「パスワードを覚えるのが大変」「毎回入力するのが面倒」「もっと安全にログインしたい」
こんな悩み、ありませんか?
Androidには「パスキー」という、パスワードに代わる次世代の認証方法があります。
この記事では、パスキーの基本から設定方法、メリット・デメリットまで詳しく解説します。
Androidパスキーとは?基本を理解しよう

パスキーとは、パスワードの代わりに指紋認証や顔認証でログインできる新しい認証方法です。
パスキーの仕組み
パスキーは、暗号化技術を使った次世代の認証システムです。
従来のパスワード認証:
- ユーザー名とパスワードを入力
- サーバーに送信して照合
- 一致すればログイン成功
パスキー認証:
- 指紋や顔をスキャン(またはPIN入力)
- デバイスに保存された秘密鍵で暗号化
- サーバーの公開鍵と照合
- 一致すればログイン成功
パスワードそのものは送信されないため、非常に安全です。
パスワードとの違い
パスキーとパスワードの大きな違いを見てみましょう。
| 項目 | パスワード | パスキー |
|---|---|---|
| 覚える必要 | あり | なし |
| 入力の手間 | 毎回入力 | 指紋・顔認証のみ |
| フィッシング詐欺 | 危険性あり | ほぼ不可能 |
| 使い回し | 可能(危険) | 不可能(安全) |
| 漏洩リスク | あり | 極めて低い |
| 生体認証 | 不要 | 必要 |
パスキーは、セキュリティと利便性の両方を兼ね備えています。
パスキーが安全な理由
パスキーは、従来のパスワードより圧倒的に安全です。
1. フィッシング詐欺に強い
パスキーは、サービスごとに自動生成されます。
偽サイトでは使えないため、フィッシング詐欺の被害を防げます。
2. パスワードの使い回しができない
パスキーは、サイトやアプリごとに固有のものが作られます。
他のサービスで悪用されることがありません。
3. 盗まれにくい
パスキーの秘密鍵は、デバイスに暗号化されて保存されます。
生体認証がないとアクセスできません。
4. サーバーに保存されない
パスワードはサーバーに保存されますが、パスキーの秘密鍵はデバイスにのみ保存されます。
サーバーがハッキングされても、パスキーは盗まれません。
Androidでパスキーを使うための条件
対応端末
パスキーを使うには、以下の条件を満たす必要があります。
必須条件:
- Android 9.0以降のスマホ・タブレット
- 画面ロック機能が設定されている
- 指紋認証、顔認証、PIN、パターンのいずれか
推奨条件:
- Android 14以降(より使いやすい)
- 生体認証機能(指紋・顔認証)がある
対応サービス
パスキーは、サービス側も対応している必要があります。
パスキー対応の主なサービス(2025年12月時点):
- Google関連:Googleアカウント、Gmail、YouTube、Google ドライブ
- SNS:Twitter(X)、LinkedIn
- ECサイト:Amazon、eBay、Shopify
- 金融:PayPal、Coinbase、Binance
- その他:Dropbox、GitHub、Microsoft、1Password
対応サービスは今後も増え続けています。
必要な設定
パスキーを使う前に、以下の設定を確認しましょう。
1. 画面ロックの設定
パスキーは、画面ロックと連動して動作します。
確認方法:
- 設定 → セキュリティ → 画面ロック
- PIN、パターン、指紋、顔認証のいずれかを設定
2. 最新のGoogle Playサービス
パスキーには、最新のGoogle Playサービスが必要です。
確認方法:
- Google Play ストアで「Google Play開発者サービス」を検索
- 「更新」ボタンがあれば更新
Googleアカウントでパスキーを設定する方法
自動作成されたパスキーを確認
Android端末でGoogleアカウントにログインしていると、パスキーが自動作成されている場合があります。
確認手順:
- Chromeブラウザで以下のURLにアクセス
- https://g.co/passkeys
- 「自動的に作成されたパスキー」を確認
- 自分のスマホ名が表示されていれば、すでにパスキーが作成されている
- パスキーがない場合
- 次の手順で手動作成
手動でパスキーを作成
自動作成されていない場合は、手動で作成できます。
手順:
- Chromeブラウザでパスキー作成ページにアクセス
- https://g.co/passkeys
- 「パスキーを作成」をタップ
- 本人確認
- Googleアカウントのパスワードを入力
- または2段階認証を完了
- 画面ロックで認証
- 指紋認証、顔認証、またはPINで認証
- 作成完了
- 「パスキーが作成されました」と表示される
パスキーでログインする方法
パスキーを作成したら、次回からパスキーでログインできます。
同じAndroid端末でのログイン:
- Googleアカウントのログイン画面を開く
- メールアドレスを入力
- 「続行」をタップ
- パスキーでのログイン画面が表示される
- 生体認証で認証
- 指紋または顔をスキャン
- ログイン完了
別の端末(PCなど)からのログイン:
- PCのGoogleログイン画面でメールアドレスを入力
- パスワード欄の下の「別の方法を試す」をクリック
