子どもにAndroidスマホを持たせたいけど、「使いすぎてしまわないか」「不適切なコンテンツを見てしまわないか」「高額な課金をしてしまわないか」――そんな不安を抱えていませんか?
現代の子どもたちにとって、スマートフォンは学習ツールでもあり、友人とのコミュニケーション手段でもあります。しかし、適切な管理がなければ、スマホ依存や有害コンテンツへの接触、予期せぬトラブルに巻き込まれるリスクもあります。
そこで活用したいのがペアレンタルコントロールです。Androidでは、Googleが提供する無料アプリ「Googleファミリーリンク」を使うことで、保護者が子どものスマホ利用を適切に管理できます。
この記事では、Androidのペアレンタルコントロールについて、設定方法から具体的な使い方まで、スマホ操作が苦手な方でも分かるように詳しく解説します。
- ペアレンタルコントロールとは?
- Androidでのペアレンタルコントロール方法
- Googleファミリーリンクとは?
- 初期設定方法
- Googleファミリーリンクの使い方
- 利用時間の制限方法
- アプリの管理方法
- コンテンツフィルタの設定
- 位置情報の確認方法
- トラブルシューティング
- 管理機能の解除方法
- ペアレンタルコントロールを設定する際のポイント
- よくある質問
- Q1:ペアレンタルコントロールは何歳まで必要?
- Q2:子どもが時刻を変更して制限を回避できる?
- Q3:ファミリーリンクは複数の子どもを管理できる?
- Q4:子どものメッセージやSNSの内容を見られる?
- Q5:Wi-Fiがない場所でも位置情報は確認できる?
- Q6:子どもがファミリーリンクアプリを削除できる?
- Q7:無料アプリのダウンロードも承認が必要?
- Q8:YouTubeの視聴履歴は確認できる?
- Q9:学校から配られたタブレットにも設定できる?
- Q10:兄弟で1つのスマホを共有している場合は?
- Q11:ファミリーリンクを使うとデータ通信量は増える?
- Q12:ゲーム内課金も制限できる?
- Q13:位置情報の精度はどのくらい?
- Q14:13歳になったら自動的に制限が解除される?
- まとめ
ペアレンタルコントロールとは?

基本知識
ペアレンタルコントロール(Parental Control) とは、保護者が子どものデジタル機器の使用を管理・制限できる機能のことです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 英語の意味 | Parental(親の)+ Control(管理) |
| 日本語の略称 | ペアコン |
| 対象デバイス | スマホ、タブレット、パソコン、ゲーム機など |
| 主な目的 | 子どもを有害コンテンツやネット依存から守る |
なぜペアレンタルコントロールが必要なのか
子どもがスマホを使う上でのリスク
- スマホ依存・使いすぎ
- 学習時間の減少
- 睡眠不足
- 視力低下
- コミュニケーション能力の低下
- 有害コンテンツへの接触
- 暴力的な動画や画像
- 性的なコンテンツ
- 誤った情報・フェイクニュース
- 課金トラブル
- ゲームアプリでの高額課金
- 意図しない購入
- 個人情報の漏洩
- SNSでの個人情報公開
- 知らない人とのやり取り
- ネットいじめ・犯罪被害
- SNSでのいじめ
- 出会い系トラブル
ペアレンタルコントロールは、これらのリスクから子どもを守るための「デジタル時代の見守り役」なのです。
Androidでのペアレンタルコントロール方法
2つの方法
Androidには、ペアレンタルコントロールを設定する方法が2つあります。
方法1:Googleファミリーリンク(推奨)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | Google公式 |
| 料金 | 無料 |
| 主な機能 | 利用時間制限、アプリ管理、位置情報確認、コンテンツフィルタ |
| 対象年齢 | すべての年齢(13歳未満は特に推奨) |
| 管理方法 | 保護者のスマホから遠隔管理 |
方法2:Android本体の設定(Android 16以降)
2025年12月にAndroid 16で、本体に「ペアレンタルコントロール」機能が統合されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象OS | Android 16以降 |
| 設定場所 | 設定 → ペアレンタルコントロール |
| 特徴 | 子どものデバイス上で直接設定、PINで保護 |
| 管理方法 | 子どものデバイスで設定(遠隔管理不可) |
どちらを選ぶべき?
