iPhoneを安全に使うために欠かせないのが、ロック解除の設定です。
パスコード、Face ID(顔認証)、Touch ID(指紋認証)——様々な方法でiPhoneを守ることができますが、「どれを使えばいいの?」「設定方法が分からない」という方も多いはず。
この記事では、iPhoneのロック解除に関する設定方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
iPhoneのロック解除設定とは?
iPhoneには、第三者が勝手にiPhoneを使えないようにする「ロック機能」があります。
このロックを解除するための方法を設定することで、あなたのプライバシーと大切なデータを守ることができるんです。
3つのロック解除方法
パスコード(数字や英数字)
4桁または6桁の数字、または英数字を組み合わせたコードを入力してロックを解除します。すべてのiPhoneで使用できる基本の方法です。
Face ID(顔認証)
カメラであなたの顔を認識してロックを解除します。iPhone X以降(iPhone SEを除く)で使用できます。
Touch ID(指紋認証)
ホームボタンに指を置いて指紋を認識させてロックを解除します。ホームボタン搭載のiPhone(iPhone 8、iPhone SE第2世代・第3世代など)で使用できます。
パスコードの設定方法
Face IDやTouch IDを使う場合でも、パスコードの設定は必須です。
まずはパスコードの設定から始めましょう。
初めてパスコードを設定する
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 機種によって以下のどちらかをタップ
- Face ID搭載機種:「Face IDとパスコード」
- ホームボタン搭載機種:「Touch IDとパスコード」
- 「パスコードをオンにする」をタップ
- 6桁の数字を入力
- 確認のため、もう一度同じ数字を入力
これでパスコードが設定されました。
パスコードの種類を変更する
デフォルトでは6桁の数字コードですが、より安全な方法に変更できます。
手順:
- パスコード入力画面で「パスコードオプション」をタップ
- 以下から選択
- カスタムの英数字コード:文字と数字を組み合わせ(最も安全)
- カスタムの数字コード:6桁以上の数字
- 4桁の数字コード:シンプルだが安全性は低い
おすすめ:
セキュリティを重視するなら、8文字以上の英数字コードがおすすめです。
パスコードを変更する
既存のパスコードを別のものに変更したい場合。
手順:
- 「設定」→「Face IDとパスコード」または「Touch IDとパスコード」
- 現在のパスコードを入力
- 「パスコードを変更」をタップ
- 現在のパスコードを入力
- 新しいパスコードを2回入力
パスコードをオフにする(非推奨)
セキュリティ上、パスコードをオフにすることは推奨されません。
手順:
- 「設定」→「Face IDとパスコード」または「Touch IDとパスコード」
- 現在のパスコードを入力
- 「パスコードをオフにする」をタップ
- 確認のため、もう一度パスコードを入力
注意:
パスコードをオフにすると、iPhoneのデータが暗号化されなくなり、セキュリティが大幅に低下します。
Face ID(顔認証)の設定方法
Face IDは、iPhone X以降(iPhone SEを除く)で使える顔認証機能です。
Face IDを設定する
事前準備:
- メガネやマスクは外す(マスク着用時Face IDは後で設定可能)
- 顔全体がカメラに映る明るい場所で行う
手順:
- 「設定」→「Face IDとパスコード」
- パスコードを入力(未設定の場合は新しく設定)
- 「Face IDをセットアップ」をタップ
- iPhoneを縦向きに持ち、顔がフレーム内に収まるように調整
- 「開始」をタップ
- 頭をゆっくりと円を描くように動かす
- 1回目のスキャン完了
- 「マスク着用時にFace IDを使用する」または「マスク着用時にFace IDを使用しない」を選択
- マスク着用時Face IDを選択した場合、2回目のスキャンを実行
- 「完了」をタップ
頭を動かせない場合:
「アクセシビリティオプション」をタップすると、頭を動かさずに設定できます。
マスク着用時Face IDを設定する
iPhone 12以降では、マスクをしたままFace IDを使用できます(iOS 15.4以降が必要)。
手順:
- 「設定」→「Face IDとパスコード」
- パスコードを入力
- 「マスク着用時Face ID」をオンにする
- 「マスク着用時にFace IDを使用する」をタップ
- 画面の指示に従って顔をスキャン
注意:
マスク着用時Face IDは、目の周りの特徴を分析するため、顔全体で設定するより精度が若干低くなります。
もう一つの容姿を追加
メガネをかけた状態など、別の容姿も登録できます。
