「複素関数って何?」「実関数とどう違うの?」「どこで使うの?」——数学や工学を学んでいる方なら、複素関数という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
複素関数は、複素数を扱う関数のことで、実関数では表現できない豊かな性質を持っています。電気工学、流体力学、量子力学など、多くの分野で重要な役割を果たしています。
今回は、複素関数について基礎から応用まで徹底解説します。定義、性質、具体例、そして実際の応用まで、分かりやすくお伝えします。
複素関数とは?

まず、複素関数の基本的な定義から見ていきましょう。
定義
複素関数(complex function)
複素数を入力として受け取り、複素数を出力する関数のことです。
数学的な表記
f: ℂ → ℂ
- ℂ:複素数の集合
- f:複素数から複素数への写像
一般的な形
w = f(z)
- z = x + iy:入力の複素数(x, y は実数)
- w = u + iv:出力の複素数(u, v は実数)
- i:虚数単位(i² = -1)
実関数との違い
複素関数と実関数の違いを理解しましょう。
実関数
f: ℝ → ℝ
y = f(x)
- 入力:実数(1次元)
- 出力:実数(1次元)
- グラフ:2次元平面上の曲線
複素関数
f: ℂ → ℂ
w = f(z)
- 入力:複素数(2次元:実部 + 虚部)
- 出力:複素数(2次元:実部 + 虚部)
- 可視化:4次元が必要(通常は工夫して表現)
複素関数の表記方法
複素関数は、いくつかの方法で表記できます。
方法1:複素数形式
w = f(z) = z² + 3z + 2
方法2:実部と虚部で分離
z = x + iy
w = u(x,y) + iv(x,y)
- u(x,y):実部
- v(x,y):虚部
例:f(z) = z²の場合
z = x + iy
z² = (x + iy)² = x² - y² + 2xyi
したがって:
u(x,y) = x² - y²
v(x,y) = 2xy
複素数の基礎(復習)

複素関数を理解するために、複素数の基本を復習しましょう。
複素数とは
定義
z = x + iy
- x:実部(real part)Re(z) = x
- y:虚部(imaginary part)Im(z) = y
- i:虚数単位(i² = -1)
例
z = 3 + 4i
Re(z) = 3
Im(z) = 4
複素数の表現方法
1. 直交座標形式(rectangular form)
z = x + iy
2. 極座標形式(polar form)
z = r(cos θ + i sin θ) = r·e^(iθ)
- r = |z| = √(x² + y²):絶対値(modulus)
- θ = arg(z):偏角(argument)
- x = r cos θ
- y = r sin θ
例
z = 1 + i
r = √(1² + 1²) = √2
θ = arctan(1/1) = π/4
極座標形式:
z = √2 · e^(iπ/4)
複素数の演算
加法
(x₁ + iy₁) + (x₂ + iy₂) = (x₁ + x₂) + i(y₁ + y₂)
乗法
(x₁ + iy₁)(x₂ + iy₂) = (x₁x₂ - y₁y₂) + i(x₁y₂ + x₂y₁)
共役複素数
z = x + iy の共役:z̄ = x - iy
絶対値
|z| = √(x² + y²) = √(z·z̄)
複素関数の具体例
実際の複素関数を見ていきましょう。
例1:多項式関数
f(z) = z²
計算
z = x + iy
f(z) = (x + iy)² = x² - y² + 2xyi
実部:u(x,y) = x² - y²
虚部:v(x,y) = 2xy
具体的な値
z = 1 + i の場合:
f(1+i) = (1+i)² = 1 - 1 + 2i = 2i
z = 2 + 3i の場合:
f(2+3i) = (2+3i)² = 4 - 9 + 12i = -5 + 12i
例2:一次関数
f(z) = az + b(a, b は複素定数)
特徴
- 複素平面上の線形変換
- 回転、拡大・縮小、平行移動の組み合わせ
例:f(z) = (1+i)z + 2
z = 1 の場合:
f(1) = (1+i)·1 + 2 = 3 + i
z = i の場合:
f(i) = (1+i)·i + 2 = i - 1 + 2 = 1 + i
例3:逆数関数
f(z) = 1/z
計算
1/z = 1/(x+iy) = (x-iy)/((x+iy)(x-iy)) = (x-iy)/(x²+y²)
実部:u(x,y) = x/(x²+y²)
虚部:v(x,y) = -y/(x²+y²)
注意
- z = 0 では定義されない(特異点)
例4:指数関数
f(z) = e^z
オイラーの公式を使った定義
e^z = e^(x+iy) = e^x · e^(iy) = e^x(cos y + i sin y)
