ゲームやアニメで「ルシファー」「ベルゼブブ」「アザゼル」といった名前を聞いたことはありませんか?
これらはすべて、キリスト教やユダヤ教の伝承に登場する堕天使(だてんし)たちの名前です。
堕天使とは、かつて神に仕えていながら、傲慢や反逆、禁忌を犯したことで天界から追放された元天使のこと。彼らの物語は、神話や宗教を超えて現代のエンターテイメントにも大きな影響を与えています。
「名前は知っているけど、どんな存在なの?」「それぞれの違いがよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、聖書や外典、悪魔学に登場する堕天使たちを、名前・特徴・堕天の理由とともに詳しくご紹介します。
堕天使って何?基本から解説

堕天使の定義
堕天使とは、神の被造物でありながら反逆や罪によって天界から追放された天使のことを指します。
もともとは神に仕え、天上で暮らしていた存在。しかし、傲慢さや欲望、あるいは人間への過度な関心などが原因で「堕落」し、天使としての地位を失ってしまったんです。
キリスト教の教義では、悪魔は堕落した天使であるとされています。つまり、悪魔と呼ばれる存在の多くは、もともと光り輝く天使だったということになります。
なぜ天使は堕落するの?
堕天使が生まれる理由は、主に以下の3つのパターンに分けられます。
1. 神への反逆(傲慢)
最も有名なのが、ルシファーに代表される「神に反旗を翻した」パターン。自分の美しさや力に驕り、神と同等、あるいは神を超える存在になろうとして罰を受けたとされています。
2. 人間の女性との交わり
『エノク書』に記された「見張りの天使(グリゴリ)」たちは、人間の女性に惹かれて地上に降り、禁断の知識を教えたことで堕天しました。
3. 人間への崇拝拒否
イスラム教のイブリースのように、神がアダムを崇拝するよう命じた際に従わなかったことで追放されたケースもあります。
堕天使と悪魔の違い
「堕天使」と「悪魔」は混同されやすいですが、厳密には違いがあります。
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 堕天使 | もともと天使だったが、罪を犯して追放された存在 |
| 悪魔(デーモン) | より広い概念で、堕天使以外の邪悪な霊的存在も含む |
| サタン | 「敵対者」を意味し、神に敵対する者の総称 |
ただし、キリスト教では悪魔=堕天使という解釈が一般的なため、実際には同義で使われることが多いです。
堕天使の階級と分類
主な分類体系
堕天使たちは、様々な文献で階層化されています。代表的な分類を見てみましょう。
アブラメリンの書による「四大君主」
14〜15世紀に書かれたとされる『アブラメリンの書』では、地獄を支配する4人の大君主が記されています。
- ルシファー(最高支配者)
- レヴィアタン(深淵の支配者)
- サタン(破壊と混沌)
- ベリアル(無法と堕落)
さらに、その下に8人の副君主として、アスタロト、ベルゼブブ、アスモデウスなどが位置づけられています。
七つの大罪と地獄の七大王
16世紀のドイツ神学者ペーター・ビンスフェルトは、七つの大罪それぞれに対応する悪魔を定めました。この分類は現在でも広く知られています。
| 大罪 | 対応する堕天使 | 意味 |
|---|---|---|
| 傲慢 | ルシファー | 光をもたらす者 |
| 嫉妬 | レヴィアタン | 海の怪物 |
| 憤怒 | サタン | 敵対者 |
| 怠惰 | ベルフェゴール | 裂け目の主 |
| 強欲 | マモン | 富の擬人化 |
| 暴食 | ベルゼブブ | 蝿の王 |
| 色欲 | アスモデウス | 破壊の悪魔 |
最も有名な堕天使たち
ルシファー(Lucifer)──光をもたらす者
基本情報
- 名前の意味:「光をもたらす者」「明けの明星」
- 別名:サタン、悪魔の王、魔王
- 関連する大罪:傲慢(プライド)
- 出典:イザヤ書14章、エゼキエル書28章
どんな存在?
