「レジでスマホをかざすだけで支払いができたら便利なのに…」
「Androidのタッチ決済って、どうやって設定するの?」
「Google Walletとおサイフケータイってどう違うの?」
Androidスマホなら、財布を出さずにスマホをかざすだけで買い物ができます。
でも、初めて設定する人にとっては、何から始めればいいのかわかりにくいですよね。
この記事では、Androidのタッチ決済の設定方法を、初心者でもわかるように徹底的に解説します。
Google Wallet、おサイフケータイ、電子マネー、クレジットカードのタッチ決済まで、すべてカバーします!
Androidタッチ決済とは?

タッチ決済とは、スマホを決済端末にかざすだけで支払いができるキャッシュレス決済のことです。
別名
- 非接触型決済
- NFC決済
- コンタクトレス決済
- タップ&ペイ
仕組み
スマホに内蔵されたNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)という技術を使います。
NFCチップがお店の決済端末と数センチの距離で通信し、支払い情報をやり取りします。
タッチ決済の種類
Androidでは、大きく分けて2種類のタッチ決済があります:
- FeliCa方式(おサイフケータイ)
- 日本独自の規格
- Suica、iD、QUICPay、nanaco、WAON、楽天Edyなど
- 電源OFFでも使える(一部)
- 国際規格(EMVコンタクトレス)
- 世界共通の規格
- Visa、Mastercard、JCBなどのタッチ決済
- 画面ロック解除が必要
Google Walletとおサイフケータイの違い
まず、混同しやすい2つのサービスを整理しましょう。
Google Wallet(グーグルウォレット)
提供元
機能
- クレジットカード・デビットカード管理
- 電子マネー管理
- ポイントカード
- 航空券・チケット
- 会員証
対応決済
- クレジットカードのタッチ決済(Visa、Mastercard、JCB)
- 電子マネー(おサイフケータイ経由)
- QUICPay
- iD
必要な端末
- Android 9.0以降
- NFC Type A/B搭載(クレジットカードのタッチ決済用)
おサイフケータイ
提供元
- NTTドコモ(サービス名)
機能
- 電子マネー管理
- 会員証
- ポイントカード
対応決済
- Suica
- PASMO
- iD
- QUICPay
- nanaco
- WAON
- 楽天Edy
必要な端末
- FeliCa搭載Android端末
- おサイフケータイアプリ9.0.0以上
どちらを使えばいい?
基本的には両方使います
- Google Wallet:カード管理と国際規格のタッチ決済
- おサイフケータイ:日本の電子マネー
Google Walletから電子マネー(iD、QUICPayなど)を設定すると、自動的におサイフケータイと連携します。
事前に確認すること
タッチ決済を始める前に、以下を確認しましょう。
1. スマホがNFCに対応しているか
確認方法
- 「設定」アプリを開く
- 検索バーで「NFC」と検索
- NFCの設定項目が表示されればOK
対応機種の例
- Google Pixel(全モデル)
- Samsung Galaxy(ほとんどのモデル)
- AQUOS(多くのモデル)
- Xperia(多くのモデル)
- Arrows
- OPPO Reno
- 楽天ハンド
非対応の場合
古い機種や一部の格安スマホはNFCに非対応です。
その場合、タッチ決済は利用できません。
2. Androidのバージョン
最低要件
- Google Wallet:Android 9.0以降
- おサイフケータイ:おサイフケータイアプリ対応機種
バージョン確認方法
- 「設定」→「デバイス情報」
- 「Androidバージョン」を確認
3. 画面ロックの設定
タッチ決済には、画面ロックの設定が必須です。
設定方法
- 「設定」→「セキュリティ」
- 「画面ロック」を選択
- PIN、パターン、指紋、顔認証のいずれかを設定
なぜ必要?