- Googleファミリーリンク:保護者のスマホから遠隔管理したい、位置情報を確認したい、より高度な機能を使いたい
- Android本体の設定:シンプルに利用時間だけ制限したい、子どものデバイスを直接管理できる
この記事では、より多くの機能が使えるGoogleファミリーリンクを中心に解説します。
Googleファミリーリンクとは?
概要
Googleファミリーリンク は、Google公式の無料ペアレンタルコントロールアプリです。
特徴
- 完全無料
- 保護者のスマホ(iPhone・Android両対応)から子どものAndroidスマホを管理
- リアルタイムで利用状況を確認
- 位置情報の把握
- 遠隔操作でのデバイスロック
できること・できないこと
できること
| 機能カテゴリ | 具体的な内容 |
|---|---|
| 利用時間管理 | 1日の利用時間上限設定、休息時間(おやすみ時間)設定、スクールタイム設定、アプリごとの利用時間制限 |
| アプリ管理 | アプリのダウンロード・購入の承認制、アプリのブロック、アプリごとの時間制限、「無制限使用」アプリの指定 |
| コンテンツフィルタ | Google検索のセーフサーチ、Chrome・Google Play・YouTubeの年齢制限、不適切なサイトのブロック |
| 位置情報 | 子どものデバイスの現在地確認、特定の場所への到着・出発通知、デバイスの着信音を鳴らす、バッテリー残量確認 |
| アカウント管理 | パスワードの変更・再設定、個人情報の編集、アカウントの削除 |
できないこと
- 子どもの画面に表示されている内容をリアルタイムで見る
- メッセージやSNSの内容を確認する
- 検索履歴の詳細確認
- バックグラウンドで動作しているアプリの時間測定
- 100%完全な有害コンテンツのブロック(フィルタは完璧ではない)
対応デバイス・バージョン
保護者のデバイス
- Android 5.0(Lollipop)以降
- iPhone(iOS 11以降)
子どものデバイス
- Android 7.0(Nougat)以降
- Chromebook
確認方法
設定 → システム → デバイス情報 → Androidバージョン
初期設定方法
事前準備
必要なもの
- 保護者のGoogleアカウント(既存のものでOK)
- 子どものGoogleアカウント
- 13歳未満:保護者が作成
- 13歳以上:子ども自身で作成可能
- 保護者のスマホ(iPhone・Android)
- 子どものAndroidスマホ
- インターネット接続
重要な注意点
- 学校や職場で提供されたGoogleアカウントは使用不可
- 個人のGoogleアカウントが必要
- 保護者のクレジットカード情報(13歳未満の子どものアカウント作成時)
子どもの年齢による設定の違い
| 年齢 | アカウント作成 | 管理機能の解除 |
|---|---|---|
| 13歳未満 | 保護者が作成必須 | 保護者のみ可能 |
| 13歳以上 | 子ども自身で作成可能 | 13歳になると子どもが選択可能 |
【13歳未満】新規アカウント作成+ファミリーリンク設定
手順1:保護者のスマホにアプリをインストール
- Google Playストアまたは App Storeで「Google ファミリーリンク 保護者向け」を検索
- アプリをインストール
- 保護者のGoogleアカウントでログイン
手順2:子どものアカウントを作成
- ファミリーリンクアプリを開く
- 「お子様のアカウントを作成」をタップ
- 子どもの名前を入力
- 子どもの生年月日を入力
- 子ども用のGmailアドレスを作成
- 子ども用のパスワードを設定
- 保護者のGoogleアカウントのパスワードを入力して確認
- 保護者のクレジットカード情報を入力(本人確認のため、課金はされない)
- 利用規約に同意
手順3:子どものスマホで設定
- 子どものAndroidスマホで、作成したGoogleアカウントでログイン
- 「管理機能について」の説明を子どもと一緒に確認
- 子どものアカウントのパスワードを入力
- 「アカウントがリンクされています」と表示されたら連携完了
- 「次へ」をタップして、アプリの管理や購入に関する初期設定を行う
手順4:保護者のスマホに子ども用ファミリーリンクアプリをインストール
