「高度な保護機能」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
Google Pixelを使っていると、設定画面やセキュリティ関連の説明で目にする機会があるかもしれません。でも実は、この「高度な保護機能」には2つの異なる機能があることをご存知ですか?
混同しやすいこの2つの機能について、それぞれの違いや使い方、どんな人におすすめなのかを詳しく解説していきます。セキュリティを強化したいPixelユーザーの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
「高度な保護機能」は2種類ある!まずは違いを理解しよう

最初に知っておきたいのは、「高度な保護機能」という名前の機能が2つ存在するということです。
1. Googleアカウント向けの「高度な保護機能プログラム」
こちらは、あなたのGoogleアカウント自体を保護するための機能。Gmail、Googleドライブ、連絡先などのデータを標的型攻撃から守ります。
Pixelだけでなく、iPhoneやパソコンなど、どんな端末からGoogleアカウントにアクセスする場合でも適用される保護機能です。
2. Android 16搭載端末向けの「高度な保護機能」
こちらは、Android 16を搭載した端末そのものを保護するための機能。Pixel 9シリーズなど、Android 16が使える端末で利用できます。
盗難検出ロックや、怪しいアプリのブロック、安全でないネットワークへの接続防止など、スマホ本体のセキュリティを強化してくれます。
この2つは名前が似ていますが、守る対象も機能も全く違うんです。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
Googleアカウント向け「高度な保護機能プログラム」とは?
どんな機能なの?
「高度な保護機能プログラム」は、Googleが提供する最強レベルのアカウントセキュリティです。
通常のGoogleアカウントにも二段階認証などのセキュリティ機能がありますが、この高度な保護機能プログラムは、さらに強力な保護を提供します。
主な保護内容
フィッシング攻撃への強力な防御
ログインする際に、パスキーまたはセキュリティキー(物理的な認証デバイス)が必須になります。たとえハッカーがあなたのパスワードを盗んだとしても、物理キーやパスキーがなければログインできません。
サードパーティアプリのアクセス制限
Googleアカウントにアクセスできるアプリを厳しく制限。GoogleアプリとGoogleが確認済みのアプリだけがデータにアクセスできるようになります。
怪しいアプリが勝手にGmailやドライブの中身を見ることができなくなるので、フィッシング詐欺やデータ漏洩のリスクが大幅に減少するんです。
ダウンロードの厳格なチェック
ファイルをダウンロードしようとすると、通常よりも厳しいチェックが実施されます。危険な可能性があるファイルは警告が表示されたり、ダウンロード自体がブロックされたりします。
Androidスマホの場合、確認済みのストア(Google Playなど)からのアプリしかインストールできなくなります。
アカウント復元の厳格化
もしセキュリティキーを紛失してアカウントにアクセスできなくなった場合、本人確認のために追加の手順が必要になります。復元には数日かかることもあります。
これは一見不便に思えますが、ハッカーがあなたになりすましてアカウントを乗っ取ろうとした際の強力な防御策になるんです。
どんな人におすすめ?
高度な保護機能プログラムは、以下のような標的型攻撃を受けるリスクが高い人に特に推奨されています。
- ジャーナリストや報道関係者
- 人権活動家や政治活動家
- 政治運動のスタッフ
- ビジネスリーダーや経営者
- IT管理者
- 貴重なファイルや機密情報を扱う人
つまり、「誰かにアカウントを狙われる可能性がある人」向けの機能なんです。
一般の人でも、個人情報やプライバシーを最大限に守りたい場合は利用できます。ただし、後述するデメリットもあるので、自分に必要かどうかよく考えてから設定しましょう。
設定に必要なもの
高度な保護機能プログラムを有効にするには、以下のいずれかが必要です。
パスキー
指紋認証や顔認証などの生体認証を使った、パスワードに代わるログイン方法。お使いのPixelに保存されます。
セキュリティキー
USBやBluetoothで接続する物理的な認証デバイス。Google Titan Security Keyなどが該当します。別途購入が必要です。
どちらか一つがあれば登録できますが、万が一に備えて予備のパスキーやセキュリティキーを用意しておくことが強く推奨されています。
また、アカウント復元用の復元用メールアドレスと電話番号も設定しておきましょう。
設定方法
高度な保護機能プログラムへの登録は、以下の手順で行います。
- PixelでChromeアプリを開く
- 検索窓に「高度な保護機能プログラム」と入力
- 検索結果からGoogleの公式ページをタップ
- 「登録」または「使ってみる」をタップ
- 画面の指示に従って、パスキーまたはセキュリティキーを設定
- 復元用のメールアドレスと電話番号を入力
- 登録完了!
