「度数って何のこと?」「度数分布表ってどう読むの?」
統計やデータ分析を学ぶとき、必ず出てくるのが「度数」という言葉です。
この記事では、度数の基本的な意味から、度数分布表の作り方、ヒストグラムとの関係まで、具体例を豊富に使って分かりやすく解説していきます。
テストの成績分析やアンケート集計など、実生活でもよく使う知識なので、しっかり理解していきましょう。
度数とは何か

度数(どすう)とは、あるデータがどれだけの回数出現したかを表す数のことです。
英語では「frequency(フリークエンシー)」と言います。
簡単な例で理解しよう
クラス30人に「好きな科目」を聞いたアンケートの結果を見てみましょう。
- 数学:8人
- 国語:6人
- 英語:10人
- 理科:4人
- 社会:2人
この場合:
- 「数学」の度数は 8
- 「国語」の度数は 6
- 「英語」の度数は 10
つまり、度数は「その項目を選んだ人数」や「そのデータが現れた回数」を表しているんですね。
度数の基本的な性質
度数には、いくつかの重要な性質があります。
性質1:度数は0以上の整数
度数は数えた結果なので、必ず0以上の整数になります。
負の値や小数にはなりません。
性質2:度数の合計 = データの総数
全ての度数を足すと、元のデータの総数と一致します。
上の例では:
8 + 6 + 10 + 4 + 2 = 30人(クラスの人数と一致)
度数分布表とは
度数分布表とは、データを整理して、各項目の度数を表にまとめたものです。
データの全体像を把握しやすくするための基本的なツールです。
度数分布表の例
先ほどの好きな科目のアンケートを表にすると:
| 科目 | 度数 |
|---|---|
| 数学 | 8 |
| 国語 | 6 |
| 英語 | 10 |
| 理科 | 4 |
| 社会 | 2 |
| 合計 | 30 |
このように、一目で分布が分かる表が度数分布表です。
度数分布表の利点
利点1:データの特徴が分かりやすい
30人分のバラバラのデータを見るより、表にまとめた方が圧倒的に分かりやすくなります。
利点2:比較が簡単
「英語が一番人気」「社会が一番少ない」といったことが一目で分かります。
利点3:グラフ作成の基礎になる
度数分布表があれば、そこからグラフを作るのも簡単です。
階級と階級値:データをグループ分けする
数値データが多い場合、そのまま度数分布表にすると項目が多すぎて見づらくなります。
そこで、データをいくつかの範囲(階級)に分けて整理します。
階級とは
階級とは、データを分ける範囲のことです。
例:テストの点数を階級で分ける
40人のテストの点数を、10点刻みで分けます:
- 0点以上10点未満
- 10点以上20点未満
- 20点以上30点未満
- …
- 90点以上100点以下
この各範囲が「階級」です。
階級値とは
階級値とは、各階級の真ん中の値のことです。
例:
「60点以上70点未満」という階級の階級値は:
(60 + 70) ÷ 2 = 65点
階級値は、その階級を代表する値として使われます。
階級幅とは
階級幅とは、各階級の範囲の大きさです。
例:
「60点以上70点未満」という階級の階級幅は:
70 − 60 = 10点
通常、全ての階級で同じ幅を使います。
そうしないと、データの分布が正しく把握できなくなるからです。
度数分布表の作り方
実際に度数分布表を作ってみましょう。
例題:テストの点数データ
20人のテストの点数(100点満点):
45, 67, 52, 78, 63, 55, 72, 68, 81, 59,
64, 71, 56, 49, 75, 62, 58, 69, 73, 66
このデータから度数分布表を作ります。
ステップ1:データを並べ替える
まず、小さい順に並べます:
45, 49, 52, 55, 56, 58, 59, 62, 63, 64,
66, 67, 68, 69, 71, 72, 73, 75, 78, 81
ステップ2:階級を決める
データの範囲は45点〜81点なので、10点刻みで階級を作ります:
- 40点以上50点未満
- 50点以上60点未満
- 60点以上70点未満
- 70点以上80点未満
- 80点以上90点未満
ステップ3:度数を数える
各階級に入るデータの個数を数えます:
| 階級(点) | 階級値 | 度数 |
|---|---|---|
| 40以上50未満 | 45 | 2 |
| 50以上60未満 | 55 | 5 |
| 60以上70未満 | 65 | 8 |
| 70以上80未満 | 75 | 4 |
| 80以上90未満 | 85 | 1 |
| 合計 | − | 20 |
これで度数分布表の完成です!