子どものスマホに「ファミリーリンクのインストール」と表示されたら、タップすると保護者のスマホに自動でアプリがインストールされます。
これで、保護者のスマホから子どものスマホを管理できるようになります。
【13歳以上】既存アカウントにファミリーリンク設定
13歳以上の子どもが既にGoogleアカウントを持っている場合、そのアカウントに管理機能を追加できます。
重要:子どものスマホで操作が必要
手順1:子どものスマホで設定を開始
- 子どものAndroidスマホで「設定」を開く
- 「Digital Wellbeingと保護者による使用制限」をタップ
- 「保護者による使用制限」または「保護者を設定」をタップ
- 「開始する」をタップ
手順2:保護者のGoogleアカウントを追加
- 子どものGoogleアカウントを選択、または「お子様のアカウントの追加または作成」をタップ
- 画面の指示に従ってアカウントを追加
- 管理に使用する保護者のGoogleアカウントを入力して「次へ」
- 保護者のGoogleアカウントのパスワードを入力して「次へ」
手順3:管理機能について確認
- 「管理機能について」という画面が表示される
- 内容を子どもと一緒に確認
- 下部のパスワード入力欄に、子どものGoogleアカウントのパスワードを入力
- 「同意する」をタップ
手順4:保護者のスマホでファミリーリンクアプリをインストール
- 保護者のスマホにGoogle Playストアまたは App Storeで「Google ファミリーリンク 保護者向け」をインストール
- 保護者のGoogleアカウントでログイン
- 子どものアカウントが表示される
これで設定完了です。
セットアップ時の確認事項
初期設定で選択できる項目
- アプリの管理
- Google Playからのダウンロード・購入を承認制にするか
- フィルタ設定
- Google Play の年齢制限
- Google検索のセーフサーチ
- Chrome・YouTubeのフィルタ
後から変更可能
初期設定で選んだ内容は、後から保護者のファミリーリンクアプリで自由に変更できます。
Googleファミリーリンクの使い方
保護者のスマホでファミリーリンクアプリを開くと、3つのタブが表示されます。
ハイライトタブ:利用状況の確認
確認できる情報
- 今日の利用時間
- 子どものスマホを今日何時間使ったか
- アプリごとの利用時間ランキング
- 最もよく使っているアプリ
- どのアプリを最も使っているか
- 現在地
- 子どものスマホの位置情報(マップ表示)
- バッテリー残量
- 週間レポート
- 1日あたりの平均利用時間
- 週ごとの利用傾向
- 最も使用したアプリ
注意点
- 表示されるのは、アプリが画面に表示されている時間のみ
- バックグラウンドで動作している時間は含まれない
管理タブ:制限や設定の変更
主要機能一覧
- 利用時間の上限
- 休息時間(おやすみ時間)
- スクールタイム
- アプリの管理
- コンテンツの制限
- アカウント設定
位置情報タブ:子どもの居場所確認
できること
- 子どものスマホの現在地を地図上で確認
- 特定の場所への到着・出発時に通知を受け取る
- スマホの着信音を鳴らす
- バッテリー残量の確認
注意点
- 子どものデバイスがオフラインの場合、位置情報は更新されない
- GPSの精度により、数メートル~数十メートルの誤差が生じることがある
利用時間の制限方法
1日の利用時間上限を設定
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 画面左上で子どもを選択
- 画面下部の「利用時間」→「利用時間の上限」をタップ
- 「1日の利用時間の上限」をオンにする
- 「週間スケジュール」をタップ
- 初回設定の場合、「各曜日を編集」をタップ
- 曜日を選択
- 利用時間の上限を入力(例:平日2時間、休日3時間)
- すべての曜日に同じ設定を適用する場合は「すべての曜日に適用」→「完了」
設定例
| 曜日 | 推奨利用時間 |
|---|---|
| 月~金(平日) | 1~2時間 |
| 土・日(休日) | 2~3時間 |
上限に達すると
- 子どものスマホが自動的にロックされる
- 通話は引き続き可能
- 「無制限使用」に設定したアプリは使用可能
