Visual C++ 2022への移行方法を徹底解説!アップグレード手順と注意点

「古いバージョンのVisual C++からアップグレードしたいけど、どうすればいいの?」と悩んでいませんか?

Visual C++ 2022(Visual Studio 2022に含まれるC++開発環境)は、パフォーマンスの向上やセキュリティ強化など、多くの改善が施されています。

この記事では、以前のバージョンからVisual C++ 2022への移行方法と、注意すべきポイントについて詳しく解説していきます。

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  1. Visual C++ 2022とは?
  2. Visual C++ 2022に移行する理由
    1. 理由1:パフォーマンスの向上
    2. 理由2:最新のC++標準への対応
    3. 理由3:セキュリティの強化
    4. 理由4:デバッグ機能の改善
    5. 理由5:長期的なサポート
  3. プロジェクトの移行方法
    1. 方法1:Visual Studio 2022でプロジェクトを開く
    2. 方法2:セットアップアシスタントを使用する(Visual Studio 2026以降)
    3. 方法3:プラットフォームツールセットを手動で変更する
  4. Visual C++ 再頒布可能パッケージについて
    1. 再頒布可能パッケージとは
    2. Visual C++ 2015-2022 Redistributableの特徴
    3. 再頒布可能パッケージのインストール方法
    4. アーキテクチャの選択
  5. 移行時の注意点と互換性
    1. 注意点1:ToolsVersionの自動サポート
    2. 注意点2:プロジェクトタイプのサポート確認
    3. 注意点3:ワークロードのインストール
    4. 注意点4:サードパーティライブラリの互換性
    5. 注意点5:警告とエラーへの対処
  6. トラブルシューティング
    1. 問題1:「VCRUNTIME140.dll が見つかりません」エラー
    2. 問題2:再頒布可能パッケージのインストールエラー
    3. 問題3:ビルドエラーが多数発生する
    4. 問題4:以前のバージョンとの互換性を保ちたい
    5. 問題5:より新しいバージョンが既にインストールされている
  7. 移行を段階的に進める方法
    1. ステップ1:準備とバックアップ
    2. ステップ2:テスト環境での移行
    3. ステップ3:依存関係の確認
    4. ステップ4:段階的なビルド設定の変更
    5. ステップ5:コードの修正
    6. ステップ6:テストとデバッグ
  8. まとめ

Visual C++ 2022とは?

Visual C++ 2022とは、Microsoft Visual Studio 2022に含まれるC++開発環境のことです。

正確には「Microsoft Visual C++ 2022」や「MSVC(Microsoft Visual C++)2022」と呼ばれ、C++プログラムの開発、コンパイル、デバッグを行うためのツールセットを指します。

Visual Studio 2022は、2021年11月にリリースされたMicrosoftの統合開発環境(IDE)で、C++以外にもC#、Python、JavaScriptなど、さまざまなプログラミング言語に対応しています。

Visual C++ 2022の主な特徴として、64ビットネイティブアプリケーションとなったことで、大規模なプロジェクトでもより多くのメモリを使用できるようになり、パフォーマンスが大幅に向上しました。

Visual C++ 2022に移行する理由

以前のバージョンから2022へアップグレードすることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

理由1:パフォーマンスの向上

Visual Studio 2022は初めて64ビットアプリケーションとして提供されました。

これにより、大規模なプロジェクトやソリューションを開く際の速度が向上し、より多くのメモリを活用できるようになっています。

ビルド時間の短縮や、コード解析の高速化など、日々の開発作業が快適になるんです。

理由2:最新のC++標準への対応

Visual C++ 2022では、C++20の機能がほぼ完全にサポートされ、C++23の一部機能も利用可能です。

モジュール、コルーチン、コンセプトといった最新のC++機能を使用することで、より効率的で読みやすいコードを書くことができます。

理由3:セキュリティの強化

アドレスサニタイザー(Address Sanitizer)やその他のセキュリティ機能が強化されています。

メモリリークやバッファオーバーフローといった問題を開発段階で検出しやすくなり、より安全なアプリケーションを作成できるんです。

理由4:デバッグ機能の改善

ホットリロード機能により、デバッグ中にコードを変更してすぐに反映できるようになりました。

また、診断ツールやプロファイラーも改善され、パフォーマンスの問題を特定しやすくなっています。

理由5:長期的なサポート

Visual Studio 2015のサポートは2025年10月に終了しました。

古いバージョンを使い続けるとセキュリティリスクが高まるため、サポートされている最新バージョンへの移行が推奨されます。

プロジェクトの移行方法

それでは、実際に以前のバージョンからVisual C++ 2022へプロジェクトを移行する方法を見ていきましょう。

方法1:Visual Studio 2022でプロジェクトを開く

最も簡単な移行方法は、Visual Studio 2022で既存のプロジェクトを開くことです。

手順:

  1. Visual Studio 2022をインストールします(まだインストールしていない場合)
  2. Visual Studio 2022を起動します
  3. 「ファイル」→「開く」→「プロジェクト/ソリューション」を選択します
  4. 移行したいプロジェクト(.slnファイルまたは.vcxprojファイル)を開きます
  5. Visual Studio 2022が自動的に移行が必要かどうかを判断します
  6. 移行が必要な場合、「一方向のアップグレード」ウィザードが表示されます
  7. ウィザードの指示に従ってアップグレードを完了します

Visual Studio 2022は、Visual Studio 2015、2017、2019で作成されたプロジェクトとの後方互換性を保っているため、多くの場合、変更なしでプロジェクトを開くことができます。

方法2:セットアップアシスタントを使用する(Visual Studio 2026以降)

Visual Studio 2026では、セットアップアシスタント機能が追加されました。

この機能を使うと、不足しているツールのインストールや、プロジェクトのターゲット変更を簡単に行えます。

手順:

  1. ソリューションエクスプローラーでソリューションを右クリックします
  2. 「ソリューションのリターゲット」を選択します
  3. セットアップアシスタントが開きます
  4. 各ターゲットのアクションを選択するか、「すべてリターゲット」を選択します
  5. 「適用」をクリックしてアップグレードを完了します

方法3:プラットフォームツールセットを手動で変更する

プロジェクトのプラットフォームツールセット(コンパイラのバージョン)を手動で変更することもできます。

手順:

  1. プロジェクトを右クリックし、「プロパティ」を選択します
  2. 「構成プロパティ」→「全般」を開きます
  3. 「プラットフォーム ツールセット」を「Visual Studio 2022 (v143)」に変更します
  4. 「C++ 言語標準」を希望するバージョン(C++17、C++20など)に設定します
  5. 必要に応じて「Windows SDK バージョン」も更新します
  6. 「OK」をクリックして設定を保存します

この方法では、以前のバージョンとの互換性を保ちたい場合に、段階的にアップグレードすることができます。

Visual C++ 再頒布可能パッケージについて

アプリケーションを配布する際には、Visual C++ 再頒布可能パッケージ(Redistributable)が必要になります。

再頒布可能パッケージとは

Visual C++ 再頒布可能パッケージは、C++で開発されたアプリケーションを実行するために必要なランタイムライブラリです。

アプリケーションを他のユーザーに配布する際、そのユーザーのパソコンにもこのパッケージがインストールされている必要があります。

Visual C++ 2015-2022 Redistributableの特徴

Visual Studio 2015、2017、2019、2022で作成されたアプリケーションは、同じ再頒布可能パッケージを共有します。

つまり、「Microsoft Visual C++ 2015-2022 Redistributable」という一つのパッケージで、これらすべてのバージョンに対応できるんです。

これらのバージョンはバイナリ互換性があるため、ライブラリの依存関係を再ビルドせずにアップグレードできます。

再頒布可能パッケージのインストール方法

ユーザーのパソコンに再頒布可能パッケージをインストールする方法は2つあります。

方法1:スタンドアロンインストーラーを使用

Microsoftの公式サイトから再頒布可能パッケージをダウンロードして、ユーザーに配布します。

方法2:マージモジュールを使用

アプリケーションのインストーラーに再頒布可能パッケージを組み込む方法です。

Visual Studio 2022では、マージモジュールは「C++<バージョン> 再頒布可能 MSM」という名前のオプショナルコンポーネントとして提供されています。

アーキテクチャの選択

再頒布可能パッケージには、x86(32ビット)、x64(64ビット)、ARM64の3つのアーキテクチャがあります。

アプリケーションのターゲットアーキテクチャと一致するパッケージをインストールする必要があります。例えば、64ビットアプリケーションの場合はx64版をインストールします。

移行時の注意点と互換性

Visual C++ 2022への移行は比較的スムーズですが、いくつか注意すべきポイントがあります。

注意点1:ToolsVersionの自動サポート

Visual Studio 2022は、ToolsVersion 15、14、12、4をサポートするために必要なMSBuildツールチェーンを含んでいます。

これにより、古いプロジェクトでも基本的にはそのままビルドできます。ただし、手動でToolsVersionを更新する必要はなく、逆に更新すると多くのエラーや警告が発生する可能性があるため、注意が必要です。

注意点2:プロジェクトタイプのサポート確認

すべてのプロジェクトタイプがVisual Studio 2022でサポートされているわけではありません。

.dswや.dsp拡張子を持つ古いプロジェクトは、Visual Studio 2022ではサポートが非推奨になっています。これらのプロジェクトは、まずVisual Studio 2019でアップグレードしてから、2022に移行する必要があるんです。

注意点3:ワークロードのインストール

特定のプロジェクトタイプには、対応するワークロードのインストールが必要です。

Visual Studioインストーラーで、C++デスクトップ開発、Windowsデスクトップ開発など、必要なワークロードがインストールされていることを確認してください。