ルシファーは堕天使の中で最も有名な存在であり、悪魔の代名詞とも言える存在です。
もともとは天使の中で最高位にあり、神から最も愛された美しい天使でした。「ルシファー」という名前自体が「光を運ぶ者」を意味しており、その輝かしさがうかがえます。
しかし、自らの美しさと力に驕り、「神と同等になろう」という傲慢な思いを抱いてしまいます。
堕天の理由
イザヤ書14章12〜14節には、こう記されています。
「私は天に昇り、神の星々より高く王座を上げ、北の果ての集会の山に座を占めよう。雲の高みに昇り、いと高き者のようになろう」
神と同等になろうとした傲慢さゆえに、ルシファーは天界から追放されました。彼に従った天使たちも共に堕ち、これが「堕天使」の起源とされています。
聖書の『ヨハネの黙示録』12章では、天で戦争が起き、大天使ミカエルによってルシファーと彼の軍勢が打ち負かされたと記されています。
現代文化への影響
ルシファーは数多くの作品に登場しています。
- ジョン・ミルトン『失楽園』の主人公
- ゲーム『女神転生シリーズ』『デビルメイクライ』
- ドラマ『LUCIFER/ルシファー』
- アニメ『デビルマン』
ベルゼブブ(Beelzebub)──蠅の王
基本情報
- 名前の意味:「蠅の王」「高き館の主」
- 別名:ベルゼブル、バアル・ゼブブ
- 関連する大罪:暴食または嫉妬
- 出典:列王記下1章、新約聖書
どんな存在?
ベルゼブブは地獄でルシファーに次ぐ第二位の権力を持つとされる強大な堕天使です。
名前の由来は、ペリシテ人が崇拝していた神「バアル・ゼブル」(高き館の主)。これがヘブライ語で蔑称として「バアル・ゼブブ」(蠅の王)と呼ばれるようになりました。
新約聖書では、イエスがベルゼブブの名を用いて悪霊を追い出していると、パリサイ人から非難される場面が描かれています。
特徴と役割
中世の悪魔学では、ベルゼブブは以下のような特徴を持つとされました。
- 蠅の姿、または巨大な蠅の姿で現れる
- 「蠅騎士団」を率いる
- ルシファーの副官として地獄の軍勢を指揮
- 人間に暴食や嫉妬の罪を唆す
17世紀の悪魔祓い師セバスチャン・ミカエリスは、ベルゼブブをルシファー、レヴィアタンと並ぶ「三大堕天使」の一角として位置づけています。
サタン(Satan)──神の敵対者
基本情報
- 名前の意味:ヘブライ語で「敵対者」「告発者」
- 別名:悪魔、誘惑者、古い蛇
- 関連する大罪:憤怒
- 出典:ヨブ記、新約聖書全般
どんな存在?
サタンは「敵対者」を意味する称号であり、神に敵対するすべての存在を指すこともあれば、特定の堕天使個人を指すこともあります。
ルシファーと同一視されることが多いですが、厳密には別の存在として扱う文献もあります。
旧約聖書の『ヨブ記』では、サタンは「神の敵」というよりも、人間を試す「告発者」「検察官」のような役割で描かれています。神の許可のもとでヨブを試練にかけたんです。
しかし、新約聖書以降、サタンは人類を堕落させようとする「悪の化身」として描かれるようになりました。
ルシファーとの関係
- 同一説:ルシファーが堕天後にサタンと呼ばれるようになった
- 別存在説:ルシファーは堕天使の王、サタンは神への敵対者という役職名
現代では両者を同一視することが一般的ですが、神学的には議論が続いています。
アザゼル(Azazel)──禁断の知識を授けた者
基本情報
- 名前の意味:「神のごとき強者」または「神が強くする」
- 別名:アザエル、ハザエル
- 出典:レビ記16章、エノク書
どんな存在?
