「電源ボタンを押してもMSI製パソコンが起動しない」「MSIロゴ画面で止まって進まない」そんなトラブルに遭遇していませんか?
MSI製のパソコンやノートPC、マザーボード搭載の自作PCが突然起動しなくなると、とても焦りますよね。
しかし、起動しない原因は様々で、症状によって適切な対処法が異なります。間違った対応をすると状況が悪化する可能性もあるため、まずは症状を正しく見極めることが重要です。
この記事では、MSI製PC・ノートパソコンが起動しない問題を症状別に分類し、それぞれの原因と具体的な対処法を初心者の方でも分かりやすく解説します。
MSI PCが起動しない主な症状4パターン

MSI製パソコンの起動トラブルは、大きく4つのパターンに分類できます。まずは自分のパソコンの症状がどれに当てはまるか確認しましょう。
パターン1: 完全に電源が入らない
症状:
- 電源ボタンを押しても何も反応しない
- 電源LEDランプが点灯しない
- ファンも回らない
- 完全に無反応
これは電源供給に問題がある可能性が高いです。
パターン2: 電源は入るがMSIロゴ画面で止まる
症状:
- 電源は入り、ファンは回る
- MSIのロゴ画面は表示される
- しかし10〜30秒程度で止まってしまう
- そのまま画面が固まる、または電源が落ちる
これはBIOS設定やハードウェア接続の問題である可能性があります。
パターン3: BIOSが起動しない・BIOS画面が表示されない
症状:
- 電源は入る
- ファンも回る
- しかし画面が真っ暗で何も表示されない
- BIOSにアクセスできない(Deleteキーを押しても反応なし)
これはメモリやグラフィックカードなどハードウェアの接続不良や故障が考えられます。
パターン4: Windowsが起動しない
症状:
- MSIロゴは正常に表示される
- BIOSにも入れる
- しかしWindowsの起動画面で止まる、または自動修復が始まる
これはOSやストレージの問題である可能性が高いです。
作業を始める前の準備と注意事項
どの症状でも、まず以下の準備を行ってください。
データのバックアップを検討
可能であれば、重要なデータをバックアップしておきましょう。起動しない場合でもストレージを取り外して別のPCに接続すれば、データを救出できる場合があります。
外部機器をすべて取り外す
トラブルシューティングの基本として、余計な周辺機器を外します:
- USBメモリ、外付けHDD/SSD
- USBマウス、USBキーボード(ノートPCの場合)
- 外付けディスプレイ
- プリンター
- Webカメラ
- SDカード
ノートPCの場合は、内蔵キーボードとタッチパッドのみで操作してください。
静電気対策
パソコンを分解する場合は、必ず以下を守ってください:
- 電源ケーブルを抜く
- ノートPCの場合はバッテリーも取り外す(取り外し可能な場合)
- 金属製のものに触れて体の静電気を逃がす
- 可能であれば静電気防止手袋を着用
十分な充電を確保(ノートPCの場合)
ノートPCの場合は、MSI純正のACアダプターで30分以上充電してから作業を開始してください。
パターン1: 完全に電源が入らない場合の対処法
電源ボタンを押しても全く反応がない場合の対処法を順番に試しましょう。
対処法1: 電源周りの基本確認
デスクトップPCの場合:
- 電源ケーブルがしっかり接続されているか確認
- コンセントに電源が来ているか確認(別の機器で試す)
- 電源タップのスイッチがONになっているか確認
- 電源ユニットの背面スイッチがONになっているか確認
ノートPCの場合:
- ACアダプターがコンセントとノートPCの両方にしっかり接続されているか確認
- ACアダプターのLEDランプが点灯しているか確認
- 充電ランプが点灯しているか確認
- 別のコンセントで試す
対処法2: ハードリセット(放電処理)
パソコン内部に溜まった電気を放出します。
ノートPCの場合:
- パソコンの電源を完全に切る
- ACアダプターを抜く
- バッテリーを取り外す(取り外し可能な場合)
- 電源ボタンを15〜20秒間長押し
- バッテリーを戻す
- ACアダプターを接続
- 電源を入れる
デスクトップPCの場合:
- パソコンの電源を切る
- 電源ケーブルを抜く
- 電源ボタンを30秒間長押し
- 5分程度待つ
- 電源ケーブルを接続
- 電源を入れる
この方法で起動することが多いです。
対処法3: ACアダプター・電源ユニットの確認
ノートPCの場合:
ACアダプターが故障している可能性があります:
- 他のMSI純正アダプターがあれば交換して試す
- アダプターのケーブルに断線や損傷がないか確認
- アダプターが異常に熱くなっていないか確認
デスクトップPCの場合:
電源ユニットが故障している可能性があります:
- 電源ユニットのファンが回るか確認
