プログラミングやファイルパスの入力で必要なバックスラッシュ(\)。キーボードを見ても見つからない、入力したはずなのに円マーク(¥)になってしまう――そんな悩みを抱えていませんか?
バックスラッシュは、日本語キーボードでは特殊な入力方法が必要で、Windows、Mac、スマホでそれぞれ異なる手順が求められます。さらに、日本語環境特有の「円マーク問題」も理解しておく必要があります。
この記事では、バックスラッシュの入力方法を、デバイス別・OS別に徹底解説します。初心者にも分かりやすく、画像付きで説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
バックスラッシュとは?

基本知識
バックスラッシュ(backslash) は、スラッシュ(/)を左右反転させたような形の記号「**」です。
| 記号 | 名称 | 英語表記 |
|---|---|---|
| / | スラッシュ | slash / forward slash |
| \ | バックスラッシュ | backslash / reverse slash |
主な用途
1. プログラミング
- エスケープシーケンス:
\n(改行)、\t(タブ) - 正規表現:
\d(数字)、\s(空白) - 文字列のエスケープ:
"これは\"引用符\"です"
2. ファイルパス(Windows)
C:\Users\username\Documents\file.txt
3. コマンドライン
- Windowsのコマンドプロンプト
- バッチファイル
円マーク(¥)との関係
重要:日本語環境の特殊事情
日本語Windowsでは、バックスラッシュと円マーク(¥)は同じ文字コード(U+005C)を使用しています。
表示の違い
| フォントの種類 | 表示 |
|---|---|
| 日本語フォント(MS明朝、MSゴシックなど) | ¥ |
| 欧文フォント(Arial、Calibri、Courier Newなど) | \ |
つまり、入力は同じでも、フォントによって見え方が変わるという特殊な仕様になっています。
Windows でバックスラッシュを入力する方法
全角バックスラッシュ(\)の入力方法
方法1:「すらっしゅ」と入力して変換
- 日本語入力モード(ひらがな入力)にする
- 「すらっしゅ」と入力
- スペースキーで変換
- 変換候補から「\」を選択してEnterキー
方法2:「¥」を入力して変換
- 日本語入力モードで「¥」キー(「ろ」と同じキー)を押す
- スペースキーで変換
- 変換候補から「\」を選択
方法3:「ばっくすらっしゅ」と入力して変換
- 日本語入力モードで「ばっくすらっしゅ」と入力
- スペースキーで変換
- 変換候補から「\」を選択
半角バックスラッシュ(\)の入力方法
基本手順
- 半角英数入力モードに切り替え(「半角/全角」キーを押す)
- キーボードの「¥」キー(右上、Backspaceキーの左隣にある「ろ」と同じキー)を押す
- フォントを欧文フォント(Arial、Calibri、Courier Newなど)に変更
フォントの変更方法(Word/Excel等)
- 入力したバックスラッシュを選択
- フォントを「Arial」「Calibri」「Courier New」などに変更
- 円マーク(¥)がバックスラッシュ(\)に表示変更される
コマンドプロンプトの場合
コマンドプロンプトでは、「¥」キーを押せば自動的にバックスラッシュとして機能します(表示は¥のままでもOK)。
その他の入力方法
Alt + 数字キーで入力
- Altキーを押しながら、テンキーで「92」を入力
- Altキーを離すと、バックスラッシュが入力される
※ノートPCでテンキーがない場合は、NumLockをオンにしてから実行
日本語キーボード(JIS配列)の場合
- 「ろ」キー = 「¥」キー = バックスラッシュのキー
英語キーボード(US配列)の場合
- Enterキーの上にある「**」キーを直接押す
Mac でバックスラッシュを入力する方法
半角バックスラッシュ(\)の入力方法
基本操作
- option(⌥)キーを押しながら、「¥」キーを押す
これだけで半角バックスラッシュが入力できます。
Windowsキーボードを使用している場合
Mac miniなどでWindowsキーボードを接続している場合:
- Altキーを押しながら、「¥」キーを押す
全角バックスラッシュ(\)の入力方法
方法1:「ばっくすらっしゅ」と入力して変換
- 日本語入力で「ばっくすらっしゅ」と入力
- スペースキーで変換
- 変換候補から全角の「\」を選択
方法2:「すらっしゅ」と入力して変換
- 日本語入力で「すらっしゅ」と入力
- スペースキーで変換
- 変換候補から全角の「\」を選択
IME設定を変更して「¥」キーでバックスラッシュを入力
毎回optionキーを押すのが面倒な場合、IMEの設定を変更できます。
macOS標準IME(ことえり)の場合
- 画面右上のメニューバーで、入力ソースを選択
- 「”キーボード”環境設定を開く…」を選択
- 「入力ソース」タブを開く
- 「”¥”キーで入力する文字」を「\(バックスラッシュ)」に変更
Google 日本語入力の場合
- Google日本語入力のメニューから「環境設定」を開く
- 「一般」タブを選択
- 「”¥”キーで入力する文字」を「バックスラッシュ」に変更
iPhone でバックスラッシュを入力する方法
方法1:数字キーから入力(日本語キーボード)
手順
- 日本語キーボードで「☆123」をタップ
- 「9」のキーを右方向にフリック
- バックスラッシュ「**」が入力される
