iPhoneのソフトウェアアップデートを始めたものの、「アップデートを準備中」や「残り時間を計算中」のまま何時間も進まない。そんな経験はありませんか?
焦る気持ちは分かりますが、実はこの問題、適切な対処法を知っていれば意外と簡単に解決できるんです。この記事では、アップデートが進まない原因と、すぐに試せる対処法を分かりやすく解説します。
まずは落ち着いて!本当に止まっているか確認

アップデートが進まないと感じても、実際には正常に進行している場合があります。
通常どれくらい時間がかかるの?
iPhoneのソフトウェアアップデートにかかる時間は、以下の要素で変わります。
- アップデートファイルのサイズ(通常数GB)
- iPhone内のデータ量
- インターネット回線の速度
一般的な目安はこちら。
- ダウンロード:10〜20分程度
- 準備・インストール:10〜20分程度
- 合計:20〜30分程度
ただし、これはあくまで目安です。データ量が多いiPhoneや、Wi-Fiが遅い環境では、1時間程度かかることも珍しくありません。
いつから「異常」と判断すべき?
進行状況バーがまったく動かない状態が1時間以上続いた場合、何らかの問題が発生している可能性が高いです。
サイドボタンを押してみてください。「アップデート完了後にiPhoneは再起動します」というメッセージが表示されれば、まだ進行中です。何も表示されない場合は、フリーズしている可能性があります。
アップデートが進まない主な原因
なぜアップデートが止まってしまうのか、よくある原因を見ていきましょう。
Wi-Fi接続が不安定
アップデートファイルは数GBの大容量です。ダウンロード中にWi-Fiが途切れたり、通信速度が遅かったりすると、ダウンロードが進みません。
モバイルデータ通信では基本的にアップデートできないため(一部の5G対応機種を除く)、Wi-Fi環境が必須です。
ストレージ容量が足りない
iPhoneの空き容量が不足していると、アップデートファイルをダウンロードできません。
アップデートには、通常数GB以上の空き容量が必要です。ギリギリの容量では、準備段階で止まってしまうことがあります。
バッテリー残量が少ない
バッテリー残量が50%未満の場合、アップデートを開始できません。また、充電せずにアップデートを始めると、途中で電池切れになるリスクがあります。
電池が切れた状態でアップデートが中断すると、最悪の場合iPhoneが起動しなくなる可能性も。
Appleのサーバーが混雑
新しいiOSがリリースされた直後は、世界中のiPhoneユーザーが一斉にアップデートを試みます。
その結果、Appleのサーバーが混雑して「アップデートを確認できません」というエラーが出たり、ダウンロードが極端に遅くなったりします。
お使いの機種が非対応
古いiPhoneでは、最新のiOSに対応していない場合があります。
例えば、iOS 17はiPhone XR以降の機種が対象です。それより古い機種(iPhone 8やiPhone Xなど)では、最新版へのアップデートができません。
すぐに試せる対処法
アップデートが進まない時に試したい対処法を、簡単なものから順番に紹介します。
【対処法1】もう少し待ってみる
意外かもしれませんが、まずは待つことが大切です。
進行状況バーは均等に進むわけではありません。長時間止まったように見えても、突然一気に進むことがあるんです。
特に「アップデートを準備中」の段階では、バーが動かなくても内部では処理が進んでいます。1時間程度は様子を見てみましょう。
【対処法2】Wi-Fi接続を確認する
Wi-Fiの電波が弱い、または不安定な場合は、以下を試してください。
Wi-Fiルーターに近づく
iPhoneをWi-Fiルーターの近くに移動させます。障害物が少ない場所の方が、電波が安定しますよ。
Wi-Fiを接続し直す
- 設定アプリを開く
- 「Wi-Fi」をタップ
- 接続中のネットワークをタップ
- 「このネットワーク設定を削除」を選択
- 再度同じWi-Fiに接続
これで接続がリフレッシュされ、改善することがあります。
【対処法3】ストレージ容量を確保する
空き容量が不足している場合は、不要なファイルを削除しましょう。
容量の確認方法
- 設定アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「iPhoneストレージ」を選択
ここで空き容量と、容量を多く使っているアプリが確認できます。
容量を増やす方法
- 使わないアプリを削除
- 写真や動画をiCloudや別の場所に移動
- 「非使用のAppを取り除く」機能を使う
- キャッシュデータを削除
最低でも10GB以上の空き容量があると安心です。
【対処法4】充電しながらアップデート
バッテリー残量が心配な場合は、充電ケーブルに接続してからアップデートを再開しましょう。
充電しながらアップデートすることで、以下のメリットがあります。
- 電池切れの心配がない
- Wi-Fiが切れない(スリープ時もWi-Fi接続を維持)
- 処理速度が安定する
【対処法5】iPhoneを強制再起動する
1時間以上待っても進まない場合は、強制再起動を試してみましょう。
iPhone 8以降(Face ID搭載モデル含む)
- 音量上ボタンを押してすぐ離す
- 音量下ボタンを押してすぐ離す
- サイドボタンを長押し
- Appleロゴが表示されたら指を離す
iPhone 7シリーズ
- 音量下ボタンとサイドボタンを同時に長押し
- Appleロゴが表示されたら指を離す
iPhone 6s以前
- ホームボタンとサイドボタン(または上部ボタン)を同時に長押し
- Appleロゴが表示されたら指を離す
再起動後、アップデートが再開されるか確認してください。
【対処法6】アップデートファイルを削除して再ダウンロード
ダウンロードしたアップデートファイルが破損している可能性があります。一度削除して、ダウンロードをやり直してみましょう。
- 設定アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「iPhoneストレージ」を選択
- アプリ一覧から「iOS(バージョン番号)」を探す
- タップして「アップデートを削除」を選択
- 設定に戻り「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- もう一度「ダウンロードしてインストール」をタップ
時間はかかりますが、これで問題が解決することが多いです。
【対処法7】パソコンでアップデートする
iPhoneだけでどうしても解決しない場合は、パソコンを使ってアップデートする方法があります。
必要なもの
- Mac(macOS Catalina以降)またはWindowsパソコン
- 最新版のiTunes(Windowsの場合)
- iPhoneとパソコンを接続するケーブル
手順(Macの場合)
- iPhoneをMacに接続
- Finderを開く
- サイドバーからiPhoneを選択
- 「アップデートを確認」をクリック
- 「ダウンロードしてアップデート」をクリック
手順(Windowsの場合)
- 最新版のiTunesをインストール
- iPhoneをパソコンに接続
- iTunesを起動
- 左上のデバイスアイコンをクリック
- 「アップデートを確認」をクリック
- 「ダウンロードしてアップデート」をクリック
パソコン経由の方が、安定してアップデートできることが多いですよ。
【対処法8】ネットワーク設定をリセット
ネットワーク関連の設定に問題がある場合は、リセットが効果的です。
- 設定アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「転送またはiPhoneをリセット」を選択
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」を選択
- パスコードを入力して確認
注意:この操作を行うと、保存されているWi-Fiのパスワードなどが削除されます。再度入力が必要になるので、事前にメモしておきましょう。
それでもダメなら試したい最終手段

