「夜景がうまく撮れない」「暗い室内での写真がザラザラする」「フラッシュだと不自然な写真になる」
暗い場所での撮影、難しいですよね。
でも、iPhone 11以降には「ナイトモード」という革新的な機能が搭載されています!
この記事では、ナイトモードの基本的な使い方から、プロ並みの夜景を撮るコツまで、わかりやすく解説していきます。
iPhoneのナイトモードとは?

ナイトモードは、暗い場所でもきれいな写真が撮れる、iPhoneカメラの画期的な機能です。
ナイトモードの仕組み
従来のカメラでは、暗い場所で撮影すると以下の問題がありました:
暗い場所の撮影問題
- 光の量が不足して真っ暗になる
- ISO感度を上げるとノイズ(ザラザラ)が出る
- シャッター速度を遅くすると手ぶれする
ナイトモードの解決策
- 複数枚の写真を短時間で撮影(1〜30秒)
- AIが画像を自動的に合成
- ノイズを除去して明るく鮮明な写真に仕上げる
フラッシュのような不自然な明るさではなく、肉眼で見たような自然な仕上がりになります。
対応機種
カメラのナイトモード
- iPhone 11以降のすべてのモデル
- ※ iPhone SE(全世代)は非対応
ナイトモードセルフィー(前面カメラ)
- iPhone 12以降のすべてのモデル
ナイトモードポートレート
- iPhone 12 Pro以降のProモデルのみ
ナイトモードの基本的な使い方
ナイトモードは、とても簡単に使えます。
自動起動
暗い場所でカメラを起動すると、自動的にナイトモードになります。
確認方法
- カメラアプリを開く
- 暗い場所に向ける
- 画面左上の月アイコンが黄色になる
- 月アイコンの横に秒数が表示される(例:「3秒」)
この秒数が、撮影にかかる時間です。
撮影手順
基本の撮影
- 画面左上の月アイコンが黄色になるのを確認
- シャッターボタンをタップ
- 表示された秒数の間、iPhoneを動かさず固定
- 画面下部のタイマーが0になるまで待つ
- 撮影完了
重要なポイント
撮影中は、絶対にiPhoneを動かさないこと!
少しでも動くと、写真がブレてしまいます。
手ぶれ防止の十字カーソル
iOS 14以降では、手ぶれを防ぐ便利な機能があります。
使い方
- 撮影中にiPhoneが動くと、画面中央に白い十字カーソルが表示される
- 黄色い十字カーソルを白い十字カーソルに合わせる
- 2つのカーソルが重なるように調整
これで、手ぶれを最小限に抑えられます。
ナイトモードの設定調整
自動設定でも十分きれいですが、手動で調整するとさらに良い写真が撮れます。
露光時間の調整
暗さに応じて、露光時間を変更できます。
手順
- 画面左上の黄色い月アイコンをタップ
- 画面下部にスライダーが表示される
- スライダーを左右に動かして秒数を調整
- 右にスライド:露光時間が長くなる(最大30秒)→より明るい写真
- 左にスライド:露光時間が短くなる(最小1秒)→暗めの写真
- 「最大」を選ぶと、最長の露光時間で撮影
露光時間の目安
- 1〜3秒:少し暗い室内
- 3〜10秒:夜の街灯がある場所
- 10〜30秒:星空や非常に暗い場所
ナイトモードのオフ
暗い雰囲気を残したい場合は、ナイトモードをオフにしましょう。
手順
- 画面左上の月アイコンをタップ
- スライダーを左端の「オフ」まで移動
- 月アイコンに斜線が入り、グレーになる
オフにする場面
- 花火の撮影
- 夜の雰囲気を残したい写真
- イルミネーションの光の軌跡を撮りたい時
ナイトモードの設定を保持
毎回オフにするのが面倒な場合、設定を保持できます。
手順
- ナイトモードをオフにする(上記の方法)
- 「設定」アプリを開く
- 「カメラ」→「設定を保持」
- 「ナイトモード」をオンにする
これで、次回カメラを起動したときも、ナイトモードがオフのままになります。
ナイトモードポートレート
Proモデルでは、ポートレートモードでもナイトモードが使えます。
対応機種
- iPhone 12 Pro / 12 Pro Max
- iPhone 13 Pro / 13 Pro Max
- iPhone 14 Pro / 14 Pro Max
- iPhone 15 Pro / 15 Pro Max
- iPhone 16 Pro / 16 Pro Max
使い方
手順
- カメラアプリでポートレートモードに切り替え
- 暗い場所で被写体に向ける
- ナイトモードが自動的に起動
- 画面の指示に従う
- シャッターボタンをタップ
背景がぼけた、美しいポートレート写真が撮れます。
ナイトモードセルフィー
iPhone 12以降では、前面カメラでもナイトモードが使えます。
使い方
手順
- カメラアプリを開く
- カメラ切り替えボタンをタップして前面カメラに
- 暗い場所では自動的にナイトモードが起動
- iPhoneを顔の前に構える
- シャッターボタンをタップ
暗い場所でも、明るく自然な自撮りが撮れます。
