オンライン会議やゲーム配信、ボイスチャットなどで、マイクが正しく動作しないと困りますよね。
「声が小さすぎて相手に聞こえない」「マイクが認識されない」「ノイズがひどい」——こんな経験、ありませんか?
多くのWindowsパソコンに搭載されているRealtek Audioには、マイクを快適に使うための様々な機能が用意されています。でも、設定方法が分からなかったり、うまく動作しなかったりすることも。
この記事では、Realtek Audioのマイク機能について、基本的な仕組みから詳しい設定方法、よくあるトラブルの解決方法まで、丁寧に解説します。
Realtek Audioのマイク機能とは

基本的な役割
Realtek Audioのマイク機能は、次のような役割を担っています:
1. マイク入力の処理
- マイクから入ってくる音声信号をデジタル化
- パソコンで使える形式に変換
2. 音質の調整
- 音量(感度)の調整
- ノイズの除去
- エコーキャンセリング
3. 複数のマイクの管理
- 内蔵マイク
- 外付けマイク
- ヘッドセットのマイク
これらを個別に認識して切り替えます。
対応するマイクの種類
Realtek Audioは、さまざまなタイプのマイクに対応しています。
内蔵マイク:
- ノートパソコンに最初から付いているマイク
- Webカメラに内蔵されているマイク
- 通常、ステレオまたはモノラル
外付けマイク:
- 3.5mmプラグで接続するマイク
- ピンク色のマイク端子に接続
- PC用マイク、配信用マイクなど
ヘッドセットのマイク:
- 4極プラグ(TRRS)で接続
- 1本のケーブルでヘッドホンとマイク両方
USB接続のマイク:
- USB端子に接続するマイク
- Realtek Audioを経由せず、独自のドライバーで動作
- この記事の対象外
Realtek Audio Consoleでのマイク設定方法
Realtek Audio Consoleの起動
まず、Realtek Audio Consoleを開きます。
手順:
- スタートメニューをクリック
- 「すべてのアプリ」をクリック
- 「R」セクションから「Realtek Audio Console」を選択
マイクの基本設定
1. マイクを選択
- Realtek Audio Consoleを起動
- 画面左側の「録音デバイス」セクションを確認
- 使用したいマイク(「マイク配列」または「マイク」)をクリック
2. 音量(感度)の調整
- 選択したマイクの設定画面を開く
- 「メインボリューム」のスライダーで音量を調整
- 声を出しながら音量ゲージを確認
- ゲージが中間くらいまで動くように調整
3. ミュートの確認
- マイクアイコンに「×」マークがないか確認
- ついている場合はクリックしてミュート解除
マイク効果(エフェクト)の設定
Realtek Audio Consoleには、用途に応じたマイク効果のプリセットが用意されています。
「マイク効果」の種類:
一方向(デフォルト):
- 一人で使用するときに最適
- オンライン会議、ゲーム配信など
- 正面からの音を重点的に拾う
全方向:
- 複数人で使用するときに最適
- 会議室での会議、複数人でのゲーム配信
- 周囲360度の音を拾う
音声認識を強化:
- Windows音声認識やCortanaを使うとき
- 音声入力の精度を向上させる
高品質録音:
- 音楽や周囲の音を高音質で録音
- ASMR、楽器演奏の録音など
- ノイズ抑制機能が無効になる点に注意
ノイズ抑制機能
ノイズ抑制:
- 「マイク効果」セクションを開く
- 「ノイズ抑制」をオンにする
- ファンの音、キーボードのタイプ音など、定常的なノイズを軽減
効果:
- エアコンの音
- パソコンのファン音
- キーボードのタイプ音
- 周囲の雑音
これらを抑えて、声だけをクリアに拾います。
エコーキャンセリング(音響エコーキャンセル)
AFC(Acoustic Echo Cancellation):
- 「音響エコーキャンセル」をオンにする
- スピーカーから出た音をマイクが拾ってしまう「ハウリング」を防止
注意点:
- 「高品質録音」モードでは使用不可
- イヤホン・ヘッドホンを使用する場合は不要(ハウリングが起きないため)
マイクブースト機能
マイクブーストとは:
マイクの感度を増幅する機能です。声が小さくて相手に聞こえない場合に使用します。
設定方法(Realtek Audio Console):
- 「マイク配列」または「マイク」を選択
- 「マイクブースト」のスライダーを調整
- 通常は+10dB〜+20dBに設定
設定方法(Windows標準設定):
