「マイクブーストって何?」
「マイクの音量を上げたいけどどうすればいい?」
「+10dB、+20dBって何のこと?」
Windowsでマイクを使う際、音量が小さくて相手に声が届かないことがあります。そんなときに役立つのがマイクブースト(Microphone Boost)機能です。
この記事では、マイクブーストとは何か、その仕組み、具体的な設定方法、適切な設定値、メリット・デメリット、そしてトラブルシューティングまで、初心者でも分かるように徹底解説します。
マイクブーストとは?
基本的な定義
マイクブースト(Microphone Boost)とは、マイクから入力される音声信号を増幅(ブースト)する機能です。
簡単に言うと:
マイクで拾った音を大きくする機能
別名:
- マイクゲイン(Mic Gain)
- マイクアンプ(Mic Amp)
- プリアンプゲイン(Preamp Gain)
- 入力感度増幅
マイクブーストが必要な理由
マイクには個体差があり、すべてのマイクが同じ音量で録音できるわけではありません。
マイクブーストが必要な場合:
- マイクの感度が低い
- 安価なマイク
- 古いマイク
- PC内蔵マイク
- 声が小さい
- 小声で話す人
- 離れた場所から話す
- 録音・配信で音量が不足
- ゲーム実況
- オンライン会議
- 動画撮影
マイクブーストの単位:dB(デシベル)
マイクブーストは dB(デシベル) という単位で表示されます。
dBとは:
音の大きさや信号の強さを表す単位
Windowsでの設定範囲:
| 設定値 | 意味 |
|---|---|
| 0dB | ブーストなし(標準) |
| +10dB | 音量が約3.16倍 |
| +20dB | 音量が約10倍 |
| +30dB | 音量が約31.6倍 |
| +40dB | 音量が約100倍(最大) |
注意:
dBは対数スケールなので、+10dBごとに音量が大きく増加します。
マイクブーストの仕組み
音声信号の流れ
マイクからPCに音声が届くまでの流れ:
1. マイク
↓ (音波を電気信号に変換)
2. プリアンプ(マイクブースト)
↓ (弱い信号を増幅)
3. オーディオインターフェース
↓ (信号を処理)
4. PC(録音・通話アプリ)
↓
5. 録音・配信
プリアンプとは?
プリアンプ(Preamplifier) は、マイクからの弱い電気信号を増幅する装置です。
役割:
- マイクからの微弱な信号を処理できるレベルまで増幅
- ノイズを最小限に抑えながら音量を上げる
マイクブースト = ソフトウェア上のプリアンプ調整
マイク音量とマイクブーストの違い
Windowsには2つの音量調整があります:
| 項目 | 役割 | 調整範囲 | 影響 |
|---|---|---|---|
| マイク音量 | 入力信号の全体的な音量 | 0~100% | 基本的な音量調整 |
| マイクブースト | プリアンプによる信号増幅 | 0~+40dB | 感度を大幅に上げる |
使い分け:
- まず「マイク音量」を100%にする
- それでも足りない場合に「マイクブースト」を使う
マイクブーストの設定方法
Windows 11での設定方法
手順:
1. サウンド設定を開く
- デスクトップ右下のスピーカーアイコンを右クリック
- 「サウンドの設定」をクリック
2. サウンドの詳細設定を開く
- 下にスクロール
- 「サウンドの詳細設定」をクリック
3. 録音タブを開く
- 「録音」タブをクリック
4. マイクのプロパティを開く
- 使用するマイクをダブルクリック
- または右クリック → 「プロパティ」
5. レベルタブを選択
- 「レベル」タブをクリック
6. マイクブーストを調整
- 「マイク」 スライダー:まず100に設定
- 「マイクブースト」 スライダー:必要に応じて調整
- 初期値:0dB
- 推奨:+10dB ~ +20dB
- 最大:+30dB または +40dB
7. 適用して保存
- 「適用」→「OK」をクリック
Windows 10での設定方法
手順(Windows 11とほぼ同じ):
- タスクバーのスピーカーアイコンを右クリック
- 「サウンド」をクリック
- 「録音」タブを選択
- マイクをダブルクリック
- 「レベル」タブでマイクブーストを調整
- 「適用」→「OK」
設定のコツ
リアルタイムで確認しながら調整:
- Discord、Zoom、Skypeなどの通話アプリを起動
- 相手と通話しながら調整
- 相手に音量を確認してもらう
- 「大きすぎる」「小さい」とフィードバックをもらう
- 少しずつ上げる
- いきなり最大にしない
- +10dB → +20dB → +30dB と段階的に
録音して確認:
- Windowsの「ボイスレコーダー」で録音
- 再生して音量と音質を確認
- 必要に応じて調整
適切なマイクブーストの設定値
推奨設定値
一般的な推奨値:
| 用途 | 推奨設定 | 理由 |
|---|---|---|
| 通常の通話・会議 | +10dB ~ +20dB | バランスが良い |
| ゲーム実況・配信 | +10dB ~ +20dB | 声がはっきり聞こえる |
| 音声が小さいマイク | +20dB ~ +30dB | 感度が低いマイク用 |
| 高品質マイク | 0dB ~ +10dB | 既に十分な音量がある |
