【保存版】三国志の有名な言葉・名言一覧|現代でも使えることわざや故事成語を徹底解説

神話・歴史・伝承

ゲームやアニメ、漫画で「三国志」の名前を聞いたことはありませんか?

約1,800年前の中国を舞台にした三国志は、魏・呉・蜀の三つの国が覇権を争った壮大な物語です。
そこに登場する英雄たちが残した言葉は、今でも名言やことわざとして私たちの生活に息づいています。

「泣いて馬謖を斬る」「三顧の礼」「破竹の勢い」……。
実はこれらすべて、三国志から生まれた言葉なんです。

この記事では、三国志に登場する有名な言葉や名言を、エピソードと一緒にわかりやすく解説します。


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三国志の名言が今も使われる理由

三国志とはどんな物語?

三国志は、西暦184年〜280年頃の中国を描いた歴史物語です。

三つの国が争った時代

国名建国者特徴
魏(ぎ)曹操北方を支配した最大勢力
蜀(しょく)劉備義兄弟の絆で結ばれた国
呉(ご)孫権長江流域を治めた水軍の国

この時代は優秀な人材が数多く現れ、彼らの言葉や行動が後世に語り継がれてきました。

なぜ三国志の言葉は残り続けているの?

三国志の名言が現代まで残っている理由は、主に三つあります。

普遍的なテーマを扱っている

  • 人材の大切さ
  • リーダーシップのあり方
  • 友情や忠義

人間味あふれるエピソードが多い

英雄たちも私たちと同じように悩み、失敗し、成長していきます。
だからこそ、彼らの言葉が心に響くんですね。

現代のビジネスや人間関係に応用できる

三国志の教訓は、2,000年近く経った今でも色褪せていません。


【カテゴリー別】三国志の有名な名言・故事成語一覧

リーダーシップ・人材育成に関する名言

「三顧の礼」(さんこのれい)

意味:礼儀を尽くして優秀な人材を招くこと

由来

劉備は天才軍師・諸葛孔明を仲間に迎えるため、彼の住む草庵を三度も訪ねました。

一度目も二度目も孔明は留守でしたが、劉備は諦めませんでした。
そして三度目の訪問でようやく会うことができ、孔明は劉備の熱意に心を動かされて仕える決意をしたのです。

現代での使い方

「あの会社は三顧の礼をもって、彼を迎え入れた」

企業が優秀な人材をスカウトする場面などで使われます。


「泣いて馬謖を斬る」(ないてばしょくをきる)

意味:規律を守るために、私情を捨てて厳しい処分を下すこと

由来

諸葛孔明には馬謖(ばしょく)という優秀な部下がいました。
孔明は馬謖の才能を愛し、手塩にかけて育てていたんです。

ところがある戦いで、馬謖は孔明の命令に背いて独断で行動し、大敗を喫してしまいます。
孔明は涙を流しながらも軍規に従い、愛する部下を処刑せざるを得ませんでした。

現代での使い方

可愛がっていた部下を叱る場面や、組織の秩序を守るために厳しい決断をする際に使われます。


「何事もその基は人です」

発言者:周瑜(しゅうゆ)・呉の武将

原文の要旨

「人を得る国はさかんになり、人を失う国は亡びましょう」

周瑜は呉の名将として知られ、赤壁の戦いで曹操の大軍を打ち破った人物です。
彼は国の繁栄には何よりも人材が重要だと説きました。


「いかに優秀な人材でも、組織が悪ければ無能になる」

発言者:周瑜

原文の要旨

「いつの時代になろうが、かならず人の中には人がいるものです。ただ、それを見出す人のほうがいません。また、それを用うる組織が悪くて、有能もみな無能にしてしまうことが多い」

部下が無能に見えるとき、実は上司や組織に問題があるかもしれない。
現代の人材マネジメントにも通じる深い言葉ですね。


処世術・人生哲学に関する名言

「天下の大勢、分かれて久しければ必ず合し、合して久しければ必ず分かる」

意味:統一と分裂は歴史の中で繰り返されるもの

由来

これは三国志演義の冒頭に登場する有名な一節です。
中国の歴史を俯瞰した壮大な視点で、物語の幕開けを飾っています。

この言葉は、世の中の移り変わりは自然の摂理であり、永遠に続くものはないという教訓を伝えています。


「悪、小なるをもってこれをなすなかれ。善、小なるをもってこれをなさざるなかれ」

発言者:劉備

意味:悪いことはたとえ小さくても行ってはならない。良いことはたとえ小さくても行うべきである

劉備が息子の劉禅に残した遺言の一つです。
日々の小さな行いの積み重ねが、人格を形成するという教えですね。


「静以修身、倹以養徳」(せいもってみをおさめ、けんもってとくをやしなう)