休息時間(おやすみ時間)を設定
就寝時間や食事時間など、スマホを使わせたくない時間帯を設定できます。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「利用時間」→「利用時間の上限」をタップ
- 「休息時間」をタップ
- 曜日ごとに開始時刻と終了時刻を設定
設定例
| 時間帯 | 設定内容 |
|---|---|
| 就寝時間 | 21:00~翌朝7:00 |
| 食事時間 | 12:00~13:00、18:00~19:00 |
| 勉強時間 | 放課後の特定時間帯 |
休息時間中
- スマホがロックされる
- 通話は可能
- 「無制限使用」アプリも使用不可(1日の利用時間上限と異なる点)
スクールタイム(学校時間)を設定
学校にいる時間帯に、通知をサイレントにして集中できるようにします。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「管理」タブを開く
- 「スクールタイム」をタップ
- 時間帯を設定
スクールタイム中の動作
- 通知がサイレントになる
- 特定のアプリのみ使用可能に設定できる
- 通話は可能
アプリごとの利用時間制限
特定のアプリだけ時間制限を設けることができます。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「管理」タブ → 「アプリの制限」
- 制限したいアプリを選択
- 1日の利用時間を設定
活用例
- ゲームアプリ:1日30分まで
- SNSアプリ:1日1時間まで
- 学習アプリ:無制限
- 連絡用アプリ:無制限
ボーナスタイム(追加時間)を付与
1日の利用時間上限や休息時間の設定を変更せずに、一時的に追加の時間を与えられます。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「管理」タブ → 「今すぐロック」の横にある「ボーナスタイム」
- 追加する時間を選択(15分、30分、1時間など)
使用例
- 宿題を早く終えたご褒美
- 長距離移動中
- 特別なイベントの日
デバイスのリモートロック
食事中や外出時など、すぐにスマホを使わせたくない時に遠隔でロックできます。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「管理」タブ → 「今すぐロック」をタップ
ロック解除
保護者のアプリから「ロック解除」をタップ
アプリの管理方法
アプリのダウンロード・購入の承認制
子どもが新しいアプリをダウンロードする際に、保護者の承認が必要になるよう設定できます。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「管理」タブ → 「Google Playでの使用制限」
- 「購入とダウンロードの承認」をタップ
- 承認が必要な範囲を選択
- すべてのコンテンツ
- 有料コンテンツのみ
- 承認不要
承認フロー
- 子どもがGoogle Playでアプリをダウンロードしようとする
- 保護者のスマホに通知が届く
- 保護者がアプリの内容を確認
- 「承認」または「ブロック」を選択
- 承認したアプリだけがダウンロードされる
アプリのブロック
既にインストールされているアプリの使用を禁止できます。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「ハイライト」タブでアプリ一覧を表示
- ブロックしたいアプリをタップ
- 「アプリを許可」のスイッチをオフにする
ブロックされたアプリ
- 子どものスマホで起動できなくなる
- アプリアイコンは表示されたまま(削除はされない)
無制限使用アプリの設定
学習アプリや連絡用アプリなど、時間制限なしで使わせたいアプリを指定できます。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「ハイライト」タブでアプリ一覧を表示
- 無制限にしたいアプリをタップ
- 「無制限使用」のスイッチをオンにする
注意点
- 1日の利用時間上限に達した後も使用可能
- ただし、休息時間中は使用不可
コンテンツフィルタの設定
Google Playの年齢制限