度数分布表から分かること
この表から、以下のことが読み取れます:
- 60点台が最も多い(8人)
- 80点以上は少ない(1人)
- データは60点台を中心に分布している
相対度数とは

相対度数とは、各階級の度数が全体に占める割合を表す値です。
相対度数の計算方法
相対度数 = その階級の度数 ÷ 全体の度数
小数で表すこともあれば、100倍してパーセント表示することもあります。
例:相対度数を求める
先ほどの度数分布表に相対度数を追加します:
| 階級(点) | 度数 | 相対度数 |
|---|---|---|
| 40以上50未満 | 2 | 0.10 |
| 50以上60未満 | 5 | 0.25 |
| 60以上70未満 | 8 | 0.40 |
| 70以上80未満 | 4 | 0.20 |
| 80以上90未満 | 1 | 0.05 |
| 合計 | 20 | 1.00 |
計算例:
60点台の相対度数 = 8 ÷ 20 = 0.40(= 40%)
相対度数の利点
異なるサイズのデータを比較できる
例えば:
- A組(30人)のテスト結果
- B組(35人)のテスト結果
この2つを比較するとき、度数をそのまま比べると人数が違うので正確な比較ができません。
でも相対度数なら、割合で表されているので公平に比較できます。
累積度数とは
累積度数とは、ある階級までの度数を全て足し合わせた値です。
累積度数の計算方法
下(または上)の階級から順番に度数を足していきます。
例:累積度数を求める
| 階級(点) | 度数 | 累積度数 |
|---|---|---|
| 40以上50未満 | 2 | 2 |
| 50以上60未満 | 5 | 7 |
| 60以上70未満 | 8 | 15 |
| 70以上80未満 | 4 | 19 |
| 80以上90未満 | 1 | 20 |
計算の流れ:
- 40点台まで:2人
- 60点未満まで:2 + 5 = 7人
- 70点未満まで:2 + 5 + 8 = 15人
- 80点未満まで:2 + 5 + 8 + 4 = 19人
- 90点未満まで:2 + 5 + 8 + 4 + 1 = 20人
累積度数から分かること
「○○点未満の人は何人いるか」が分かる
例えば、累積度数の表から:
- 70点未満は15人(全体の75%)
- 60点未満は7人(全体の35%)
このように、累積度数を使えば「基準を満たさない人数」などが簡単に分かります。
累積相対度数
累積度数を全体で割ったものを累積相対度数と言います。
| 階級(点) | 度数 | 累積相対度数 |
|---|---|---|
| 40以上50未満 | 2 | 0.10 |
| 50以上60未満 | 5 | 0.35 |
| 60以上70未満 | 8 | 0.75 |
| 70以上80未満 | 4 | 0.95 |
| 80以上90未満 | 1 | 1.00 |
累積相対度数の最後の値は必ず1.00(100%)になります。
ヒストグラムとは
ヒストグラムとは、度数分布表をグラフにしたものです。
ヒストグラムの特徴
- 横軸:階級(データの範囲)
- 縦軸:度数(または相対度数)
- 長方形の棒で表す
- 棒と棒の間に隙間がない
ヒストグラムと棒グラフの違い
ヒストグラム:
- 数値データの分布を表す
- 棒の間に隙間がない
- 横軸は連続した数値
棒グラフ:
- カテゴリーデータを表す
- 棒の間に隙間がある
- 横軸はカテゴリー名
ヒストグラムから読み取れること
データの形が分かる
- 山が1つ:データが1箇所に集中
- 山が2つ:データが2つのグループに分かれている
- 左右対称:バランスの良い分布
- 偏っている:データに偏りがある
中心の位置が分かる
どの階級を中心にデータが分布しているか、視覚的に把握できます。
ばらつきが分かる
山の幅が広い:データのばらつきが大きい
山の幅が狭い:データが集中している
度数分布表の実践例
実際のデータで度数分布表を作ってみましょう。
例題:身長データ
30人の身長(cm):
158, 162, 165, 160, 168, 172, 155, 163, 170, 164,
161, 159, 167, 166, 169, 157, 162, 165, 171, 164,
160, 163, 168, 162, 166, 159, 161, 164, 167, 165
目標:5cm刻みの度数分布表を作る
解答
ステップ1:データの範囲を確認
最小値:155cm
最大値:172cm
範囲:155〜172cm
ステップ2:階級を設定
5cm刻みで階級を作ります:
- 155cm以上160cm未満
- 160cm以上165cm未満
