動画を見るときは横向きで画面いっぱいに表示したいけど、寝転がってSNSをチェックするときは縦向きのまま固定したい。
iPhoneを使っていると、こんなふうに「画面の向き」を自分でコントロールしたい場面がありますよね。
実はiPhoneには、画面の回転を簡単にロック(固定)したり解除したりできる便利な機能があるんです。でも、意外とその設定方法を知らない人も多いのではないでしょうか。
今回は、iPhoneの画面回転の仕組みから設定方法、そして「画面が回転しなくて困った!」というときの解決策まで、わかりやすく解説していきます。
そもそも画面回転ってどんな仕組み?

iPhoneには「加速度センサー」という部品が内蔵されています。これが本体の向きを自動的に感知して、画面表示を縦向き(ポートレート)や横向き(ランドスケープ)に切り替えてくれるんです。
たとえば動画アプリで映画を見るとき、iPhoneを横に倒せば自動的に横向きの全画面表示になります。これが画面回転機能ですね。
でも常に自動回転すると困ることも…
便利な機能ですが、寝転がってスマホを使っているときなど、本体を傾けるたびに画面がクルクル回転してしまうと逆に不便です。
そんなときに活躍するのが「画面縦向きのロック」機能。これを使えば、iPhoneをどんな向きにしても画面は縦向きのまま固定されます。
画面縦向きのロックを設定する方法
それでは実際に、画面の回転をロック(固定)する方法を見ていきましょう。
iPhoneの機種によって操作が少し異なるので、お使いのiPhoneに合わせて確認してください。
iPhone X以降の機種(ホームボタンがないiPhone)
iPhone X、11、12、13、14、15、16シリーズなど、ホームボタンがないiPhoneをお使いの方はこちらの手順です。
手順1:コントロールセンターを開く
画面の右上隅から下に向かってスワイプ(指でなぞる)してください。すると、コントロールセンターという操作パネルが表示されます。
手順2:画面縦向きのロックボタンをタップ
コントロールセンターの中に、鍵のマークが円形の矢印で囲まれたアイコンがあります。これが「画面縦向きのロック」ボタンです。
このボタンをタップすると、背景が赤色(または白色)に変わります。これで画面が縦向きにロックされました。
手順3:ロックの確認
画面の右上(ステータスバー)に小さな鍵マークが表示されていれば、ロックが有効になっている証拠です。
この状態でiPhoneを横に傾けても、画面は縦向きのまま固定されます。
iPhone SE(第2世代以降)やiPhone 8以前の機種
ホームボタンがあるiPhoneをお使いの方は、コントロールセンターの開き方が異なります。
手順1:コントロールセンターを開く
画面の下端から上に向かってスワイプしてください。すると、コントロールセンターが表示されます。
手順2以降は同じ
表示されたコントロールセンターで「画面縦向きのロック」ボタン(鍵と矢印のアイコン)をタップすれば、ロックのオン・オフを切り替えられます。
赤色や白色に変わったらロックオン、色がついていない状態ならロック解除です。
画面回転のロックを解除する方法
画面のロックを解除したいときも、同じ手順でOKです。
もう一度コントロールセンターを開いて、「画面縦向きのロック」ボタンをタップするだけ。ボタンの色が消えれば、ロックが解除されて自動回転が有効になります。
この状態でiPhoneを横に傾けると、対応しているアプリでは画面が横向きに切り替わります。
アプリごとに画面回転を自動で切り替える裏ワザ
「YouTubeを開くときだけ自動回転をオンにして、他のアプリでは縦向き固定にしたい」
そんな細かい設定をしたい方には、iPhoneの「ショートカット」アプリを使った方法があります。
ショートカットアプリで自動化を設定する手順
ステップ1:ショートカットアプリを開く
iPhoneにプリインストールされている「ショートカット」アプリを開いてください。見つからない場合はApp Storeからダウンロードできます。
ステップ2:オートメーションを作成
画面下部の「オートメーション」タブをタップして、右上の「+」ボタンから「個人用オートメーションを作成」を選択します。
ステップ3:トリガーを設定
「App」を選択して、画面回転を自動でオンにしたいアプリ(例:YouTube)を選びます。
「開いているとき」にチェックを入れて「次へ」をタップしてください。
ステップ4:アクションを追加
「アクションを追加」をタップして、検索バーに「画面の向きのロックを設定」と入力します。
表示されたアクションを選択し、「オフにする」を設定します。これでアプリを開いたときに画面回転のロックが自動的に解除されます。
ステップ5:アプリを閉じたときの設定も追加
同じ手順で、今度は「閉じているとき」のオートメーションを作成します。アクションは「画面の向きのロックを設定」で「オンにする」を選択してください。
これで特定のアプリを開いているときだけ自動回転が有効になり、閉じたら自動的に縦向きロックに戻ります。
画面が回転しないときの原因と対処法