- 「パスキーを使用」をクリック
- QRコードが表示される
- Android端末でQRコードをスキャン
- カメラアプリまたはGoogleレンズを使用
- 「QRコードを使用する」をタップ
- Android端末で生体認証
- PCでログイン完了
注意:
QRコードを使う場合、両方のデバイスでBluetoothをオンにしておく必要があります。
アプリやサービスでパスキーを設定する方法

一般的な設定手順
パスキー対応のアプリやウェブサイトでの設定方法は、ほぼ共通です。
新規アカウント作成時:
- アプリまたはウェブサイトを開く
- 新規登録を開始
- パスキーの作成を求められる
- 「パスキーで登録しますか?」などのメッセージ
- 「続行」または「作成」をタップ
- 画面ロックで認証
- 指紋、顔認証、またはPIN
- パスキーが保存される
既存アカウントにパスキーを追加:
- ユーザー名とパスワードでログイン
- アカウント設定またはセキュリティ設定を開く
- 「パスキーを作成」または「パスキーを追加」を選択
- 画面ロックで認証
- パスキーが保存される
パスキーでログインする方法
パスキーを作成したら、次回から簡単にログインできます。
手順:
- アプリまたはウェブサイトのログイン画面を開く
- ユーザー名(メールアドレス)欄をタップ
- 画面下部にパスキーの候補が表示される
- または、キーボード上部に表示
- 候補をタップ
- 画面ロックで認証
- 指紋、顔認証、またはPIN
- ログイン完了
パスワードマネージャーの設定
Googleパスワードマネージャー
Android 9〜13では、パスキーは自動的にGoogleパスワードマネージャーに保存されます。
特徴:
- Android端末間で自動同期
- 同じGoogleアカウントでログインしている端末で利用可能
- 無料
サードパーティ製パスワードマネージャー
Android 14以降では、他のパスワードマネージャーも選択できます。
対応パスワードマネージャー:
- 1Password
- Bitwarden
- Dashlane
- Keeper
- Samsung Pass(Samsung端末)
- NordPass
パスワードマネージャーの選択方法
手順:
- 設定アプリを開く
- 「パスワード、パスキー、アカウント」をタップ
- または「パスワード」で検索
- 使用したいパスワードマネージャーをタップ
- トグルをオンにする
これで、選択したパスワードマネージャーにパスキーが保存されるようになります。
パスキーのメリット
メリット1:セキュリティが格段に向上
パスキーは、パスワードよりも圧倒的に安全です。
具体的なメリット:
- フィッシング詐欺に遭わない
- パスワードの使い回しができない
- 盗聴されても大丈夫
- サーバーハッキングの影響を受けない
メリット2:ログインが超簡単
パスワードを覚える必要も、入力する必要もありません。
従来のログイン:
- メールアドレス入力
- パスワード入力
- 2段階認証コード入力(場合による)
パスキーでのログイン:
- メールアドレス入力(または自動入力)
- 指紋・顔認証
2ステップだけで完了します。
メリット3:パスワード管理の手間がなくなる
パスキーを使えば、以下の手間が不要になります:
- 複雑なパスワードを考える
- パスワードを覚える
- パスワードをメモする
- パスワードを定期的に変更する
メリット4:複数端末で使える
Googleパスワードマネージャーを使えば、同じGoogleアカウントでログインしている他のAndroid端末でもパスキーが使えます。
例:
- スマホで作成したパスキー
- タブレットでも自動的に利用可能
メリット5:2段階認証が不要になる
パスキー自体が強力な認証方法なので、2段階認証なしでも安全です。
従来:
パスワード + 2段階認証コード
パスキー:
パスキー(生体認証)のみ
パスキーのデメリット
デメリット1:対応サービスがまだ限られている
パスキーに対応しているサービスは、まだ多くありません。
現状:
- 大手サービスは徐々に対応
- 中小サービスはまだ未対応が多い
デメリット2:生体認証が必須
指紋認証や顔認証がない端末では、PINやパターンを使う必要があります。
影響:
- 生体認証より手間がかかる
- セキュリティレベルが若干下がる
デメリット3:クロスプラットフォーム同期が限定的
Googleパスワードマネージャーのパスキーは、Android端末間でのみ同期されます。
現状(2025年12月時点):
- Android ↔ Android:◯(自動同期)
- Android ↔ iPhone:△(QRコードで利用可能)
- Android ↔ Windows:△(QRコードで利用可能)
- Android ↔ Mac:△(QRコードで利用可能)
将来:
ChromeプロファイルでのOS間同期が予定されています。
デメリット4:端末を失くすとログインできない
パスキーはデバイスに保存されるため、端末を失くすと問題が発生する可能性があります。
対策:
- Googleパスワードマネージャーを使う(クラウド同期)
- 他の認証方法も設定しておく(パスワードなど)
パスキーの管理方法
作成したパスキーを確認
Googleアカウントのパスキー確認:
