「子どもがスマホばかり見ている」「自分もスマホを使いすぎているかも」そんな悩みはありませんか?
実は、iPhoneやAndroidには「スクリーンタイム」という、スマホの使用時間を確認したり、アプリの利用を制限したりできる便利な機能が標準搭載されています。
この記事では、スクリーンタイムとは何か、どんなことができるのか、iPhone・Androidそれぞれの使い方を分かりやすく解説します。スマホの使いすぎが気になる方、お子さんのスマホ利用を管理したい方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。
スクリーンタイムとは?

スクリーンタイムとは、スマホやタブレットの使用時間を確認したり、アプリの利用を制限したりできる機能のことです。
iPhoneの「スクリーンタイム」
iPhoneでは、iOS 12(2018年9月リリース)から「スクリーンタイム」という名称で標準搭載されています。iPad、iPod touchでも利用できます。
この機能を使うと、「今日はどのアプリを何時間使ったか」「1週間でゲームにどれだけ時間を使ったか」などが、グラフで視覚的に分かります。
Androidの「Digital Wellbeing」
Androidでは、「Digital Wellbeing(デジタルウェルビーイング)」という名称で、同様の機能が提供されています。
機種やメーカーによって多少名称が異なる場合もありますが、基本的な機能はiPhoneのスクリーンタイムとほぼ同じです。
「スクリーンタイム」という言葉の意味
そもそも「スクリーンタイム」とは、テレビ、コンピューター、スマートフォン、タブレットなどの「画面(スクリーン)」を見ている時間のことを指します。
つまり、広い意味では、スマホだけでなく、パソコンやテレビを見ている時間も含めた「デジタル機器の画面を見ている時間全体」を意味する言葉です。
近年、平均的な大人は1日に7時間以上もスクリーンを見ているというデータもあり、スクリーンタイムの管理が健康面でも注目されています。
スクリーンタイムでできること
スクリーンタイム機能では、主に以下の2つのことができます。
1. 使用時間の確認
どのアプリをどれだけ使ったかが、グラフで視覚的に確認できます。
- 1日、または1週間の使用時間
- アプリごとの使用時間
- カテゴリ別(SNS、ゲーム、エンターテインメントなど)の使用時間
- スマホを持ち上げた回数
- 通知を受け取った回数
「意外とSNSを見ている時間が長い」「ゲームに思ったより時間を使っている」など、自分のスマホ利用状況を客観的に把握できます。
2. 使用時間の制限
特定のアプリや機能の使用時間に制限を設けることができます。
- アプリごとに1日の使用時間を制限(例:YouTubeは1日1時間まで)
- 特定の時間帯はスマホ自体を使えないようにする(休止時間)
- 特定のアプリは常に使えるようにする(電話やメッセージなど)
- 不適切なコンテンツへのアクセスを制限
設定した時間に達すると、アプリが自動的に使えなくなります。
スクリーンタイムのメリット
スクリーンタイムを活用すると、どんな良いことがあるのでしょうか。
スマホ依存を防げる
自分のスマホ使用時間が可視化されることで、「こんなに使っていたのか」と気づくきっかけになります。
使いすぎを自覚することで、スマホとの付き合い方を見直すことができます。
時間を有効活用できる
「YouTubeを見すぎて勉強や仕事ができなかった」という経験はありませんか?