Google Playストアで表示されるアプリ、映画、書籍などの年齢制限を設定できます。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「管理」タブ → 「Google Playでの使用制限」
- 各カテゴリの年齢制限を設定
- アプリとゲーム:3歳以上、7歳以上、12歳以上、16歳以上、18歳以上、すべて許可
- 映画:G、PG、PG-12、R15+、R18+、すべて許可
- TV番組:すべての年齢、7歳以上、12歳以上、15歳以上、18歳以上
- 書籍:すべての本を許可、成人向けコンテンツを非表示
Google検索のセーフサーチ
Google検索で露骨な表現を含む結果をフィルタリングします。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「管理」タブ → 「Googleアカウントの設定」
- 「フィルタ」→「Google検索」
- 「セーフサーチ」をオンにする
Chromeのウェブサイト制限
Chrome ブラウザで閲覧できるサイトを制限できます。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「管理」タブ → 「Googleアカウントの設定」
- 「フィルタ」→「Google Chrome」
- 以下のいずれかを選択
- すべてのサイトを許可する
- 成人向けサイトをブロックする(推奨)
- 承認したサイトのみ許可する
特定のサイトをブロック
「成人向けサイトをブロックする」を選択した場合、追加でブロックしたいサイトを指定できます。
- 「サイトを管理」をタップ
- 「ブロック済み」タブで「追加」
- ブロックしたいサイトのURLを入力
特定のサイトを常に許可
- 「サイトを管理」をタップ
- 「承認済み」タブで「追加」
- 許可したいサイトのURLを入力
YouTubeの視聴制限
YouTubeで視聴できるコンテンツを制限できます。
12歳以下の場合:YouTube Kidsを使用
- 子どものスマホにYouTube Kidsアプリをインストール
- 保護者のファミリーリンクアプリで設定
- 年齢に応じたコンテンツレベルを選択
- 未就学児向け(4歳以下)
- 小学校低学年向け(5~8歳)
- 小学校高学年向け(9~12歳)
13歳以上の場合:YouTubeの制限付きモード
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「管理」タブ → 「Googleアカウントの設定」
- 「フィルタ」→「YouTube」
- コンテンツ設定を選択
- YouTube Kids のみ
- 制限付きYouTube
- 標準のYouTube
位置情報の確認方法
現在地の確認
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「位置情報」タブをタップ
- 地図上に子どものスマホの現在地が表示される
確認できる情報
- 現在地(地図表示)
- 最終更新時刻
- バッテリー残量
注意点
- 子どものデバイスの電源が入っていること
- インターネットに接続されていること
- 位置情報サービスがオンになっていること
- 上記の条件を満たしていないと、最後に確認できた位置が表示される
到着・出発の通知設定
特定の場所(自宅、学校など)に到着したとき、または出発したときに通知を受け取れます。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「位置情報」タブ → 「通知」
- 「場所を追加」をタップ
- 地図上で場所を選択、または住所を検索
- 通知の種類を選択
- 到着時に通知
- 出発時に通知
- 両方
- 通知範囲(半径)を設定
活用例
- 学校に到着したら通知
- 塾を出発したら通知
- 友達の家に到着したら通知
スマホの着信音を鳴らす
子どものスマホが見つからない時に、遠隔で着信音を鳴らせます。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「位置情報」タブ → 「スマートフォンの音を鳴らす」をタップ
動作
- 最大音量で着信音が5分間鳴る
- マナーモード中でも鳴る
トラブルシューティング
子どものスマホがロックされない
