、映画、ゲーム、会議)
- マイクエンハンスメント(ノイズキャンセリング)
- ボリュームスタビライザー(音量の均一化)
- サウンドシェアリング(2台同時再生)
メリット
- 無料で高機能
- 簡単操作
- メーカー問わず使える
- ゲームに特化した機能
- マイク音質の向上
デメリット
- リソースを消費
- 音質の好みは個人差
- サウンドトラッカーの対応ゲームが限定的
- 他のオーディオソフトと競合の可能性
こんな人におすすめ
- FPSゲームをプレイする
- 映画や音楽を臨場感のある音で楽しみたい
- オンライン会議やボイスチャットをよく使う
- ヘッドフォンやイヤホンで音楽を聴く
こんな人には不要
- 音質に特にこだわらない
- パソコンのリソースを節約したい
- オリジナルの音を好む
- スピーカーしか使わない
Nahimicは、ゲーミングPCに付属していることが多いオーディオソフトウェアです。
特にバーチャルサラウンド機能は、普通のヘッドフォンで7.1chサラウンドを体験できる優れた機能で、ゲームや映画の臨場感を大きく向上させます。
プリインストールされている場合は、まず一度使ってみて、効果を実感してみてください。気に入らなければ削除しても問題ありませんし、気に入れば継続して使えば良いでしょう。
自分の用途に合わせて、Nahimicを活用してより良い音響体験を楽しんでください!

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