スクリーンタイムでアプリの使用時間を制限すれば、強制的に区切りをつけられるため、時間をより有効に使えるようになります。
子どものスマホ利用を管理できる
お子さんがいる家庭では、スクリーンタイムが特に役立ちます。
- 今日子どもがスマホをどれくらい使ったのか
- どのアプリを何時間利用したのか
- ゲームやSNSに時間を使いすぎていないか
これらを親のスマホから確認でき、必要に応じて制限をかけることができます。
睡眠の質が向上する
就寝前のスマホ使用は、画面から出るブルーライトの影響で睡眠の質を下げると言われています。
休止時間機能を使って、夜9時以降はスマホが使えないように設定すれば、自然と早く寝る習慣がつきます。
目の健康を守れる
長時間のスマホ利用は、眼精疲労やドライアイの原因になります。
使用時間を制限することで、目を休める時間が増え、目の健康を守ることにもつながります。
iPhone版スクリーンタイムの使い方
ここからは、iPhoneでのスクリーンタイムの具体的な使い方を解説します。
スクリーンタイムを有効にする
まず、スクリーンタイム機能を有効にしましょう。
- 「設定」アプリを開く
- 「スクリーンタイム」をタップ 下にスクロールすると「スクリーンタイム」という項目があります。
- 「アプリとWebサイトのアクティビティ」をタップ
- 「アプリとWebサイトのアクティビティをオンにする」をタップ
これで、スクリーンタイムが有効になり、使用状況の記録が始まります。
使用時間を確認する
- 「設定」→「スクリーンタイム」を開く
- グラフをタップ 画面上部に表示されているカラフルなグラフをタップします。
- 詳細なレポートを確認
- 画面上部で「日」または「週」を切り替えられます
- アプリごとの使用時間が表示されます
- カテゴリ別(SNS、ゲーム、エンターテインメントなど)でも確認できます
- 下にスクロールすると、「持ち上げ回数」や「通知回数」も見られます
アプリの使用時間を制限する
特定のアプリに使用時間の上限を設定できます。
- 「設定」→「スクリーンタイム」を開く
- 「App使用時間の制限」をタップ
- 「制限を追加」をタップ
- 制限したいカテゴリまたはアプリを選択
- 「ゲーム」カテゴリ全体を選ぶこともできます
- 「すべてのAppおよびカテゴリ」をタップすると、個別のアプリを選べます
- 時間を設定 1日の使用可能時間を設定します(例:1時間)。
- 「追加」をタップ
設定した時間に達すると、アプリのアイコンが暗くなり、「時間制限」というメッセージが表示されます。
休止時間を設定する
特定の時間帯は、すべてのアプリを使えないようにする機能です。
- 「設定」→「スクリーンタイム」を開く
- 「休止時間」をタップ
- 「休止時間」をオンにする
- 開始時間と終了時間を設定 例:夜9時から朝6時まで
休止時間中は、電話と許可したアプリ以外は使えなくなります。
常に許可するアプリを設定
休止時間中や使用制限中でも、常に使えるアプリを設定できます。
- 「設定」→「スクリーンタイム」を開く
- 「常に許可」をタップ
- 許可したいアプリの「+」ボタンをタップ 電話、メッセージ、メモなど、常に使いたいアプリを追加します。
パスコードを設定する(重要)
スクリーンタイムの設定を勝手に変更されないよう、パスコード(4桁の数字)を設定できます。
- 「設定」→「スクリーンタイム」を開く
- 「スクリーンタイム設定をロック」をタップ
- 4桁のパスコードを入力
- 確認のため再度入力
- Apple IDとパスワードを入力 パスコードを忘れた場合の復旧用です。
これで、スクリーンタイムの設定変更や、制限の解除にパスコードが必要になります。
Android版(Digital Wellbeing)の使い方
Androidでの使い方を解説します。機種によって多少異なる場合があります。
Digital Wellbeingを開く
- 「設定」アプリを開く
- 「Digital Wellbeing」または「デジタルウェルビーイング」をタップ 機種によっては「Digital Wellbeingと保護者による使用制限」と表示されている場合もあります。
見つからない場合は、設定アプリの検索機能で「wellbeing」と検索してみましょう。
使用時間を確認する
Digital Wellbeingの画面を開くと、すぐに今日の使用状況が表示されます。
- 画面中央の円グラフで、アプリごとの使用時間が色分けされています
- 下にスクロールすると、アプリごとの詳細な使用時間が確認できます
- 「ダッシュボード」をタップすると、より詳しいレポートが見られます
アプリタイマーを設定する
特定のアプリの使用時間を制限する機能です。
- Digital Wellbeingの画面で、制限したいアプリをタップ または「アプリタイマー」をタップしてからアプリを選択します。