手順:
- 「設定」→「Face IDとパスコード」
- パスコードを入力
- 「もう一つの容姿を設定」をタップ
- 画面の指示に従って2つ目の顔をスキャン
Face IDで使える機能を設定
Face IDは、ロック解除以外にも様々な場面で使えます。
手順:
- 「設定」→「Face IDとパスコード」
- 以下の項目をオン/オフ
- iPhoneのロックを解除
- iTunes StoreとApp Store
- Apple Pay
- パスワードの自動入力
- その他のアプリ(対応アプリがある場合)
Touch ID(指紋認証)の設定方法
Touch IDは、ホームボタンのあるiPhone(iPhone 8、iPhone SE第2世代・第3世代など)で使える指紋認証機能です。
Touch IDを設定する
手順:
- 「設定」→「Touch IDとパスコード」
- パスコードを入力(未設定の場合は新しく設定)
- 「指紋を追加」をタップ
- Touch IDセンサー(ホームボタン)に指を置く
- 振動を感じたら指を離す
- これを繰り返す(指のいろいろな角度でタッチ)
- 指の端の部分もスキャン
- 「続ける」→「完了」をタップ
登録のコツ:
- 指を清潔で乾いた状態にする
- ホームボタンを普段押すときと同じ角度で登録
- 指の中心部と端の両方をしっかりスキャン
複数の指紋を登録
最大5つの指紋を登録できます。
手順:
- 「設定」→「Touch IDとパスコード」
- パスコードを入力
- 「指紋を追加」をタップ
- 上記の手順を繰り返す
おすすめの登録方法:
- 右手と左手の親指を両方登録(持ち方によって使い分け)
- 人差し指も登録(親指が使えないときのため)
- 家族の指紋を登録(信頼できる人のみ)
指紋の名前を変更
どの指紋がどの指か分かりやすくするため、名前を変更できます。
手順:
- 「設定」→「Touch IDとパスコード」
- パスコードを入力
- 登録されている指紋をタップ
- 名前を入力(例:「右手親指」「左手人差し指」)
指紋を削除
手順:
- 「設定」→「Touch IDとパスコード」
- パスコードを入力
- 削除したい指紋をタップ
- 「指紋を削除」をタップ
Touch IDで使える機能を設定
手順:
- 「設定」→「Touch IDとパスコード」
- 以下の項目をオン/オフ
- iPhoneのロックを解除
- iTunes StoreとApp Store
- Apple Pay
自動ロック時間の設定
iPhoneを使っていないとき、自動的にロックされるまでの時間を設定できます。
自動ロック時間を変更する
手順:
- 「設定」→「画面表示と明るさ」
- 「自動ロック」をタップ
- 時間を選択
- 30秒
- 1分
- 2分
- 3分
- 4分
- 5分
- なし(自動ロックしない)
推奨設定:
セキュリティと利便性のバランスを考えると、1分がおすすめです。
「なし」を選ぶ場合の注意:
- バッテリーの消費が激しくなる
- セキュリティリスクが高まる
- 電子書籍を読むときなど、一時的に使う場合のみ推奨
自動ロックが選択できない場合
「自動ロック」の選択肢がグレーアウトして選べない場合があります。
原因1:低電力モードがオンになっている
低電力モードでは、自動ロックが強制的に30秒に設定されます。
解決方法:
- 「設定」→「バッテリー」
- 「低電力モード」をオフにする
- 「設定」→「画面表示と明るさ」→「自動ロック」で変更
原因2:MDMプロファイルで制限されている
会社や学校のiPhoneの場合、管理者によって設定が制限されていることがあります。
確認方法:
- 「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」
- プロファイルが表示されている場合、管理者に問い合わせる
ロック解除の実際の方法
Face IDでロック解除
手順:
- iPhoneの画面をタップするか、持ち上げる
- iPhoneを顔の前に持ってくる(目をはっきり開けて画面を見る)
- ロックアイコンが開いた状態になる
- 画面下から上にスワイプ
ロックが解除され、ホーム画面が表示されます。
注視機能について:
デフォルトでは、目をはっきり開けて画面を見ないとロック解除されません。
これをオフにするには、「設定」→「Face IDとパスコード」→「Face IDを使用するには注視が必要」をオフにします(非推奨)。
Touch IDでロック解除
手順:
- ホームボタンを押す
- 登録した指をホームボタンに置いたまま待つ
- 自動的にロックが解除される
スムーズに解除するコツ:
ホームボタンを押したら、そのまま指を離さずに置いておくと、一瞬でロック解除できます。
パスコードでロック解除
Face IDやTouch IDが使えない場合、パスコードで解除します。
手順:
- 画面下から上にスワイプ(Face ID搭載機種)、またはホームボタンを押す(ホームボタン搭載機種)