- タスクバーの音量アイコンを右クリック
- 「サウンドの設定」→「サウンド」→「録音」タブ
- マイクを右クリック→「プロパティ」
- 「レベル」タブ→「マイクブースト」のスライダーを調整
注意点:
- ブーストしすぎるとノイズも増幅される
- 必要最小限の設定にする
- +30dB以上は避ける
Realtek HD オーディオマネージャでのマイク設定
古いバージョンのRealtek HD オーディオマネージャを使っている場合の設定方法です。
起動方法
- コントロールパネルを開く
- 「ハードウェアとサウンド」→「Realtek HD オーディオマネージャ」
マイク設定
- 「マイク」タブをクリック
- 録音ボリュームを調整
- 「マイク効果」タブで各種設定
- ノイズ制御
- 音響エコーキャンセル
- ビームフォーミング(対応機種のみ)
よくあるマイクのトラブルと解決方法

問題1:マイクが認識されない
症状:
- マイクを接続しても何も反応しない
- 「録音デバイス」に表示されない
解決方法1:Windowsのマイク権限を確認
- 設定→プライバシー→マイク
- 「アプリがマイクにアクセスできるようにする」をオンにする
- 使いたいアプリ(Zoom、Skype、Discordなど)の権限もオンにする
解決方法2:デバイスが無効になっていないか確認
- サウンド設定→「録音」タブ
- 右クリック→「無効なデバイスの表示」にチェック
- マイクが表示されたら右クリック→「有効化」
解決方法3:ドライバーを更新
- デバイスマネージャーを開く
- 「Realtek(R) Audio」を右クリック
- 「ドライバーの更新」→「自動的に検索」
問題2:声が小さすぎる・相手に聞こえない
症状:
- マイクの音量ゲージはわずかに動くが、ほとんど聞こえない
- 叫ばないと認識されない
解決方法1:マイクブーストを有効にする
Windowsの標準設定から:
- サウンド設定→「録音」タブ
- マイクを右クリック→「プロパティ」
- 「レベル」タブ
- マイクの音量を100に設定
- 「マイクブースト」を+20dB〜+30dBに設定
Realtek Audio Consoleから:
- マイク設定を開く
- 「メインボリューム」を最大に
- 「マイクブースト」を+20dBに設定
解決方法2:正しいドライバーを使用
- メーカー提供のドライバーを使用(Windows標準ドライバーではなく)
- パソコンメーカーのサポートサイトからダウンロード
解決方法3:マイク自体の問題を確認
- 他のデバイス(スマホなど)でマイクが正常に動作するか確認
- マイクが故障している可能性
問題3:マイクブーストの設定項目がない
症状:
- Windowsのサウンド設定で「マイクブースト」のスライダーが表示されない
原因:
- UAD(Universal Audio Driver)を使用している
- 新しいドライバーではマイクブーストが別の場所に移動
解決方法1:Realtek Audio Consoleで設定
UADドライバーを使用している場合、マイクブーストはRealtek Audio Console内で設定します。
解決方法2:HDAドライバーに変更
- 古いHDA(High Definition Audio)ドライバーをインストール
- パソコンメーカーのサポートサイトで「HDA」版を探す
- ただし、最新機能が使えなくなる可能性あり
問題4:ヘッドセットのマイクが認識されない
症状:
- ヘッドセットを接続しても内蔵マイクのまま
- 音は聞こえるがマイクが使えない
解決方法1:デバイスを「ヘッドセット」として認識させる
- ヘッドセットを接続
- 表示されるポップアップで「ヘッドセット」を選択
(「ヘッドホン」ではない)
解決方法2:Realtek Audio Consoleで手動設定
- Realtek Audio Consoleを起動
- 「デバイス詳細設定」をクリック
- 「アナログ」セクションで「ヘッドセット」を選択
解決方法3:自動ポップアップを有効にする
- Realtek Audio Consoleの「デバイス詳細設定」
- 「デバイスを挿入したときに自動ポップアップダイアログを有効にする」にチェック
問題5:ノイズやエコーがひどい
症状:
- 「ザー」「ジー」という雑音が入る
- 自分の声が反響して聞こえる
解決方法1:ノイズ抑制を有効にする
- Realtek Audio Consoleで「マイク効果」を開く
- 「ノイズ抑制」をオンにする
解決方法2:音響エコーキャンセルを有効にする
- 「音響エコーキャンセル」をオンにする