セキュリティのため。スマホを紛失した場合に、第三者が勝手に決済するのを防ぎます。
NFC設定の手順
まず、NFCを有効にします。
手順(一般的なAndroid)
手順1: 設定アプリを開く
手順2: NFCを検索
- 検索バーに「NFC」と入力
- 「NFC」または「接続設定」をタップ
手順3: NFCをオンにする
- NFCのスイッチをタップしてオン(青色)にする
手順4: デフォルト決済アプリを設定
- 「非接触型決済」または「タッチ決済」をタップ
- 「デフォルトの決済アプリ」または「お支払い方法」を選択
- Google Payを選択
手順(Samsung Galaxy)
Samsungは設定項目が少し違います。
手順1: 設定を開く
手順2: 接続設定
- 「接続」をタップ
- 「NFCおよび非接触型決済」をタップ
手順3: NFCをオンにする
- NFCのスイッチをオン
手順4: デフォルト決済アプリを設定
- 「非接触型決済」をタップ
- 「お支払い」を選択
- Google PayまたはSamsung Payを選択
NFCの設定場所がわからない場合
機種によって表記が異なります:
- 「接続設定」→「NFC」
- 「接続の詳細設定」→「NFC」
- 「デバイス接続」→「NFC」
- 「その他の設定」→「NFC」
検索機能を使うのが最も確実です。
Google Walletの設定手順

NFCをオンにしたら、次はGoogle Walletを設定します。
手順1: Google Walletアプリをインストール
アプリがすでにある場合
多くのAndroidスマホには、最初からインストールされています。
アプリ一覧で「Google Wallet」または「Google Pay」を探してください。
アプリがない場合
- Google Playストアを開く
- 「Google Wallet」で検索
- インストール
手順2: アプリを開く
- Google Walletアプリをタップ
- Googleアカウントでログイン(自動でログインされることも)
手順3: 利用規約に同意
初回起動時、利用規約が表示されます。
- 内容を確認
- 「同意する」をタップ
手順4: 必要な権限を許可
位置情報、通知などの権限を求められます。
- 「許可」をタップ
完了!
これで、Google Walletが使えるようになりました。
次は、カードを登録します。
クレジットカード・デビットカードの登録
Google Walletにクレジットカードまたはデビットカードを登録します。
対応カード
主要ブランド
- Visa
- Mastercard
- JCB
- American Express
主要発行会社
- 三井住友カード
- 楽天カード
- イオンカード
- dカード
- au PAY カード
- JCBカード
- セゾンカード
- エポスカード
- など多数
対応しているか確認する方法
カード発行会社の公式サイトで「Google Pay対応」または「Google Wallet対応」と記載されているか確認。
登録手順
手順1: Google Walletを開く
手順2: カードを追加
- 画面下の「ウォレットに追加」または「+」ボタンをタップ
- 「お支払いカード」を選択
- 「新しいクレジットカードまたはデビットカード」を選択
手順3: カード情報を入力
方法A: カメラでスキャン
- カメラが起動
- カードを枠内に収める
- 自動で情報を読み取り
方法B: 手動入力
- 「手動で入力」をタップ
- カード番号を入力
- 有効期限を入力
- セキュリティコード(CVC)を入力
- 氏名を入力(カード記載の通り)
手順4: 利用規約に同意
- カード会社の利用規約を確認
- 「同意する」をタップ
手順5: カードを確認
カード発行会社によって、確認方法が異なります。
確認方法の例
- SMS(ショートメッセージ)で送られる認証コードを入力
- メールで送られる認証コードを入力
- カード会社のアプリで承認
- 電話で確認
手順6: 完了
「カードが追加されました」と表示されればOK。
電子マネーの登録
日本でよく使われる電子マネーの登録方法を解説します。
Suica
手順1: Google Walletを開く
手順2: Suicaを追加
- 「ウォレットに追加」をタップ
- 「交通系ICカード」を選択
- 「Suica」を選択
手順3: Google PayアプリまたはSuicaアプリへ誘導
Google Walletから直接Suicaを設定することはできません。
「モバイルSuica」アプリをインストールして設定します。
手順4: モバイルSuicaアプリをインストール
- Google Playストアで「モバイルSuica」を検索
- インストール
手順5: アプリで設定
- アプリを開く
- 会員登録(無料)
- クレジットカードを登録してチャージ
iD・QUICPay
iDとQUICPayは、クレジットカードを登録すると自動で設定されます。
手順1: 対応クレジットカードを登録
前述の手順でGoogle Walletにカードを登録。
手順2: 自動で電子マネーが割り当てられる
カードによって、iDまたはQUICPayが自動で設定されます。
対応関係の例
iDが設定されるカード
- dカード
- 三井住友カード(一部)
- イオンカード
- ライフカード
QUICPayが設定されるカード
- JCBカード
- 楽天カード
- セゾンカード
- au PAY カード
手順3: 確認
Google Walletでカードを表示すると、「iD」または「QUICPay」のマークが表示されます。
nanaco・WAON・楽天Edy
これらの電子マネーは、専用アプリから設定します。
nanaco
- 「nanacoモバイル」アプリをインストール
- アプリ内で設定
WAON
- 「WAON」アプリをインストール
- アプリ内で設定
楽天Edy
- 「楽天Edy」アプリをインストール
- アプリ内で設定
メインカード(デフォルト)の設定
複数のカードを登録した場合、メインカードを決めておきましょう。
メインカードとは、タッチ決済時に自動で使われるカードのことです。
設定方法
手順1: Google Walletを開く
手順2: メインにしたいカードを選ぶ
- 画面を左右にスワイプして、メインにしたいカードを表示
- カードをタップ
手順3: デフォルトに設定
- 「詳細」をタップ
- 「タッチ決済のデフォルトに設定」をタップ
完成!