- パスコードを入力
パスコードが必要になる場面:
- iPhoneを再起動した直後
- 48時間以上ロック解除していない
- 6.5日間パスコードを使っておらず、4時間Face ID/Touch IDでロック解除していない
- Face ID/Touch IDが5回連続で失敗した後
- 緊急SOSを作動させた後
その他のロック関連設定
ロック画面で使える機能を制限
ロックされた状態でも使える機能を制限できます。
手順:
- 「設定」→「Face IDとパスコード」または「Touch IDとパスコード」
- パスコードを入力
- 「ロック中にアクセスを許可」セクションで以下をオン/オフ
- 今日の表示とウィジェット
- 通知センター
- コントロールセンター
- Siri
- メッセージで返信
- ホームコントロール
- ウォレット
- 電話の着信に応答
- USB アクセサリ
セキュリティを高めたい場合:
すべてオフにすることで、ロック中は何もできなくなります。
データを消去する設定
パスコードを10回連続で間違えると、iPhoneのすべてのデータを自動的に消去する設定です。
手順:
- 「設定」→「Face IDとパスコード」または「Touch IDとパスコード」
- パスコードを入力
- 一番下までスクロール
- 「データを消去」をオンにする
注意:
この設定をオンにすると、10回間違えただけで全データが消えるため、小さいお子さんがいる家庭などでは注意が必要です。
手前に傾けてスリープ解除
iPhoneを手に取るだけで、自動的に画面が点灯する機能です。
設定方法:
- 「設定」→「画面表示と明るさ」
- 「手前に傾けてスリープ解除」をオンにする
これで、iPhoneを持ち上げるだけで画面が点灯し、Face IDでロック解除できます。
タップしてスリープ解除
画面をタップするだけで画面が点灯する機能です。
設定方法:
- 「設定」→「アクセシビリティ」
- 「タッチ」をタップ
- 「タップしてスリープ解除」をオンにする
トラブルシューティング
Face IDが認識しない
原因と対処法:
カメラが隠れている:
- カメラ部分に指や保護フィルムがかかっていないか確認
- ケースがカメラを塞いでいないか確認
顔の位置が悪い:
- iPhoneを顔の前、25〜50cm程度の距離に持つ
- 顔全体が画面に映るようにする
暗い場所:
- Face IDは暗い場所でも動作しますが、極端に暗いと認識しにくくなります
メガネやマスクの問題:
- メガネをかけた状態でも認識するはずですが、ダメなら「もう一つの容姿」で登録
- マスク着用時は「マスク着用時Face ID」を設定
Face IDをリセット:
- 「設定」→「Face IDとパスコード」
- 「Face IDをリセット」をタップ
- もう一度Face IDを設定
Touch IDが認識しない
原因と対処法:
指やホームボタンが汚れている:
- 指を清潔で乾いた状態にする
- ホームボタンを柔らかい布で拭く
指が濡れている:
- 指を完全に乾かしてから試す
指の角度が違う:
- 登録時と同じ角度で指を置く
保護フィルムやケースの問題:
- ホームボタンに保護フィルムが貼ってあると認識しにくくなることがある
Touch IDをリセット:
- 「設定」→「Touch IDとパスコード」
- すべての指紋を削除
- もう一度指紋を登録
パスコードを忘れた場合
パスコードを4回連続で間違えると、iPhoneが一時的に使用できなくなります。
対処法:
パスコードを忘れた場合、iPhoneを初期化するしかありません。
初期化の方法:
- パソコンでiTunes(WindowsまたはmacOS Mojave以前)またはFinder(macOS Catalina以降)を開く
- iPhoneをパソコンに接続
- リカバリモードで起動
- 「復元」を選択
- iPhoneが初期化される
バックアップがあれば、初期化後にデータを復元できます。
リカバリモードの起動方法:
iPhone 8以降:
- 音量上ボタンを押してすぐ放す
- 音量下ボタンを押してすぐ放す
- サイドボタンを長押しして、リカバリモード画面が表示されるまで待つ
iPhone 7:
- 音量下ボタンとサイドボタンを同時に長押し
- リカバリモード画面が表示されるまで待つ
iPhone 6s以前:
- ホームボタンとトップボタンを同時に長押し
- リカバリモード画面が表示されるまで待つ
ロック解除が遅い
原因と対処法:
Face ID/Touch IDの登録が不十分:
- Face IDやTouch IDを再登録してみる
iPhoneの動作が重い:
- iPhoneを再起動してみる
- ストレージがいっぱいの場合、不要なアプリやデータを削除
ソフトウェアの問題:
- iOSを最新バージョンにアップデート
よくある質問
Face IDとTouch IDは同時に使える?