- スピーカー使用時のハウリングを防止
解決方法3:マイクブーストを下げる
ブーストしすぎるとノイズも増幅されます。
- マイクブーストを+10dB程度に下げる
- 代わりにマイクの音量を上げる
解決方法4:Windowsの音響効果を無効にする
- サウンド設定→「録音」タブ
- マイクを右クリック→「プロパティ」
- 「拡張」タブ→「すべての音響効果を無効にする」にチェック
問題6:マイクが途切れる・音飛びする
症状:
- 声が途切れ途切れになる
- 音が一瞬消える
解決方法1:サンプリングレートを変更
- サウンド設定→「録音」タブ
- マイクを右クリック→「プロパティ」
- 「詳細」タブ
- デフォルト形式を変更(例:24ビット、48000Hzなど)
解決方法2:ドライバーを再インストール
- デバイスマネージャーで「Realtek(R) Audio」を右クリック
- 「デバイスのアンインストール」
- 「ドライバーソフトウェアを削除する」にチェック
- 再起動後、自動的に再インストールされる
解決方法3:CPUの負荷を確認
- 他のアプリを閉じる
- 音響効果を無効にして処理を軽くする
用途別のおすすめ設定
オンライン会議・ビデオ通話(Zoom、Teams、Google Meetなど)
マイク効果:一方向
ノイズ抑制:オン
音響エコーキャンセル:オン(スピーカー使用時)
マイクブースト:+10dB〜+20dB(必要に応じて)
ポイント:
- 静かな環境ならノイズ抑制は控えめに
- イヤホン・ヘッドホン使用時はエコーキャンセル不要
ゲーム配信・ボイスチャット(Discord、Skypeなど)
マイク効果:一方向
ノイズ抑制:オン
音響エコーキャンセル:オン
マイクブースト:+10dB
ポイント:
- キーボード音が気になる場合はノイズ抑制を強めに
- ゲーミングヘッドセット使用が推奨
音楽録音・ASMR
マイク効果:高品質録音
ノイズ抑制:オフ
音響エコーキャンセル:オフ
マイクブースト:0dB〜+10dB
ポイント:
- 音質優先のため、ノイズ処理は基本的にオフ
- 静かな環境で録音する
- 高品質な外付けマイク使用を推奨
音声入力・音声認識
マイク効果:音声認識を強化
ノイズ抑制:オン
音響エコーキャンセル:オフ
マイクブースト:+10dB
ポイント:
- はっきりと発音する
- マイクに近すぎず遠すぎない距離(15〜30cm程度)
マイクのテスト方法
Windowsの標準機能でテスト
- 設定→システム→サウンド
- 「入力」セクションで使用するマイクを選択
- 「マイクのテスト」の音量ゲージを確認
- 声を出すとゲージが動く
Realtek Audio Consoleでテスト
- Realtek Audio Consoleを起動
- マイク設定を開く
- 声を出して「メインボリューム」のゲージを確認
- 緑色のゲージが中間くらいまで動けばOK
サウンド設定の「聴く」機能でテスト
- サウンド設定→「録音」タブ
- マイクを右クリック→「プロパティ」
- 「聴く」タブ→「このデバイスを聴く」にチェック
- 自分の声がスピーカーから聞こえるか確認
- テスト後は必ずチェックを外す(ハウリング防止)
まとめ
Realtek Audioのマイク機能の重要ポイント:
- マイクの種類を正しく認識させる
- 内蔵マイク、外付けマイク、ヘッドセットを適切に設定
- 音量とブーストを調整
- 音量は100%
- ブーストは必要に応じて+10dB〜+20dB
- 用途に合わせたマイク効果を選択
- 一方向:オンライン会議、ゲーム
- 全方向:複数人での使用
- 高品質録音:音楽録音
- ノイズ対策を活用
- ノイズ抑制で周囲の雑音を軽減
- 音響エコーキャンセルでハウリング防止
よくあるトラブルの基本対処法:
- マイクが認識されない
→ Windowsのマイク権限を確認 - 声が小さい
→ マイクブーストを+20dBに設定 - ノイズがひどい
→ ノイズ抑制を有効化、ブーストを下げる - ヘッドセットのマイクが使えない
→ 「ヘッドセット」として認識させる
最後に:
Realtek Audioのマイク機能は、適切に設定すれば十分な品質で音声を録音・配信できます。
この記事で紹介した設定を試しながら、自分に合った最適な設定を見つけてください。
それでも解決しない場合は、次の点を確認してみましょう:
- マイク自体の故障
- 接続端子の接触不良
- ドライバーの不具合
必要に応じて、パソコンメーカーのサポートに問い合わせることをおすすめします。

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