「iPhoneがずっと圏外のまま」「検索中と表示されて電波が入らない」。急にこんな状態になると、電話もメールもできなくて本当に困りますよね。
いつもと同じ場所にいるのに、なぜかiPhoneが圏外表示になってしまう。この現象は「圏外病」とも呼ばれ、多くのiPhoneユーザーが経験するトラブルです。
この記事では、iPhoneがずっと圏外になる原因と、自分で試せる対処法を初心者の方でもわかるように丁寧に説明していきます。簡単な方法から順番に試していけば、多くの場合は解決できますよ。
iPhoneの「圏外病」とは?

iPhoneの圏外病とは、モバイルデータ通信がオンになっているにもかかわらず、通信ができなくなる症状のことです。
圏外病の主な症状
画面の表示
- 画面右上(またはノッチ周辺)に「圏外」と表示される
- 「検索中」と表示されたまま変わらない
- 「SOS」または「SOSのみ」と表示される
使えなくなる機能
- 電話の発着信
- SMS(ショートメッセージ)の送受信
- モバイルデータ通信を使ったインターネット
- メールの送受信(Wi-Fi接続時を除く)
- 地図アプリのナビゲーション
- SNSの利用(Wi-Fi接続時を除く)
- 各種アプリの通信機能
つまり、Wi-Fi環境がない場所では、iPhoneがほとんど使い物にならなくなってしまいます。
iPhoneが圏外になる主な原因
圏外になる原因はさまざまです。まずは考えられる原因を知っておきましょう。
環境による原因
電波の届かない場所にいる
- 山間部や地下
- 建物の奥まった場所
- トンネルの中
- エレベーターの中
- 地下鉄の駅間
これらの場所では、キャリアの電波が物理的に届きにくいため、圏外になることがあります。
通信障害が発生している
- キャリアのメンテナンス中
- 基地局の故障
- 大規模な障害
自分のiPhoneだけでなく、同じキャリアを使っている人全員が圏外になっている可能性があります。
設定による原因
機内モードがオンになっている
うっかり機内モードをオンにしてしまうと、すべての通信がオフになります。
モバイルデータ通信がオフ
設定でモバイルデータ通信がオフになっていると、通信できません。
データローミングの問題
海外旅行中で、データローミングがオフになっていると圏外になります。
料金の未払い
キャリアの利用料金を払い忘れていると、回線が止まってしまいます。
SIMカードの問題
SIMカードが正しく認識されていない
- SIMカードが斜めに入っている
- SIMカードが汚れている
- SIMカードが破損している
- SIMトレイが汚れている
ソフトウェアの問題
iOSの不具合
- 古いバージョンのiOSを使っている
- ソフトウェアのバグ
- キャリア設定が古い
一時的なシステムエラー
アプリやシステムの一時的な不具合で圏外になることがあります。
ハードウェアの故障
水没
iPhoneが水に濡れると、内部の電気回路がショートして故障することがあります。
落下による破損
落としてしまったことで、内部のアンテナやICチップが破損している可能性があります。
経年劣化
長年使っているiPhoneでは、内部の部品が劣化していることがあります。
【対処法1】場所を移動する
まず最初に試すべきは、場所を移動することです。
なぜ効果的か
建物の中や地下、山間部など、電波が届きにくい場所では圏外になりやすくなります。外に出たり、窓際に移動したりするだけで電波が入ることがあります。
具体的な方法
- 建物の中にいる場合は、外に出てみる
- 地下にいる場合は、地上に上がってみる
- 窓際に移動してみる
- 開けた場所に移動してみる
数分待っても電波が入らない場合は、次の対処法に進みましょう。
【対処法2】機内モードのオン・オフを切り替える
最も簡単で効果的な方法の一つです。
なぜ効果的か
機内モードを一度オンにしてからオフにすることで、iPhoneが周囲の電波を探し直します。電波状況がリセットされ、うまく電波をキャッチできるようになることがあります。
具体的な方法
コントロールセンターから操作
- 画面の右上から下にスワイプ(Face ID搭載機種)
または画面下から上にスワイプ(ホームボタン搭載機種) - 飛行機のアイコンをタップしてオンにする
- 数秒待つ