実部:u(x,y) = e^x cos y
虚部:v(x,y) = e^x sin y
特徴
- 周期的:e^(z+2πi) = e^z
- e^z ≠ 0(すべてのzで)
具体例
e^(iπ) = -1(オイラーの等式)
e^(iπ/2) = i
e^(2πi) = 1
例5:三角関数
sin(z) と cos(z)
定義(オイラーの公式から)
sin z = (e^(iz) - e^(-iz))/(2i)
cos z = (e^(iz) + e^(-iz))/2
展開(z = x + iy)
sin(x+iy) = sin x cosh y + i cos x sinh y
cos(x+iy) = cos x cosh y - i sin x sinh y
- cosh:双曲線余弦関数
- sinh:双曲線正弦関数
特徴
- 実軸上では通常の三角関数
- 複素数では非有界(|sin z| → ∞ もあり得る)
複素関数の微分可能性

複素関数の最も重要な性質の一つが、微分可能性です。
複素微分の定義
定義
複素関数 f(z) が点 z₀ で微分可能とは、以下の極限が存在することです。
f'(z₀) = lim[h→0] (f(z₀+h) - f(z₀))/h
ここで h は複素数です。
重要なポイント
実関数の微分では、h は実数で左右からのみ近づきます。
複素関数の微分では、h は複素数であらゆる方向から近づける必要があります。
正則関数(holomorphic function)
定義
ある領域内のすべての点で微分可能な複素関数を、その領域で正則(holomorphic)または解析的(analytic)といいます。
正則関数の例
- 多項式:f(z) = z^n
- 指数関数:f(z) = e^z
- 三角関数:f(z) = sin z, cos z
- 対数関数:f(z) = log z(多価関数)
正則でない例
- 共役関数:f(z) = z̄
- 実部のみ:f(z) = Re(z)
- 絶対値:f(z) = |z|
正則関数の性質
1. 無限回微分可能
正則関数は、何回でも微分できます。
f(z)が正則 → f'(z), f''(z), f'''(z), ... すべて存在
2. べき級数展開可能
正則関数は、べき級数で表せます。
f(z) = Σ[n=0→∞] aₙ(z-z₀)^n
3. 平均値の定理
円周上の平均値が、円の中心の値と等しくなります。
4. 最大値の原理
領域内で正則な関数の絶対値は、領域の境界で最大値をとります。
コーシー・リーマンの方程式
複素関数が正則であるための必要十分条件が、コーシー・リーマンの方程式です。
コーシー・リーマンの方程式
定理
f(z) = u(x,y) + iv(x,y) が正則であるための必要十分条件は、以下の方程式を満たすことです。
∂u/∂x = ∂v/∂y
∂u/∂y = -∂v/∂x
これをコーシー・リーマンの方程式(Cauchy-Riemann equations)といいます。
例で確認
例:f(z) = z²
u(x,y) = x² - y²
v(x,y) = 2xy
∂u/∂x = 2x
∂v/∂y = 2x → ∂u/∂x = ∂v/∂y ✓
∂u/∂y = -2y
∂v/∂x = 2y → ∂u/∂y = -∂v/∂x ✓
コーシー・リーマンの方程式を満たすので、f(z) = z² は正則です。
例:f(z) = z̄(共役)
z̄ = x - iy
u(x,y) = x
v(x,y) = -y
∂u/∂x = 1
∂v/∂y = -1 → ∂u/∂x ≠ ∂v/∂y ✗
コーシー・リーマンの方程式を満たさないので、f(z) = z̄ は正則ではありません。
極座標形式
極座標 (r, θ) で表す場合のコーシー・リーマンの方程式:
∂u/∂r = (1/r)∂v/∂θ
(1/r)∂u/∂θ = -∂v/∂r
初等複素関数
よく使われる初等複素関数を詳しく見ていきましょう。
1. 指数関数(exponential function)
定義
e^z = e^(x+iy) = e^x(cos y + i sin y)
性質
- e^(z₁+z₂) = e^z₁ · e^z₂
- (e^z)’ = e^z
- 周期性:e^(z+2πki) = e^z(k は整数)
- e^z ≠ 0(すべてのzで)
重要な値
e^0 = 1
e^(iπ) = -1
e^(2πi) = 1
e^(iπ/2) = i
2. 対数関数(logarithmic function)
定義
w = log z は、e^w = z を満たす複素数 w です。
主値
Log z = log|z| + i·Arg(z)
- Arg(z):主偏角(-π < Arg(z) ≤ π)
多価性
対数関数は多価関数です。
log z = log|z| + i(arg(z) + 2πk) (k は整数)
例
log 1 = 0, ±2πi, ±4πi, ...