- 別の電源ケーブルで試す
- 可能であれば別の電源ユニットで試す
対処法4: 最小構成で起動テスト(デスクトップPC)
必要最小限のパーツだけで起動を試します:
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- ケースを開ける
- 以下のパーツ以外をすべて取り外す:
- CPU
- CPUクーラー
- メモリ1枚
- 電源ユニット
- マザーボード
- グラフィックカード、拡張カード、追加ストレージなどを外す
- 電源を入れる
この状態で起動すれば、外したパーツのどれかに問題があります。1つずつ戻して確認しましょう。
対処法5: フロントパネルの配線確認(デスクトップPC)
ケースの電源ボタンの配線に問題がある可能性があります:
- マザーボードの「JFP1」(フロントパネルコネクタ)を確認
- 電源スイッチの配線が正しく接続されているか確認
- 配線を一度外して、ドライバーなどの金属でピンを短絡させて起動を試す
この方法で起動すれば、ケースの電源ボタンまたは配線に問題があります。
パターン2: MSIロゴ画面で止まる場合の対処法
電源は入るがMSIロゴ画面で停止する場合、以下を順番に試してください。
対処法1: 強制シャットダウンと再起動
最も簡単な方法から試します:
- 電源ボタンを10秒以上長押しして強制終了
- 30秒待つ
- 再度電源ボタンを押す
この方法で起動することもあります。
対処法2: BIOS設定をデフォルトに戻す
BIOSの設定が原因の可能性があります。
手順:
- 電源を入れて、すぐに「Delete」キーを連打
- BIOS画面が表示されたら「F6」キーを押す
- 「Load Optimized Defaults」(最適化されたデフォルトをロード)を選択
- 「Yes」を選択
- 「F10」キーを押す
- 「Save Changes and Reset」(変更を保存してリセット)を選択
- パソコンが再起動する
これでWindowsが起動するか確認してください。
対処法3: 高速スタートアップの無効化
Windowsの「高速スタートアップ」機能が原因の場合があります。
Windowsが起動できる場合:
- 「コントロールパネル」を開く
- 「システムとセキュリティ」→「電源オプション」
- 「電源ボタンの動作を選択する」をクリック
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
- 「変更の保存」をクリック
Windowsが起動できない場合:
後述のWindowsスタートアップ修復から設定を変更します。
対処法4: Windowsスタートアップ修復
Windowsの自動修復機能を使用します。
手順:
- 電源を入れる
- MSIロゴが表示されたら、すぐに「F3」キーを押す
- 回復環境に入る(入れない場合は、電源の強制OFF/ONを3回繰り返す)
- 「トラブルシューティング」を選択
- 「詳細オプション」を選択
- 「スタートアップ修復」を選択
- アカウントを選択し、パスワードを入力
- 修復が完了するまで待つ
対処法5: セーフモードで起動
セーフモードで起動できれば、ドライバやソフトウェアが原因です。
手順:
- MSIロゴ表示後、「F3」キーを押す(または強制OFF/ONを3回)
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」
- 「スタートアップ設定」→「再起動」
- 再起動後、「F4」キー(セーフモード)または「F5」キー(ネットワーク対応セーフモード)を押す
セーフモードで起動したら:
- 最近インストールしたソフトウェアをアンインストール
- グラフィックドライバを再インストール
- Windows Updateを確認
対処法6: バッテリーリセット(ノートPC)
ノートPCの場合、バッテリーをリセットします。
手順:
- パソコンの電源を完全に切る
- ACアダプターを抜く
- バッテリーを取り外す(取り外せない場合はスキップ)
- 電源ボタンを60秒間長押し
- バッテリーを戻す
- ACアダプターだけを接続(バッテリーは外したまま起動を試すこともできます)
- 電源を入れる
パターン3: BIOSが起動しない場合の対処法

画面が真っ暗でBIOSすら表示されない場合の対処法です。
対処法1: ディスプレイ接続の確認
まず、画面に問題がないか確認します。
デスクトップPCの場合:
- ディスプレイケーブルがしっかり接続されているか確認
- グラフィックカードと マザーボード、どちらに接続されているか確認
- グラフィックカードがある場合は、一度マザーボード側の出力に接続して試す
- 別のディスプレイケーブル(HDMI、DisplayPort、DVIなど)で試す
ノートPCの場合:
- 外部ディスプレイを接続してみる