- もう一度タップしてオフにする
設定アプリから操作
- 「設定」アプリを開く
- 「機内モード」のスイッチをタップしてオン
- 数秒待つ
- もう一度タップしてオフ
機内モードをオフにした後、画面右上に電波のアンテナマークが表示されるか確認しましょう。
【対処法3】iPhoneを再起動する
再起動は、多くの不具合に効果的な万能の方法です。
なぜ効果的か
一時的なシステムエラーやソフトウェアのバグは、再起動することで解消されることが多いです。
具体的な方法
iPhone X、11、12、13、14、15シリーズの場合
- サイドボタンと音量ボタン(上または下)を同時に長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたら、スワイプして電源を切る
- 30秒ほど待つ
- サイドボタンを長押しして電源を入れる
iPhone SE(第2世代・第3世代)、8、7、6シリーズの場合
- サイドボタン(または上部のボタン)を長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたら、スワイプして電源を切る
- 30秒ほど待つ
- 同じボタンを長押しして電源を入れる
強制再起動の方法
画面がフリーズして通常の再起動ができない場合は、強制再起動を試します。
iPhone 8以降
- 音量を上げるボタンを押してすぐ離す
- 音量を下げるボタンを押してすぐ離す
- サイドボタンをAppleロゴが表示されるまで長押し
iPhone 7、7 Plus
- 音量を下げるボタンとスリープボタンを同時に長押し
- Appleロゴが表示されたら離す
重要な注意点
水没の可能性がある場合は、再起動を避けてください。電気を通すことで内部がショートする恐れがあります。
【対処法4】SIMカードを入れ直す

SIMカードの接触不良が原因の場合、入れ直すだけで解決することがあります。
具体的な方法
手順1:SIMカードを取り出す
- iPhoneに付属のSIMピン(またはペーパークリップ)を用意
- iPhoneの側面にある小さな穴を探す
- ピンを穴に差し込んで軽く押す
- SIMトレイが少し飛び出すので、引き出す
手順2:清掃する
- SIMカードを柔らかい布で優しく拭く
- SIMトレイも同様に拭く
- ゴミやホコリが付いていないか確認
手順3:入れ直す
- SIMカードをトレイに正しい向きで戻す
- トレイをiPhoneに差し込む
- しっかり奥まで押し込む
手順4:確認
- iPhoneの電源を入れる
- 数分待って、電波が入るか確認
注意点
- SIMカードは精密部品なので、優しく扱いましょう
- 金色の接点部分を触らないように注意
- 破損や変形が見られる場合は、キャリアで新しいSIMカードに交換してもらいましょう
【対処法5】モバイルデータ通信の設定を確認
設定が知らない間にオフになっている可能性があります。
具体的な方法
手順1:設定を開く
- 「設定」アプリを開く
- 「モバイル通信」(または「モバイルデータ通信」)をタップ
手順2:モバイルデータ通信を確認
- 「モバイルデータ通信」のスイッチが緑色(オン)になっているか確認
- オフになっている場合は、タップしてオンにする
手順3:データローミングを確認(海外の場合)
海外にいる場合は、以下も確認します。
- 「通信のオプション」をタップ
- 「データローミング」をオンにする
ただし、データローミングをオンにすると高額な料金が発生する可能性があるので、事前にキャリアの海外プランを確認しましょう。
【対処法6】キャリア設定をアップデートする
キャリア設定が古いと、通信に不具合が出ることがあります。
具体的な方法
手順1:Wi-Fiに接続
まず、Wi-Fi環境に接続します。
手順2:設定を確認
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「情報」をタップ
手順3:アップデート
- この画面を15秒ほど表示したままにする
- アップデートがある場合、ポップアップが表示される
- 「アップデート」をタップ
アップデートがない場合は、キャリア設定は最新の状態です。
キャリア設定のバージョン確認