アザゼルは『エノク書』に登場する堕天使の中で最も重要な存在の一人です。
もともとは200体の「見張りの天使」(グリゴリ)の指導者格として、人類を見守る役目を担っていました。しかし、人間の女性に惹かれて地上に降り、さらには人類に禁断の知識を教えてしまったのです。
アザゼルが人間に教えたこと
- 剣、ナイフ、盾など武器の製造法
- 化粧術と装飾品の作り方
- 金属の加工技術
これらの知識は人類に文明をもたらしましたが、同時に戦争や虚栄心といった悪徳も生み出しました。神はこれを重く見て、大天使ラファエルに命じてアザゼルを砂漠の穴に閉じ込めさせたとされています。
「贖罪の山羊」との関係
旧約聖書のレビ記には、贖罪の日(ヨム・キプル)に2頭の山羊を用意し、1頭を神への捧げ物に、もう1頭を「アザゼルのため」に荒野へ追放する儀式が記されています。
この「アザゼルのための山羊」が「スケープゴート」(身代わり)の語源になったんです。
シェムハザ/セミアザ(Semyaza)──見張りの天使たちのリーダー
基本情報
- 名前の意味:「私の名は見た」または「天を見る者」
- 別名:サムヤザ、シェミハザ、セミアザス
- 出典:エノク書
どんな存在?
シェムハザは『エノク書』に記された200体の堕天使「グリゴリ」のリーダーです。
彼は天使たちを率いて地上に降りることを提案し、人間の女性と交わる誓いを立てました。その結果生まれたのが、巨人族「ネフィリム」です。
ネフィリムは人間を苦しめ、地上を混乱に陥れました。これを見た神は大洪水を起こし、ネフィリムを滅ぼすとともに、シェムハザと仲間の堕天使たちを地の底に閉じ込めたとされています。
グリゴリの20人の指導者
『エノク書』には、シェムハザの下で活動した20人の指導者の名前が記されています。それぞれが10体の天使を率いていたため、合計200体の堕天使がいたことになります。
サマエル(Samael)──死の天使
基本情報
- 名前の意味:「神の毒」または「盲目の神」
- 別名:死の天使、誘惑者
- 出典:ユダヤ神秘主義文献、タルムード
どんな存在?
サマエルはユダヤ教の伝承で重要な位置を占める堕天使です。
「死の天使」として人間の魂を刈り取る役目を持つとされる一方、エデンの園でイヴを誘惑した蛇と同一視されることもあります。
もともとは最高位の天使「熾天使(セラフィム)」であったとされ、12枚もの翼を持っていたという伝承も。
堕天の理由
いくつかの伝承があります。
- 神に命じられてモーセの魂を取ろうとしたが失敗し、神に叱責されたことで反感を抱いた
- エデンの園でイヴを誘惑した蛇として、人類堕落の原因を作った
- 神がアダムに天使たちを拝ませようとした際、これを拒否した
現代文化での登場
- ゲーム『女神転生シリーズ』では最上位の邪神として登場
- アニメ『エヴァンゲリオン』の使徒の名前の由来
ベリアル(Belial)──無価値なる者
基本情報
- 名前の意味:「無価値なもの」「役立たず」
- 別名:ベリアール、無法の王
- 関連する大罪:怠惰(文献により異なる)
- 出典:旧約聖書、死海文書
どんな存在?
ベリアルは「無法」と「堕落」を象徴する堕天使です。
旧約聖書のヘブライ語では「無価値なもの」を意味する一般名詞でしたが、次第に特定の悪魔的存在を指す固有名詞へと変化しました。
死海文書の「光の子と闇の子の戦い」では、ベリアルは闘の勢力を率いるリーダーとして描かれています。
特徴
『アブラメリンの書』では、ベリアルは地獄の四大君主の一角を占めています。
- ルシファーに次いで創造された天使だった
- 美しい容姿を持つが、性格は残忍で邪悪
- 欺瞞と不法を司る
ジョン・ミルトンの『失楽園』でも、ベリアルは見た目は最も気品があり雄弁だが、内面は怠惰で卑劣な堕天使として描かれています。
エノク書に登場する見張りの天使(グリゴリ)
見張りの天使とは?
