「新しいiPhoneを買ったけど、データ移行はどうすればいい？」「機種変更が難しそうで不安」
iPhoneの機種変更時、データ移行は避けて通れない作業です。でも、安心してください！
Appleの「クイックスタート」機能を使えば、2台のiPhoneを並べるだけで、簡単にデータを転送できます。
この記事では、クイックスタートの詳しい手順から、iCloudやパソコンを使った転送方法、個別アプリの引き継ぎまで、わかりやすく解説していきます。
iPhoneのデータ転送方法は3つ
iPhoneのデータ転送には、主に以下の3つの方法があります。
1. クイックスタート（iPhone同士で直接転送）
特徴
- 最も簡単で手軽
- 2台のiPhoneを並べるだけ
- ワイヤレスまたは有線で転送
- iOS 12.4以降で利用可能
おすすめの人
- 古いiPhoneが手元にある
- 簡単に済ませたい
- パソコンを持っていない
2. iCloudバックアップ（クラウド経由）
特徴
- 古いiPhoneが手元になくてもOK
- Wi-Fi環境が必要
- iCloudストレージが必要（無料は5GBまで）
おすすめの人
- 古いiPhoneが壊れた・手元にない
- 事前にバックアップを取っている
- 時間に余裕がある
3. パソコン経由（iTunes/Finder）
特徴
- 大容量データでも確実に転送
- iCloudストレージ不要
- パソコンが必要
おすすめの人
- パソコンを持っている
- 大容量のデータを転送したい
- Wi-Fi環境がない
クイックスタートでデータ転送（推奨）
最も簡単で確実な方法、クイックスタートの手順を詳しく見ていきましょう。
事前準備
まず、以下を確認してください。
必要なもの
- 古いiPhone（iOS 12.4以降）
- 新しいiPhone（未設定の状態）
- 十分な充電（両方とも50%以上推奨）
- Wi-Fi環境（推奨）
やっておくべきこと
- 古いiPhoneのiOSを最新版にアップデート
- 両方のiPhoneを充電（できれば電源につないだまま作業）
- 古いiPhoneのBluetoothをオンにする
- 新しいiPhoneのストレージ容量を確認
新しいiPhoneのストレージ容量を確認
新しいiPhoneのストレージが古いiPhoneより小さい場合、すべてのデータを転送できません。
古いiPhoneのストレージ使用量を確認
- 「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」
- 使用済み容量を確認
もし新しいiPhoneのストレージを超えている場合は、不要なアプリや写真を削除しましょう。
クイックスタートの手順
ステップ1：新しいiPhoneの電源を入れる
- 新しいiPhoneの電源を入れる
- 古いiPhoneの近くに置く（10cm以内が理想）
- 古いiPhoneに「新しいiPhoneを設定」というポップアップが表示される
- 「続ける」をタップ
注意点
ポップアップが表示されない場合は、両方のiPhoneを再起動してみてください。
ステップ2：アニメーションをスキャン
- 新しいiPhoneに青い丸のアニメーションが表示される
- 古いiPhoneのカメラを起動
- アニメーションを円の中に配置してスキャン
- 「新しいiPhoneで完了」と表示されるまで待つ
カメラが使えない場合は、「手動で認証」をタップして進めることもできます。
ステップ3：パスコードを入力
- 新しいiPhoneに古いiPhoneのパスコードを入力
- Face IDまたはTouch IDを設定
Face ID/Touch IDは後から設定することもできます。
ステップ4：データ転送方法を選択
「データを転送」画面で、以下から選択：
「iPhoneから転送」（推奨）
古いiPhoneから直接データを転送します。
「iCloudからダウンロード」
iCloudバックアップからデータを復元します。
「その他のオプション」
新規として設定、またはAndroidから転送
ここでは「iPhoneから転送」を選択します。
ステップ5：eSIM転送（該当する場合）
eSIMを使っている場合：
- 「別のiPhoneから転送」をタップ
- 古いiPhoneで転送を承認
物理SIMカードの場合は「あとで”設定”でセットアップ」をタップ。
注意点
eSIM転送の受付時間は、キャリアによって制限されている場合があります。
ステップ6：各種設定
画面の指示に従って、以下を設定：
- Apple ID（必要に応じてサインイン）
- 位置情報サービス
- Apple Pay（ウォレットの転送）
- Siri
- スクリーンタイム
- App解析
- Apple Intelligence（対応機種のみ）
ステップ7：転送開始
「転送を開始」をタップすると、データ転送が始まります。
重要
- 転送中は両方のiPhoneを近くに置いたままにする
- できれば電源につないだままにする
- 転送が完了するまで両方のデバイスを使わない
転送にかかる時間
転送時間は、データ量によって異なります。
目安
- 10GB：約15〜20分
- 50GB：約30〜40分
- 100GB：約40分〜1時間
- 200GB以上：1時間以上