Log 1 = 0(主値)
log i = iπ/2, i(π/2 + 2π), i(π/2 + 4π), ...
Log i = iπ/2(主値)
3. 三角関数
定義
sin z = (e^(iz) - e^(-iz))/(2i)
cos z = (e^(iz) + e^(-iz))/2
tan z = sin z / cos z
性質
- (sin z)’ = cos z
- (cos z)’ = -sin z
- sin²z + cos²z = 1
- 周期性:sin(z + 2π) = sin z
展開
sin(x+iy) = sin x cosh y + i cos x sinh y
cos(x+iy) = cos x cosh y - i sin x sinh y
特徴
複素三角関数は非有界です。
例:sin(iy) = i sinh y → y → ∞ のとき ∞
4. 双曲線関数
定義
sinh z = (e^z - e^(-z))/2
cosh z = (e^z + e^(-z))/2
tanh z = sinh z / cosh z
三角関数との関係
sinh(iz) = i sin z
cosh(iz) = cos z
sin(iz) = i sinh z
cos(iz) = cosh z
5. べき関数
定義
z^α = e^(α log z)
- α は複素数
多価性
α が整数でない場合、多価関数になります。
例
√z = z^(1/2) は2つの値を持つ
z^(1/n) は n 個の値を持つ
複素積分
複素関数の積分は、実関数の積分とは異なる性質を持ちます。
複素積分の定義
経路積分
複素平面上の曲線 C に沿った積分:
∫_C f(z)dz = ∫_C (u + iv)(dx + idy)
= ∫_C (udx - vdy) + i∫_C (vdx + udy)
パラメータ表示
曲線 C が z(t) = x(t) + iy(t)(a ≤ t ≤ b)で表される場合:
∫_C f(z)dz = ∫_a^b f(z(t))z'(t)dt
コーシーの積分定理
定理
f(z) が単連結領域 D で正則ならば、D 内の任意の閉曲線 C に対して:
∮_C f(z)dz = 0
意味
正則関数の積分は、経路に依存しません(始点と終点のみに依存)。
例
f(z) = z² は正則なので、任意の閉曲線 C に対して:
∮_C z²dz = 0
コーシーの積分公式
定理
f(z) が領域 D で正則で、C が D 内の単純閉曲線ならば、C の内部の点 z₀ に対して:
f(z₀) = (1/2πi)∮_C f(z)/(z-z₀) dz
一般化(n階微分)
f^(n)(z₀) = (n!/2πi)∮_C f(z)/(z-z₀)^(n+1) dz
意味
正則関数の値は、その周りの値から完全に決まります。
留数定理
留数定理は、複素積分を計算する最も強力な道具の一つです。
特異点
定義
関数 f(z) が点 z₀ で定義されない、または正則でない場合、z₀ を特異点(singularity)といいます。
種類
1. 除去可能特異点(removable singularity)
例:f(z) = sin z / z の z = 0
lim[z→0] f(z) が存在する
2. 極(pole)
例:f(z) = 1/z² の z = 0
lim[z→0] |f(z)| = ∞
3. 真性特異点(essential singularity)
例:f(z) = e^(1/z) の z = 0
極限が定まらない
留数(residue)
定義
f(z) の z₀ における留数 Res(f, z₀) は、ローラン展開の (z-z₀)^(-1) の係数です。
f(z) = Σ[n=-∞→∞] aₙ(z-z₀)^n
Res(f, z₀) = a₋₁
計算方法(1位の極の場合)
Res(f, z₀) = lim[z→z₀] (z-z₀)f(z)
例
f(z) = 1/(z-1)
Res(f, 1) = lim[z→1] (z-1)·1/(z-1) = 1
留数定理
定理
