iPhoneを初期化する予定だけど、何か準備しておくことってある?データは大丈夫?
そんな不安を抱えている方、実はとても多いんです。初期化は簡単な操作ですが、準備を怠ると大切なデータを失う可能性があります。
この記事では、iPhone初期化前に必ずやっておくべき準備と、見落としがちな注意点を分かりやすく解説していきます。機種変更、売却、不具合解消など、どんな場面でも安心して初期化できるようになりましょう。
iPhone初期化とは?消えるデータを理解しよう

まず基本から確認しましょう。
iPhone初期化とは、iPhoneを工場出荷時の状態に戻す操作のことです。購入したばかりの「まっさらな状態」に戻ると考えてください。
初期化で消えるデータ
初期化すると、以下のデータがすべて消去されます:
- 写真・動画
- 連絡先
- メール、メッセージの履歴
- アプリとそのデータ
- 音楽、ダウンロードした曲
- ゲームのセーブデータ
- カレンダーの予定
- メモ
- 各種設定(壁紙、アラーム、通知設定など)
つまり、iPhone内にあるほぼすべてのデータが消えるということですね。
初期化しても残るもの
一方で、以下は消えません:
- iOSのバージョン(初期化前のバージョンのまま)
- Apple IDの購入履歴やサブスクリプション情報
- SIMカードの契約者情報
- iCloudに保存されているデータ(バックアップしている場合)
「すべて消える」と聞くと怖く感じますが、正しく準備すればデータは復元できるので安心してください。
初期化が必要な場面
どんな時にiPhoneの初期化が必要になるのでしょうか?主な場面を見ていきましょう。
iPhoneを売却・譲渡する時
下取りサービスに出す、フリマアプリで売る、家族や友人に譲るなど、iPhoneを手放す場合は必ず初期化が必要です。
個人情報が残ったままだと、写真や連絡先、LINEのトーク履歴、クレジットカード情報などが流出する恐れがあります。これは絶対に避けたいですよね。
動作が重い・不具合が多い時
アプリが頻繁に落ちる、動作が極端に遅い、タッチパネルの反応が悪いなど、不具合が続く場合、初期化で改善することがあります。
ただし、これは最終手段と考えてください。まずは再起動や、問題のあるアプリだけを削除して様子を見るのがおすすめです。
機種変更する時
新しいiPhoneに買い替える場合、古いiPhoneは初期化してから下取りに出したり保管したりします。
ただし、データ移行を完全に終えてから初期化するのが鉄則です。焦って先に初期化してしまわないように注意しましょう。
【最重要】初期化前に必ずやるべき準備
ここからが本題です。初期化する前に、絶対に忘れてはいけない準備を解説していきます。
1. iCloudにバックアップを作成する
これが最も重要です。
バックアップを取らずに初期化すると、データは二度と戻りません。必ずバックアップを作成してから初期化してください。
iCloudバックアップの手順
- Wi-Fiに接続する
- 「設定」アプリを開く
- 一番上の「自分の名前」をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「iCloudバックアップ」をタップ
- 「iCloudバックアップ」がオンになっていることを確認
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
- バックアップが完了するまで待つ
バックアップ中は、Wi-Fi接続を維持してください。容量によっては数時間かかることもあります。
iCloudの容量が足りない場合
無料で使えるiCloudの容量は5GBです。不足している場合は、以下の対処法があります:
- 不要な写真や動画を削除する
- 古いバックアップを削除する
- iCloud+にアップグレードする(有料)
- パソコンを使ってiTunesでバックアップする
2. LINEのトーク履歴をバックアップする
LINEのトーク履歴は、iCloudのバックアップには含まれません。
LINEアプリ内で個別にバックアップを取る必要があります。
LINEバックアップの手順
- LINEアプリを開く
- 「ホーム」タブ→右上の歯車アイコン(設定)
- 「トークのバックアップ」をタップ
- 「今すぐバックアップ」をタップ
- バックアップ完了を確認する
新しいiPhoneでLINEにログインする際、このバックアップからトーク履歴を復元できます。
3. Apple Watchのペアリングを解除する
Apple Watchを使っている方は、必ずペアリング解除してから初期化してください。
解除せずに初期化すると、アクティベーションロックがかかり、新しいiPhoneや初期化後のiPhoneとペアリングできなくなります。
ペアリング解除の手順
