アンダーボルト(Undervolting)とは?消費電力削減・温度低下の仕組みを完全解説

プログラミング・IT

PCゲームをプレイしていて、こんな悩みはありませんか?

  • GPUの温度が80℃を超えて心配
  • ファンの音がうるさくて集中できない
  • 電気代が気になる
  • 夏場はPCの熱で部屋が暑くなる

これらの問題を、パフォーマンスをほとんど落とさずに解決できる技術が、アンダーボルト(Undervolting)です。

この記事では、アンダーボルトの仕組み、メリット・デメリット、具体的な方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

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アンダーボルトとは何か

アンダーボルトの定義

アンダーボルト(Undervolting)とは、CPUやGPUに供給する電圧を、デフォルト値よりも低く設定することです。

目的:

  • 消費電力を削減
  • 発熱を低減
  • ファンの騒音を軽減
  • パフォーマンスをほぼ維持(または向上)

なぜ電圧を下げられるのか?

CPUやGPUは、工場出荷時に「すべての個体が安定して動作する」ように、少し高めの電圧が設定されています。

理由:

  • シリコンの品質にばらつきがある
  • 同じ型番のCPUでも、個体によって動作に必要な電圧が異なる
  • これを「シリコンロッタリー(Silicon Lottery)」と呼ぶ
  • 安全マージンを確保
  • すべての個体が安定動作するように、高めの電圧を設定
  • 多くの個体は、実際にはもっと低い電圧で動作可能

例:

  • あるGPUが、実際には0.85Vで動作可能
  • しかし、工場出荷時は1.08Vに設定されている
  • この差分(0.23V)を削減できる

オーバークロックとの違い

項目オーバークロックアンダーボルト
目的性能向上効率向上
電圧上げる下げる
クロック周波数上げる維持または下げる
消費電力増える減る
発熱増える減る
リスク高い(故障の可能性)低い(物理的な故障はほぼない)
保証対象外になる可能性が高い対象外になる可能性がある

アンダーボルトの仕組み

電力消費の基本

電力消費は、以下の式で計算されます。

消費電力(W)= 電圧(V)× 電流(A)

また、CPUやGPUの消費電力は、以下の式でも表されます。

消費電力 ∝ 電圧² × クロック周波数

重要なポイント:

  • 電圧を下げると、消費電力は二乗に比例して減少
  • 例:電圧を10%下げると、消費電力は約19%減少

電圧カーブ(Voltage-Frequency Curve)

GPUやCPUは、電圧とクロック周波数の関係を定義した「電圧カーブ」に従って動作します。

デフォルトの電圧カーブ:

  • 高いクロック周波数 → 高い電圧が必要
  • 低いクロック周波数 → 低い電圧で動作

アンダーボルトの原理:

  • 同じクロック周波数を、より低い電圧で実現
  • 電圧カーブを調整して、効率を向上させる

例:

  • デフォルト:1800MHzを1.08Vで動作
  • アンダーボルト後:1800MHzを0.85Vで動作
  • 結果:同じ性能で、消費電力が約30%減少

GPUブーストクロックとの関係

現代のGPUは、動的にクロック周波数を調整します。

GPU Boost(NVIDIA)の仕組み:

  1. GPUの温度と消費電力を監視
  2. 余裕があれば、クロック周波数を自動的に上げる
  3. 温度が高くなると、クロック周波数を下げる(サーマルスロットリング)

アンダーボルトの効果:

  • 発熱が減る
  • サーマルスロットリングが起こりにくくなる
  • 結果:クロック周波数を高く維持できる
  • パフォーマンスが向上することもある

アンダーボルトのメリット

メリット1:消費電力の削減(20〜30%)

最大のメリットは、消費電力を大幅に削減できることです。

削減率:

  • GPU:20〜30%削減が一般的
  • CPU:10〜20%削減が一般的

具体例:

  • RTX 3080(デフォルト:300W)
  • アンダーボルト後:200〜220W
  • 削減:80〜100W(約30%)
  • RTX 3070(デフォルト:220W)
  • アンダーボルト後:150〜170W
  • 削減:50〜70W(約25%)

電気代の削減:

  • 1日4時間、1年間使用した場合(電気代:30円/kWh)
  • 100W削減 → 年間約4,380円の節約

メリット2:温度の低下(5〜15℃)

消費電力が減ると、発熱も減ります。

温度低下の例:

  • RTX 3080 Ti
  • デフォルト:78℃
  • アンダーボルト後:59℃(-19℃)
  • RTX 3060
  • デフォルト:67℃
  • アンダーボルト後:62℃(-5℃)

メリット:

  • サーマルスロットリングが起きにくい
  • 部品の劣化が遅くなる
  • 夏場でも快適

メリット3:静音化

温度が下がると、冷却ファンの回転数も下がります。

ファン回転数の低下例:

  • RTX 3080 Ti
  • デフォルト:ファン回転数2500 RPM
  • アンダーボルト後:ファン回転数2200 RPM(-300 RPM)

効果:

  • ファンの騒音が小さくなる
  • 静かな環境でゲームやクリエイティブ作業ができる

メリット4:長寿命化

低い温度で動作すると、電子部品の劣化が遅くなります。

理由:

  • 高温は、電子部品の寿命を縮める最大の要因
  • 低温で動作すると、劣化が遅くなる

効果:

  • GPUやCPUの寿命が延びる
  • 長期間、安定して使用できる

メリット5:小型ケースに最適

Mini-ITXなどの小型ケースでは、冷却が課題です。

アンダーボルトの効果:

  • 発熱が少ないため、小型ケースでも高性能GPUを使える
  • 冷却が制限されている環境でも、安定動作

メリット6:パフォーマンスが向上する場合もある

意外なことに、アンダーボルトでパフォーマンスが向上することがあります。

理由:

  • サーマルスロットリングが起きなくなる
  • GPUやCPUが、高いクロック周波数を長時間維持できる
  • 結果:フレームレートが向上

報告例:

  • RTX 3060:アンダーボルト後、ベンチマークスコアが微増
  • RTX 3070:温度低下により、ブーストクロックが維持され、フレームレートが安定

アンダーボルトのデメリットとリスク

デメリット1:システムの不安定性

最大のリスクは、システムが不安定になることです。

起こりうる問題:

  • ブルースクリーン(BSOD)
  • 電圧が低すぎると、システムがクラッシュ
  • ゲームやアプリが突然終了
  • 負荷がかかったときに、電圧不足でクラッシュ
  • 画面にアーティファクト(画像の乱れ)
  • GPUが不安定になると、画面にノイズが出る
  • 起動しない
  • 設定が極端すぎると、PCが起動しない場合も

対策:

  • 少しずつ電圧を下げる(20mVずつ)
  • 各段階で、必ず安定性テストを実施
  • 問題が出たら、少し電圧を上げる

デメリット2:データの破損リスク

システムが不安定になると、データが破損する可能性があります。

リスク:

  • 作業中のファイルが保存されずに消える
  • OSが破損し、起動しなくなる

対策:

  • アンダーボルトを始める前に、重要なデータをバックアップ
  • 設定変更後は、しばらく様子を見る

デメリット3:保証対象外になる可能性

メーカーによっては、アンダーボルトが保証対象外となる場合があります。

注意点:

  • 保証規約を確認
  • 保証期間中は、慎重に判断

デメリット4:時間と手間がかかる

アンダーボルトは、「設定して終わり」ではありません。

必要な作業:

  • 電圧とクロックの最適な組み合わせを見つける
  • 安定性テストを何度も実施
  • ゲームやアプリごとに、動作確認

所要時間:

  • 初めての場合:数時間〜数日
  • 経験者の場合:1〜2時間

デメリット5:個体差がある

同じ型番のGPUやCPUでも、個体によってアンダーボルトの効果が異なります。

理由:

  • シリコンの品質にばらつきがある
  • 「当たり」の個体は、大幅に電圧を下げられる
  • 「ハズレ」の個体は、あまり下げられない

注意:

  • 他人の設定をそのまま真似しても、うまくいかない場合がある
  • 自分の個体に合わせて、調整が必要

デメリット6:クロックストレッチング

一部のGPUやCPUでは、「クロックストレッチング」という現象が起こります。

クロックストレッチングとは:

  • 電圧が不足すると、GPUが内部でクロックを遅延させる
  • 表面上は同じクロック周波数でも、実際には処理が遅くなる
  • パフォーマンスが低下しているのに、気づきにくい

対象:

  • 一部のNVIDIA GPU(全てではない)
  • AMD Ryzen CPU(2000シリーズ以降)
  • Intel Arc GPU

確認方法:

  • ベンチマークスコアを比較
  • デフォルト vs アンダーボルト
  • スコアが低下していたら、クロックストレッチングの可能性

GPUのアンダーボルト

必要なツール

MSI Afterburner(最も人気)

特徴:

  • すべてのメーカーのGPUに対応(NVIDIA、AMD)
  • 無料
  • 電圧カーブエディタが使いやすい
  • オンスクリーンディスプレイで、リアルタイムモニタリング

ダウンロード:

  • MSI公式サイトから

ASUS GPU Tweak III

特徴:

  • すべてのメーカーのGPUに対応
  • 無料
  • 2つのアンダーボルト方法
  • 初心者にも使いやすいUI

ダウンロード:

  • ASUS公式サイトから

その他のツール

  • EVGA Precision X1(NVIDIA GPU)
  • AMD Radeon Software(AMD GPU専用)

アンダーボルトの基本手順(MSI Afterburner)

ステップ1:デフォルト値を確認

  1. MSI Afterburnerをインストール・起動
  2. HWiNFO64やGPU-Zなどのモニタリングツールをインストール
  3. ベンチマークソフトを実行
  • 3DMark Time Spy
  • Unigine Heaven
  • FF XV ベンチマーク
  • 実際のゲーム
  1. 以下の情報を記録
  • 最大GPUクロック(例:1995MHz)
  • GPUコア電圧(例:1.081V)
  • GPU温度(例:78℃)
  • 消費電力(例:300W)
  • ベンチマークスコア

ステップ2:目標を設定

目標の例:

  • パターン1:性能維持
  • クロック周波数:デフォルトと同じ(例:1800MHz)
  • 電圧:デフォルトより低く(例:0.85V)
  • パターン2:効率重視
  • クロック周波数:少し下げる(例:1650MHz)
  • 電圧:大幅に下げる(例:0.75V)

ステップ3:電圧カーブを調整

  1. MSI Afterburnerで「Ctrl + F」を押す
  • 電圧カーブエディタが開く
  1. 全体を下げる
  • 「Shift」を押しながら、カーブ全体を下にドラッグ
  1. 目標の電圧とクロックを設定
  • 例:0.85Vのポイントを1800MHzまで上げる
  1. それより右側を下げる
  • 0.85Vより右側のポイントをすべて選択
  • 1800MHz以下まで下げる
  1. 「チェックマーク」をクリックして適用
  2. カーブが自動的に整えられる

ステップ4:安定性テスト

  1. ベンチマークを30分〜1時間実行
  • 3DMark Time Spy
  • Unigine Heaven(15分ループ)
  • FF XV ベンチマーク
  1. 以下を確認
  • クラッシュしないか
  • 画面にアーティファクトが出ないか
  • 温度、クロック、電圧をモニタリング
  1. 問題がなければ、さらに電圧を下げる
  • 10〜20mVずつ下げて、再テスト
  1. 問題が出たら、少し電圧を戻す
  • クラッシュした電圧から、20〜50mV上げる

ステップ5:実ゲームでテスト

ベンチマークで安定しても、実ゲームで不安定な場合があります。

テスト方法:

  • よくプレイするゲームを、数時間プレイ
  • 高負荷なシーンで、クラッシュしないか確認

ステップ6:設定を保存

  1. MSI Afterburnerのプロファイルに保存
  • 画面下部の「1」〜「5」のスロットに保存
  1. 自動起動を設定
  • MSI Afterburnerの設定を開く
  • 「全般」→「Windowsと一緒に起動」にチェック
  • 「プロファイル」→「自動プロファイル管理」で、保存したスロットを選択

アンダーボルトの実例

実例1:RTX 3080 Ti

Before(デフォルト):

