数学の同類項とは?|まとめ方と計算のコツを徹底解説

数学

数学の授業で「同類項をまとめなさい」と言われて、「どれとどれをまとめればいいの?」と困った経験はありませんか?

3x + 2y – x + 5yのような式を見ると、何をどうすればいいのか迷ってしまいますよね。

でも安心してください。同類項の見分け方とまとめ方には、シンプルなルールがあります。この記事では、同類項の基本から計算のコツまで、分かりやすく解説していきます!

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  1. 同類項とは?【基本の定義】
    1. 同類項の意味
    2. 項(こう)とは?
    3. 同類項の条件
  2. 同類項の見分け方【具体例で理解】
    1. 例1:基本的な同類項
    2. 例2:定数項
    3. 例3:指数が異なる場合
    4. 例4:複数の文字を含む場合
  3. 同類項のまとめ方【計算の基本】
    1. 基本ルール
    2. 例題1:基本的なまとめ方
    3. 例題2:引き算を含む場合
    4. 例題3:マイナスの係数
    5. 例題4:複数の同類項
  4. 複雑な式の同類項まとめ
    1. 例題5:異なる文字が混ざった式
    2. 例題6:定数項を含む式
    3. 例題7:指数を含む式
    4. 例題8:3つ以上の文字を含む式
  5. 係数が1や-1の場合
    1. 係数が1の場合
    2. 係数が-1の場合
    3. 例題9:係数の省略に注意
  6. カッコを含む式の同類項まとめ
    1. 例題10:カッコの展開
    2. 例題11:マイナスのカッコ
  7. 分数の係数を持つ同類項
    1. 例題12:分数の係数
    2. 例題13:通分が必要な場合
  8. よくある間違い
    1. 間違い1:文字も足してしまう
    2. 間違い2:異なる文字をまとめる
    3. 間違い3:指数が違う項をまとめる
    4. 間違い4:符号の間違い
  9. 同類項まとめの手順
    1. ステップ1:カッコがあれば外す
    2. ステップ2:同類項を見つける
    3. ステップ3:各グループで係数を計算
    4. ステップ4:整理して書く
  10. 同類項を使った文章題
    1. 例題14:長さの計算
    2. 例題15:金額の計算
  11. 実践問題で理解度チェック
    1. 問題1
    2. 問題2
    3. 問題3
  12. 同類項と他の計算ルール
    1. 方程式を解くとき
    2. 式の値を求めるとき
  13. 覚えておきたいポイント
    1. ポイント1:文字の部分が同じ
    2. ポイント2:係数だけを計算
    3. ポイント3:定数項も同類項
    4. ポイント4:順序は自由
  14. まとめ

同類項とは?【基本の定義】

同類項の意味

同類項とは、文字の部分がまったく同じ項のことです。英語では「like terms」や「similar terms」といいます。

簡単に言えば、「仲間同士の項」ということです。

項(こう)とは?

項とは、式を「+」や「-」で区切ったときの、一つひとつの塊のことです。

例:

3x + 2y – 5x + 7

この式には4つの項があります:

  • 第1項:3x
  • 第2項:2y
  • 第3項:-5x
  • 第4項:7

同類項の条件

2つの項が同類項になるための条件は:

条件1:文字の種類が同じ

xとx、yとyのように、同じ文字を使っていること。

条件2:文字の指数が同じ

x²とx²、xとxのように、累乗の指数が同じであること。

重要なポイント

係数(数字の部分)が違っていても、文字の部分が同じなら同類項です。

同類項の見分け方【具体例で理解】

例1:基本的な同類項

次のうち、同類項はどれとどれでしょうか?

2x、5x、3y、-4x、7y

答え:

  • 2xと5xと-4x(すべてxの項)
  • 3yと7y(すべてyの項)

文字がxで揃っているもの同士、yで揃っているもの同士が同類項です。

例2:定数項

次の式の同類項を見つけましょう。

3x + 5 – 2x + 8

答え:

  • 3xと-2x(xの項)
  • 5と8(定数項)

数字だけの項(定数項)も、同類項としてまとめられます。

例3:指数が異なる場合

次のうち、同類項はどれでしょうか?

x²、2x、3x²、4x、-x²

答え:

  • x²と3x²と-x²(x²の項)
  • 2xと4x(xの項)

x²とxは、同じ文字xを使っていても指数が違うので同類項ではありません。

例4:複数の文字を含む場合

次のうち、同類項はどれでしょうか?

