どちらも映像処理を担うGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)のブランド名ですが、「結局どっちを選べばいいの?」と悩んでいる方も多いはず。
今回は、この2大GPUブランドの違いを分かりやすく解説します。
それぞれの特徴や得意分野を知れば、自分にぴったりのGPUが見つかりますよ。
そもそもGeForceとRadeonって何?

まずは基本から押さえておきましょう。
GeForce(ジーフォース)
アメリカの半導体メーカー「NVIDIA(エヌビディア)」が開発しているGPUブランドです。
1999年に初代モデルが登場して以来、GPU市場をリードし続けています。
ゲーミング性能の高さとAI技術への対応で知られており、現在の市場シェアは約8割から9割を占める圧倒的な強さを誇ります。
Radeon(ラデオン)
アメリカの半導体メーカー「AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)」が開発しているGPUブランド。
2000年に初代モデルが登場し、GeForceに対抗する形で進化してきました。
コストパフォーマンスの高さと鮮やかな発色が特徴で、予算を抑えつつ高性能を求めるユーザーから支持されています。
どちらも長い歴史を持つブランドで、激しい競争を繰り広げてきたからこそ、今の高性能GPUが生まれたんです。
市場シェアはどうなっているの?
現在のGPU市場では、GeForceが圧倒的な優勢を保っています。
シェア比率はおおよそGeForceが80~90%、Radeonが10~20%程度。
Steam(PC向けゲーム配信プラットフォーム)のハードウェア調査でも、ゲーマーの大半がGeForceを使用していることが分かります。
ただし、これは単純に性能差だけで決まっているわけではありません。
GeForceは長年にわたってゲーム開発者と緊密に連携してきた歴史があり、多くのゲームがGeForceに最適化されているという背景があるんです。
また、AI分野でもGeForceの技術「CUDA(クーダ)」が標準になっており、機械学習やディープラーニングの用途でも選ばれています。
一方で、Radeonも近年品質を大きく向上させており、特定のゲームタイトルではGeForceを上回る性能を発揮することもあります。
性能の違いを比較してみよう
ゲーミング性能
通常のゲームプレイにおいては、同価格帯であれば両者の性能は拮抗していることが多いです。
ミドルレンジからハイエンドクラスでは、どちらを選んでも快適にゲームを楽しめます。
ただし、最高峰の性能を求めるなら、GeForceの「RTX 5090」のようなウルトラハイエンドモデルが選択肢になります。
Radeonには現時点でこのクラスに対抗できるモデルがないため、「とにかく最強のGPUが欲しい!」という場合はGeForce一択になります。
レイトレーシング性能
レイトレーシングとは、光の進み方を物理的にシミュレートして、リアルな反射や影を表現する技術のこと。
この分野では、GeForceが明確に優位です。
GeForce RTXシリーズには「RTコア」という専用の回路が搭載されており、ハードウェアレベルでレイトレーシングを高速処理できます。
Radeonも最新の「RX 9000シリーズ」でレイトレーシング性能を大幅に強化していますが、GeForceには及ばないのが現状です。
レイトレーシングを重視するなら、GeForceがおすすめですね。
AI超解像技術の比較
現代のGPUには、低い解像度で描画した映像をAIで高画質化する技術が搭載されています。
GeForceのDLSS(ディープラーニング・スーパーサンプリング)
AI技術を駆使して、驚くほど美しい映像にアップスケールできます。
最新の「DLSS 4」では、フレーム生成技術も進化し、滑らかな動きを実現。
対応ゲームタイトルも非常に多く、幅広いゲームで恩恵を受けられます。
RadeonのFSR(フィデリティFX スーパーレゾリューション)
AMDが開発したオープンソースの超解像技術です。
最新の「FSR 4」では画質が大きく向上しましたが、対応タイトルはDLSSより少なめ。
ただし、FSRはGeForceでも使えるという利点があります。
画質と対応タイトル数では、現時点でDLSSに軍配が上がります。
価格とコストパフォーマンス