- 「Windowsキー + P」を押して「PC画面のみ」を選択
- 外部ディスプレイに表示されれば、内蔵ディスプレイの故障
対処法2: メモリの再装着
メモリの接触不良が最も多い原因です。
手順:
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- (デスクトップPC)ケースを開ける
- (ノートPC)底面カバーを外す
- メモリを取り外す
- 両側のクリップを外側に開く
- メモリがななめに起き上がる
- そっと引き抜く
- メモリの金色の接点部分を柔らかい布で軽く拭く
- メモリスロットもエアダスターなどで清掃
- メモリをしっかりと差し込む
- ななめに差し込む
- カチッと音がするまで押し込む
- 両側のクリップが閉じるのを確認
- 複数枚ある場合は、1枚ずつ試す
メモリが複数ある場合:
- まず1枚だけで起動を試す
- 起動すれば、他のメモリを1枚ずつ追加して不良品を特定
- 起動しなければ、別のスロットに挿してみる
対処法3: グラフィックカードの再装着(デスクトップPC)
グラフィックカードの接触不良も多い原因です。
手順:
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- ケースを開ける
- グラフィックカードの補助電源ケーブルを外す
- ブラケット固定ネジを外す
- スロットのロックを解除
- グラフィックカードをそっと引き抜く
- 接点部分を柔らかい布で拭く
- スロットもエアダスターで清掃
- グラフィックカードをしっかりと差し込む
- 補助電源ケーブルを接続
グラフィックカード なしでテスト:
- グラフィックカードを外す
- ディスプレイケーブルをマザーボードの出力端子に接続
- 起動を試す
内蔵グラフィック(CPU内蔵GPU)で起動すれば、グラフィックカードに問題があります。
対処法4: CMOSクリア
BIOS設定を物理的にリセットします。
方法1: ボタン電池を外す
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- マザーボード上のボタン電池(CR2032)を見つける
- 電池をそっと取り外す
- 5〜10分待つ
- 電池を戻す
- 電源を接続して起動
方法2: CMOSクリアジャンパー
一部のマザーボードには専用のジャンパーピンがあります:
- マザーボードのマニュアルで「JBAT1」などのピンを探す
- ジャンパーキャップを外して、隣のピンに5秒程度装着
- 元の位置に戻す
対処法5: EZ Debug LEDの確認(MSIマザーボード)
MSIマザーボードには診断LEDがあります。
手順:
- 電源を入れる
- マザーボード上の「EZ Debug LED」を確認
- 点灯しているLEDが問題箇所を示す:
- CPU LED点灯 → CPU関連の問題
- DRAM LED点灯 → メモリの問題
- VGA LED点灯 → グラフィックカードの問題
- BOOT LED点灯 → ストレージの問題
点灯しているLEDに対応するパーツを重点的に確認しましょう。
対処法6: 最小構成での起動テスト
必要最小限のパーツだけで起動します:
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- 以下以外のすべてを取り外す:
- CPU + CPUクーラー
- メモリ1枚
- 電源ユニット
- (必要なら)グラフィックカード
- ストレージ、拡張カード、USBデバイスなどすべて外す
- 起動を試す
この状態でBIOSが表示されれば、外したパーツのどれかが原因です。
パターン4: Windowsが起動しない場合の対処法
BIOSは正常だが、Windowsが起動しない場合の対処法です。
対処法1: 起動デバイスの確認
BIOSで起動ドライブが認識されているか確認します。
手順:
- 電源を入れて「Delete」キーでBIOSに入る
- 「Settings」→「System Status」を開く
- ストレージ(SSD/HDD)が表示されているか確認
表示されていない場合:
- ストレージの接続を確認(SATAケーブル、M.2の挿し込み)
- 別のSATAポートで試す
- ストレージの故障の可能性
対処法2: 起動順序の設定
起動デバイスの優先順位を確認します。
手順:
- BIOSに入る(Deleteキー)
- 「Settings」→「Boot」タブ
- 「Boot Option #1」がWindows がインストールされているドライブになっているか確認
- 違う場合は変更して「F10」で保存
対処法3: Windowsスタートアップ修復
前述のスタートアップ修復を実行します(パターン2の対処法4参照)。
対処法4: システムの復元
以前の状態に戻します。
手順:
- 回復環境に入る(F3キーまたは強制OFF/ON 3回)
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」
- 「システムの復元」を選択
- 復元ポイントを選択(問題が発生する前の日付)
- 「次へ」→「完了」
対処法5: Windowsの再インストール
他の方法で解決しない場合は、Windowsの再インストールを検討します。
データを保持する方法:
- 回復環境に入る
- 「トラブルシューティング」→「このPCを初期状態に戻す」
- 「個人用ファイルを保持する」を選択
- 指示に従って進める
アプリは再インストールが必要ですが、個人ファイルは保持されます。
起動後に必ず行うべき設定(MSI公式推奨)
問題が解決してWindowsが起動するようになったら、再発防止のために以下を行ってください。
1. 高速スタートアップを無効にする
前述の方法で「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外します。
2. Intel RSTドライバの再インストール(該当する場合)
- MSI公式サイトから最新のIntel RSTドライバをダウンロード
- 現在のIntel RSTドライバをアンインストール
- パソコンを再起動
- 新しいIntel RSTドライバをインストール
3. BIOSを最新版に更新
MSI公式サイトから最新のBIOSをダウンロードして更新します。
注意: BIOS更新中は絶対に電源を切らないでください。
よくある質問と追加の対処法
Q: 何度も同じ症状が繰り返す
原因と対処:
一時的に起動しても、同じ症状が繰り返す場合:
- メモリの不良 → メモリテスト(Windows メモリ診断)を実行
- ストレージの劣化 → CrystalDiskInfoでSSD/HDDの健康状態を確認
- 電源ユニットの不安定 → 別の電源ユニットで試す
- 過熱 → CPUクーラー、ケースファンを清掃
Q: ビープ音が鳴る
ビープ音のパターンでエラー箇所が分かります:
- 短いビープ1回 → 正常
- 長いビープ1回、短いビープ2回 → グラフィックカードエラー
- 連続ビープ → メモリエラー
- 長いビープ音が続く → 電源またはマザーボードエラー
Q: ファンが異常に回る
ファンが全開で回り続ける場合:
- BIOSが起動していない可能性
- CPUクーラーの接続を確認
- サーマルペーストの塗り直しを検討
Q: BIOSパスワードを忘れた
CMOSクリアを実行すれば、BIOSパスワードもリセットされます。
Q: 修理に出すべきタイミングは?
以下の場合は専門家に相談を検討:
- すべての対処法を試しても起動しない
- マザーボードから焦げた臭いがする
- 液体をこぼした
- 物理的な損傷がある
- 保証期間内である
まとめ:MSI 起動しない問題の解決ポイント
MSI製パソコンが起動しない問題について、重要なポイントをおさらいしましょう。
症状別の主な原因:
完全に電源が入らない:
- 電源供給の問題
- ACアダプター/電源ユニットの故障
- マザーボードの故障
MSIロゴで止まる:
- BIOS設定の問題
- 高速スタートアップの干渉
- Windowsシステムファイルの破損
- 周辺機器の競合
BIOSが起動しない:
- メモリの接触不良(最多)
- グラフィックカードの接触不良
- CPUの問題
- マザーボードの故障
Windowsが起動しない:
- 起動ドライブの認識エラー
- システムファイルの破損
- ドライバの問題
最も効果的な対処法(症状別):
- 電源が入らない → ハードリセット(放電処理)
- MSIロゴで止まる → BIOS設定をデフォルトに戻す
- BIOSが表示されない → メモリの再装着
- Windowsが起動しない → スタートアップ修復
トラブルシューティングの基本:
- 外部機器をすべて外す
- 最小構成で起動テスト
- 一つずつ確認して原因を特定
- 焦らず、順番に試す
起動後の再発防止策:
- 高速スタートアップを無効化
- BIOSを最新版に更新
- ドライバを最新に保つ
- 定期的な清掃とメンテナンス
MSI製パソコンの起動トラブルは、多くの場合、メモリやグラフィックカードの再装着、BIOS設定のリセットで解決します。
まずは自分のパソコンの症状がどのパターンに当てはまるかを確認し、該当する対処法を順番に試してみてください。
ただし、パソコン内部を触る作業は慎重に行い、不安な場合は無理せず専門家に相談することをおすすめします。
特に保証期間内の場合は、自己修理によって保証が無効になる可能性があるため、MSIのサポートセンターに連絡することを優先してください。

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