いいえ、Face IDまたはTouch IDのどちらか一方のみ使用できます。
機種によって、どちらが使えるか決まっています。
パスコードなしでFace ID/Touch IDだけで使える?
いいえ、できません。
Face IDまたはTouch IDを使うには、必ずパスコードの設定が必要です。
他人の顔や指紋を登録できる?
できます。
家族など信頼できる人の顔や指紋を登録することは可能です。
ただし、その人もあなたのiPhoneを自由に使えるようになるため、注意が必要です。
Face IDは双子でも区別できる?
一卵性双生児の場合、Face IDで区別できない可能性があります。
セキュリティを高めたい場合は、パスコードのみを使用することをおすすめします。
寝ている間に顔認証でロック解除される?
デフォルト設定では、目をはっきり開けて画面を注視しないとロック解除されません。
そのため、寝ている間に誰かがあなたの顔をiPhoneに向けても、ロックは解除されません。
マスク着用時Face IDは安全?
マスク着用時Face IDは、目の周りの特徴だけで認証するため、通常のFace IDよりセキュリティレベルが若干低くなります。
ただし、依然として高いセキュリティレベルを保っています。
指紋は最大何個登録できる?
Touch IDでは、最大5つの指紋を登録できます。
自動ロック「なし」にするとどうなる?
画面が自動的にオフにならず、常に点灯したままになります。
バッテリー消費が激しくなり、セキュリティリスクも高まるため、通常は推奨されません。
パスコードは何桁がいい?
セキュリティと利便性のバランスを考えると、6桁の数字コードで十分です。
より高いセキュリティが必要な場合は、8文字以上の英数字コードを設定しましょう。
ロック画面に通知を表示したくない
「設定」→「通知」→各アプリで「ロック画面」をオフにすると、ロック画面に通知が表示されなくなります。
まとめ
iPhoneのロック解除設定について、重要なポイントをまとめます。
3つのロック解除方法:
- パスコード:すべてのiPhoneで使える基本の方法(必須)
- Face ID:iPhone X以降(iPhone SE除く)で使える顔認証
- Touch ID:ホームボタン搭載機種で使える指紋認証
パスコード設定:
- 「設定」→「Face IDとパスコード」または「Touch IDとパスコード」
- デフォルトは6桁の数字
- より安全な英数字コードに変更可能
- Face ID/Touch IDを使う場合でも必須
Face ID設定:
- 顔をゆっくり円を描くようにスキャン
- マスク着用時Face IDも設定可能(iPhone 12以降)
- もう一つの容姿を追加可能
- ロック解除、Apple Pay、App Storeなどで使用可能
Touch ID設定:
- 指のいろいろな角度でスキャン
- 最大5つの指紋を登録可能
- 右手と左手の親指がおすすめ
- ロック解除、Apple Pay、App Storeなどで使用可能
自動ロック時間:
- 「設定」→「画面表示と明るさ」→「自動ロック」
- 推奨は1分
- 低電力モード中は30秒固定
- 「なし」は非推奨(バッテリー消費とセキュリティリスク)
ロック解除方法:
- Face ID:顔を見せて画面下から上にスワイプ
- Touch ID:ホームボタンに指を置いたまま待つ
- パスコード:画面をスワイプまたはホームボタンを押して入力
その他の重要設定:
- ロック中にアクセスを許可する機能を制限可能
- データを消去(10回失敗で全削除)
- 手前に傾けてスリープ解除
- タップしてスリープ解除
トラブル対処:
- Face ID/Touch IDが認識しない → リセットして再登録
- パスコード忘れ → リカバリモードで初期化が必要
- 自動ロックが選択できない → 低電力モードをオフ
セキュリティのポイント:
- パスコードは忘れないようメモを取る
- 簡単すぎるパスコード(1234など)は避ける
- 自動ロック時間は短めに設定
- ロック中のアクセス許可は最小限に
- データを消去機能は慎重に設定
おすすめ設定:
- パスコード:6桁の数字または8文字以上の英数字
- 自動ロック:1分
- Face ID/Touch ID:すべての用途で有効化
- 手前に傾けてスリープ解除:オン
- ロック中のアクセス:必要最小限のみ許可
iPhoneのロック解除設定は、セキュリティと利便性のバランスが大切です。
Face IDやTouch IDを活用すれば、安全性を保ちながら快適にiPhoneを使うことができます。
この記事を参考に、あなたに合ったロック解除方法を設定してみてくださいね!

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