画面に表示される残り時間は、実際よりも長めに表示されることが多いです。
有線接続で転送を高速化
Wi-Fiが遅い場合や、より確実に転送したい場合は、有線接続がおすすめです。
必要なもの
- Lightning – USB 3カメラアダプタ
- Lightning – USBケーブル
接続方法
- カメラアダプタを古いiPhoneに接続
- カメラアダプタを電源に接続
- Lightning – USBケーブルで2台のiPhoneを接続
- 通常のクイックスタート手順を進める
iPhone 15以降の場合
USB-C to Lightningケーブルで直接接続できます。
転送完了後
転送が完了したら：
- 新しいiPhoneが自動的に再起動される
- 古いiPhoneに「転送が完了しました」と表示される
- 新しいiPhoneでアプリのダウンロードが自動的に始まる
- Wi-Fi環境下で、写真やアプリが徐々にダウンロードされる
注意点
すべてのデータが完全に転送されるまで、数時間かかる場合があります。
iCloudバックアップからの復元
古いiPhoneが手元にない場合や、壊れている場合は、iCloudバックアップから復元します。
事前準備：バックアップを作成
まず、古いiPhoneでバックアップを作成します。
手順
- 「設定」→「Apple ID（一番上）」→「iCloud」
- 「iCloudバックアップ」をタップ
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
- バックアップが完了するまで待つ
注意点
- Wi-Fi接続が必要
- iCloudストレージ容量が足りない場合は、追加購入が必要
- 機種変更時は21日間、無料でストレージを追加利用できる
新しいiPhoneで復元
手順
- 新しいiPhoneの電源を入れる
- 初期設定を進める
- 「Appとデータ」画面で「iCloudバックアップから復元」を選択
- Apple IDとパスワードを入力
- バックアップを選択（最新のものを選ぶ）
- 復元開始
復元が完了すると、アプリや写真が自動的にダウンロードされます。
パソコン経由でのデータ転送
パソコンを使った、より確実な転送方法です。
Macの場合（Finder）
macOS Catalina 10.15以降
バックアップ作成
- iPhoneをMacに接続
- Finderを開く
- サイドバーから接続したiPhoneを選択
- 「今すぐバックアップ」をクリック
復元
- 新しいiPhoneをMacに接続
- Finderを開く
- 「バックアップを復元」をクリック
- バックアップを選択して復元
Windowsの場合（iTunes）
バックアップ作成
- iTunesを最新版にアップデート
- iPhoneをパソコンに接続
- iTunesでiPhoneアイコンをクリック
- 「今すぐバックアップ」をクリック
復元
- 新しいiPhoneをパソコンに接続
- iTunesでiPhoneアイコンをクリック
- 「バックアップを復元」をクリック
- バックアップを選択して復元
暗号化バックアップ（推奨）
「iPhoneのバックアップを暗号化」にチェックを入れると、パスワードやヘルスケアデータも含めて保存できます。
個別に引き継ぎが必要なアプリ
クイックスタートでは、一部のアプリで個別に引き継ぎ設定が必要です。
LINEのデータ引き継ぎ
事前準備（古いiPhone）
- LINEアプリを開く
- 「ホーム」→「設定（歯車）」→「アカウント引き継ぎ」
- 「アカウントを引き継ぐ」をオンにする（36時間有効）
トーク履歴のバックアップ
- 「ホーム」→「設定」→「トークのバックアップ」
- 「今すぐバックアップ」をタップ
新しいiPhoneでの設定
- LINEアプリをダウンロード
- 「ログイン」をタップ
- 電話番号を入力してSMS認証
- トーク履歴を復元
注意点
- 14日以上経過すると、トーク履歴のバックアップが削除される
- コイン残高は引き継げない（iOS⇔Android間）
Suica・PASMOの引き継ぎ
古いiPhoneでの準備
- 「Wallet」アプリを開く
- Suica/PASMOをタップ
- 右上の「…」→「このカードを削除」
これでサーバーにカード情報が保存されます。
新しいiPhoneでの設定
- 「Wallet」アプリを開く
- 右上の「+」をタップ
- 「以前ご利用のカード」から選択
- セキュリティコードを入力
クイックスタート使用時
クイックスタート中にWalletの転送が自動的に行われる場合もあります。
ゲームアプリの引き継ぎ
多くのゲームアプリは、個別に引き継ぎ設定が必要です。
一般的な手順
- 古いiPhoneでゲームアプリを開く
- 設定やメニューから「データ引き継ぎ」を選択
- 引き継ぎコードを発行、またはSNSアカウント連携
- 新しいiPhoneでアプリをダウンロード
- 引き継ぎコードまたはSNSアカウントでログイン
事前に確認
各ゲームの公式サイトで、引き継ぎ方法を必ず確認しましょう。
AirDropでファイルを転送
写真や動画などを個別に転送したい場合は、AirDropが便利です。
AirDropの使い方
準備