3xy、2x、5xy、4y、-2xy

答え:

  • 3xyと5xyと-2xy(xyの項)
  • 2xと4y:それぞれ別の項

xyとyxは、掛け算の順序が違うだけなので同類項です(3xy = 3yxと同じ)。

同類項のまとめ方【計算の基本】

同類項をまとめるとは、係数を足し算・引き算することです。

基本ルール

同類項をまとめるときは、係数だけを計算して、文字の部分はそのまま

3x + 5x = (3 + 5)x = 8x

文字の部分は変えずに、数字だけを足し算します。

例題1:基本的なまとめ方

問題: 2x + 3x をまとめなさい

解き方:

係数の2と3を足します。

2x + 3x = (2 + 3)x = 5x

例題2:引き算を含む場合

問題: 5x – 2x をまとめなさい

解き方:

係数の5から2を引きます。

5x - 2x = (5 - 2)x = 3x

例題3:マイナスの係数

問題: 4x – 7x をまとめなさい

解き方:

係数の4から7を引きます。

4x - 7x = (4 - 7)x = -3x

マイナスの答えになることもあります。

例題4:複数の同類項

問題: 3x + 5x – 2x をまとめなさい

解き方:

係数を順番に計算します。

3x + 5x - 2x = (3 + 5 - 2)x = 6x

複雑な式の同類項まとめ

例題5:異なる文字が混ざった式

問題: 3x + 2y – x + 5y をまとめなさい

解き方:

ステップ1:同類項を見つける

  • xの項:3x、-x
  • yの項:2y、5y

ステップ2:それぞれまとめる

  • xの項:3x – x = 2x
  • yの項:2y + 5y = 7y

答え: 2x + 7y

例題6:定数項を含む式

問題: 4x + 3 – 2x + 7 をまとめなさい

解き方:

同類項:

  • xの項:4x、-2x
  • 定数項:3、7

計算:

  • xの項:4x – 2x = 2x
  • 定数項:3 + 7 = 10

答え: 2x + 10

例題7:指数を含む式

問題: 2x² + 3x – x² + 5x をまとめなさい

解き方:

同類項:

  • x²の項:2x²、-x²
  • xの項:3x、5x

計算:

  • x²の項:2x² – x² = x²
  • xの項:3x + 5x = 8x

答え: x² + 8x

例題8:3つ以上の文字を含む式

問題: 5a + 3b – 2a + b + 4c をまとめなさい

解き方:

同類項:

  • aの項:5a、-2a
  • bの項:3b、b
  • cの項:4c

計算:

  • aの項:5a – 2a = 3a
  • bの項:3b + b = 4b
  • cの項:4c

答え: 3a + 4b + 4c

係数が1や-1の場合

係数が1や-1のとき、数字を省略して書くことがあります。

係数が1の場合

1xは、xと書く

例:

x + 2x = 1x + 2x = 3x

係数が1のときは、1を書かずにxだけで表します。

係数が-1の場合

-1xは、-xと書く

例:

3x - x = 3x - 1x = 2x

-1xは-xと書きます。

例題9:係数の省略に注意

問題: x + 3x – x をまとめなさい

解き方:

省略された係数を補って考えます。

x + 3x - x = 1x + 3x - 1x = (1 + 3 - 1)x = 3x

答え: 3x

カッコを含む式の同類項まとめ

カッコがある式では、まずカッコを外してから同類項をまとめます。

例題10:カッコの展開

問題: 2(x + 3) + 3x をまとめなさい

解き方:

ステップ1:カッコを外す

2(x + 3) + 3x = 2x + 6 + 3x

ステップ2:同類項をまとめる

  • xの項:2x + 3x = 5x
  • 定数項:6

答え: 5x + 6

例題11:マイナスのカッコ

問題: 5x – (2x – 3) をまとめなさい

解き方:

ステップ1:カッコを外す(符号に注意)

5x - (2x - 3) = 5x - 2x + 3

マイナスのカッコを外すと、中の符号が逆転します。

ステップ2:同類項をまとめる

5x - 2x + 3 = 3x + 3

答え: 3x + 3

分数の係数を持つ同類項

係数が分数の場合も、基本は同じです。

例題12:分数の係数

問題: (1/2)x + (3/2)x をまとめなさい

解き方:

分数の係数を足します。

(1/2)x + (3/2)x = (1/2 + 3/2)x = (4/2)x = 2x

答え: 2x

例題13:通分が必要な場合

問題: (1/3)x + (1/2)x をまとめなさい

解き方:

ステップ1:通分する

分母を6に揃えます。

(1/3)x + (1/2)x = (2/6)x + (3/6)x

ステップ2:分子を足す

= (2 + 3)/6 x = (5/6)x

答え: (5/6)x

よくある間違い

間違い1:文字も足してしまう

❌ 間違い:

2x + 3x = 5x² または 5x²

⭕ 正しい:

2x + 3x = 5x

文字の部分は変わりません。

間違い2:異なる文字をまとめる

❌ 間違い:

2x + 3y = 5xy

⭕ 正しい:

2x + 3y = 2x + 3y(まとめられない)

文字が違う項は同類項ではありません。

間違い3:指数が違う項をまとめる

❌ 間違い:

x² + 2x = 3x²

⭕ 正しい:

x² + 2x = x² + 2x(まとめられない)

指数が違うと同類項ではありません。

間違い4:符号の間違い

❌ 間違い:

3x - 2x = 1(xを忘れる)

⭕ 正しい:

3x - 2x = 1x = x

答えにも文字をつけ忘れないように。

同類項まとめの手順

複雑な式でも、次の手順で進めれば確実です。

ステップ1:カッコがあれば外す

2(x + 3) – (x – 1) → 2x + 6 – x + 1

ステップ2:同類項を見つける

同じ文字、同じ指数の項をグループ分けします。

ステップ3:各グループで係数を計算

xの項、yの項、定数項など、それぞれ計算します。

ステップ4:整理して書く

通常は、次数(指数)が高い順に並べます。

例: x² + 3x + 5(降べきの順)

同類項を使った文章題

実際の問題でも同類項の知識が役立ちます。

例題14:長さの計算

問題:

1本がx cmの鉛筆を3本と、1本が2x cmの鉛筆を2本買いました。鉛筆の長さの合計を式で表しなさい。

解き方:

長さの合計:

3x + 2 × 2x = 3x + 4x = 7x (cm)

答え: 7x cm

例題15:金額の計算

問題:

1個x円のリンゴを5個と、1個x円のミカンを3個買いました。合計金額を式で表しなさい。

解き方:

合計金額:

5x + 3x = 8x (円)

答え: 8x円

実践問題で理解度チェック

問題1

次の式の同類項をまとめなさい。

(1) 4x + 7x

(2) 5y – 2y

(3) 3a – 8a

解答:

(1) 11x

(2) 3y

(3) -5a

問題2

次の式の同類項をまとめなさい。

(1) 2x + 5y + 3x – 2y

(2) 4a + 3 – a + 7

(3) x² + 3x – 2x² + 5x

解答:

(1) 5x + 3y

(2) 3a + 10

(3) -x² + 8x

問題3

次の式を簡単にしなさい。

(1) 3(x + 2) + 2x

(2) 5x – (x + 3)

(3) 2(a – 1) – 3(a + 2)

解答:

(1) 3x + 6 + 2x = 5x + 6

(2) 5x – x – 3 = 4x – 3

(3) 2a – 2 – 3a – 6 = -a – 8

同類項と他の計算ルール

同類項のまとめ方は、他の計算にも応用できます。

方程式を解くとき

方程式を解く際も、同類項をまとめることが基本です。

例:

2x + 3 = x + 7を解く

移項して同類項をまとめる:

2x - x = 7 - 3
x = 4

式の値を求めるとき

同類項をまとめてから代入すると、計算が楽になります。

例:

x = 2のとき、3x + 5 – x + 3の値は?

まず同類項をまとめる:

3x + 5 - x + 3 = 2x + 8

x = 2を代入:

2 × 2 + 8 = 4 + 8 = 12

覚えておきたいポイント

ポイント1:文字の部分が同じ

同類項かどうかは、文字とその指数だけで判断します。係数は関係ありません。

ポイント2:係数だけを計算

同類項をまとめるときは、係数だけ計算して、文字はそのまま残します。

ポイント3:定数項も同類項

数字だけの項(定数項)も、同類項としてまとめられます。

ポイント4:順序は自由

2x + 3yも3y + 2xも同じです。ただし、通常は文字のアルファベット順に並べます。

まとめ

同類項は代数の基本であり、すべての計算の土台となる重要な概念です。

この記事のポイント

  • 同類項とは文字の部分がまったく同じ項のこと
  • 文字の種類と指数が同じなら同類項
  • 係数が違っても同類項になる
  • 同類項をまとめるときは係数だけを計算する
  • 文字の部分は変えない
  • 定数項(数字だけの項)も同類項としてまとめられる
  • x²とxは指数が違うので同類項ではない
  • カッコがある場合は先に展開してからまとめる

同類項のまとめ方をマスターすれば、方程式や式の計算がずっと楽になります。最初は文字が混ざると難しく感じるかもしれませんが、「文字の部分が同じものを探す」というシンプルなルールを意識すれば、必ずできるようになりますよ!

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