「ロックを解除したのに画面が回転しない!」というトラブルもよくあります。
そんなときは、以下の原因と対処法を試してみてください。
原因1:縦向きロックが有効になっている
まず最初に確認すべきは、やはり縦向きロックの状態です。
コントロールセンターを開いて、画面縦向きのロックボタンが赤色や白色になっていないか確認してください。色がついている場合はロックがオンなので、タップして解除しましょう。
原因2:アプリが画面回転に対応していない
実は、すべてのアプリが横向き表示に対応しているわけではありません。
たとえばLINEや一部のSNSアプリ、時計アプリなどは縦向き専用です。これらのアプリでは、ロックを解除しても画面は回転しません。
確認方法
SafariやYouTube、写真アプリなど、横向き表示ができることがわかっているアプリで試してみてください。これらのアプリで回転するなら、iPhoneの機能自体は正常です。
原因3:iPhoneの一時的な不具合
ソフトウェアの一時的な問題で画面回転が効かなくなることもあります。
対処法:再起動する
iPhone X以降の機種:音量ボタン(どちらか)とサイドボタンを同時に長押しして、電源オフスライダーを表示させます。電源を切ったら、サイドボタンを長押しして再起動してください。
ホームボタンがある機種:サイドボタン(またはトップボタン)を長押しして電源オフスライダーを表示し、同じように再起動します。
原因4:iOSのバージョンが古い
古いiOSバージョンにはバグや不具合がある場合があります。
「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」と進んで、最新のiOSにアップデートできるか確認してください。アップデート可能な場合は、Wi-Fi環境でアップデートを実行しましょう。
原因5:ズーム機能の影響(まれなケース)
「設定」→「画面表示と明るさ」→「表示」で「拡大」が選択されている場合、一部のiPhoneでは画面回転が制限されることがあります。
「標準」に切り替えてみると解決する場合があります。
横向きで画面を固定する方法はある?
「動画を見るときは横向きで固定したい」という要望もありますよね。
実はiPhoneの標準機能では、横向きにロックすることは直接できません。標準の「画面縦向きのロック」は、その名の通り縦向き専用だからです。
YouTubeなど一部アプリでの工夫
YouTubeアプリなど一部の動画アプリでは、全画面表示ボタンをタップすることで、縦向きロックをオンにしていても横向き表示を維持できます。
全画面表示ボタン(画面右下の四角いアイコン)をタップすると、動画が横向きで表示され、縦向きロックの設定を無視してその状態を保ちます。
アクセスガイド機能を使う方法(上級者向け)
どうしても横向きで固定したい場合は、「アクセスガイド」という機能を使う方法もあります。
「設定」→「アクセシビリティ」→「アクセスガイド」と進んでオンにし、パスコードを設定します。
その後、横向きにしたいアプリを起動して画面を横に倒し、サイドボタン(またはホームボタン)を3回連続でクリック。表示された画面で「オプション」→「動作」をオフにして「完了」→「開始」とタップすれば、そのアプリの画面が横向きで固定されます。
ただしこの方法は少し複雑で、アプリごとに毎回設定する必要があるため、日常的には使いにくいかもしれません。
よくある質問
Q:画面回転は設定アプリから変更できないの?
A:iPhoneの「設定」アプリには、画面回転のオン・オフを切り替える項目はありません。必ずコントロールセンターから操作する必要があります。
Q:一部のアプリだけ画面が回転しないのはなぜ?
A:そのアプリが横向き表示に対応していないためです。LINEやInstagramのフィード画面、時計アプリなどは縦向き専用となっています。
Q:ホーム画面は横向きにならないの?
A:iPhone Plus、Max、Pro Maxなどの大型モデルでは、ホーム画面も横向き表示に対応しています。それ以外の標準サイズのiPhoneでは、ホーム画面は常に縦向きです。
Q:画面の向きが勝手に変わるのを防ぎたい
A:コントロールセンターから「画面縦向きのロック」をオンにすれば、iPhoneを傾けても画面が回転しなくなります。
まとめ:画面回転を上手に使いこなそう
iPhoneの画面回転機能、いかがでしたか?
基本的な操作はとてもシンプルで、コントロールセンターからワンタップで切り替えられます。
改めてポイントをおさらいすると、こんな感じです。
画面縦向きのロックをオンにする方法
- iPhone X以降:右上隅から下にスワイプ
- iPhone 8以前:下端から上にスワイプ
- コントロールセンターで鍵マークをタップ
画面が回転しないときの確認ポイント
- 縦向きロックがオフになっているか
- アプリが横向き表示に対応しているか
- iPhoneを再起動してみる
- iOSが最新バージョンか
便利な活用方法
- ショートカットアプリでアプリごとに自動化
- YouTubeの全画面ボタンで横向き固定
普段何気なく使っている画面回転機能ですが、設定を知っておくことで、もっと快適にiPhoneを使えるようになります。
動画視聴時は横向きで、SNS閲覧時は縦向きで。シーンに合わせて画面回転を上手に切り替えて、iPhoneライフをより便利に楽しんでくださいね!

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