- 両方のiPhoneでBluetoothとWi-Fiをオンにする
- コントロールセンターから「AirDrop」をタップ
- 「すべての人」または「連絡先のみ」を選択
転送方法
- 送りたい写真や動画を選択
- 共有ボタン（四角と上向き矢印）をタップ
- AirDropセクションで相手のデバイスを選択
- 受け取る側で「受け入れる」をタップ
複数の写真を一度に転送
手順
- 写真アプリを開く
- 「選択」をタップ
- 転送したい写真を複数選択
- 共有ボタンから送信
トラブルシューティング
データ転送がうまくいかない場合の対処法です。
クイックスタートが表示されない
対処法
- 両方のiPhoneを再起動
- BluetoothとWi-Fiがオンになっているか確認
- iOSが12.4以降か確認
- 新しいiPhoneが初期化されているか確認
転送が途中で止まる
原因と対処法
原因1：Wi-Fiが不安定
- ルーターの近くで作業する
- 有線接続に切り替える
- ネットワーク設定をリセット
原因2：バッテリー切れ
- 両方のiPhoneを電源につなぐ
原因3：データ量が多すぎる
- 不要なアプリや写真を削除
- iCloudバックアップに切り替える
「iPhoneから転送」が表示されない
対処法
- iOSが12.4以降か確認
- 両方のデバイスを再起動
- iCloudバックアップから復元に切り替える
新しいiPhoneを初期設定してしまった
クイックスタートは、新しいiPhoneが未設定の状態でないと使えません。
初期化の手順
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップ
- 画面の指示に従う
初期化後、再度クイックスタートを試しましょう。
アプリがダウンロードされない
転送後、アプリのダウンロードが始まらない場合：
対処法
- Wi-Fi接続を確認
- App Storeを開いて手動でダウンロード
- 「設定」→「App Store」→「Appのダウンロード」をオンに
よくある質問
データ転送中に電話がかかってきたらどうなる？
転送が一時停止されます。
通話終了後、転送を再開できます。
SIMカードはいつ入れ替える？
データ転送の前後、どちらでも大丈夫です。
転送にはSIMカードを使わないため、タイミングは自由です。
おすすめ
転送完了後に入れ替える方が、混乱しません。
eSIMはどうやって転送する？
クイックスタート中に「別のiPhoneから転送」を選択すれば、自動的に転送されます。
物理SIMからeSIMに変更する場合は、キャリアのサポートに連絡してください。
古いiPhoneのデータは消える？
いいえ、消えません。
転送が完了しても、古いiPhoneのデータはそのまま残ります。
売却や下取りに出す場合は、必ず初期化しましょう。
バックアップなしで転送できる？
クイックスタートを使えば、バックアップなしで直接転送できます。
ただし、万が一に備えて、事前にバックアップを取っておくことをおすすめします。
転送後、古いiPhoneはどうする？
初期化の手順
- iCloudからサインアウト
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」
- Apple Watchとのペアリングも解除
これで、売却や下取りの準備が完了です。
AndroidからiPhoneへのデータ転送は？
Appleの「iOSに移行」アプリを使います。
手順
- Google PlayストアでAndroidに「iOSに移行」アプリをインストール
- 新しいiPhoneの初期設定で「Androidからデータを移行」を選択
- Androidでアプリを開いてコードを入力
- 転送したいデータを選択
注意点
- LINEなどのアプリデータは個別に引き継ぎが必要
- eSIM転送は現在非対応
全てのデータが完全に転送される？
ほとんどのデータは転送されますが、以下は個別設定が必要です：
個別設定が必要
- LINE
- Suica/PASMO
- 一部のゲームアプリ
- 銀行アプリ
- 認証アプリ（Google Authenticatorなど）
まとめ
iPhoneのデータ転送は、クイックスタートを使えば驚くほど簡単です。
重要なポイントをおさらいしましょう：
事前準備
- iOSを最新版にアップデート
- 両方のiPhoneを充電
- ストレージ容量を確認
- LINEなど個別アプリの引き継ぎ準備
クイックスタート
- 2台のiPhoneを並べるだけ
- iOS 12.4以降で利用可能
- 30分〜1時間程度で完了
- 有線接続でより高速に
その他の方法
- iCloudバックアップ：古いiPhoneが手元にない場合
- パソコン経由：大容量データを確実に転送
個別引き継ぎ
- LINE、Suica、ゲームアプリは別途設定
- 各アプリの公式サイトで手順を確認
注意点
- 新しいiPhoneは未設定の状態で
- 転送中は両方のiPhoneを使わない
- バッテリー切れに注意
新しいiPhoneへの機種変更、ぜひこの記事を参考にスムーズに進めてください！
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