- iPhoneで「Watch」アプリを開く
- 「マイウォッチ」タブ→画面上部の「すべてのWatch」
- 自分のWatch横の「i」マークをタップ
- 「Apple Watchとのペアリングを解除」をタップ
- もう一度確認画面で「解除」をタップ
ペアリング解除時に、Apple Watchのバックアップも自動的に作成されます。
4. 交通系ICカードを削除する
Suicaやモバイル PASMOなどの交通系ICカードをApple Payに登録している場合、必ず削除しておきましょう。
交通系ICカードは1枚につき1台の端末にしか登録できません。削除せずに初期化すると、新しいiPhoneで使えなくなる可能性があります。
iPhoneから交通系ICカードを削除する手順
- 「Wallet」アプリを開く
- 削除したいカードをタップ
- 右上の「…」マークをタップ
- 「このカードを削除」をタップ
- 確認画面で「削除」をタップ
削除したカードは、新しいiPhoneで再度追加できます。残高も引き継がれるので安心してください。
5. 「iPhoneを探す」をオフにする
初期化前、または売却・譲渡する場合は、「iPhoneを探す」機能をオフにしておく必要があります。
オンのまま初期化すると、アクティベーションロックがかかり、次の持ち主が使えなくなってしまいます。
「iPhoneを探す」をオフにする手順
- 「設定」アプリを開く
- 一番上の「自分の名前」をタップ
- 「探す」をタップ
- 「iPhoneを探す」をタップ
- 「iPhoneを探す」をオフにする
- Apple IDのパスワードを入力して確認
注意点:
紛失・盗難に遭った場合は、オフにしないでください。遠隔でiPhoneを探したり、初期化したりできなくなります。
6. iCloudからサインアウトする
手放す場合は、iCloudからサインアウトしておきましょう。
サインアウトすると、Apple IDとの紐付けが解除されます。
サインアウトの手順
- 「設定」アプリを開く
- 一番上の「自分の名前」をタップ
- 一番下までスクロールして「サインアウト」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力
- iPhoneに残すデータを選択(通常はすべてオフでOK)
- 「サインアウト」をタップして確認
見落としがちな注意点

準備だけでなく、初期化の際に気をつけるべきポイントもあります。
バッテリー残量を十分確保する
初期化中にバッテリーが切れると、正常に初期化されなかったり、iPhoneが起動しなくなったりする可能性があります。
最低でもバッテリー残量50%以上、できれば充電しながら初期化を実行しましょう。
Wi-Fi環境で行う
バックアップや復元には大量のデータ通信が発生します。
モバイルデータ通信では時間がかかるだけでなく、通信制限にかかる恐れもあるため、必ずWi-Fi環境で行ってください。
Apple IDとパスコードを確認する
初期化には、以下の情報が必要です:
- Apple IDとパスワード
- iPhoneのパスコード(画面ロック解除時の番号)
普段Face IDやTouch IDでロック解除している方は、パスコードを忘れていることがあります。初期化前に必ず確認しておきましょう。
パスコードを忘れた場合、パソコンを使って強制的に初期化する必要があるため、手間が増えます。
eSIMの取り扱いに注意
eSIMを利用している方は、初期化時に「eSIMを削除するか保持するか」を選択できます。
- 削除を選ぶと:モバイルデータ通信が使えなくなり、携帯電話会社に再発行を依頼する必要がある
- 保持を選ぶと:初期化後も同じeSIMが使える
同じiPhoneを使い続ける場合は「保持」、売却・譲渡する場合は「削除」を選びましょう。
間違えて削除してしまうと、携帯電話会社での手続きが必要になるため注意してください。
LINEアカウントの引き継ぎ準備
LINEのバックアップだけでなく、アカウント情報も確認しておきましょう。
- メールアドレスとパスワードを設定する
- 電話番号を最新のものにする
- トーク履歴のバックアップを取る
これらを忘れると、LINEアカウントにアクセスできなくなる可能性があります。
紛失・盗難時の特別な対応
iPhoneを紛失・盗難された場合、AppleCare+ 盗難・紛失プランに加入していて補償申請する予定なら、すぐに初期化してはいけません。
補償申請が承認される前に初期化すると、iPhoneの位置が分からなくなり、補償対象外とされてしまいます。
正しい手順は:
- 「iPhoneを探す」で「紛失モード」を設定
- 補償申請を行う
- 申請が承認されてから遠隔で初期化
紛失モードにすると、他人がデータを見られなくなるので安心です。
iPhone初期化の基本手順