原因と対処法
1. インターネット接続の問題
- 子どものスマホがWi-Fiまたはモバイルデータに接続されているか確認
- 機内モードになっていないか確認
2. ファミリーリンクアプリの問題
- 子どものスマホで「Google ファミリーリンク 保護者による使用制限」アプリが正しくインストールされているか確認
- アプリを最新バージョンにアップデート
3. 時刻設定の問題
- 子どものスマホの日時設定が自動設定になっているか確認
- 設定 → システム → 日付と時刻 → 「日付と時刻の自動設定」をオンにする
4. システムアプリの問題
- システムアプリ(電話、メッセージなど)には時間制限を設定できない
位置情報が更新されない
原因と対処法
1. 位置情報サービスがオフ
- 子どものスマホで位置情報がオンになっているか確認
- 設定 → 位置情報 → オンにする
2. バッテリー節約モードの影響
- バッテリー節約モード中は位置情報の更新頻度が下がる
- 位置情報が重要な場合は、バッテリー節約モードを解除
3. GPSの精度問題
- 屋内や高層ビルの間では精度が落ちる
- 数メートル~数十メートルの誤差は正常
4. インターネット接続の問題
- Wi-Fiまたはモバイルデータに接続されているか確認
アプリのダウンロード承認通知が届かない
原因と対処法
1. 保護者のスマホの通知設定
- ファミリーリンクアプリの通知がオンになっているか確認
- Android:設定 → アプリ → ファミリーリンク → 通知 → オンにする
- iPhone:設定 → 通知 → ファミリーリンク → 通知を許可 → オンにする
2. インターネット接続
- 保護者・子どものスマホ両方がインターネットに接続されているか確認
3. 承認設定の確認
- ファミリーリンクアプリで「購入とダウンロードの承認」が有効になっているか確認
ファミリーリンクが削除できない
仕様
子どものスマホからファミリーリンクアプリを削除するには、保護者の認証が必要です。これは子どもが勝手に管理機能を解除できないようにするためです。
削除方法
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 「管理」タブ → 「アカウント設定」
- 「ファミリーリンクの管理機能を停止」
利用時間の上限が勝手にリセットされる
原因
子どものスマホの時刻設定が手動になっていて、時刻を変更している可能性があります。
対処法
- 利用時間制限を有効にしている間は、子どものスマホの時刻変更を禁止する
- 設定 → システム → 日付と時刻 → 「日付と時刻の自動設定」をオンにする
- 手動で時刻変更できないようにする
管理機能の解除方法
13歳未満の場合
13歳未満の子どものアカウントは、保護者のみが管理機能を解除できます。
手順
- 保護者のファミリーリンクアプリを開く
- 子どもを選択
- 画面右上の「設定」(歯車アイコン)をタップ
- 「アカウント情報」→「ファミリーリンクの管理機能を停止」をタップ
- 確認画面で「停止」をタップ
- 保護者のGoogleアカウントのパスワードを入力
注意
- 管理機能を停止すると、子どものGoogleアカウント自体も削除される
- 削除後は復元できない
13歳以上の場合
13歳になると、子ども自身が管理機能を解除できるようになります。
保護者が解除する場合
上記の13歳未満の手順と同じ(ただし、アカウントは削除されない)
子ども自身が解除する場合
- 子どものスマホでファミリーリンクアプリを開く
- 画面右上の「設定」をタップ
- 「アカウント情報」→「ファミリーリンクの管理機能を停止」
- 画面の指示に従って解除
解除後
- すべての制限が解除される
- 保護者・子ども両方にメール通知が届く
- 位置情報の共有も停止される
ペアレンタルコントロールを設定する際のポイント
子どもと話し合う
重要性
ペアレンタルコントロールを一方的に設定すると、子どもの反発を招くことがあります。設定前に必ず話し合いましょう。
話し合うべき内容
- なぜペアレンタルコントロールが必要か
- スマホ依存のリスク
- 有害コンテンツの危険性
- ネットトラブルの実例
- ルールを一緒に決める
- 1日の利用時間
- 休息時間
- 使用を許可するアプリ
- 守れなかった場合のペナルティ