現在のキャリア設定バージョンは、「設定」→「一般」→「情報」の「キャリア」または「eSIM」の横に表示されています。
【対処法7】iOSを最新バージョンにアップデート
古いiOSを使い続けていると、通信関連の不具合が解消されないことがあります。
具体的な方法
事前準備
- Wi-Fiに接続する
- iPhoneを充電器につなぐ(バッテリー残量50%以上推奨)
- 重要なデータのバックアップを取る
手順1:アップデートを確認
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「ソフトウェアアップデート」をタップ
手順2:ダウンロードとインストール
- 新しいバージョンがある場合、「ダウンロードしてインストール」をタップ
- 利用規約が表示されたら「同意する」をタップ
- パスコードを入力
- 「今すぐインストール」をタップ
アップデートには時間がかかる場合があるので、時間に余裕があるときに行いましょう。
【対処法8】ネットワーク設定をリセットする
ネットワーク設定に問題がある場合、リセットすることで改善することがあります。
なぜ効果的か
ネットワーク設定のリセットは、Wi-Fi、モバイルデータ通信、Bluetooth、VPN、APNなどの設定を工場出荷時の状態に戻します。設定の不具合が原因の圏外は、これで解消されることが多いです。
注意点
保存されているWi-Fiのパスワードが消える
- 今まで接続していたWi-Fiネットワークのパスワードをもう一度入力する必要があります
- 事前にWi-Fiパスワードをメモしておきましょう
写真や連絡先などのデータは消えない
ネットワーク設定のリセットでは、写真、動画、連絡先、メッセージなどのデータは消えないので安心してください。
具体的な方法
手順1:設定を開く
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 画面を下にスクロールして「転送またはiPhoneをリセット」をタップ
手順2:リセットを選択
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」をタップ
注意:「すべてのコンテンツと設定を消去」は選ばない
これを選ぶとiPhoneが初期化されて、すべてのデータが消えてしまいます。必ず「ネットワーク設定をリセット」を選んでください。
手順3:パスコードを入力
パスコードを設定している場合は、入力を求められます。
手順4:確認
「ネットワーク設定をリセット」をもう一度タップして確認します。
手順5:再起動
iPhoneが自動的に再起動します。
再起動後、電波が入っているか確認しましょう。
【対処法9】通信障害を確認する
自分のiPhoneだけでなく、キャリア側の問題かもしれません。
確認方法
キャリアの公式サイトをチェック
各キャリアの公式サイトには、通信障害の情報が掲載されています。
- ドコモ:「お知らせ」ページで障害・メンテナンス情報を確認
- au:「障害・メンテナンス情報」ページを確認
- ソフトバンク:「障害・メンテナンス情報」ページを確認
- 楽天モバイル:「障害情報」ページを確認
SNSで確認
X(旧Twitter)などのSNSで「ドコモ 圏外」「au 通信障害」などと検索すると、同じ症状の人がいるかわかります。
家族や友人に聞く
同じキャリアを使っている人に、通信できているか確認してもらいましょう。
通信障害の場合
キャリア側の通信障害の場合は、自分では何もできません。復旧を待つしかありません。
ただし、重要な連絡がある場合は、Wi-Fi環境でLINEやメールアプリを使うか、公衆電話を利用しましょう。
【対処法10】料金の未払いを確認
うっかり料金を払い忘れていると、回線が停止することがあります。
確認方法
My docomoなどのアプリで確認
各キャリアの公式アプリやWebサイトで、支払い状況を確認できます。
クレジットカードの明細を確認
クレジットカード払いの場合、引き落としができなかったかどうか確認しましょう。
口座の残高を確認
口座振替の場合、残高不足で引き落としができなかった可能性があります。
未払いの場合
すぐにキャリアに連絡して、支払い方法を確認しましょう。支払いが完了すれば、数時間以内に回線が復活することが多いです。
それでも治らない場合は?