上記の方法をすべて試しても解決しない場合の最終手段です。
リカバリーモードでアップデート
iPhoneをリカバリーモードにして、パソコン経由で強制的にアップデートする方法です。
準備
- iPhoneをパソコンに接続
- iTunes(またはFinder)を起動
リカバリーモードへの入れ方
機種によって操作が異なります。
iPhone 8以降
- 音量上ボタンを押してすぐ離す
- 音量下ボタンを押してすぐ離す
- サイドボタンを長押し
- リカバリーモード画面(パソコンのアイコン)が表示されるまで押し続ける
iPhone 7シリーズ
- 音量下ボタンとサイドボタンを同時に長押し
- リカバリーモード画面が表示されるまで押し続ける
iPhone 6s以前
- ホームボタンとサイドボタンを同時に長押し
- リカバリーモード画面が表示されるまで押し続ける
リカバリーモードに入ると、パソコン上で「復元」または「アップデート」を選択できます。「アップデート」を選べば、データを保持したままアップデートできます。
Appleサポートに相談
どの方法を試しても解決しない場合は、ハードウェアの問題かもしれません。
Appleサポートに連絡して、専門家のアドバイスを受けましょう。保証期間内であれば、無償で修理や交換が可能な場合もあります。
アップデートが進まないのを防ぐコツ
次回からスムーズにアップデートできるよう、事前にできることがあります。
事前準備をしっかりと
必ずバックアップを取る
アップデート前には必ずバックアップを作成しましょう。万が一失敗しても、データを復元できます。
iCloudまたはパソコンにバックアップを取っておくと安心です。
十分な空き容量を確保
アップデート前に、10GB以上の空き容量を確保しておきましょう。
バッテリーを十分に充電
50%以上、できれば80%以上まで充電してからアップデートを開始します。または、充電しながら実施しましょう。
安定した環境でアップデート
Wi-Fiが安定している時間帯を選ぶ
夜間など、家族全員がWi-Fiを使わない時間帯がおすすめです。
リリース直後は避ける
新しいiOSがリリースされた直後は、サーバーが混雑します。数日待ってからアップデートする方が、スムーズに進みます。
時間に余裕がある時に
急いでいる時にアップデートを始めるのは避けましょう。30分〜1時間程度、余裕を持って実施してください。
よくある疑問
アップデート中に電源を切っても大丈夫?
絶対にやめてください。アップデート中に電源を切ると、iOSが破損してiPhoneが起動しなくなる可能性があります。
どうしても中断したい場合は、強制再起動を使いましょう。
古いバージョンに戻せる?
基本的にはできません。Appleは最新版へのアップデートのみを推奨しており、古いバージョンへのダウングレードは公式にはサポートされていません。
ただし、専門的な知識があれば可能な場合もありますが、データ消失のリスクが高いためおすすめしません。
「アップデートを検証できません」と表示される
このエラーは、インターネット接続に問題があるか、Appleのサーバーが混雑している時に表示されます。
Wi-Fi接続を確認して、しばらく時間を置いてから再度試してみてください。
まとめ:焦らず適切な対処を
iPhoneのアップデートが進まない時は、まず落ち着いて状況を確認することが大切です。
多くの場合、以下の対処法で解決できます。
- 1時間程度は待ってみる
- Wi-Fi接続を確認・改善する
- ストレージ容量を確保する
- 充電しながらアップデートする
- 強制再起動を試す
- アップデートファイルを削除して再ダウンロード
それでもダメなら、パソコンを使ったアップデートやリカバリーモードを試してみましょう。
大切なのは、焦って無理な操作をしないこと。適切な手順を踏めば、必ず解決できます。
次回のアップデートでは、事前にバックアップと空き容量の確保を忘れずに。そして、時間に余裕がある時に実施すれば、トラブルを未然に防げますよ。

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