登録後、新しいデバイスでGoogleアカウントにログインする際には、必ずパスキーやセキュリティキーが必要になります。
注意点とデメリット
高度な保護機能プログラムは強力ですが、いくつかの制約もあります。
使えないアプリやサービスが出てくる
Googleが確認していないサードパーティアプリは、Googleアカウントのデータにアクセスできなくなります。
例えば、一部のメールアプリでGmailを読んだり、特定のバックアップアプリでGoogleドライブにアクセスしたりすることができなくなる可能性があります。
iPhoneのメールアプリや連絡先アプリからGoogleのデータにアクセスすることもできません。
アカウント復元に時間がかかる
セキュリティキーやパスキーを紛失してアカウントにアクセスできなくなった場合、復元には数日から場合によっては数週間かかることがあります。
これは本人確認を徹底的に行うためですが、急いでアカウントを復元したいときには困るかもしれません。だからこそ、予備のキーを用意しておくことが重要なんです。
アプリパスワードが使えない
二段階認証の代わりにアプリパスワードを使用するアプリは、高度な保護機能プログラム登録後は利用できなくなります。
解除方法
もし高度な保護機能プログラムが自分に合わないと感じたら、いつでも解除できます。
- Googleアカウントの設定ページを開く
- 「セキュリティ」セクションに移動
- 「高度な保護機能プログラム」の項目を探す
- 「登録解除」をタップ
- 画面の指示に従って解除を完了
解除すると、制限されていたアプリやサービスが再び使えるようになります。
Android 16の「高度な保護機能」とは?
どんな機能なの?
Android 16で導入された「高度な保護機能」は、スマホ端末自体のセキュリティを一括で強化できる機能です。
これまで個別に設定する必要があった複数のセキュリティ機能を、ワンタップで有効化できるのが大きな特徴。セキュリティの専門知識がなくても、簡単に端末の保護レベルを上げられます。
具体的に有効になる機能
Google Play プロテクト
安全でないアプリやマルウェアがないか、自動的にスキャンします。
提供元不明のアプリのブロック
Google Play以外からのアプリインストールをブロック。怪しいアプリをうっかりインストールしてしまうリスクを減らします。
Memory Tagging Extension
対応しているアプリをメモリ破損から保護する技術的な機能。
安全でない接続の防止
危険なネットワークへの接続を自動的に防ぎます。
2Gネットワークの保護
セキュリティが低い2Gネットワークへの接続を防止。(機種によっては利用できない場合があります)
Android セーフブラウジング
有害なウェブページを自動的にブロックします。
Chromeでの強化されたブラウジング
HTTPS以外のサイトにアクセスしようとすると警告が表示されます。HTTPSは通信が暗号化される安全な接続方式のこと。
JavaScript保護
一部の高度なJavaScript機能を無効にして、リスクを軽減します。
迷惑電話対策
Googleの電話アプリで迷惑電話を識別し、既知の迷惑電話を自動的に拒否します。
どんな人におすすめ?
Android 16の高度な保護機能は、以下のような人に向いています。
- セキュリティを簡単に強化したい人
- 設定が苦手だけど安全性を高めたい人
- ジャーナリストや活動家など、リスクの高い職業の人
- 個人情報をしっかり守りたい人
基本的に、誰が使っても損はない機能です。日常的な使い勝手をほとんど損なわずに、セキュリティレベルを上げることができます。
対応機種
この機能が使えるのは、Android 16を搭載している端末です。
2025年6月にAndroid 16が正式リリースされたため、記事執筆時点では主にPixelシリーズが対応しています。
- Google Pixel 9シリーズ
- Google Pixel 8シリーズ(アップデート後)
- その他Android 16にアップデート可能なPixel端末
今後、他のメーカーのAndroid端末にもAndroid 16が展開されれば、より多くの機種でこの機能が使えるようになるでしょう。
設定方法
- Pixelの設定アプリを開く
- 「セキュリティとプライバシー」をタップ
- 「高度な保護機能」の項目を探す
- 「高度な保護機能を有効にする」をタップ
- 内容を確認して「オンにする」をタップ
設定後、端末の再起動を求められる場合があります。再起動することで、すべての保護機能が適切に有効化されます。
注意点
画面ロックが必要
高度な保護機能を有効にした後で画面ロックを無効にすると、一部の保護機能が最適に動作しなくなります。画面ロックは必ずオンにしておきましょう。
再起動が必要な場合がある
機能を有効化または無効化する際に、端末の再起動が必要になることがあります。
一部の機能が使えなくなる可能性
提供元不明のアプリがインストールできなくなるなど、一部の自由度が制限されます。ただし、一般的な使い方をしている分には、ほとんど影響はないでしょう。
解除方法
もし機能をオフにしたい場合は、以下の手順で解除できます。
- 設定アプリを開く
- 「セキュリティとプライバシー」に移動
- 「高度な保護機能」をタップ
- 「オフにする」を選択
- 確認画面で「オフにする」をタップ
解除後、セキュリティ設定を元に戻すために再起動が必要になる場合があります。
どちらの「高度な保護機能」を使うべき?