発言者:諸葛孔明

意味:心を静かに保って自分を磨き、倹約によって徳を養う

孔明が息子に宛てた手紙「誡子書」の中の一節です。
現代社会は情報過多でストレスも多いですよね。

感情的になりそうなときこそ、この言葉を思い出して深呼吸してみてください。


「蛟龍が淵にひそむは時機を待ち、天に昇らんがため」

意味:下積み時代は、飛躍のチャンスを待つための準備期間である

劉備が不遇の時期に、自分や仲間を励ますために使った言葉です。
「蛟龍(こうりゅう)」とは龍のことで、水底に潜んでいても、いつか必ず天に昇る日が来るという希望を表しています。

今は辛くても、きっと報われる日が来る。
そう信じて努力を続けることの大切さを教えてくれます。


戦略・勝負に関する名言

「兵は神速を尊ぶ」(へいはしんそくをたっとぶ)

意味:戦いではスピードが何よりも重要である

曹操がたびたび口にした言葉です。
いざ事を起こすと決めたら、圧倒的なスピードで実行する。

もたもたしていては機を逃し、失敗につながります。
ビジネスにおいても、意思決定のスピードは成功の鍵となりますよね。


「破竹の勢い」(はちくのいきおい)

意味:勢いに乗って止められないほど勝ち進むこと

由来

三国時代の終盤、晋の将軍・杜預(とよ)が呉を攻める際の言葉が元になっています。

「兵士の士気は高く、竹を割くようなものだ。最初に少し刃を入れれば、あとは手で割くこともできる」

竹は最初の節を割れば、他の節は勝手に割れていきます。
この勢いのまま進軍した晋軍は、見事に呉を滅ぼしました。

現代での使い方

スポーツの試合や業績好調な企業を表現するときによく使われます。


「苦肉の策」(くにくのさく)

意味:自分を犠牲にしてでも相手を騙す計略

由来

赤壁の戦いで、呉の老将・黄蓋(こうがい)は曹操軍に偽りの降伏をするため、あえて味方の周瑜に鞭で打たれました。

体に傷を負うことで「味方から裏切られた」と見せかけ、曹操の信用を得ようとしたのです。
この計略が成功し、呉軍は曹操の大軍を火計で打ち破りました。

注意点

現代では「苦し紛れの方策」という意味で使われることが多いですが、本来は「自分の体を痛めつけて相手を信用させる」という意味でした。


「空城の計」(くうじょうのけい)

意味:弱いふりをして敵を欺く戦術

由来

諸葛孔明が少数の兵で守る城に、司馬懿(しばい)率いる大軍が迫ってきたときの話です。

孔明は城門を大きく開け放ち、自分は城壁の上で悠然と琴を弾き始めました。
罠だと疑った司馬懿は、攻撃を中止して撤退したのです。

実際には孔明側に伏兵などいなかったのですが、日頃の用心深いイメージを逆手に取った見事な心理戦でした。


友情・絆に関する名言

「桃園の誓い」(とうえんのちかい)

意味:固い友情や兄弟の契りを結ぶこと

由来

劉備、関羽、張飛の三人が桃の花咲く園で義兄弟の誓いを立てた有名な場面です。

「同年同月同日に産まれしことを求めず、ただ同年同月同日に死せんことを願う」

生まれた日は違っても、死ぬときは一緒に死にたいという、熱い友情を誓った言葉です。


「水魚の交わり」(すいぎょのまじわり)