  • GPUクロック:1995MHz
  • GPU電圧:1.081V
  • GPU温度:78℃
  • 消費電力:270〜300W

After(アンダーボルト):

  • GPUクロック:1680MHz
  • GPU電圧:0.756V
  • GPU温度:59℃(-19℃)
  • 消費電力:180〜200W(-100W、約33%削減)

結果:

  • 大幅な消費電力削減と温度低下
  • ゲームは72FPSで安定(目標達成)

実例2:RTX 3060

Before(デフォルト):

  • GPUクロック:1950MHz
  • GPU電圧:1.081V
  • GPU温度:67℃
  • 消費電力:約170W

After(アンダーボルト):

  • GPUクロック:1950MHz(維持)
  • GPU電圧:0.925V
  • GPU温度:62℃(-5℃)
  • 消費電力:約140W(約20%削減)

結果:

  • 性能を維持しながら、消費電力を削減
  • ベンチマークスコアが微増

実例3:RTX 3070

Before(デフォルト):

  • GPUクロック:約1900MHz
  • GPU電圧:約1.05V
  • GPU温度:約75℃

After(アンダーボルト):

  • GPUクロック:1850MHz
  • GPU電圧:0.85V
  • GPU温度:約65℃(-10℃)
  • 消費電力:約150W(約30%削減)

結果:

  • 性能低下はほとんどなし
  • 温度と消費電力が大幅に改善

CPUのアンダーボルト

Intel CPUのアンダーボルト

ツール:Intel XTU(Intel Extreme Tuning Utility)

特徴:

  • Intel公式ツール
  • Core Voltageをオフセット調整
  • 安全で使いやすい

ダウンロード:

  • Intel公式サイトから

ツール:ThrottleStop

特徴:

  • ロックされたIntel CPUでもアンダーボルト可能
  • より細かい設定が可能
  • 上級者向け

ダウンロード:

  • TechPowerUp などから

手順(Intel XTU)

  1. Intel XTUをインストール・起動
  2. 「Core Voltage Offset」を調整
  • 最初は-50mV(-0.050V)から始める
  1. 「Apply」をクリック
  2. 安定性テスト
  • Prime95
  • Cinebench R23
  • 実際の作業やゲーム
  1. 問題がなければ、さらに下げる
  • 10〜20mVずつ下げて、再テスト
  • 一般的には-100mV〜-200mVで安定
  1. 問題が出たら、少し戻す

注意:Plundervolt脆弱性対策

重要:

2019年に発見されたPlundervolt脆弱性の対策として、最新のBIOSやマイクロコードでは、Intel CPUのアンダーボルトができなくなっている場合があります

対象:

  • Haswell以降のIntel CPU
  • 最新のBIOS

確認方法:

  • Intel XTUやThrottleStopで、電圧調整ができるか試す

AMD CPUのアンダーボルト

ツール:AMD Ryzen Master

特徴:

  • AMD公式ツール
  • Ryzen CPUのアンダーボルトが可能
  • 使いやすいUI

ダウンロード:

  • AMD公式サイトから

手順

  1. AMD Ryzen Masterをインストール・起動
  2. 「Manual」モードに切り替え
  3. 「Voltage」を調整
  • 最初は-50mV(-0.050V)から始める
  1. 「Apply & Test」をクリック
  2. 安定性テスト
  3. 問題がなければ、さらに下げる

注意:PBO2(Precision Boost Overdrive 2)

PBO2の「Curve Optimizer」機能を使うと、より細かくアンダーボルトが可能です。

設定場所:

  • BIOS(マザーボードによる)
  • AMD Ryzen Master

アンダーボルトの注意点

注意点1:少しずつ調整

絶対にやってはいけないこと:

  • いきなり大幅に電圧を下げる

正しい方法:

  • 20mV(0.02V)ずつ下げる
  • 各段階で、必ず安定性テストを実施

注意点2:安定性テストを徹底

ベンチマークで安定しても、実際の使用で不安定な場合があります。

推奨テスト:

  • ベンチマーク:30分〜1時間
  • 実ゲーム:数時間
  • 日常作業:数日〜数週間

注意点3:他人の設定をそのまま真似しない

シリコンの品質は個体ごとに異なります。

例:

  • Aさんの3080は、0.85Vで安定
  • Bさんの3080は、0.90Vでないと安定しない

対策:

  • 他人の設定は「目安」として参考にする
  • 自分の個体に合わせて、調整が必要

注意点4:長期間の安定性を確認

数日間安定していても、数ヶ月後に不安定になることがあります。

理由:

  • CPUやGPUは、時間とともに劣化
  • 電圧不足の影響が、後から現れる場合も

対策:

  • 定期的に安定性を確認
  • クラッシュが増えたら、少し電圧を上げる

注意点5:保証の確認

メーカーによっては、アンダーボルトが保証対象外になる場合があります。

対策:

  • 保証規約を確認
  • 保証期間中は、慎重に判断

注意点6:バックアップ

アンダーボルトで、システムが不安定になる可能性があります。

対策:

  • 重要なデータをバックアップ
  • システムの復元ポイントを作成

注意点7:クロックストレッチングに注意

一部のGPUやCPUでは、クロックストレッチングが起こります。

確認方法:

  • ベンチマークスコアを比較
  • デフォルト vs アンダーボルト
  • スコアが低下していないか確認

よくある質問

Q: アンダーボルトで、GPUやCPUが壊れることはありますか?

A: いいえ、アンダーボルトで物理的に壊れることは、ほぼありません。電圧を下げる行為は、オーバークロック(電圧を上げる)と比べて、はるかに安全です。

最悪の場合でも、システムがクラッシュするだけで、ハードウェアが故障することはほとんどありません。

ただし、システムが不安定になると、データが破損するリスクはあります。

Q: アンダーボルトで、性能は低下しますか?

A: 適切にアンダーボルトを行えば、性能はほとんど低下しません。むしろ、以下の理由で性能が向上する場合もあります:

  • サーマルスロットリングが起きなくなる
  • 高いクロック周波数を長時間維持できる
  • 結果:フレームレートが安定、またはむしろ向上

ただし、電圧を下げすぎると、性能が低下します。最適なバランスを見つけることが重要です。

Q: どのくらい電圧を下げられますか?

A: 個体差がありますが、一般的な目安は以下の通りです:

GPU:

  • NVIDIA RTX 30シリーズ:100〜200mV(0.1〜0.2V)
  • NVIDIA RTX 40シリーズ:50〜150mV
  • AMD Radeon RX 6000/7000シリーズ:50〜150mV

CPU:

  • Intel CPU:50〜150mV
  • AMD Ryzen CPU:50〜100mV

ただし、これはあくまで目安です。自分の個体に合わせて、慎重に調整してください。

Q: アンダーボルトは、すべてのGPUやCPUでできますか?

A: ほとんどのGPUとCPUで可能ですが、一部制限があります:

制限がある場合:

  • Intel CPUの最新BIOS:Plundervolt対策でアンダーボルトが無効化されている場合がある
  • ノートPCの一部機種:メーカーがBIOSでロックしている場合がある
  • OEM製PC:設定が制限されている場合がある

デスクトップの自作PCや、ゲーミングノートPCであれば、ほとんどの場合可能です。

Q: アンダーボルトとPower Limitの違いは何ですか?

A: 両方とも消費電力を削減しますが、方法が異なります。

Power Limit:

  • 最大消費電力に制限をかける
  • 簡単に設定できる
  • クロック周波数が自動的に下がる
  • 性能低下が大きい

アンダーボルト:

  • 電圧を下げる
  • 設定に時間がかかる
  • クロック周波数を維持できる
  • 性能低下が少ない

アンダーボルトの方が、効率的に消費電力を削減できます。

Q: ノートPCでもアンダーボルトはできますか?

A: はい、ノートPCでもアンダーボルトは可能です。むしろ、ノートPCこそアンダーボルトの恩恵が大きいです。

ノートPCでのメリット:

  • バッテリー駆動時間が延びる
  • 冷却が制限されているため、温度低下の効果が大きい
  • ファン騒音が小さくなる

ただし、一部のノートPCでは、メーカーがBIOSで設定をロックしている場合があります。

Q: アンダーボルトの設定は、一度決めたら永久に使えますか?

