データを整理するとき、「度数分布表」を作ったことはありますか?
テストの点数をまとめたり、アンケート結果を集計したりするときに使う、あの表です。そして、その表の中に「相対度数」という欄があって、「これって何だろう?」と思った経験がある人も多いのではないでしょうか。
相対度数は、データ分析において非常に重要な概念です。
単なる「数」ではなく「割合」で考えることで、異なる規模のデータ同士を比較できたり、全体の中でどのくらいの位置づけなのかが一目でわかるようになります。
この記事では、相対度数の基本的な意味から計算方法、実際の活用例まで、中学生でも理解できるようにわかりやすく解説していきます。
相対度数とは何か?

基本的な定義
相対度数とは、各階級の度数が全体に占める割合のことです。
もっと簡単に言うと、「全体の中で、その部分がどれくらいの比率を占めているか」を表す数値なんです。
計算式:
相対度数 = その階級の度数 ÷ 度数の合計
この計算によって、0から1の間の小数(または0%から100%のパーセント)で表されます。
度数との違い
まず、「度数」と「相対度数」の違いを理解しましょう。
度数(絶対度数):
各階級に実際に含まれるデータの個数そのもの。「5人」「10個」といった具体的な数です。
相対度数:
その度数が全体の中でどれくらいの割合を占めているかを示す値。「0.2」や「20%」といった割合で表します。
例えば:
- 40人のクラスで、50点以上60点未満の人が8人いる
- 度数:8人
- 相対度数:8 ÷ 40 = 0.2(または20%)
このように、相対度数は「合計に対する数」を示したものなんです。
相対度数の計算方法
基本的な計算手順
相対度数を求めるには、以下の手順で計算します。
ステップ1:度数分布表を作る
まず、データを階級に分けて度数を数えます。
ステップ2:度数の合計を求める
すべての階級の度数を合計します。
ステップ3:各階級の相対度数を計算する
各階級の度数を、度数の合計で割ります。
具体例で理解する
あるクラス40人の数学のテスト結果を例に見てみましょう。
度数分布表:
| 点数の範囲 | 度数(人) | 相対度数 |
|---|---|---|
| 0点以上20点未満 | 2人 | 2 ÷ 40 = 0.05 |
| 20点以上40点未満 | 6人 | 6 ÷ 40 = 0.15 |
| 40点以上60点未満 | 12人 | 12 ÷ 40 = 0.30 |
| 60点以上80点未満 | 15人 | 15 ÷ 40 = 0.375 |
| 80点以上100点以下 | 5人 | 5 ÷ 40 = 0.125 |
| 合計 | 40人 | 1.00 |
計算のポイント:
- すべての相対度数を足すと、必ず1.00(100%)になります
- 四捨五入の関係で、ぴったり1にならないこともありますが、理論上は必ず1です
- 小数第3位まで表示することが多いです
パーセント表示と小数表示
相対度数は、小数でもパーセントでも表すことができます。
小数表示: 0.05、0.15、0.30…
パーセント表示: 5%、15%、30%…
パーセントに変換するには、相対度数を100倍するだけです。
どちらを使うかは状況によりますが、統計学では小数表示がよく使われます。一方、一般向けの資料ではパーセント表示の方がわかりやすいですね。
累積相対度数とは
累積相対度数の意味
累積相対度数は、最初の階級から順に相対度数を足していった数値です。
「その階級までに、データ全体の何パーセントが含まれているか」がわかります。
計算方法
累積相対度数は、以下のように計算します。
- 1番目の累積相対度数 = 1番目の相対度数
- 2番目の累積相対度数 = 1番目の相対度数 + 2番目の相対度数
- 3番目の累積相対度数 = 1番目の相対度数 + 2番目の相対度数 + 3番目の相対度数
つまり、どんどん積み上げていくイメージですね。
具体例
先ほどの数学のテストの例で、累積相対度数を追加してみましょう。
| 点数の範囲 | 度数 | 相対度数 | 累積相対度数 |
|---|---|---|---|
| 0点以上20点未満 | 2人 | 0.05 | 0.05 |
| 20点以上40点未満 | 6人 | 0.15 | 0.20 |
| 40点以上60点未満 | 12人 | 0.30 | 0.50 |
| 60点以上80点未満 | 15人 | 0.375 | 0.875 |
| 80点以上100点以下 | 5人 | 0.125 | 1.00 |
読み取り方:
- 40点未満の生徒は全体の20%(0.20)
- 60点未満の生徒は全体の50%(0.50)
- つまり60点が中央値(メディアン)に近い位置にある
累積相対度数を見ると、データがどこまでに何割含まれているかが一目瞭然です。
相対度数を使うメリット
1. 異なる規模のデータを比較できる
相対度数の最大のメリットは、データ数が異なる集団同士を簡単に比較できることです。
例:
- A組(40人)とB組(30人)のテスト結果を比べる場合
- A組で80点以上が8人、B組で6人
度数だけ見ると「A組の方が高得点者が多い」ように見えますが、相対度数で比べると:
- A組:8 ÷ 40 = 0.20(20%)
- B組:6 ÷ 30 = 0.20(20%)
実は同じ割合だとわかります!