ナイトモードタイムラプス
暗い場所で、タイムラプス動画も撮影できます。
使い方
手順
- カメラアプリを開く
- 一番左までスワイプして「タイムラプス」を選択
- iPhoneを三脚に固定(必須)
- シャッターボタンをタップ
撮影できるもの
- 星の動き
- 夜の雲の流れ
- 夜の街の時間経過
注意点
タイムラプスでは、三脚が必須です。手持ちでは撮影できません。
きれいに撮るための5つのコツ

ナイトモードをさらに活用するためのテクニックです。
コツ1:三脚を使う
最も効果的な方法は、三脚を使うことです。
三脚のメリット
- 完全に固定できるので手ぶれゼロ
- 最大30秒の長時間露光が可能
- 星空や非常に暗い場所でもきれいに撮れる
iPhoneは、三脚に固定されていることを自動検出し、最大露光時間を延長します。
おすすめの三脚
- スマホ用の小型三脚
- ゴリラポッド(脚が曲がるタイプ)
- 自撮り棒と三脚が一体化したもの
コツ2:手持ち撮影のテクニック
三脚がない場合の手持ち撮影のコツです。
固定方法
- 両肘を体に付ける
- 脇を締める
- 壁や手すりにもたれる
- 深呼吸してから、息を吐き切った状態でシャッターを切る
安定した場所に置く
- テーブルや手すりの上に置く
- バッグや本で角度を調整
コツ3:光源を見つける
完全な暗闇では、ナイトモードも限界があります。
おすすめの光源
- 街灯
- 月明かり
- 室内の照明
- ロウソクやランタン
- イルミネーション
- 車のライト
わずかな光でも、ナイトモードは驚くほどきれいに撮影できます。
コツ4:AE/AFロックを使う
明るさとピントを固定する、プロのテクニックです。
AE/AFロックとは?
- AE(Auto Exposure):自動露出
- AF(Auto Focus):自動フォーカス
これらをロックして、自動調整を防ぎます。
使い方
- ピントを合わせたい場所を長押し
- 「AE/AFロック」と表示される
- ピント(黄色い四角)の横の太陽マーク(露出)を上下にスワイプして明るさ調整
- カメラを動かしても、ピントと明るさが固定される
夜景撮影で、構図を変えながら撮影するときに便利です。
コツ5:露光時間を調整する
シーンに応じて、最適な露光時間を選びましょう。
明るい夜景(街灯が多い)
→ 1〜3秒(自動のまま)
暗めの夜景
→ 3〜10秒に延長
星空・非常に暗い場所
→ 最大に設定(10〜30秒)
雰囲気を残したい
→ 露光時間を短くする、またはオフ
夜景撮影の実践テクニック
具体的なシーンでの撮影方法です。
夜景・イルミネーション
撮影方法
- AE/AFロックでピントと明るさを固定
- 露光時間を2〜3秒に設定
- 手すりや壁に寄りかかって撮影
ポイント
露光時間を短めにすると、光が飛ばずに色鮮やかに撮れます。
星空撮影
必要なもの
- 三脚(必須)
- 月明かりの少ない夜
- 光害の少ない場所
撮影方法
- iPhoneを三脚に固定
- 空にカメラを向ける
- ナイトモードで露光時間を「最大」に設定
- シャッターボタンをタップ
- 30秒待つ
注意点
完全な暗闇では写りません。わずかな月明かりや街の明かりがあると良いです。
室内での人物撮影
撮影方法
- できるだけ光源(窓、照明)の近くに立ってもらう
- ポートレートモードに切り替え(Proモデル)
- ナイトモードが自動起動
- 露光時間は1〜3秒のまま
- 撮影
ポイント
被写体に動かないようにお願いしましょう。
リフレクション撮影
雨上がりの地面や水面の反射を活用します。
おすすめのシーン
- 雨上がりの街
- 池や湖
- ガラスの反射
撮影方法
- 低い角度から撮影
- 反射している部分を画面に入れる
- AE/AFロックで明るさ調整
- シャッターを切る
幻想的で美しい写真が撮れます。
ナイトモードとフラッシュの違い
両方とも暗い場所で使いますが、仕上がりが全然違います。
フラッシュ撮影
メリット
- 瞬時に撮影できる
- 被写体が動いてもブレない
デメリット
- 不自然に明るくなる
- 背景に影ができる
- 反射して白く飛ぶ
- 色が不自然になる
ナイトモード撮影
メリット
- 自然な明るさに仕上がる
- 肉眼で見たような色合い
- 背景もきれいに写る
- ノイズが少ない
デメリット
- 数秒かかる
- 手ぶれしやすい
- 被写体が動くとブレる
どちらを使うべき?
ナイトモードがおすすめ
- 夜景
- イルミネーション
- 風景
- 静止している被写体
フラッシュがおすすめ
- 動いている被写体
- 瞬間を捉えたい時
- 完全な暗闇
同時に使えない
ナイトモードとフラッシュは同時に使えません。
どちらかをオンにすると、もう片方は自動的にオフになります。
Night Shift(画面の色温度調整)
「ナイトモード」で検索すると、「Night Shift」という別の機能も出てきます。
Night Shiftとは?