『エノク書』には、200体の天使が人間を見守るために地上に派遣されたという物語が記されています。
彼らは「見張りの天使」(ヘブライ語でイリン、ギリシャ語でグリゴリ)と呼ばれていました。しかし、人間の女性の美しさに惹かれ、神の命令に背いて地上に降り立ってしまったのです。
堕天の経緯
- シェムハザを中心とした天使たちが誓いを立てる
- ヘルモン山に降り立ち、人間の女性を妻にする
- その子孫として巨人族ネフィリムが生まれる
- 天使たちは人類に禁断の知識を教える
- ネフィリムが地上を荒らし、人類が苦しむ
- 神が大洪水を起こし、堕天使たちを罰する
グリゴリの20人の指導者と教えた知識
『エノク書』に記された指導者たちと、彼らが人類に教えた内容を紹介します。
| 名前 | 教えた知識 |
|---|---|
| シェムハザ | 魔術、呪文の解き方 |
| アザゼル | 武器の製造、化粧術 |
| アルマロス | 呪文の解き方 |
| バラキエル | 占星術 |
| コカベル | 星座と天文学 |
| エゼキエル | 雲の知識 |
| アラキエル | 大地の徴(しるし) |
| シャムシエル | 太陽の徴 |
| サリエル | 月の運行 |
| ペネムエ | 文字とインクによる筆記 |
グリゴリの運命
大天使ミカエル、ラファエル、ガブリエル、ウリエルが神の命を受けて堕天使たちを罰しました。
- アザゼル:砂漠の穴に閉じ込められ、最後の審判まで暗闇の中に置かれる
- シェムハザ:地の谷に縛られ、70世代の間閉じ込められる
- ネフィリム:大洪水で肉体は滅ぼされたが、霊は地上を彷徨う悪霊となった
その他の主要な堕天使

アスモデウス(Asmodeus)──色欲の悪魔
- 名前の意味:「破壊の悪魔」(ペルシャ語由来)
- 関連する大罪:色欲
- 出典:トビト書、ソロモンの遺訓
アスモデウスは色欲を司る悪魔として知られ、人間の結婚生活を妨害するとされます。
旧約聖書外典『トビト書』では、サラという女性の7人の夫を次々と殺害した悪魔として登場。最終的に大天使ラファエルによって追放されました。
『ソロモンの遺訓』では、大熊座の星の下で生まれ、3つの頭(牛、人間、羊)を持つ姿で描写されています。
レヴィアタン(Leviathan)──海の怪物
- 名前の意味:「曲がりくねったもの」
- 関連する大罪:嫉妬
- 出典:ヨブ記、イザヤ書、詩篇
レヴィアタンは海に住む巨大な怪物であり、神の創造物の中で最も強大な存在として旧約聖書に登場します。
悪魔学では、レヴィアタンは嫉妬を司る堕天使として七大悪魔の一角に数えられています。地獄の四大君主の一人でもあり、深淵を支配するとされます。
マモン(Mammon)──富の悪魔
- 名前の意味:アラム語で「富」「財産」
- 関連する大罪:強欲
- 出典:新約聖書(マタイ福音書)
マモンはもともと「富」を意味する抽象概念でしたが、中世以降、富への執着を象徴する悪魔として擬人化されました。
イエスは「神とマモンに仕えることはできない」と説き、富への過度な執着を戒めています。
ジョン・ミルトンの『失楽園』では、マモンは天上にいた頃から地面の黄金ばかり見つめていた堕天使として描かれています。
ベルフェゴール(Belphegor)──怠惰の悪魔
- 名前の意味:「裂け目の主」(古代モアブの神バアル・ペオルに由来)
- 関連する大罪:怠惰
- 出典:民数記、悪魔学文献
ベルフェゴールは怠惰を司る堕天使で、人々に安易な道や発明のアイデアを吹き込んで堕落させるとされます。
中世の伝承では、便器に座った姿で描かれることが多く、これは怠惰と肉体的快楽への耽溺を象徴しています。
4月に最も力が強くなるとされ、発明家を堕落させる悪魔としても知られています。
アスタロト(Astaroth)──地獄の大公爵
- 名前の意味:フェニキアの女神アシュタルテに由来
- 出典:レメゲトン(ソロモンの小鍵)
アスタロトはもともと古代中東で崇拝されていた女神アシュタルテでしたが、キリスト教の広まりとともに悪魔化されました。
『ゴエティア』では、40の軍団を率いる地獄の大公爵として記されています。ドラゴンに乗り、右手に蛇を持った姿で描かれることが多いです。
過去・現在・未来を見通す能力を持ち、秘密の知識を教えてくれるとされています。