カードに「非接触型決済」のマークが表示されていれば、メインカードです。
支払い時に別のカードを使いたい場合
方法1: 事前にメインカードを変更
支払う前に、上記の手順でメインカードを変更します。
方法2: アプリを開いてからかざす
- Google Walletアプリを開く
- 使いたいカードを表示
- そのまま決済端末にかざす
この方法なら、一時的に別のカードで支払えます。
タッチ決済の使い方
設定が終わったら、実際に使ってみましょう!
店舗での使い方
手順1: 支払い方法を伝える
レジで店員さんに以下のように伝えます:
クレジットカードのタッチ決済の場合
- 「Visaで」「Mastercardで」「JCBで」
電子マネーの場合
- 「iDで」「QUICPayで」「Suicaで」
手順2: スマホのロックを解除
画面ロック(PIN、指紋、顔認証)を解除します。
例外
- 少額の場合、ロック解除不要なこともある
- iDやQUICPayは、電源OFFでも使える場合がある
手順3: スマホを決済端末にかざす
- スマホの背面を決済端末にかざす
- 1〜2秒そのまま待つ
- ブザー音やチェックマークが表示されたら完了
NFCアンテナの位置
スマホのNFCアンテナは、通常、背面の上部または中央にあります。
うまく反応しない場合は、スマホの位置を少し動かしてみましょう。
手順4: 完了
決済が完了すると、スマホに通知が届きます。
交通機関での使い方(Suica)
改札での使い方
- スマホのロックは不要(Suicaは自動起動)
- 改札の読み取り部にスマホをタッチ
- ゲートが開く
注意
スマホのバッテリーが完全に切れると使えません。
オンラインショッピングでの使い方
一部のネットショップでは、Google Payでの支払いが可能です。
使い方
- 商品をカートに入れる
- 支払い方法で「Google Pay」を選択
- ボタンをタップするだけで決済完了
カード番号を入力する必要がないので、とても簡単です。
セキュリティ設定

タッチ決済のセキュリティを高める設定を紹介します。
1. 画面ロックの強化
推奨設定
- 指紋認証または顔認証
- PINは6桁以上
設定方法
- 「設定」→「セキュリティ」
- 「画面ロック」から変更
2. 通知の確認
決済時に通知が届くように設定されています。
不審な通知があれば、すぐにカードを停止しましょう。
3. スマホ紛失時の対処
遠隔でロック・データ削除
Googleの「デバイスを探す」機能で、遠隔操作できます。
方法
- 別のデバイスで「https://android.com/find」にアクセス
- Googleアカウントでログイン
- 「デバイスをロック」または「デバイスのデータを消去」
カードを無効化
カード発行会社に連絡して、カードを停止します。
4. ルート化端末では使えない
セキュリティのため、以下の端末ではGoogle Walletのタッチ決済が使えません:
- ルート化(root化)された端末
- カスタムROMをインストールした端末
- ブートローダーがアンロックされた端末
トラブルシューティング
タッチ決済がうまくいかない時の対処法です。
問題1: タッチしても反応しない
原因と対処法
NFCがオフになっている
→ 設定でNFCをオンにする
スマホのロックが解除されていない
→ 画面ロックを解除してからタッチ
NFCアンテナの位置が合っていない
→ スマホの背面全体を少しずつ動かしてみる
スマホケースが厚すぎる
→ 金属製や厚手のケースは、NFCの通信を妨げる。ケースを外して試す
決済端末がNFCに非対応
→ 店員さんに確認
問題2: 「カードが設定されていません」と表示される
原因
カードの設定が完了していません。
対処法
- Google Walletを開く
- カード上部に「設定を完了」というメッセージがあればタップ
- 画面の指示に従って設定を完了
問題3: 「カード発行会社に連絡してください」
原因
- カードに問題がある
- カードの利用限度額を超えている
- カードの有効期限切れ
- 不正利用の疑いで一時停止
対処法
カード発行会社に電話で問い合わせます。
問題4: 支払いが承認されない
原因
- 残高不足(デビットカード、電子マネー)
- 口座の問題
対処法
- カード発行会社に問い合わせ
- 別のカードを試す
問題5: Google Walletアプリが開かない
対処法
方法1: アプリを再起動
- アプリを完全に終了
- もう一度開く
方法2: キャッシュを削除
- 「設定」→「アプリ」
- 「Google Wallet」を選択
- 「ストレージ」→「キャッシュを削除」
方法3: アプリを再インストール
- アプリをアンインストール
- Google Playストアから再インストール
問題6: 認証できない(Play プロテクト非認定)
原因
スマホがGoogleの認証を受けていません。
以下の場合、タッチ決済は使えません:
- ルート化されている
- カスタムROMを使用
- ブートローダーがアンロック
- 非公式のAndroidバージョン
対処法
公式のAndroid OSに戻す必要があります。
メーカーのサポートに問い合わせてください。
よくある質問
Q1: NFCをオンにしたままでバッテリーは減りますか?