Radeonの大きな強みが、コストパフォーマンスの高さです。
同等の性能を持つモデル同士で比較すると、Radeonの方が数万円安いケースが多くなっています。
例えば、GeForce RTX 5070 Ti搭載モデルが約33万円のところ、同等性能のRadeon RX 9070 XT搭載モデルは約30万円で購入できます。
また、Radeonは同じ価格帯でより多くのVRAM(ビデオメモリ)を搭載している傾向があります。
GeForce RTX 5070が12GBなのに対し、Radeon RX 9070 XTは16GB搭載しているといった具合です。
高解像度のテクスチャや複雑な3DCGを扱う場合、VRAMの容量は重要になってきます。
予算を抑えつつ高性能を求めるなら、Radeonは魅力的な選択肢になりますよ。
ドライバとソフトウェアの違い
GeForceのドライバ
GeForceはドライバの安定性と最適化で定評があります。
最新ゲームのリリースに合わせてドライバが更新されることが多く、発売日から快適にプレイできるケースが多いんです。
また、「GeForce Experience」というソフトウェアで、ドライバ更新やゲーム設定の最適化、ゲームプレイの録画などが簡単にできます。
Radeonのドライバ
Radeonも「Adrenalin Edition(アドレナリン・エディション)」という便利なソフトウェアを提供しています。
パフォーマンスの監視、細かいチューニング、画面録画などが可能です。
ただし、一部のユーザーからは「設定が再起動後にリセットされる」といった小さな不具合の報告もあります。
以前は「Radeonはドライバが不安定」と言われていましたが、近年は大きく改善されており、安定性も向上しています。
クリエイティブ用途での違い
3DCG制作・レンダリング
GeForceが明確に優位です。
BlenderやMaya、3ds Maxといった主要な3DCGソフトは、GeForceの「CUDA」に最適化されているものが多く、レンダリング速度が圧倒的に速いです。
CPUレンダリングと比べて、10倍から50倍も高速になることも。
Radeonも「OpenCL」や「HIP」といった技術で対応していますが、ソフトウェアの対応状況ではGeForceに分があります。
動画編集
動画編集では両者とも活躍できますが、用途によって向き不向きがあります。
Adobe Premiere ProやDaVinci Resolveでは、GeForceの「NVENC」というハードウェアエンコーダーが非常に高速で、書き出し時間を大幅に短縮できます。
一方、Radeonは発色が鮮やかという特徴があります。
特に赤系統の色が強く表現される傾向があり、映像制作や動画鑑賞において色の美しさを重視する方に好まれています。
また、Radeonには「Fluid Motion」という独自技術があり、24fpsや30fpsの動画を60fpsに変換して滑らかに表示できます。
アニメやクラシック映画を高品質で楽しみたい方には嬉しい機能ですね。
AI・機械学習
GeForceの圧勝です。
NVIDIAの「CUDA」は、AI開発や科学技術計算の分野で事実上の標準となっています。
機械学習フレームワーク(TensorFlowやPyTorchなど)も、GeForceでの使用を前提に開発されていることが多いです。
AI開発や機械学習に取り組むなら、GeForce一択と言っても過言ではありません。
その他の技術的な違い
垂直同期技術
画面のちらつきやカクつきを防ぐ技術にも違いがあります。
GeForceのG-Sync
高品質で安定していますが、対応モニターは比較的高価なものが多いです。
RadeonのFreeSync
オープンスタンダードで、多くのモニターが対応しています。
予算を抑えたい場合や、幅広い選択肢から選びたい場合はFreeSyncが有利。
ただし、最近はGeForceもFreeSync対応モニターで動作するケースが増えているので、以前ほど大きな違いではなくなっています。
消費電力と発熱
一般的に、同じ性能レベルであればRadeonの方が消費電力が高い傾向があります。
GeForceの最上位モデル「RTX 5090」は575Wですが、Radeonの上位モデルも同様に高い消費電力を必要とします。
電気代や冷却を考えると、消費電力は無視できないポイントですね。
結局どっちを選べばいいの?

それぞれの特徴を踏まえて、用途別におすすめをまとめてみました。
GeForceがおすすめな人
- 最高峰の性能を求めている
ウルトラハイエンドのRTX 5090のような選択肢があります - レイトレーシングを楽しみたい
専用ハードウェアで高速処理が可能です - 3DCG制作や映像編集を本格的にやりたい
主要ソフトウェアの最適化が進んでいます - AI開発や機械学習に取り組む
CUDAが事実上の標準になっています - VRゲームを楽しみたい
VR向けの最適化も充実しています - ドライバの安定性を重視する
最新ゲームへの対応も早い傾向があります
Radeonがおすすめな人
- コストパフォーマンスを重視したい
同性能でも価格が抑えめです - 大容量のVRAMが欲しい
同価格帯でより多くのメモリを搭載しています - 鮮やかな発色を楽しみたい
映像鑑賞や動画編集で色の美しさを求める方に - 特定のゲームタイトルでプレイする
Far CryやAssassin’s Creedなど、Radeonに最適化されたゲームもあります - FreeSync対応の手頃なモニターを使いたい
幅広い選択肢から選べます - ミドルレンジでバランスの良い性能が欲しい
RX 9060 XTなど、コスパの良いモデルが充実しています
2025年の最新状況
2025年に入り、両ブランドとも新世代のGPUをリリースしています。
GeForce RTX 50シリーズ
最新の「Blackwell」アーキテクチャを採用し、DLSS 4やマルチフレーム生成機能を搭載。
性能は申し分ないのですが、一部のモデルで不具合の報告もあり、評価が分かれています。
Radeon RX 9000シリーズ
「RDNA 4」アーキテクチャを採用し、レイトレーシング性能とAI機能を大幅に強化。
FSR 4の導入で画質も向上し、ミドルレンジを中心に魅力的なラインナップを展開しています。
また、価格面での優位性を活かし、シェアを伸ばしつつある状況です。
まとめ
GeForceとRadeonは、どちらも優れたGPUブランドですが、それぞれ異なる強みを持っています。
GeForceは、最高峰の性能、レイトレーシング、AI対応、3DCG制作など、プロフェッショナルな用途や最先端技術を求める方に向いています。
市場シェアも圧倒的で、対応ソフトウェアやゲームも豊富です。
Radeonは、コストパフォーマンス、大容量VRAM、鮮やかな発色など、予算を抑えつつ高性能を求める方や、映像の美しさを重視する方におすすめ。
最近は性能も大きく向上し、ゲーミングでも十分に活躍できます。
「絶対にこちらが正解」というものではなく、あなたの用途と予算に合わせて選ぶことが大切です。
ゲームメインなら同価格帯で性能を比較し、クリエイティブ用途なら使用ソフトウェアの対応状況を確認しましょう。
自分にぴったりのGPUを見つけて、快適なPC生活を楽しんでくださいね。


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