f(z) が閉曲線 C の内部で、有限個の特異点 z₁, z₂, …, zₙ を除いて正則ならば:
∮_C f(z)dz = 2πi·Σ[k=1→n] Res(f, zₖ)
意味
複素積分は、特異点の留数の和で計算できます。
留数定理の応用例
例:実積分の計算
I = ∫_{-∞}^∞ 1/(1+x²) dx
複素関数で考える
f(z) = 1/(1+z²) = 1/((z-i)(z+i))
特異点:z = i, -i(1位の極)
上半平面の特異点での留数
Res(f, i) = lim[z→i] (z-i)/(1+z²)
= 1/(2i)
留数定理を適用
∮_C f(z)dz = 2πi·Res(f, i) = 2πi·1/(2i) = π
結果
I = ∫_{-∞}^∞ 1/(1+x²) dx = π
複素関数の応用
複素関数は、多くの分野で実用的に使われています。
1. 電気工学
交流回路の解析
交流電圧・電流を複素数で表現します。
V = V₀e^(iωt) = V₀(cos ωt + i sin ωt)
I = I₀e^(i(ωt+φ))
インピーダンス
Z = R + iωL - i/(ωC)
- R:抵抗
- L:インダクタンス
- C:キャパシタンス
利点
- 微分・積分が掛け算で表せる
- 位相差が自然に表現できる
2. 流体力学
複素ポテンシャル
2次元非圧縮性流体の流れは、複素関数で表現できます。
w(z) = φ(x,y) + iψ(x,y)
- φ:速度ポテンシャル
- ψ:流れ関数
例:一様流
w(z) = Uz(U は流速)
例:湧き出し
w(z) = (Q/2π)log z(Q は湧き出し量)
等角写像
複素関数を使って、複雑な形状の流れを解析できます。
3. 信号処理
フーリエ変換
信号処理では、複素指数関数を使います。
F(ω) = ∫_{-∞}^∞ f(t)e^(-iωt)dt
ラプラス変換
F(s) = ∫_0^∞ f(t)e^(-st)dt (s は複素数)
Z変換
F(z) = Σ[n=0→∞] f[n]z^(-n)
利点
- 畳み込みが掛け算になる
- 周波数解析が容易
4. 量子力学
波動関数
量子力学の波動関数は複素関数です。
ψ(x,t) = A·e^(i(kx-ωt))
シュレーディンガー方程式
iℏ∂ψ/∂t = Hψ
- ℏ:プランク定数÷2π
- H:ハミルトニアン
確率振幅
複素数の絶対値の2乗が確率を表します。
P = |ψ|² = ψ*ψ̄
5. フラクタル
マンデルブロ集合
複素数の反復で定義される有名なフラクタルです。
zₙ₊₁ = zₙ² + c (z₀ = 0)
c が複素平面のどの点で、この数列が発散しないかを調べます。
ジュリア集合
各 c に対して定義されるフラクタルです。
6. 等角写像(conformal mapping)
性質
正則関数(f'(z) ≠ 0)は等角写像です。
- 角度を保存する
- 局所的な形を保存する
応用
複雑な形状の問題を、簡単な形状に変換して解けます。
例:ジューコフスキー変換
w = z + 1/z
- 円を翼型に変換
- 航空力学で使用
複素関数の可視化
複素関数は4次元(入力2次元 + 出力2次元)なので、可視化が困難です。いくつかの方法があります。
1. ドメインカラリング(domain coloring)
方法
出力の複素数 w = f(z) を色で表現します。
- 色相(hue):偏角 arg(w)
- 明度(brightness):絶対値 |w|
利点
- 全体像が一目で分かる
- 零点・極が視覚的に分かる
2. 実部・虚部の分離
方法
u(x,y) と v(x,y) を別々に3次元グラフで表示します。
利点
- 具体的な値が分かる
- 勾配が見える
3. 変換の可視化
方法
複素平面上の格子を、f(z) によって変換された形で表示します。
利点
- 変換の様子が直感的に分かる
- 等角性が確認できる
4. レベルカーブ
方法
|f(z)| = 定数 や arg(f(z)) = 定数 の曲線を描きます。
利点
- 複素関数の構造が分かる
- 臨界点が見つけやすい
よくある質問
Q1: 複素関数と実関数の最大の違いは何ですか?