または長押しで選択
- 「9」のキーを長押し
- 表示されるオプションから「**」を選択
方法2:英語キーボードで入力
手順
- キーボードを英語入力に切り替え
- 「123」をタップ
- 「#+=」をタップ
- 「**」キーをタップ
スラッシュから入力
- 「123」をタップ
- 「/」キーを長押し
- 右にスライドして「**」を選択
方法3:「ばっくすらっしゅ」と入力して変換
- 日本語キーボードで「ばっくすらっしゅ」と入力
- 変換候補から半角または全角の「**」を選択
方法4:音声入力
- マイクアイコンをタップして音声入力を起動
- 「バックスラッシュ」と発音
- 自動的に記号が入力される
Android でバックスラッシュを入力する方法
方法1:フリック入力(Gboard)
手順
- キーボードを数字モードに切り替え(「あa1」を2回タップ)
- 「.,-/」キーを長押しして右にフリック
- 変換候補から半角または全角の「\」を選択
方法2:記号一覧から選択
手順
- 「あa1」を2回タップして数字キーボードにする
- 「!?#」キーをタップ
- 「☆」キーをタップ
- 「1?#」キーをタップ
- 「\」キーを選択
方法3:「ばっくすらっしゅ」と入力して変換
- 日本語入力で「ばっくすらっしゅ」と入力
- 変換候補から半角または全角の「\」を選択
方法4:記号キーボードから検索
- 記号キーボードを開く
- 記号の一覧からバックスラッシュを探す
- 見つからない場合は、記号切り替えボタン(「#+=」や「=\<」など)をタップして別ページを確認
プログラミングでの使用例
エスケープシーケンス
# 改行
print("1行目\n2行目")
# タブ
print("項目1\t項目2")
# バックスラッシュ自体を表示
print("C:\\Program Files\\")
正規表現
import re
# 数字にマッチ
pattern = r"\d+"
# 空白にマッチ
pattern = r"\s"
# ドットにマッチ(ドット自体をエスケープ)
pattern = r"\."
ファイルパス
Windows
C:\Users\username\Documents\report.docx
注意:プログラミングではrawストリング(r”…”)を使用
# Pythonでのファイルパス指定
path = r"C:\Users\username\Documents\report.docx"
# または、スラッシュを使用(Windowsでも動作)
path = "C:/Users/username/Documents/report.docx"
# または、バックスラッシュをエスケープ
path = "C:\\Users\\username\\Documents\\report.docx"
トラブルシューティング
問題1:バックスラッシュが円マーク(¥)になる
原因
日本語フォントを使用しているため。
解決方法
- フォントを欧文フォント(Arial、Calibri、Courier Newなど)に変更
- または、そのまま使用(内部的にはバックスラッシュとして正しく処理される)
プログラミングの場合
- コードエディタのフォントを欧文フォントに変更
- 見た目が¥でも、プログラムは正しく動作するため気にしなくてOK
問題2:キーボードに「¥」キーが見つからない
日本語キーボードの場合
- 「ろ」キーと同じ位置(Backspaceキーの左隣)
英語キーボード(US配列)の場合
- Enterキーの上にある「**」キーを直接押す
問題3:Wordでバックスラッシュが円マークに変換される
原因
Wordの「互換性」設定で、バックスラッシュを円マークに変換する機能がオンになっている。
解決方法
- Word の「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「互換性オプション」セクションを探す
- 「バックスラッシュを円記号(¥)に変換する」のチェックを外す
問題4:Mac で option + ¥ が効かない
解決方法
- キーボード設定を確認
- システム環境設定 → キーボード → 入力ソース
- 「”¥”キーで入力する文字」が正しく設定されているか確認
問題5:スマホでバックスラッシュが見つからない
解決方法1:検索してコピペ
- ブラウザで「バックスラッシュ」と検索
- 表示された記号「\」をコピー
- 必要な場所にペースト
解決方法2:顔文字から抽出
- 顔文字「\(^o^)/」などを入力
- バックスラッシュ以外の部分を削除
デバイス・OS別 早見表
Windows
| 全角/半角 | 入力方法 |
|---|---|
| 全角 | 「すらっしゅ」または「ばっくすらっしゅ」と入力して変換 |
| 半角 | 半角モードで「¥」キー → 欧文フォントに変更 |
Mac
| 全角/半角 | 入力方法 |
|---|---|
| 全角 | 「ばっくすらっしゅ」と入力して変換 |
| 半角 | option + ¥キー |
iPhone
| 入力方法 | 手順 |
|---|---|
| 日本語キーボード | 「☆123」→「9」を右フリック |
| 英語キーボード | 「123」→「#+=」→「\」をタップ |
| 変換 | 「ばっくすらっしゅ」と入力して変換 |
Android
| 入力方法 | 手順 |
|---|---|
| フリック | 数字モード→「.,-/」を長押しして右フリック |
| 記号一覧 | 記号キーボードから選択 |
| 変換 | 「ばっくすらっしゅ」と入力して変換 |
よくある質問

Q1:バックスラッシュと円マークは同じもの?