堕天使の完全一覧
主要な堕天使(A〜Z)
| 名前 | 読み方 | 特徴・役割 |
|---|---|---|
| Abaddon | アバドン | 破壊の天使、底なしの穴の王 |
| Adirael | アディラエル | ベルゼブブに仕える悪魔 |
| Agares | アガレス | 逃亡者を連れ戻す堕天使 |
| Allocer | アロケル | ライオンの顔を持つ地獄の公爵 |
| Amon | アモン | 過去と未来を知る堕天使 |
| Amy | アミー | 占星術を教える堕天使 |
| Andras | アンドラス | 不和を引き起こす堕天使 |
| Armaros | アルマロス | 魔術の解き方を教えた見張りの天使 |
| Astaroth | アスタロト | 40の軍団を率いる大公爵 |
| Asmodeus | アスモデウス | 色欲を司る七大悪魔の一角 |
| Azazel | アザゼル | 武器と化粧術を教えた見張りの天使 |
| Bael | バエル | 東方を支配する地獄の王 |
| Balaam | バラム | 過去と未来を見通す堕天使 |
| Baraqiel | バラキエル | 占星術を教えた見張りの天使 |
| Barbatos | バルバトス | 動物の言葉を理解させる堕天使 |
| Bathin | バティン | 薬草の知識を持つ堕天使 |
| Beelzebub | ベルゼブブ | 蠅の王、七大悪魔の一角 |
| Beleth | ベレト | 愛を司る地獄の王 |
| Belial | ベリアル | 無法を象徴する四大君主の一角 |
| Belphegor | ベルフェゴール | 怠惰を司る七大悪魔の一角 |
| Berith | ベリト | 錬金術を教える堕天使 |
| Bifrons | ビフロンス | 死者の知識を持つ堕天使 |
| Botis | ボティス | 和解を司る堕天使 |
| Buer | ブエル | 哲学と医学を教える堕天使 |
| Bune | ブネ | 富を与える堕天使 |
| Caim | カイム | 鳥の言葉を理解させる堕天使 |
| Dantalion | ダンタリオン | 人の心を読む堕天使 |
| Decarabia | デカラビア | 薬草と宝石の知識を持つ |
| Eligos | エリゴス | 戦争を司る堕天使 |
| Flauros | フラウロス | 敵を滅ぼす堕天使 |
| Focalor | フォカロル | 風と海を操る堕天使 |
| Foras | フォラス | 論理と修辞を教える堕天使 |
| Forneus | フォルネウス | 言語を教える堕天使 |
| Furcas | フルカス | 哲学を教える堕天使 |
| Furfur | フルフル | 雷と嵐を操る堕天使 |
| Gaap | ガープ | 哲学を教える地獄の大総統 |
| Gadreel | ガドリエル | イヴを誘惑したとされる天使 |
| Gamygyn | ガミジン | 死者の魂を召喚する堕天使 |
| Glasya-Labolas | グラシャ=ラボラス | 殺人を教唆する堕天使 |
| Gremory | グレモリー | 隠された財宝を見つける女公爵 |
| Gusion | グシオン | 名誉を与える堕天使 |
| Haagenti | ハアゲンティ | 錬金術を教える堕天使 |
| Halphas | ハルファス | 戦争の塔を建てる堕天使 |
| Iblis | イブリース | イスラム教における堕天した存在 |
| Ipos | イポス | 勇気を与える堕天使 |
| Kokabiel | コカベル | 星座を教えた見張りの天使 |
| Leviathan | レヴィアタン | 嫉妬を司る海の怪物 |
| Lucifer | ルシファー | 傲慢を司る堕天使の王 |
| Lucifuge | ルキフゲ | ルシファーの首相 |
| Malphas | マルファス | カラスの姿で現れる堕天使 |
| Mammon | マモン | 強欲を司る堕天使 |
| Marchosias | マルコシアス | 狼の姿で現れる堕天使 |
| Mastema | マステマ | 人間を罪に陥れる堕天使 |
| Mephistopheles | メフィストフェレス | ファウスト伝説の悪魔 |