A: 微分可能性の条件が大きく異なります。
実関数
- 1方向(左右)から極限が一致すればOK
- 微分可能な関数は多い
複素関数
- すべての方向から極限が一致する必要がある
- 正則関数は非常に強い制約を持つ
結果
複素関数で正則なものは、無限回微分可能で、べき級数展開できるなど、非常に良い性質を持ちます。
Q2: なぜ複素関数を学ぶ必要があるのですか?
A: 実用性と理論的な美しさの両方があるためです。
実用面
- 交流回路の解析(電気工学)
- 流体力学の問題
- 信号処理・制御理論
- 量子力学
理論面
- 実積分が簡単に計算できる
- 方程式の解の構造が分かる
- 調和関数との関係
多くの実問題が、複素関数を使うことで劇的に簡単になります。
Q3: 正則関数とは何ですか?
A: ある領域内のすべての点で複素微分可能な関数です。
重要な性質
- 無限回微分可能
- べき級数展開できる
- コーシー・リーマンの方程式を満たす
- 実部と虚部が調和関数
例
- 正則:e^z, sin z, cos z, 多項式
- 非正則:z̄(共役), |z|(絶対値), Re(z)(実部)
正則関数は、複素関数論で最も重要な概念です。
Q4: コーシーの積分定理とは何ですか?
A: 正則関数の閉曲線積分はゼロになるという定理です。
定理
f(z)が正則 → ∮_C f(z)dz = 0
意味
- 積分値が経路に依存しない
- 始点と終点だけで決まる
応用
- 複素積分の計算が容易になる
- 実積分の計算に使える
この定理は、複素関数論の基礎です。
Q5: 留数定理の使い道は何ですか?
A: 複素積分、特に実積分の計算に非常に有用です。
使い方
- 実積分を複素積分に拡張
- 特異点を見つける
- 留数を計算
- 留数定理を適用
例
∫_{-∞}^∞ 1/(1+x²)dx = π
この積分は、留数定理を使えば簡単に計算できます。
Q6: 複素関数はどうやって可視化しますか?
A: いくつかの方法があります。
主な方法
- ドメインカラリング:色で表現(最も直感的)
- 実部・虚部の分離:3次元グラフ2つ
- 変換の可視化:格子の変形
- レベルカーブ:等高線
推奨
ドメインカラリングが最も一般的で、全体像を把握しやすいです。
Q7: 複素微分と実微分の違いは何ですか?
A: 極限を取る方向の違いです。
実微分
f'(x) = lim[h→0] (f(x+h) - f(x))/h
- h は実数(1方向)
複素微分
f'(z) = lim[h→0] (f(z+h) - f(z))/h
- h は複素数(すべての方向)
結果
複素微分可能(正則)は、実微分可能よりもはるかに強い条件です。
まとめ
複素関数について、重要なポイントをまとめます。
重要なポイント
1. 複素関数とは
- 複素数 → 複素数 の関数
- w = f(z) = u(x,y) + iv(x,y)
- 4次元の情報(入力2次元 + 出力2次元)
2. 正則関数
- すべての点で複素微分可能
- コーシー・リーマンの方程式を満たす
- 無限回微分可能
- べき級数展開可能
3. コーシー・リーマンの方程式
∂u/∂x = ∂v/∂y
∂u/∂y = -∂v/∂x
- 正則関数の必要十分条件
4. 初等複素関数
- 指数関数:e^z
- 対数関数:log z(多価)
- 三角関数:sin z, cos z
- 双曲線関数:sinh z, cosh z
5. 複素積分
- コーシーの積分定理:正則関数の閉曲線積分はゼロ
- コーシーの積分公式:周囲の値から関数値が決まる
- 留数定理:特異点の留数で積分を計算
6. 応用分野
- 電気工学(交流回路)
- 流体力学(複素ポテンシャル)
- 信号処理(フーリエ変換)
- 量子力学(波動関数)
- フラクタル(マンデルブロ集合)
7. 可視化方法
- ドメインカラリング
- 実部・虚部の分離
- 変換の可視化
- レベルカーブ


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