2. 全体像が把握しやすい
「40人中12人」より「30%」の方が、直感的に理解しやすいことがあります。
特に、全体の中でどのくらいの位置づけなのかを知りたいときに便利です。
3. グラフ化しやすい
円グラフや帯グラフなど、割合を視覚的に表現するグラフを作るときに、相対度数がそのまま使えます。
グラフでの表現方法
ヒストグラム(相対度数版)
通常のヒストグラムは縦軸が度数ですが、相対度数を縦軸にしたヒストグラムも作れます。
特徴:
- 縦軸が割合(0~1または0%~100%)になる
- すべての棒の面積を合計すると1(100%)になる
- 異なるデータセット同士を同じスケールで比較できる
円グラフ
相対度数は、円グラフを作るのに最適です。
各階級の相対度数がそのまま円の中の角度や面積の比率になります。
- 相対度数0.25 → 円の90度(360度の25%)
- 相対度数0.50 → 円の180度(半円)
累積相対度数の折れ線グラフ
累積相対度数を折れ線グラフにすると、右上がりの曲線になります。
このグラフを見ると:
- データの分布の傾向がわかる
- 中央値(50%のライン)がどの階級にあるか見つけやすい
- 四分位数(25%、75%のライン)も読み取れる
相対度数から度数を逆算する方法
問題によっては、相対度数から元の度数を求める必要があることもあります。
計算方法
度数 = 相対度数 × 度数の合計
例題:
全体が50人のクラスで、ある階級の相対度数が0.16だった場合、その階級の度数は?
解答:
度数 = 0.16 × 50 = 8人
度数の合計がわからない場合
相対度数の合計は必ず1.00なので、この性質を利用します。
わかっている度数を使って、全体数を計算してから個別の度数を求めることができます。
実際の使用例
1. テスト結果の分析
学校のテストで、クラスごとの成績を比較する際に相対度数を使います。
人数が違うクラスでも、公平に比較できるからです。
2. アンケート調査
「満足」「普通」「不満」といったアンケート結果を集計するとき、相対度数(パーセント)で表示します。
「1200人中360人が満足」より「30%が満足」の方がわかりやすいですよね。
3. 品質管理
製品の不良品率を管理する際、相対度数を使います。
生産数が日によって変わっても、不良率(相対度数)で比較できます。
4. 医療統計
外来患者と入院患者など、人数が大きく異なる集団を比較する際に相対度数が活躍します。
相対度数を使う際の注意点
1. 四捨五入に注意
小数で表す場合、四捨五入によって合計が1.00にならないことがあります。
これは計算ミスではなく、丸め誤差なので問題ありません。
2. 小数点以下の桁数
通常は小数第2位または第3位まで表示します。
あまり細かくしすぎると、かえって見にくくなります。
3. 名義尺度では累積相対度数を使わない
「好きな色」「血液型」など、順序のないデータでは累積相対度数は計算できません。
累積相対度数は、数値データや順序のあるカテゴリーデータにのみ使用します。
4. サンプル数が少ない場合
データ数が少ないと、相対度数が不安定になることがあります。
10人程度のデータで相対度数を計算しても、あまり意味のある結果にならないことがあります。
まとめ
相対度数は、データ分析において欠かせない基本的な概念です。
この記事のポイント:
- 相対度数とは: 各階級の度数が全体に占める割合のこと
- 計算式: 相対度数 = その階級の度数 ÷ 度数の合計
- 表示方法: 小数(0~1)またはパーセント(0%~100%)で表す
- すべての相対度数の合計は1(100%) になる
- 累積相対度数: 相対度数を順に足していった値で、「その階級までに何%のデータがあるか」を示す
- 最大のメリット: 異なる規模のデータセットを比較できる
- 活用場面: テスト分析、アンケート集計、品質管理など
度数だけを見ていると、「8人」と「12人」の違いが大きく見えても、実際には全体の中での割合はほとんど同じだったりします。
相対度数を使うことで、「数の大小」だけでなく「全体の中での位置づけ」がわかるようになるんです。
統計学の基礎として、中学校の数学で習う内容ですが、実は社会に出てからも頻繁に使う重要なスキルです。テストの成績分析から、ビジネスの売上分析、世論調査の結果まで、あらゆる場面で相対度数の考え方が役立ちます。
ぜひ、度数分布表を見たら相対度数の欄にも注目してみてください。そこには、度数だけでは見えなかった新しい発見があるはずです。


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