- 砂時計アイコンをタップ
- 1日の使用時間を設定 例:YouTubeを1時間に設定
- 「OK」をタップ
設定した時間に達すると、アプリが自動的に終了し、再度開こうとすると「今日の制限時間に達しました」というメッセージが表示されます。
フォーカスモードを設定する
勉強や仕事に集中したい時、気が散るアプリを一時的にブロックする機能です。
- Digital Wellbeingの画面で「フォーカスモード」をタップ
- ブロックしたいアプリを選択 SNSやゲームアプリなど、集中を妨げるアプリを選びます。
- 「今すぐオンにする」をタップ
フォーカスモードがオンの間、選択したアプリは使えなくなります。
おやすみモードを設定する
就寝時間に合わせて、画面をグレースケール(白黒)にして、通知を制限する機能です。
- Digital Wellbeingの画面で「おやすみモード」をタップ
- 開始時間と終了時間を設定
- オンにする
設定した時間になると、画面が白黒になり、通知が来なくなるため、自然と眠りにつきやすくなります。
子どものスマホを管理する方法

お子さんのスマホを親が管理する方法を解説します。
iPhoneの場合:ファミリー共有
iPhoneでは、「ファミリー共有」という機能と組み合わせることで、親のiPhoneから子どものiPhoneのスクリーンタイムを管理できます。
設定手順
- 親のiPhoneでファミリー共有を設定 「設定」→「[自分の名前]」→「ファミリー共有」から設定します。
- 子どものApple IDを追加 13歳未満の場合は、子ども用のApple IDを作成できます。
- 子どものiPhoneでApple IDにログイン
- 親のiPhoneで「設定」→「スクリーンタイム」を開く
- 「ファミリー」の下に表示される子どもの名前をタップ
- スクリーンタイムの設定を行う
- 使用時間の確認
- アプリの使用制限
- 休止時間の設定
- コンテンツの制限(年齢制限のあるアプリや映画など)
すべて親のiPhoneから遠隔で設定・確認ができます。
Androidの場合:ファミリーリンク
Androidでは、「Googleファミリーリンク」というアプリを使って、子どものスマホを管理します。
設定手順
- 親のスマホに「Googleファミリーリンク(保護者向け)」アプリをインストール
- 子どものスマホに「Googleファミリーリンク(お子様向け)」アプリをインストール
- アプリの指示に従って、親子のアカウントをリンク
- 親のアプリから子どものスマホを管理
- 使用時間の確認
- アプリの使用時間制限
- 利用時間帯の制限
- アプリのダウンロード承認
- 位置情報の確認
ファミリーリンクを使えば、子どものスマホの使用状況をリアルタイムで確認し、必要に応じて制限をかけられます。
スクリーンタイムの注意点
便利なスクリーンタイム機能ですが、使う上での注意点もあります。
制限は簡単に解除できる
自分のスマホにスクリーンタイムを設定した場合、パスコードを設定していないと、制限を簡単に解除できてしまいます。
「あと15分」「終日許可」などのボタンを押すだけで、制限を延長できるため、強い意志がないと効果が薄いかもしれません。
パスコードを設定するか、家族に管理してもらうなどの工夫が必要です。
子どもとのコミュニケーションが大切
子どものスマホに制限をかける場合、いきなり制限するのではなく、なぜ制限が必要なのかを子どもと話し合うことが大切です。
一方的に制限すると、子どもの反発を招いたり、親子関係が悪化したりする可能性があります。
仕事や勉強に必要なアプリも制限される可能性
カテゴリで一括制限すると、仕事や勉強に必要なアプリまで制限されてしまうことがあります。
必要なアプリは「常に許可」に追加するなど、細かい調整が必要です。
バッテリー消費がわずかに増える
スクリーンタイムは常時バックグラウンドで動作するため、バッテリー消費がわずかに増えます。
ただし、影響はごくわずかなので、ほとんどの場合は気にする必要はありません。
スクリーンタイムの解除方法
スクリーンタイム機能を使わなくなった場合の解除方法です。
iPhoneの場合
- 「設定」→「スクリーンタイム」を開く
- 下にスクロールして「スクリーンタイムをオフにする」をタップ
- パスコードを設定していた場合は入力
- 確認メッセージで「スクリーンタイムをオフにする」をタップ
これで、スクリーンタイム機能が完全にオフになります。
Androidの場合
Digital Wellbeingは、完全にオフにすることはできませんが、設定した制限を個別に解除することはできます。
アプリタイマー、フォーカスモード、おやすみモードなど、設定した機能を個別にオフにしましょう。
よくある質問
Q1. スクリーンタイムはいつから使える?