- 段階的に自由度を上げる
- 小学生:厳しめの制限
- 中学生:少しずつ緩和
- 高校生:自己管理を促す
年齢に応じた設定
小学校低学年(6~8歳)
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| 1日の利用時間 | 30分~1時間 |
| 休息時間 | 20:00~翌朝7:00 |
| アプリダウンロード | 保護者の承認必須 |
| YouTube | YouTube Kids のみ |
| Chrome | 承認したサイトのみ |
小学校高学年(9~12歳)
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| 1日の利用時間 | 1~2時間 |
| 休息時間 | 21:00~翌朝7:00 |
| アプリダウンロード | 保護者の承認必須 |
| YouTube | YouTube Kids または制限付きYouTube |
| Chrome | 成人向けサイトをブロック |
中学生(13~15歳)
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| 1日の利用時間 | 2~3時間 |
| 休息時間 | 22:00~翌朝6:00 |
| アプリダウンロード | 有料コンテンツのみ承認 |
| YouTube | 制限付きYouTube |
| Chrome | 成人向けサイトをブロック |
高校生(16~18歳)
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| 1日の利用時間 | 3~4時間(または自己管理) |
| 休息時間 | 23:00~翌朝6:00 |
| アプリダウンロード | 承認不要(話し合いで決定) |
| YouTube | 標準のYouTube |
| Chrome | 成人向けサイトをブロック |
柔軟に対応する
ルールは見直す
- 子どもの成長に合わせて制限を緩和
- 学習アプリなど有益なものは積極的に許可
- 長期休暇は平日より少し緩めに設定
ご褒美としてボーナスタイムを活用
- テストで良い点を取った
- 家事を手伝った
- 宿題を早く終えた
プライバシーに配慮する
やりすぎ注意
- メッセージの内容まで監視しすぎない
- 子どもの自主性を尊重する
- 信頼関係を大切にする
子どもの意見を聞く
- 「この設定は厳しすぎる」という意見があれば話し合う
- 一方的な管理ではなく、対話を重視
よくある質問
Q1:ペアレンタルコントロールは何歳まで必要?
A: 明確な年齢制限はありませんが、一般的には高校卒業(18歳)までが目安です。ただし、子どもの成熟度やスマホの使い方によって異なります。中学生頃から段階的に制限を緩め、高校生では自己管理を促すアプローチが推奨されます。
Q2:子どもが時刻を変更して制限を回避できる?
A: 利用時間制限を有効にしている間は、子どものデバイスの時刻を変更できないように設定されます。設定 → システム → 日付と時刻で「日付と時刻の自動設定」がオンになっていれば、手動で時刻変更できません。
Q3:ファミリーリンクは複数の子どもを管理できる?
A: はい、1つの保護者アカウントで複数の子どものアカウントを管理できます。ファミリーリンクアプリで「+」ボタンをタップして、子どもを追加できます。子どもごとに異なる制限設定が可能です。
Q4:子どものメッセージやSNSの内容を見られる?
A: いいえ、Googleファミリーリンクでは、メッセージやSNSの内容を直接確認することはできません。利用時間やアプリの使用状況は確認できますが、具体的な通信内容やプライバシーに関わる情報は見られません。
Q5:Wi-Fiがない場所でも位置情報は確認できる?
A: はい、モバイルデータ通信に接続されていれば確認できます。ただし、インターネットに全く接続されていない場合(機内モードやデータ通信オフ)は、最後に確認できた位置が表示されます。
Q6:子どもがファミリーリンクアプリを削除できる?
A: いいえ、子どものスマホからファミリーリンクアプリを削除するには、保護者の認証が必要です。これにより、子どもが勝手に管理機能を解除できないようになっています。
Q7:無料アプリのダウンロードも承認が必要?