マイクの種類別の設定
1. PC内蔵マイク
- 推奨:+20dB ~ +30dB
- 理由:感度が低い
2. USBマイク(中価格帯)
- 推奨:+10dB ~ +20dB
- 理由:適度な感度
3. コンデンサーマイク(高品質)
- 推奨:0dB ~ +10dB
- 理由:感度が高い
4. ヘッドセットマイク
- 推奨:+10dB ~ +20dB
- 理由:マイクの性能による
マイクブーストのメリットとデメリット
メリット
1. 音量を大きくできる
- 小さい声でも相手にしっかり届く
- 遠くから話しても音を拾える
2. 感度の低いマイクを使える
- 安価なマイクでも実用的に
- 古いマイクの活用
3. 調整が簡単
- Windowsの設定だけで完結
- 追加機器が不要
4. リアルタイムで効果がある
- 設定したらすぐに反映
- 通話中でも調整可能
デメリット
1. ノイズが増幅される
マイクブーストは音声だけでなく、すべての音を増幅します。
増幅されるノイズ:
- 環境音(エアコン、ファンの音)
- ホワイトノイズ(サーッという音)
- キーボードのタイプ音
- マウスのクリック音
- 周囲の会話
2. 音割れ・歪みが発生する
設定値が高すぎると:
- 音が割れる(クリッピング)
- 歪んだ音になる
- 聞き取りにくくなる
3. ハウリングのリスク
スピーカーを使用している場合:
- マイクがスピーカーの音を拾う
- 音が増幅されてループする
- キーンという不快な音(ハウリング)
4. 相手に迷惑をかける可能性
急に音量を上げると:
- 相手がヘッドホンをしている場合、耳を痛める
- 大きすぎる声で不快
マイクブースト設定時の注意点
1. 段階的に上げる
NG例:
いきなり+40dBに設定
OK例:
+10dB → 確認 → +20dB → 確認 → +30dB
2. 相手に事前に伝える
通話中に調整する場合:
- 「これからマイク音量を上げます」と伝える
- 相手がヘッドホンをしている場合は特に重要
3. 音質とのバランス
音量が大きい ≠ 音質が良い
- 音割れするくらいなら音量は低めに
- クリアな音質を優先
4. 環境音対策
マイクブーストを上げる前に:
- 静かな環境で話す
- エアコン・ファンの音を抑える
- ノイズキャンセリング機能を使う
5. スピーカーではなくヘッドホンを使う
ハウリング防止のため:
- ヘッドホン・イヤホンを推奨
- スピーカー使用時はマイクブーストを控えめに
マイクブーストが表示されない場合
原因
1. サウンドカードが非対応
- 古いオーディオチップ
- ドライバーの問題
2. マイクの種類
- USBマイクの一部
- 特定のデバイス
3. ドライバーが古い
- オーディオドライバーの更新が必要
解決方法
方法1:Windows Updateを実行
- 設定 → Windows Update
- 「更新プログラムのチェック」
- 更新後、マイクブーストが表示されるか確認
方法2:オーディオドライバーを更新
- デバイスマネージャーを開く
- 「オーディオの入力および出力」を展開
- マイクを右クリック → 「ドライバーの更新」
方法3:接続ポートを変更
- 前面のマイク端子 → 背面のマイク端子
- または別のUSBポートに接続
方法4:Realtek Audio Consoleを使用
Realtekオーディオを使用している場合:
- Microsoft Storeから「Realtek Audio Console」をダウンロード
- アプリでマイクブーストを調整
方法5:サードパーティ製ソフトを使用
- VoiceMeeter(無料)
- 仮想オーディオミキサー
- より詳細な音量調整が可能
- Equalizer APO(無料)
- プリアンプ機能
- 高度なカスタマイズ
マイクブースト使用時のトラブルシューティング
問題1:マイクブーストを上げても音量が変わらない
原因:
- アプリ側の音量が低い
- マイクが正しく認識されていない
解決方法:
- アプリ側の設定を確認
- Discord:ユーザー設定 → 音声・ビデオ → 入力感度
- Zoom:設定 → オーディオ → マイクの音量
- 既定のデバイスに設定されているか確認
- サウンド設定 → 録音タブ
- 使用するマイクに緑のチェックマークがあるか
- マイクを再接続
問題2:音が割れる・歪む
原因:
マイクブーストが高すぎる
解決方法:
- マイクブーストを下げる(+10dB下げる)
- マイク音量を下げる(100% → 80%)
- 口とマイクの距離を離す
問題3:ノイズが多い
原因:
マイクブーストで環境音も増幅
解決方法:
- マイクブーストを下げる
- ノイズキャンセリング機能を有効化
- Discord:ノイズ抑制をON
- Zoom:背景ノイズの抑制
- マイクの指向性を調整
- 単一指向性マイクを使用
- 口に向ける
- 環境音を減らす
- 静かな部屋で使用
- エアコン・ファンを止める
問題4:ハウリングが発生
原因:
スピーカーの音をマイクが拾っている
解決方法:
- ヘッドホン・イヤホンを使用(最も効果的)
- マイクブーストを下げる
- 「このデバイスを聴く」をOFFにする
- マイクのプロパティ → 聴く
- 「このデバイスを聴く」のチェックを外す