A: ほとんど影響ありません。NFCは、使用していない時はほぼ電力を消費しません。常時オンにしておいて大丈夫です。
Q2: スマホの電源が切れていてもタッチ決済できますか?
A: 電子マネー(iD、QUICPay、Suicaなど)は、バッテリーが完全に切れると使えません。充電が残っていれば、電源OFFでも使える場合があります。ただし、機種によって異なるので、事前に確認しましょう。
Q3: 海外でもGoogle Walletのタッチ決済は使えますか?
A: はい、使えます。Visa、Mastercard、JCBのタッチ決済は、世界中の対応店舗で利用できます。ただし、カード発行会社が海外利用を許可している必要があります。出発前に確認しましょう。
Q4: 複数の決済アプリ(Google PayとSamsung Pay)を同時に使えますか?
A: 同時には使えません。デフォルトアプリとして1つだけ設定できます。ただし、「別の決済アプリが起動されている場合を除く」に設定すれば、アプリを開いている間だけ切り替えられます。
Q5: iPhoneからAndroidに機種変更したら、カードは引き継げますか?
A: 自動では引き継げません。新しいAndroidスマホでGoogle Walletを開き、カードを再登録する必要があります。古いiPhoneのApple Payからカードを削除することも忘れずに。
Q6: タッチ決済に回数制限や金額制限はありますか?
A: 基本的にはありませんが、一定金額以上(通常1万円以上)の場合、PIN入力やサインが必要になることがあります。また、カード自体の利用限度額は適用されます。
Q7: カードをGoogle Walletに登録したら、物理カードは使えなくなりますか?
A: いいえ、両方とも使えます。スマホで登録しても、プラスチックのカードは今まで通り使えます。どちらか一方を使えなくすることはありません。
Q8: レジで「Google Payで」と言ってもいいですか?
A: あまりおすすめしません。店員さんが混乱する可能性があります。「Visaで」「iDで」など、具体的な決済方法を伝えましょう。
Q9: タッチ決済すると、ポイントは貯まりますか?
A: はい、貯まります。クレジットカード払いなので、通常のカード利用と同じようにポイントが貯まります。むしろ、タッチ決済限定のボーナスポイントがある場合もあります。
Q10: 家族のカードを自分のスマホに登録できますか?
A: 本人名義のカードのみ登録できます。家族カード(家族会員カード)であれば、そのカードの名義人のスマホに登録できます。他人名義のカードを無断で登録することはできませんし、違法です。
まとめ: タッチ決済で快適なキャッシュレス生活を!
Androidのタッチ決済設定について、詳しく解説してきました。
最後にもう一度、重要なポイントをまとめておきますね。
設定の流れ
- NFCをオンにする
- Google Walletをインストール
- カードを登録
- メインカードを設定
- 画面ロックを設定
使い方
- 支払い方法を店員に伝える
- スマホのロックを解除
- スマホを決済端末にかざす
- 完了!
対応決済
- クレジットカード・デビットカードのタッチ決済
- iD
- QUICPay
- Suica
- nanaco
- WAON
- 楽天Edy
メリット
- 財布不要
- 支払いが速い
- 安全(暗号化された通信)
- ポイントも貯まる
- 利用履歴がすぐ確認できる
注意点
- 画面ロックは必須
- バッテリー切れに注意
- スマホケースは薄めに
- ルート化端末は使えない
トラブル時
- NFCがオンか確認
- 画面ロックを解除
- スマホの位置を調整
- カード発行会社に問い合わせ
一度設定してしまえば、後はスマホをかざすだけで買い物ができます。
レジで小銭を探したり、カードを取り出したりする手間がなくなるので、とても快適ですよ!
ぜひAndroidのタッチ決済を活用して、スマートなキャッシュレス生活を始めてみてください!


コメント