A: 設定次第です。「購入とダウンロードの承認」で以下から選択できます:
- すべてのコンテンツ(無料・有料すべて)
- 有料コンテンツのみ
- 承認不要
小学生の場合は「すべてのコンテンツ」、中学生以上は「有料コンテンツのみ」が推奨されます。
Q8:YouTubeの視聴履歴は確認できる?
A: Googleファミリーリンクでは、YouTubeの視聴履歴を直接確認することはできません。ただし、YouTubeアプリの利用時間は確認できます。より詳細な管理が必要な場合は、YouTube Kidsの使用を検討してください。
Q9:学校から配られたタブレットにも設定できる?
A: 学校や職場で提供されたアカウント(Google Workspace for Educationなど)では、ファミリーリンクを使用できません。個人のGoogleアカウントのみが対象です。学校デバイスの管理については、学校の方針に従ってください。
Q10:兄弟で1つのスマホを共有している場合は?
A: Androidでは、複数のユーザーアカウントを作成できます。兄弟それぞれにGoogleアカウントを作成し、スマホ上で切り替えて使用できます。ただし、ファミリーリンクの制限は、ログインしているアカウントに対して適用されます。
Q11:ファミリーリンクを使うとデータ通信量は増える?
A: ほとんど増えません。位置情報の同期や設定の更新には最小限のデータしか使用しません。ただし、子どものスマホが常にインターネットに接続されている必要があるため、モバイルデータ通信を使用している場合は若干の影響があります。
Q12:ゲーム内課金も制限できる?
A: はい、「購入とダウンロードの承認」で「有料コンテンツのみ」または「すべてのコンテンツ」を選択すると、アプリ内課金も保護者の承認が必要になります。子どもが課金しようとすると、保護者のスマホに通知が届きます。
Q13:位置情報の精度はどのくらい?
A: GPS環境が良好な場合、数メートル程度の精度です。ただし、以下の状況では精度が落ちます:
- 屋内にいる
- 高層ビルの間にいる
- トンネルや地下にいる
- 天候が悪い
一般的な使用では、子どもがどのエリアにいるか(学校、自宅、友達の家など)を把握するには十分な精度です。
Q14:13歳になったら自動的に制限が解除される?
A: いいえ、自動的には解除されません。13歳になると、子ども自身が管理機能を解除する選択肢が与えられますが、保護者と子どもが話し合って決定できます。継続して管理することも可能です。
まとめ
Androidのペアレンタルコントロールについて解説しました。
重要ポイント
- Googleファミリーリンクが最適
- 完全無料
- 保護者のスマホから遠隔管理
- 豊富な機能
- 設定できる主な機能
- 1日の利用時間上限
- 休息時間(おやすみ時間)
- スクールタイム
- アプリごとの時間制限
- アプリのダウンロード承認
- コンテンツフィルタ
- 位置情報確認
- 年齢による違い
- 13歳未満:保護者がアカウント作成必須
- 13歳以上:子ども自身でアカウント作成可能、管理機能の解除も選択可能
- 設定時のポイント
- 必ず子どもと話し合う
- 年齢に応じた適切な制限
- 段階的に自由度を上げる
- プライバシーに配慮
ペアレンタルコントロールの目的
ペアレンタルコントロールの最終目標は、子ども自身が健全なデジタル習慣を身につけることです。単に制限するだけでなく、なぜルールが必要なのかを理解させ、将来的には自己管理できるように導くことが重要です。
まずは始めてみましょう
設定は複雑に見えますが、一度設定してしまえば、後は保護者のスマホから簡単に管理できます。子どもの安全なスマホ利用のために、ぜひGoogleファミリーリンクを活用してください。
さらなる安全対策
ペアレンタルコントロールと併せて、以下も重要です:
- 定期的な対話(スマホの使い方について話す)
- ネットリテラシー教育(情報の真偽を見分ける力)
- 困ったときの相談窓口を伝える
- 保護者自身もスマホの適切な使い方を実践する
子どもの健全なデジタルライフを支援するために、ペアレンタルコントロールを賢く活用しましょう!


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