| Moloch | モロク | 子供の犠牲を要求した古代の神 |
| Murmur | ムルムル | 降霊術を教える堕天使 |
| Naberius | ナベリウス | 修辞学を教える堕天使 |
| Orias | オリアス | 占星術を教える堕天使 |
| Orobas | オロバス | 誠実な回答をする堕天使 |
| Ose | オセ | 変身の術を教える堕天使 |
| Paimon | パイモン | 芸術と科学を教える地獄の王 |
| Penemue | ペネムエ | 文字を教えた見張りの天使 |
| Phoenix | フェニックス | 不死鳥の姿の堕天使 |
| Procel | プロケル | 幾何学を教える堕天使 |
| Purson | プルソン | 隠された財宝を見つける堕天使 |
| Raum | ラウム | 過去・現在・未来を見通す伯爵 |
| Ronove | ロノウェ | 言語を教える堕天使 |
| Sabnock | サブノック | 武器と城を建てる堕天使 |
| Saleos | サレオス | 愛を司る堕天使 |
| Samael | サマエル | 死の天使、毒の天使 |
| Samyaza | シェムハザ | 見張りの天使のリーダー |
| Sariel | サリエル | 月の運行を教えた見張りの天使 |
| Satan | サタン | 神の敵対者 |
| Seere | シーレ | 瞬間移動できる堕天使 |
| Shamsiel | シャムシエル | 太陽の徴を教えた見張りの天使 |
| Sitri | シトリー | 愛と情欲を司る堕天使 |
| Stolas | ストラス | 天文学と薬草を教える堕天使 |
| Uvall | ウヴァル | 愛情を得させる堕天使 |
| Valac | ヴァラク | 蛇を見つける堕天使 |
| Valefor | ヴァレフォル | 泥棒を助ける堕天使 |
| Vapula | ワプラ | 技芸を教える堕天使 |
| Vassago | ヴァサゴ | 過去と未来を見通す堕天使 |
| Vepar | ウェパル | 海を操る堕天使 |
| Vine | ヴィネ | 魔術師を見つける堕天使 |
| Zagan | ザガン | 金属を変化させる堕天使 |
| Zepar | ゼパル | 愛を司る堕天使 |
堕天使が現代文化に与えた影響
ゲーム・アニメでの登場
堕天使たちは、現代のエンターテイメントで大人気です。
ゲーム
- 『女神転生シリーズ』『ペルソナシリーズ』:悪魔・ペルソナとして多数登場
- 『デビルメイクライ』:ルシファーやベリアルなどがボスとして登場
- 『ダークソウル』:堕天使をモチーフにした敵が登場
- 『Diablo』:悪魔学を下敷きにした世界観
アニメ・漫画
- 『青の祓魔師』:サタンやメフィストフェレスが重要キャラクター
- 『デビルマン』:悪魔と天使の戦いを描く
- 『ハイスクールD×D』:堕天使が重要な勢力として登場
- 『魔入りました!入間くん』:悪魔学校が舞台
文学・映画への影響
- ジョン・ミルトン『失楽園』:ルシファーを主人公にした叙事詩
- ダンテ『神曲』:地獄の階層構造を詳細に描写
- ゲーテ『ファウスト』:メフィストフェレスとの契約
- 映画『コンスタンティン』『オーメン』:悪魔学をテーマに
まとめ
堕天使たちは、単なる「悪い存在」ではありません。
彼らはかつて天上で輝いていた存在であり、傲慢さや欲望、あるいは人間への愛情といった「感情」によって堕落した、ある意味人間に近い存在なんです。
堕天使たちが象徴するもの
- ルシファーの傲慢と反逆心
- アザゼルの知識への渇望と禁忌
- シェムハザの愛と欲望
- サマエルの死と運命
- ベリアルの自由と無法
これらの物語は、人間の心に潜む様々な感情や欲望を映し出す鏡でもあります。
だからこそ、堕天使たちは何千年もの間、人々を魅了し続けているのではないでしょうか。
興味を持った堕天使がいたら、ぜひ原典である『エノク書』や『失楽園』、あるいはゲームや映画で彼らの物語に触れてみてください。きっと新たな発見があるはずです。


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