マイク音量とマイクブーストの最適な組み合わせ
設定の優先順位
推奨手順:
- マイク音量を100%にする
- まず基本的な音量を最大に
- アプリで録音・通話テスト
- これで十分ならマイクブーストは不要
- 足りない場合はマイクブーストを追加
- +10dBから段階的に
ケース別の推奨設定
ケース1:高品質USBマイク
- マイク音量:80% ~ 100%
- マイクブースト:0dB ~ +10dB
ケース2:PC内蔵マイク
- マイク音量:100%
- マイクブースト:+20dB ~ +30dB
ケース3:安価なヘッドセット
- マイク音量:100%
- マイクブースト:+10dB ~ +20dB
ケース4:コンデンサーマイク + オーディオインターフェース
- マイク音量:50% ~ 80%
- マイクブースト:0dB
- オーディオインターフェースのゲインで調整
dB(デシベル)について詳しく
dBとは何か
デシベル(dB) は、音の大きさや信号の強さを表す対数単位です。
対数スケールとは:
通常のスケール:1, 2, 3, 4, 5…
対数スケール:1, 10, 100, 1000, 10000…
→ 少しの数値の変化で大きな効果がある
dBの換算表
| マイクブースト | 音量の倍率 | 体感的な音量 |
|---|---|---|
| 0dB | 1倍 | 標準 |
| +6dB | 2倍 | やや大きい |
| +10dB | 3.16倍 | 明らかに大きい |
| +20dB | 10倍 | かなり大きい |
| +30dB | 31.6倍 | 非常に大きい |
| +40dB | 100倍 | 最大 |
マイナスdBとは
Windowsの音量バーを右クリックすると、パーセントではなくdBで表示できます。
例:
- 100% = 0dB(基準)
- 50% = -6dB ~ -12dB(半減)
- 0% = -∞dB(無音)
アプリ別のマイク設定
Discord
設定場所:
ユーザー設定 → 音声・ビデオ
調整項目:
- 入力感度: 自動 or 手動
- ノイズ抑制: ON推奨
- エコー除去: ON推奨
Windowsとの関係:
- Windowsでマイクブーストを上げる
- Discord側の入力感度は自動でOK
Zoom
設定場所:
設定 → オーディオ
調整項目:
- マイクの音量: 自動調整をOFF
- 背景ノイズの抑制: 自動 or 高
Windowsとの関係:
- Windowsで適切に設定
- Zoomは自動調整をOFFにして手動調整
OBS Studio(録画・配信)
設定場所:
設定 → 音声
調整項目:
- マイク音声デバイス: 使用するマイクを選択
- 音声フィルタ: ノイズゲート、コンプレッサーなど
Windowsとの関係:
- Windowsで基本設定
- OBSで細かい調整
まとめ
マイクブーストについて、すべての情報を網羅しました。
マイクブーストとは:
- マイクからの音声信号を増幅する機能
- プリアンプによるゲイン調整
- dB(デシベル)で表示
マイクブーストの設定範囲:
| 設定 | 用途 |
|---|---|
| 0dB | 高品質マイク |
| +10dB | 通常の通話・会議 |
| +20dB | 標準的な使用 |
| +30dB | 感度が低いマイク |
| +40dB | 最大(非推奨) |
設定方法(Windows):
- スピーカーアイコンを右クリック
- サウンドの設定 → サウンドの詳細設定
- 録音タブ → マイクをダブルクリック
- レベルタブ → マイクブーストを調整
- 適用 → OK
推奨設定:
- まずマイク音量を100%に
- それでも足りない場合にマイクブースト
- +10dBから段階的に上げる
- 通話相手に確認しながら調整
メリット:
- 音量を大きくできる
- 感度の低いマイクでも使える
- 調整が簡単
- リアルタイムで効果
デメリット:
- ノイズが増幅される
- 音割れ・歪みの可能性
- ハウリングのリスク
- 相手に迷惑をかける可能性
注意点:
- 段階的に上げる
- 相手に事前に伝える
- 音質とのバランスを考える
- 環境音を減らす
- ヘッドホン・イヤホンを使用
トラブル対処:
- 音量が変わらない → アプリ側の設定を確認
- 音が割れる → マイクブーストを下げる
- ノイズが多い → マイクブーストを下げる、ノイズキャンセリングON
- ハウリング → ヘッドホンを使用
マイクブーストが表示されない場合:
- Windows Updateを実行
- オーディオドライバーを更新
- 接続ポートを変更
- Realtek Audio Consoleを使用
- VoiceMeeterなどのサードパーティ製ソフトを使用
最適な組み合わせ:
- 高品質マイク:音量100% + ブースト0~+10dB
- 標準マイク:音量100% + ブースト+10~+20dB
- PC内蔵マイク:音量100% + ブースト+20~+30dB
マイクブーストは便利な機能ですが、使いすぎるとノイズや音割れの原因になります。
適切な設定値を見つけて、クリアな音声でコミュニケーションを楽しんでください!

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