上記の対処法をすべて試しても圏外が治らない場合、ハードウェアの故障の可能性が高いです。
水没の確認方法
iPhoneが水没しているかどうかは、「液体浸入インジケータ」で確認できます。
確認場所
SIMトレイを取り出すと、奥に小さな丸いマークがあります。
判断基準
- 白色:水没していない
- 赤色:水没している
赤色になっている場合、水没が原因で故障している可能性が高いです。
修理・交換が必要な場合
以下の窓口に相談しましょう。
Apple正規サービスプロバイダ
- Apple Store
- Apple正規サービスプロバイダ
- カメラのキタムラ
- ビックカメラ
Appleサポートに連絡
電話またはチャットでサポートを受けられます。
電話番号:0120-277-535(日本国内)
修理費用の目安
保証期間内で自然故障の場合は無料ですが、水没や落下による故障の場合は有償になります。
- iPhone SE:約30,000円〜
- iPhone 13、14:約40,000円〜70,000円
- iPhone 15:約50,000円〜90,000円
AppleCare+に加入している場合は、費用が安くなります。
非正規の修理店
- 費用は安いことが多い
- 修理後はAppleの保証が受けられなくなる
- データが残る可能性が高い
ただし、基板の修理は法律で禁止されているため、非正規店でも対応できない場合があります。
機種変更を検討
修理費用が高額な場合や、古い機種を使っている場合は、機種変更も選択肢の一つです。
最新のiPhoneなら、通信機能も改善されていますし、長く使えます。
よくある質問と回答
Q:圏外になったり治ったりを繰り返します。これも圏外病ですか?
はい、圏外病の一種です。特定の場所で圏外になる場合は電波の問題ですが、場所を問わず圏外になったり治ったりする場合は、本体の不具合の可能性があります。
Q:Wi-Fiには接続できるのに、モバイルデータ通信が圏外です。
Wi-Fiとモバイルデータ通信は別の機能なので、片方だけが使える状態はあり得ます。モバイルデータ通信だけが圏外の場合は、SIMカードの問題か、キャリアの通信障害の可能性が高いです。
Q:圏外病は特定の機種に多いのですか?
過去にはiPhone 7で圏外病が多発し、Appleが無償修理プログラムを提供したことがあります。ただし、基本的にはどの機種でも起こりうるトラブルです。
Q:圏外の状態でも緊急電話はかけられますか?
はい、できます。「SOS」または「SOSのみ」と表示されている場合、自分のキャリアの電波は圏外ですが、他のキャリアの電波を使って110番や119番などの緊急電話をかけることができます。
Q:圏外病を予防する方法はありますか?
完全な予防は難しいですが、以下を心がけると良いでしょう。
- iOSを常に最新に保つ
- 定期的に再起動する
- 落下や水濡れに注意する
- ケースやフィルムで保護する
Q:中古で買ったiPhoneが圏外です。
中古のiPhoneの場合、前の所有者が料金を未払いのまま手放した「赤ロム」の可能性があります。赤ロムはキャリアによって通信がブロックされているため、圏外になります。購入店に相談しましょう。
Q:格安SIMに変えたら圏外になりました。
格安SIMの場合、APN設定(アクセスポイント設定)が必要です。各MVNOの公式サイトで設定方法を確認してください。
Q:海外で圏外になりました。
データローミングがオフになっていないか確認しましょう。また、その国で使用するiPhoneがキャリアに登録されていない場合、IMEI登録が必要なこともあります。
まとめ:圏外病は焦らず順番に対処しよう
iPhoneがずっと圏外になる原因と対処法を紹介してきました。
まず試すべき基本の対処法
- 場所を移動する
- 機内モードのオン・オフ
- iPhoneを再起動する
- SIMカードを入れ直す
設定を確認する方法
- モバイルデータ通信の設定を確認
- キャリア設定をアップデート
- iOSを最新バージョンに更新
より本格的な対処法
- ネットワーク設定をリセット
- 通信障害を確認
- 料金の未払いを確認
それでも治らない場合
- 水没の確認をする
- Apple正規サービスプロバイダに相談
- 修理または機種変更を検討
圏外病で困らないために
- iOSは常に最新に保つ
- 定期的に再起動する
- 落下や水濡れに注意する
- 異変を感じたらすぐに対処する
圏外病は、簡単な操作で解決することも多いトラブルです。焦らず、この記事で紹介した方法を順番に試してみてください。
ほとんどの場合、再起動や機内モードの切り替え、ネットワーク設定のリセットで解決します。それでも治らない場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
iPhoneが快適に使えるよう、この記事がお役に立てれば幸いです!

コメント