準備が整ったら、いよいよ初期化を実行します。
iPhone本体から初期化する方法
最も一般的な方法です。
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「転送またはiPhoneをリセット」をタップ
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力
- 「iPhoneを消去」をタップ
- パスコードを入力
- 確認画面で再度「iPhoneを消去」をタップ
数分待つと、初期化が完了します。画面に「こんにちは」と表示されたら成功です。
パソコンを使って初期化する方法
パスコードを忘れた場合など、iPhone本体から初期化できない時はこの方法を使います。
Macの場合:
- iPhoneとMacをケーブルで接続
- Finderを開く
- サイドバーからiPhoneを選択
- 「iPhoneを復元」をクリック
- 確認画面で「復元」をクリック
Windowsの場合:
- iPhoneとPCをケーブルで接続
- iTunesまたはApple Devicesアプリを開く
- iPhoneアイコンをクリック
- 「iPhoneを復元」をクリック
- 確認画面で「復元」をクリック
初期化後のデータ復元方法
初期化が完了したら、バックアップからデータを復元しましょう。
iCloudバックアップから復元
- 初期化されたiPhoneの電源を入れる
- 画面の指示に従って進む
- 「Appとデータ」画面で「iCloudバックアップから復元」をタップ
- Apple IDでサインイン
- 復元したいバックアップを選択(日付と容量で判断)
- 復元が開始されるのを待つ
復元には時間がかかります。アプリのアイコンがグレーアウトしている間は、まだ復元中です。
Wi-Fi接続と電源を確保して、完了するまで待ちましょう。場合によっては数時間から数日かかることもあります。
パソコンのバックアップから復元
iTunesやFinderでバックアップを取った場合は、こちらの方法で復元します。
- iPhoneをパソコンに接続
- FinderまたはiTunesを開く
- iPhoneを選択
- 「バックアップを復元」をクリック
- 復元したいバックアップを選択
- 暗号化パスワードが必要な場合は入力
- 復元完了まで待つ
よくある質問と回答
バックアップを取り忘れて初期化してしまった場合は?
残念ながら、バックアップがない場合はデータを復元できません。
初期化する前に、必ずバックアップを確認してください。「本当にバックアップは完了している?」と何度も確認するくらいが丁度良いです。
初期化には時間がかかりますか?
初期化自体は通常5~15分程度で完了します。
ただし、バックアップの作成や復元を含めると、全体で数時間かかることもあります。時間に余裕を持って作業しましょう。
初期化を途中でキャンセルできますか?
一度初期化を開始すると、途中でキャンセルはできません。
「本当に初期化して大丈夫か」をよく確認してから実行してください。
SIMカードは抜いておくべきですか?
初期化前にSIMカードを抜く必要はありません。
ただし、iPhoneを売却・譲渡する場合は、初期化後にSIMカードを抜き取ってください。SIMカードには契約者情報が入っているため、必ず自分で保管しましょう。
初期化しても写真は復元できますか?
iCloudやiTunesにバックアップを取っていれば、復元できます。
また、iCloud写真をオンにしている場合、写真はiCloud上に保存されているため、初期化しても消えません。サインインすれば再度アクセスできます。
まとめ
iPhone初期化の注意点をまとめると、以下のようになります。
初期化前に必ずやること:
- iCloudにバックアップを作成
- LINEなど個別アプリのバックアップ
- Apple Watchのペアリング解除
- 交通系ICカードの削除
- 「iPhoneを探す」をオフ(譲渡・売却時)
- iCloudからサインアウト(譲渡・売却時)
初期化時の注意点:
- バッテリー残量を十分確保する
- Wi-Fi環境で行う
- Apple IDとパスコードを確認しておく
- eSIMの取り扱いに注意
- バックアップの確認を何度も行う
最も重要なこと:
初期化はバックアップが命です。バックアップさえ取っていれば、データは復元できます。
逆に、バックアップなしで初期化すると、データは二度と戻りません。「大丈夫だろう」という油断が一番危険です。
iPhoneの初期化は、正しい手順を踏めば決して難しい作業ではありません。この記事を参考に、安心して初期化を進めてくださいね。


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