iPhoneでは、iOS 12(2018年9月リリース)以降で利用できます。AndroidのDigital Wellbeingは、Android 9以降で利用可能です。
古いバージョンのOSを使っている場合は、アップデートが必要です。
Q2. スクリーンタイムは無料で使える?
はい、完全に無料で使えます。iPhoneやAndroidの標準機能なので、追加料金は一切かかりません。
Q3. 制限時間を超えたらどうなる?
設定した時間に達すると、アプリが自動的に終了します。アイコンが暗くなり、タップしても「時間制限」というメッセージが表示されます。
ただし、パスコードを設定していない場合は、「制限を無視」などのボタンで簡単に延長できてしまいます。
Q4. パスコードを忘れたらどうする?
iPhoneの場合、スクリーンタイムのパスコード設定時にApple IDを登録していれば、Apple IDとパスワードを使ってリセットできます。
登録していなかった場合は、iPhoneを初期化するしか方法がありません。
Q5. 複数のデバイスで使用時間を合算できる?
iPhoneの場合、「デバイス間で共有」をオンにすると、同じApple IDでサインインしているすべてのデバイス(iPhone、iPad、Mac)の使用時間を合計して表示できます。
Androidも、同じGoogleアカウントでログインしているデバイス間で共有できます。
Q6. 子どもが勝手に設定を変更しないようにできる?
できます。パスコードを設定すれば、スクリーンタイムの設定変更や制限の解除にパスコードが必要になります。
また、iPhoneのファミリー共有やAndroidのファミリーリンクを使えば、親のデバイスからしか設定を変更できなくなります。
Q7. 通話やメッセージも制限される?
休止時間を設定した場合でも、電話とメッセージは基本的に使えます。
ただし、「常に許可」の設定で電話やメッセージを外すと、それらも制限されます。緊急連絡ができなくなるため、通常は外さない方が良いでしょう。
Q8. ゲームだけ制限することはできる?
はい、できます。「ゲーム」カテゴリ全体に制限をかけることもできますし、特定のゲームアプリだけを選んで制限することもできます。
まとめ
スクリーンタイムとは、スマホの使用時間を確認したり、アプリの利用を制限したりできる機能です。
iPhoneでは「スクリーンタイム」、Androidでは「Digital Wellbeing」という名称で、それぞれ標準搭載されています。どちらも無料で利用できます。
主な機能は、使用時間の確認(どのアプリを何時間使ったか)と、使用時間の制限(アプリごとに1日の上限を設定、特定時間帯の休止時間設定など)です。
メリットとしては、スマホ依存の防止、時間の有効活用、子どものスマホ管理、睡眠の質向上、目の健康維持などがあります。
設定方法は、iPhone・Androidともに「設定」アプリから簡単に行えます。子どものスマホを管理したい場合は、iPhoneはファミリー共有、Androidはファミリーリンクを使います。
注意点として、パスコードを設定しないと制限を簡単に解除できること、子どもに制限をかける際はコミュニケーションが大切なことを覚えておきましょう。
スマホの使いすぎが気になる方、お子さんのスマホ利用を管理したい方は、ぜひスクリーンタイム機能を活用してみてください。自分や家族のスマホとの健全な付き合い方が見つかるはずです!

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