意味:切っても切れない親密な関係

由来

劉備が諸葛孔明を得たことを、こう表現しました。

「孔明を得たことは、魚が水を得たようなものだ」

魚にとって水は生きていくために欠かせない存在です。
転じて、なくてはならない大切な人との関係を表すようになりました。


「臥龍鳳雛、いずれかを得れば天下を得ん」

意味:臥龍(諸葛孔明)か鳳雛(龐統)のどちらかを味方にすれば、天下を取れる

水鏡先生こと司馬徽が劉備に告げた言葉です。
「臥龍」は眠れる龍、「鳳雛」は鳳凰の雛を意味し、二人の天才軍師を表しています。

劉備は後に両者を家臣に迎えることに成功しましたが、龐統は早くに戦死してしまいました。


曹操の名言

曹操は「乱世の奸雄」と呼ばれた人物ですが、その言葉には現代にも通じる鋭さがあります。

「寧ろ我、人に背くとも、人の我に背くを許さず」

意味:私が人を裏切ることはあっても、人に私を裏切らせはしない

曹操が逃亡中に、誤って恩人の一家を殺してしまった後の言葉です。
冷酷に聞こえますが、乱世を生き抜くための覚悟とも取れます。


「治世は大徳を以ってし、小恵を以ってせず」

意味:国を治めるには大きな徳を示すべきで、小さな恩恵に頼ってはならない

目先の人気取りではなく、本質的な政策で民を導くべきだという教えです。
リーダーのあるべき姿を示した言葉ですね。


「老驥、櫪に伏すとも、志、千里に在り」

意味:名馬は年老いて馬小屋に繋がれても、千里を駆ける志を持ち続ける

曹操が晩年に詠んだ詩の一節です。
年を取っても、志を失わずに生きていきたいという強い意志が感じられます。


「山は高きを厭わず、海は深きを厭わず」

意味:山はどんなに高くても満足せず、海はどんなに深くても満足しない

この言葉は「人材を集めるのに限りはない」という意味で使われました。
曹操が才能ある人材を貪欲に求め続けた姿勢を表しています。


諸葛孔明の名言

「天才軍師」として知られる諸葛孔明は、知恵だけでなく深い人間性も持ち合わせていました。

「出師の表」より

「臣、敢えて股肱の力を竭し、忠貞の節を効し、これに継ぐに死をもってせん」

意味:私は手足として全力を尽くし、忠誠の操を捧げ、命に代えてもお守りします

北伐に出陣する際、主君・劉禅に送った「出師の表」の一節です。
この文章は、読む者の涙を誘う名文として知られています。


「死せる孔明、生ける仲達を走らす」

意味:死んだ諸葛孔明が、生きている司馬懿を退却させた

孔明の死後、蜀軍が撤退する際、孔明の木像を立てて見せたところ、罠を恐れた司馬懿が逃げ出したという逸話です。

生前の孔明がいかに恐れられていたかを物語っています。


「心を攻むるを上と為し、城を攻むるを下と為す」

意味:戦いでは相手の心を攻めることが最善であり、城を攻めることは下策である

力任せの攻撃よりも、相手の心理を読んだ戦略が重要だという教えです。
現代の交渉術やビジネス戦略にも応用できる考え方ですね。


【まとめ】三国志の名言一覧表

名言・故事成語関連人物意味
三顧の礼劉備・諸葛孔明礼を尽くして人材を招く
泣いて馬謖を斬る諸葛孔明私情を捨てて規律を守る
破竹の勢い杜預止められない勢いで進む
苦肉の策黄蓋自分を傷つけて敵を騙す
水魚の交わり劉備・諸葛孔明切り離せない親密な関係
桃園の誓い劉備・関羽・張飛固い友情の契り
兵は神速を尊ぶ曹操スピードが勝負を決める
空城の計諸葛孔明弱いふりで敵を欺く
髀肉の嘆劉備活躍できない悔しさ
呉下の阿蒙呂蒙成長しない人への皮肉
白眼視阮籍冷たい目で見ること
画餅に帰す曹丕計画倒れになること

三国志の名言から学べること

三国志の名言は、単なる昔話ではありません。

約1,800年前の中国で生きた英雄たちの言葉が、今も私たちの心に響くのは、人間が抱える悩みや課題が時代を超えて普遍的だからです。

人材育成の大切さ

周瑜が説いた「人を得る国は栄え、人を失う国は滅ぶ」という教えは、現代の企業経営にもそのまま当てはまります。

決断の重さ

孔明が愛する部下を処刑した「泣いて馬謖を斬る」は、リーダーが時に下さなければならない厳しい決断を象徴しています。

諦めない心

劉備が不遇の時代を耐え抜いた「蛟龍が淵にひそむ」の精神は、困難に直面したときの励みになるでしょう。

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