では、2つの高度な保護機能のうち、どちらを使えばいいのでしょうか?
両方使うこともできる
実は、この2つは併用可能です。Googleアカウント向けの高度な保護機能プログラムと、Android 16の高度な保護機能の両方を有効にすることで、アカウントと端末の両面から最大限のセキュリティを実現できます。
リスクレベルで判断しよう
一般ユーザー
普通に使う分には、Android 16の高度な保護機能だけでも十分です。設定も簡単で、デメリットもほとんどありません。
やや高リスクなユーザー
仕事で機密情報を扱う、ある程度の社会的地位がある、などの場合は、Googleアカウント向けの高度な保護機能プログラムも検討しましょう。
高リスクなユーザー
ジャーナリスト、活動家、政治家、経営者など、標的型攻撃を受ける可能性が高い人は、両方とも有効化することをおすすめします。
よくある質問
Q1. 高度な保護機能プログラムは無料で使えますか?
はい、プログラム自体は無料です。ただし、物理的なセキュリティキーを使いたい場合は、別途購入する必要があります(数千円程度)。
パスキーを使う場合は、追加費用は一切かかりません。
Q2. 高度な保護機能を有効にすると動作が遅くなりますか?
いいえ、ほとんど影響ありません。Android 16の高度な保護機能は、スマホの動作速度やバッテリー消費にほぼ影響を与えずに動作するように設計されています。
Q3. iPhoneでも高度な保護機能プログラムは使えますか?
Googleアカウント向けの高度な保護機能プログラムは、どんな端末でも利用可能です。iPhone、iPad、パソコンなど、Googleアカウントにアクセスする際に保護が適用されます。
ただし、Android 16の高度な保護機能は、Android端末専用です。
Q4. 家族にもおすすめすべき?
Android 16の高度な保護機能は、家族にもおすすめできます。特に、セキュリティの設定が苦手な方や高齢者には、ワンタップで複数の保護機能をオンにできるのが便利です。
高度な保護機能プログラムは、必要性に応じて判断しましょう。一般的な使い方をしている家族であれば、必須ではありません。
Q5. 設定したことを忘れてしまいそうで心配です
その場合は、以下の対策をしておきましょう。
- 復元用のメールアドレスと電話番号を必ず登録する
- パスキーやセキュリティキーを安全な場所に保管する
- 予備のパスキー/セキュリティキーを作成しておく
- 登録したことをメモに残しておく
特に高度な保護機能プログラムは、セキュリティキーを紛失すると復元に時間がかかるので、慎重に管理してください。
Q6. 会社のGoogleアカウントにも使えますか?
はい、Google Workspaceなどの企業向けアカウントでも利用可能です。むしろ、ビジネス用アカウントこそ高度な保護機能プログラムを検討すべきかもしれません。
ただし、企業によってはIT管理者が設定を管理している場合があるので、まずは管理者に相談してください。
まとめ:自分に合った保護機能を選ぼう
Google Pixelで利用できる「高度な保護機能」には、2つの異なる機能があります。
Googleアカウント向けの高度な保護機能プログラム
- アカウント自体を標的型攻撃から保護
- パスキーやセキュリティキーが必須
- サードパーティアプリの制限あり
- ジャーナリストや活動家など、高リスクな人向け
Android 16の高度な保護機能
- 端末のセキュリティを一括で強化
- ワンタップで複数の保護機能を有効化
- 日常的な使い勝手への影響は最小限
- すべてのユーザーにおすすめ
この2つは併用できるので、自分のリスクレベルに応じて選択しましょう。
一般的な使い方をしているなら、Android 16の高度な保護機能だけでも十分。セキュリティを簡単に強化できるので、ぜひ試してみてください。
もしあなたが標的型攻撃を受ける可能性がある立場にいるなら、Googleアカウント向けの高度な保護機能プログラムも検討する価値があります。多少の不便さはありますが、大切なデータを守るための強力な盾になってくれるはずです。
セキュリティは一度設定したら終わりではありません。定期的に設定を見直して、常に最新の保護を受けられるようにしておきましょう!

コメント