- 165cm以上170cm未満
- 170cm以上175cm未満
ステップ3:度数を数える
| 階級(cm) | 階級値 | 度数 | 相対度数 |
|---|---|---|---|
| 155以上160未満 | 157.5 | 5 | 0.17 |
| 160以上165未満 | 162.5 | 11 | 0.37 |
| 165以上170未満 | 167.5 | 11 | 0.37 |
| 170以上175未満 | 172.5 | 3 | 0.10 |
| 合計 | − | 30 | 1.00 |
分析結果
- 160〜165cmと165〜170cmが最も多い(各11人)
- 170cm以上は少数派(3人、10%)
- データは160cm台を中心に分布している
度数を使った計算
度数分布表から、平均値などの統計量を計算することもできます。
平均値の概算
度数分布表から平均値を求めるときは、各階級の階級値を使います。
計算式:
平均値 ≈ (階級値1 × 度数1 + 階級値2 × 度数2 + …)÷ 全体の度数
例:身長の平均を求める
先ほどの身長データの表を使います:
平均値 ≈ (157.5×5 + 162.5×11 + 167.5×11 + 172.5×3) ÷ 30
≈ (787.5 + 1787.5 + 1842.5 + 517.5) ÷ 30
≈ 4935 ÷ 30
≈ 164.5cm
この値は「概算」です。
実際の平均値とは少し違いますが、おおよその値を知るのには十分です。
よくある間違いと注意点
度数分布表を作るとき、気をつけたいポイントがあります。
間違い1:階級の重なり
間違った例:
- 0点以上10点以下
- 10点以上20点以下
10点がどちらの階級に入るか分かりません。
正しい例:
- 0点以上10点未満
- 10点以上20点未満
「以上」と「未満」を使い分けて、重ならないようにします。
間違い2:階級幅がバラバラ
間違った例:
- 0点以上10点未満(幅10)
- 10点以上30点未満(幅20)
- 30点以上40点未満(幅10)
階級幅がバラバラだと、正確な比較ができません。
正しい例:
全ての階級で同じ幅(例えば10点刻み)を使います。
間違い3:度数の合計が合わない
度数を数え間違えて、合計がデータの総数と合わないことがあります。
確認方法:
必ず最後に、度数の合計 = データの総数 になっているか確認しましょう。
間違い4:相対度数の合計
相対度数を全て足すと、理論上は1.00(100%)になります。
四捨五入の関係で0.99や1.01になることもありますが、大きくずれている場合は計算ミスの可能性があります。
度数の実生活での活用
度数の考え方は、日常生活のさまざまな場面で使われています。
例1:視聴率
テレビの視聴率は、度数の考え方そのものです。
「この番組を見ていた世帯の度数(数)」を「調査対象世帯の総数」で割って、相対度数(割合)として表しています。
例2:選挙の開票速報
「○○候補:45,000票」というのは度数です。
得票率「35%」は相対度数です。
例3:商品の売上分析
どの商品がどれだけ売れたかを分析するとき、度数分布表を使います。
- 商品A:100個(度数)
- 商品B:150個(度数)
- 商品C:50個(度数)
これをグラフ化すれば、売れ筋商品が一目で分かります。
例4:気温の記録
1ヶ月の最高気温を度数分布表にまとめれば、その月の気候の特徴が分かります。
- 25℃未満:5日
- 25℃以上30℃未満:15日
- 30℃以上:10日
「暑い日が多かった」ということが数値で示されます。
まとめ
度数は、データ分析の基礎となる重要な概念です。
この記事のポイント:
- 度数とは、あるデータが出現した回数を表す数
- 度数分布表は、データを整理して度数をまとめた表
- 階級とは、データを分ける範囲のこと
- 階級値は、各階級の真ん中の値
- 階級幅は、各階級の範囲の大きさ(通常は一定)
- 相対度数は、度数を全体で割った割合
- 累積度数は、ある階級までの度数の合計
- ヒストグラムは、度数分布表をグラフ化したもの
- 階級は重ならないように設定する
- 階級幅は全て同じにする
- 度数の合計は必ずデータの総数と一致する
度数分布表を使えば:
- データの全体像が把握できる
- 特徴やパターンが見つけやすい
- グラフ化が簡単にできる
- 統計的な計算の基礎になる
度数の概念を理解することで、アンケート結果の分析、テストの成績評価、ビジネスデータの可視化など、さまざまな場面でデータを効果的に扱えるようになります。
まずは簡単なデータで度数分布表を作る練習をして、徐々に複雑なデータにも挑戦していきましょう!