A: 文字コード上は同じ(U+005C)ですが、表示が異なります。日本語フォントでは円マーク(¥)、欧文フォントではバックスラッシュ(\)として表示されます。プログラミングやコマンドラインでは、見た目に関わらず同じように機能します。
Q2:プログラミングで円マーク表示でも問題ない?
A: はい、問題ありません。プログラムは文字コードで認識するため、見た目が円マークでもバックスラッシュとして正しく処理されます。ただし、コードの可読性を考えると、欧文フォントに変更したほうが分かりやすいです。
Q3:全角バックスラッシュと半角バックスラッシュの違いは?
A:
- 半角(\):文字コードU+005C、プログラミングで使用
- 全角(\):文字コードU+FF3C、日本語文書で使用
プログラミングでは必ず半角を使用してください。
Q4:スラッシュとバックスラッシュの違いは?
A:
- スラッシュ(/):左上から右下に傾く、URLやファイルパス(Unix/Linux/Mac)で使用
- バックスラッシュ(\):左下から右上に傾く、Windowsのファイルパスやエスケープ文字で使用
Q5:英語キーボードではどう入力する?
A: 英語キーボード(US配列)では、Enterキーの上にバックスラッシュ専用のキー(「\」と「|」が印字)があります。そのキーを直接押すだけで入力できます。
Q6:コマンドプロンプトで¥が表示されるのはなぜ?
A: 日本語Windowsのコマンドプロンプトでは、フォントの関係で¥と表示されますが、内部的にはバックスラッシュとして正しく処理されています。気にせず使用して問題ありません。
Q7:「ばっくすらっしゅ」と入力しても変換候補に出ない
A: IME(日本語入力システム)によっては、登録されていない場合があります。その場合:
- 「すらっしゅ」と入力して変換
- ユーザー辞書に「ばっくすらっしゅ」=「\」を登録
- 他の入力方法(キーボードから直接入力)を使用
Q8:Macで¥キーを押すと円マークになる
A: option(⌥)キーを押しながら¥キーを押してください。また、IME設定で「¥キーで入力する文字」を「バックスラッシュ」に変更すると、option不要で入力できます。
まとめ
バックスラッシュ(\)の入力方法について解説しました。
入力方法の要点
| デバイス | 半角入力 | 全角入力 |
|---|---|---|
| Windows | 半角モード+「¥」キー→欧文フォント | 「すらっしゅ」と入力して変換 |
| Mac | option + ¥キー | 「ばっくすらっしゅ」と入力して変換 |
| iPhone | 「☆123」→「9」を右フリック | 「ばっくすらっしゅ」と入力して変換 |
| Android | 数字モード→「.,-/」長押し右フリック | 「ばっくすらっしゅ」と入力して変換 |
重要なポイント
- 日本語環境ではバックスラッシュと円マークは同じ文字コード
- フォントによって表示が変わる(日本語フォント=¥、欧文フォント=\)
- プログラミングでは半角バックスラッシュを使用
- 見た目が円マークでもプログラムは正しく動作する
- 全角バックスラッシュは文書作成用、半角はコーディング用
困ったときの解決策
- Windows:「すらっしゅ」と入力して変換(全角)、「¥」キー+欧文フォント(半角)
- Mac:option + ¥キー(半角)
- スマホ:「ばっくすらっしゅ」と入力して変換
バックスラッシュは、プログラミングやシステム管理で欠かせない記号です。この記事を参考に、お使いのデバイスで適切に入力できるようになりましょう!

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