A: いいえ、定期的に確認・調整が必要です。

理由:

  • CPUやGPUは、時間とともに劣化
  • 電圧不足の影響が、後から現れる場合も
  • ドライバの更新で、設定がリセットされることも

対策:

  • 定期的に安定性を確認
  • クラッシュが増えたら、少し電圧を上げる

Q: アンダーボルトとオーバークロックは、同時にできますか?

A: はい、可能です。実際、多くの上級者は、両方を組み合わせています。

組み合わせの例:

  • クロック周波数を上げる(オーバークロック)
  • 電圧を下げる(アンダーボルト)
  • 結果:高性能で、低消費電力

ただし、設定が非常に難しく、安定させるのに時間がかかります。初心者は、まずアンダーボルトだけから始めることをおすすめします。

Q: VRAMもアンダーボルトできますか?

A: VRAMの電圧調整は、一部のツールで可能ですが、GPUコアのアンダーボルトとは別の設定です。

VRAMのオーバークロックは比較的安全で、多くの場合、性能向上が期待できます。一方、VRAMのアンダーボルトは、効果が限定的で、不安定になりやすいため、あまり推奨されません。

GPUコアのアンダーボルトに集中することをおすすめします。

まとめ

アンダーボルトについて、重要なポイントをまとめます。

アンダーボルトとは:

  • CPUやGPUに供給する電圧を下げる技術
  • 消費電力を削減(20〜30%)
  • 温度を低下(5〜15℃)
  • 性能をほぼ維持(または向上)

仕組み:

  • 工場出荷時の電圧は、安全マージンを含めて高めに設定
  • 多くの個体は、もっと低い電圧で動作可能
  • 電圧カーブを調整して、効率を向上

メリット:

  • 消費電力削減(電気代の節約)
  • 温度低下(サーマルスロットリング防止)
  • 静音化(ファンの回転数低下)
  • 長寿命化(低温で動作)
  • 小型ケースに最適
  • パフォーマンス向上の可能性

デメリットとリスク:

  • システムの不安定性(クラッシュ、BSOD)
  • データ破損のリスク
  • 保証対象外になる可能性
  • 時間と手間がかかる
  • 個体差がある
  • クロックストレッチング(一部のGPU/CPU)

GPUのアンダーボルト:

  • MSI Afterburnerが最も人気
  • 電圧カーブを調整
  • 20mVずつ下げて、安定性テスト
  • 実例:RTX 3080で約30%の消費電力削減

CPUのアンダーボルト:

  • Intel:Intel XTU、ThrottleStop
  • AMD:Ryzen Master、PBO2
  • 50〜150mVの削減が一般的
  • 注意:最新BIOSでは無効化されている場合も

注意点:

  • 少しずつ調整(20mVずつ)
  • 安定性テストを徹底
  • 他人の設定をそのまま真似しない
  • 長期間の安定性を確認
  • 保証の確認
  • バックアップを忘れずに

選択の基準:

アンダーボルトがおすすめの人:

  • 電気代を節約したい
  • PCの温度や騒音が気になる
  • 小型ケースを使っている
  • 夏場の熱対策をしたい
  • PCの寿命を延ばしたい

アンダーボルトをしない方がいい人:

  • 時間や手間をかけたくない
  • システムの安定性を最優先したい
  • 保証を失いたくない
  • PCの知識に自信がない

重要なポイント:

アンダーボルトは、パフォーマンスをほとんど落とさずに、消費電力と温度を大幅に削減できる優れた技術です。

オーバークロックと比べて、はるかに安全で、物理的に故障するリスクはほぼありません。

ただし、適切に設定しないと、システムが不安定になる可能性があります。少しずつ調整し、安定性テストを徹底することが成功の鍵です。

特に、ノートPCや小型ケース、高性能GPUを使っている場合は、アンダーボルトの恩恵が大きいです。

時間と手間をかける価値は十分にあります。ぜひ、チャレンジしてみてください!

この記事が、あなたのアンダーボルトの参考になれば幸いです。快適で効率的なPC環境を楽しんでください!

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