- https://g.co/passkeys にアクセス
- 作成したパスキーの一覧が表示される
Androidの設定から確認:
- 設定 → パスワード、パスキー、アカウント
- Googleパスワードマネージャー
- パスキー
パスキーを削除
不要になったパスキーや、失くした端末のパスキーは削除できます。
手順:
- パスキーの一覧を開く
- https://g.co/passkeys
- 削除したいパスキーを選択
- 「削除」または「×」をタップ
- 確認画面で「削除」
自動作成されたパスキーを削除:
自動作成されたパスキーは、デバイスをGoogleアカウントから削除する必要があります。
- Googleアカウントにアクセス
- セキュリティ → デバイスを管理
- 対象デバイスを選択 → サインアウト
よくあるトラブルと解決策
トラブル1:パスキーが作成できない
原因1:画面ロックが設定されていない
解決策:
- 設定 → セキュリティ → 画面ロック
- PIN、パターン、指紋、顔認証のいずれかを設定
原因2:Androidバージョンが古い
解決策:
- Android 9.0以降にアップデート
- アップデートできない場合は、パスキーは使えません
原因3:ブラウザが古い
解決策:
- ChromeやEdgeなどのブラウザを最新版に更新
トラブル2:パスキーでログインできない
原因1:画面ロックが変更された
解決策:
- パスキーを削除して再作成
原因2:デバイスが変わった
解決策:
- 新しいデバイスでパスキーを作成
- またはQRコードを使ってログイン
トラブル3:パスキーの選択肢が表示されない
原因:パスワードマネージャーが無効
解決策:
- 設定 → パスワード、パスキー、アカウント
- Googleパスワードマネージャーのトグルをオン
トラブル4:QRコードでログインできない
原因:Bluetoothがオフ
解決策:
- 両方のデバイスでBluetoothをオンにする
トラブル5:パスキーが削除できない
原因:自動作成されたパスキー
解決策:
- Googleアカウントのデバイス管理画面を開く
- 対象デバイスをサインアウト
よくある質問
Q1. パスキーとパスワードは併用できる?
A: はい、併用できます。
多くのサービスでは、パスキーとパスワードの両方を設定できます。
パスキーが使えない場合に、パスワードでログインできるので安心です。
Q2. パスキーは無料で使える?
A: はい、完全に無料です。
追加料金や月額費用は一切かかりません。
Q3. 複数の端末で同じパスキーを使える?
A: はい、使えます。
Googleパスワードマネージャーを使えば、同じGoogleアカウントでログインしている他のAndroid端末でも自動的に使えます。
Q4. 指紋認証がない端末でもパスキーは使える?
A: はい、使えます。
PINやパターンでも認証できます。
ただし、セキュリティは生体認証よりやや劣ります。
Q5. パスキーを忘れたらどうする?
A: パスキーは「忘れる」ものではありません。
パスキーは自動的に保存されるため、覚える必要がありません。
端末を失くした場合は、新しい端末でパスキーを再作成します。
Q6. パスキーは本当に安全?
A: はい、非常に安全です。
パスワードよりも圧倒的に安全で、フィッシング詐欺やハッキングに強いです。
Q7. パスキーに対応していないサービスはどうする?
A: 従来通りパスワードを使います。
パスキーは、対応サービスでのみ利用できます。
対応していないサービスでは、引き続きパスワードを使用してください。
Q8. 機種変更したらパスキーはどうなる?
A: Googleパスワードマネージャーなら自動で復元されます。
手順:
- 新しい端末で同じGoogleアカウントにログイン
- パスキーが自動的に同期される
- 画面ロックのPIN、パターン、パスワードを入力すると使えるようになる
まとめ:パスキーで安全・快適なログインを
Androidのパスキーは、セキュリティと利便性を両立した次世代の認証方法です。
覚えておきたいポイント:
- パスキーとは
- パスワードに代わる新しい認証方法
- 指紋・顔認証で簡単ログイン
- 必要な条件
- Android 9.0以降
- 画面ロック機能の設定
- メリット
- セキュリティが格段に向上
- ログインが超簡単
- パスワード管理不要
- デメリット
- 対応サービスがまだ限られている
- 生体認証が必須
- クロスプラットフォーム同期が限定的
- 設定方法
- Googleアカウント:https://g.co/passkeys
- 各アプリ・サービス:設定画面から
こんな人におすすめ:
- パスワード管理が面倒
- セキュリティを重視したい
- ログインを簡単にしたい
- 最新技術を使いたい
こんな人には向いていない:
- 生体認証が使えない端末を使っている
- 複数のOS(Android、iPhone、Windows)を行き来する
- 対応サービスをあまり使わない
パスキーは、今後さらに普及していく認証方法です。
対応サービスも増え続けているので、まずはGoogleアカウントからパスキーを試してみてはいかがでしょうか?
より安全で快適なデジタルライフを、パスキーで実現しましょう!

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