注意点4:サードパーティライブラリの互換性

プロジェクトで使用しているサードパーティ製のライブラリが、Visual C++ 2022と互換性があるか確認しましょう。

一部のライブラリは、新しいコンパイラでは再ビルドが必要になる場合があります。

注意点5:警告とエラーへの対処

移行後、新しいコンパイラの準拠性向上により、以前は警告やエラーとして検出されなかった問題が表面化することがあります。

段階的なアプローチで問題を修正していくことをおすすめします。まず、プラットフォームツールセット、C++言語標準、Windows SDKバージョンを希望するバージョンに設定し、エラーが多い場合は一時的に一部のオプションをオフにして修正を進めます。

トラブルシューティング

移行中によくある問題とその対処法を紹介します。

問題1:「VCRUNTIME140.dll が見つかりません」エラー

アプリケーションを実行したときにこのエラーが表示される場合、Visual C++ 2015-2022 Redistributableがインストールされていません。

対処法:
Microsoftの公式サイトから最新の再頒布可能パッケージをダウンロードしてインストールしてください。

問題2:再頒布可能パッケージのインストールエラー

「何も処理されませんでした。システム再起動が必要です」というエラーが表示される場合があります。

対処法:

  1. パソコンを再起動します
  2. 再起動後も問題が解決しない場合は、既存の再頒布可能パッケージを一度アンインストールしてから、最新版を再インストールします

問題3:ビルドエラーが多数発生する

移行後、大量のビルドエラーが発生することがあります。

対処法:

  1. まず、プロジェクトのプラットフォームツールセットとWindows SDKバージョンが正しく設定されているか確認します
  2. インクルードファイルのパスが正しいか確認します
  3. 必要なライブラリがすべてリンクされているか確認します
  4. アップグレードレポート(UpgradeLog.htm)を確認して、何が変更されたか把握します

問題4:以前のバージョンとの互換性を保ちたい

Visual Studio 2019や2017とプロジェクトを共有したい場合もあるでしょう。

対処法:
プロジェクトをアップグレードしないオプションを選択できます。Visual Studio 2022は古いToolsVersionをサポートしているため、プロジェクトをアップグレードせずに開くことが可能です。

ただし、この場合、Visual Studio 2022の新機能の一部は使用できません。

問題5:より新しいバージョンが既にインストールされている

再頒布可能パッケージをインストールしようとしたとき、より新しいバージョンが既にインストールされているというエラーが出ることがあります。

対処法:
レジストリを確認して、インストール済みのバージョンを調べることができます。HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\VisualStudio\14.0\VC\Runtimes\{x86|x64|arm64}キーでバージョン番号を確認できます。

移行を段階的に進める方法

大規模なプロジェクトの場合、一度にすべてを移行するのではなく、段階的にアップグレードすることをおすすめします。

ステップ1:準備とバックアップ

移行を始める前に、現在のプロジェクトの完全なバックアップを取りましょう。

バージョン管理システム(Git、SVNなど)を使っている場合は、移行作業用のブランチを作成することをおすすめします。

ステップ2:テスト環境での移行

本番環境で移行する前に、テスト環境で試してみましょう。

Visual Studio 2022をインストールして、プロジェクトを開いてビルドできるか確認します。この段階で問題が発生した場合、影響範囲を把握しやすくなります。

ステップ3:依存関係の確認

プロジェクトが依存しているライブラリやツールをリストアップし、それぞれがVisual C++ 2022と互換性があるか確認します。

必要に応じて、ライブラリのバージョンをアップデートしましょう。

ステップ4:段階的なビルド設定の変更

いきなりすべての設定を変更するのではなく、以下の順序で段階的に変更していきます。

  1. プラットフォームツールセットをv143に変更
  2. Windows SDKバージョンを最新に更新
  3. C++言語標準を最新バージョンに設定
  4. 警告レベルを上げて、潜在的な問題を検出

各ステップでビルドして、問題がないか確認しながら進めます。

ステップ5:コードの修正

新しいコンパイラの厳格なチェックにより、以前は通っていたコードがエラーになることがあります。

アップグレードレポートを参照しながら、一つずつ修正していきましょう。

ステップ6:テストとデバッグ

すべてのビルドエラーを解決したら、アプリケーションの動作をテストします。

単体テスト、統合テスト、パフォーマンステストを実施して、移行による影響がないか確認します。

まとめ

Visual C++ 2022への移行は、パフォーマンス向上、セキュリティ強化、最新C++標準への対応など、多くのメリットがあります。

基本的な移行手順は、Visual Studio 2022で既存のプロジェクトを開くだけで完了しますが、プロジェクトの規模や使用しているライブラリによっては、追加の設定や修正が必要になることがあります。

段階的なアプローチで移行を進め、各ステップでテストを行うことで、スムーズな移行が可能です。

また、アプリケーションを配布する際には、適切なVisual C++ 2015-2022 Redistributableパッケージをユーザーに提供することを忘れないでください。

Visual Studio 2015のサポートが終了した今、セキュリティとパフォーマンスの観点からも、最新バージョンへの移行を検討する良いタイミングと言えるでしょう。

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