カメラのナイトモードとは全く別の機能です。
Night Shiftの機能
- 画面を暖色系(オレンジ色)に変える
- ブルーライトを軽減
- 夜の目の疲れを軽減
- 睡眠の質を向上
Night Shiftの設定
手順
- 「設定」→「画面表示と明るさ」
- 「Night Shift」をタップ
- 時間指定または手動でオン
おすすめ設定
- 時間指定:日没から日の出まで
- 色温度:中程度
ナイトモードとNight Shiftの違い
| ナイトモード | Night Shift | |
|---|---|---|
| 用途 | カメラ撮影 | 画面表示 |
| 目的 | 暗い場所での撮影 | ブルーライト軽減 |
| 対応機種 | iPhone 11以降 | iPhone 5s以降 |
| 場所 | カメラアプリ | 設定アプリ |
Live Photosとの併用
ナイトモードとLive Photosは同時に使えません。
なぜ併用できない?
ナイトモードは複数枚の写真を合成するため、Live Photosの動画部分が撮影できません。
どちらかを選ぶ
ナイトモードを優先する場合
- 暗い場所できれいな写真が撮りたい
- 手ぶれを防ぎたい
Live Photosを優先する場合
- 動きのある瞬間を残したい
- ポートレート写真のエフェクトを使いたい
設定方法
Live Photosをオフにすれば、ナイトモードが使えます。
手順
- カメラアプリで画面上部の「◎」アイコンをタップ
- Live PhotosがオフになるとアイコンにX斜線が入る
よくある質問
ナイトモードが起動しない
原因
- 十分明るい場所にいる
- 対応機種ではない(iPhone 11より前)
- ズームモードを使っている
解決方法
- より暗い場所に移動
- 1倍(広角)カメラを使用
- 手動でオンにする(月アイコンをタップ)
写真がブレてしまう
原因
撮影中にiPhoneが動いている
解決方法
- 三脚を使う
- 壁や手すりにもたれる
- 両肘を体につけて固定
- 安定した場所に置く
- セルフタイマーを使う
撮影に時間がかかりすぎる
原因
露光時間が長く設定されている
解決方法
- 露光時間を短くする(スライダーを左に)
- より明るい場所で撮影
- ナイトモードをオフにする
動画でナイトモードは使える?
いいえ、使えません。
ナイトモードは写真(静止画)専用です。
動画で暗い場所を撮りたい場合は、別のカメラアプリを使うか、照明を追加しましょう。
どのカメラでナイトモードが使える?
iPhone 11 / 11 Pro
- 広角カメラのみ
iPhone 12以降
- 広角カメラ
- 超広角カメラ
- 前面カメラ(セルフィー)
iPhone 12 Pro以降のProモデル
- 望遠カメラも対応
秒数は自分で決められる?
基本的には、iPhoneが自動で最適な秒数を設定します。
ただし、スライダーで手動調整も可能です。
設定できる範囲は、周囲の明るさによって変わります。
撮影を途中でやめられる?
はい、できます。
手順
撮影中に画面下部の停止ボタンをタップ
注意点
3秒以下の場合は、停止ボタンが表示されません。
古いiPhoneでは使えない?
iPhone 11より前の機種では、標準のナイトモードは使えません。
代替方法
- 手動で露出を下げる(画面をタップ→下にスワイプ)
- サードパーティ製カメラアプリを使う
- Slow Shutter Cam
- ProCamera
- NightCap Camera
おすすめのサードパーティアプリ
より高度な夜景撮影をしたい方向けです。
Slow Shutter Cam
特徴
- マニュアル設定が可能
- バルブモード搭載
- 光の軌跡が撮れる
価格
有料(数百円)
ProCamera
特徴
- プロ仕様の設定
- RAW撮影対応
- ローライトモード搭載
価格
有料(1,000円前後)
NightCap Camera
特徴
- 天体撮影特化
- ISS(国際宇宙ステーション)撮影モード
- 星の軌跡撮影
価格
有料(数百円)
まとめ
iPhoneのナイトモードを使えば、暗い場所でも驚くほどきれいな写真が撮れます。
重要なポイントをおさらいしましょう:
基本
- iPhone 11以降で利用可能
- 暗い場所で自動起動
- 複数枚を合成してノイズを除去
- 自然な明るさに仕上がる
使い方
- 月アイコンが黄色になったら撮影可能
- 撮影中は絶対に動かさない
- 露光時間は1〜30秒で自動調整
- 手動で調整も可能
きれいに撮るコツ
- 三脚を使う(最も効果的)
- 手持ちの場合は体に固定
- わずかな光源を見つける
- AE/AFロックで明るさ調整
- シーンに応じて露光時間を変える
応用機能
- ポートレートモード(Proモデル)
- セルフィー(iPhone 12以降)
- タイムラプス(三脚必須)
注意点
- Live Photosと同時に使えない
- フラッシュと同時に使えない
- 動画では使えない
- 被写体が動くとブレる
夜景、星空、暗い室内、イルミネーション──今まで諦めていたシーンも、ナイトモードなら美しく撮影できます。
三脚があればさらに可能性が広がりますので、ぜひ試してみてください!


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