Androidスマホで初めてインターネットを見ようとしたとき、「あれ?ブラウザってどれを使えばいいの?」と迷ったことはありませんか?
Androidには「Chrome」があったり、「ブラウザ」というアプリがあったり、機種によっては「インターネット」というアプリがあったりと、意外と選択肢が多くて戸惑いますよね。
この記事では、Android標準ブラウザの歴史や種類、Chromeとの違い、そしてデフォルトブラウザの設定方法まで、わかりやすく解説していきます。
Android標準ブラウザって何?その歴史を知ろう

まず「Android標準ブラウザ」という言葉の意味を整理しましょう。実はこれ、時代によって指すものが変わってきたんです。
昔のAndroid標準ブラウザ(AOSPブラウザ)
Android 4.3(2013年)以前の時代、Androidには「ブラウザ」という名前のアプリが標準搭載されていました。これがいわゆる「AOSP(Android Open Source Project)ブラウザ」です。
AOSPブラウザの特徴
- 地球儀のアイコンが特徴的
- Android OSの一部として提供
- 安定性を重視した設計
- 多くのAndroid端末で動作するよう作られた
当時はChromeとは別物として開発されており、「最先端の機能」よりも「どのAndroid端末でも安定して動く」ことを重視していました。
Chromeの登場と移行期
2012年6月、Android向けのGoogle Chromeが正式リリースされました。これ以降、徐々にChromeが標準ブラウザとして採用されるようになっていきます。
Android 4.4(KitKat)以降、Googleは従来の標準ブラウザの開発を終了すると表明しました。セキュリティアップデートも提供されなくなったため、現在では使用が推奨されていません。
現在の状況
2024-2025年現在、Androidスマホには通常2種類のブラウザがプリインストールされています:
- Google Chrome: Googleが提供する高機能ブラウザ
- メーカー独自ブラウザ: Samsung Internet、OPPOブラウザなど
Google Chromeとメーカー独自ブラウザの違い
多くのAndroidスマホには、Chromeとメーカーのブラウザがどちらもインストールされています。これってなぜでしょうか?
Google Chromeの特徴
メリット
- 最先端の技術が搭載されている
- パソコン版Chromeとブックマークや履歴を同期できる
- 拡張機能が豊富(パソコン版)
- 定期的なアップデートでセキュリティも安心
- Googleアカウントとの連携が便利
デメリット
- メモリ使用量が多め
- バッテリー消費がやや大きい
メーカー独自ブラウザの特徴
Samsung Internet(サムスン)の例
- Galaxyシリーズのエッジスクリーンからブックマークを起動できる
- ダークモードが使いやすい
- 広告ブロック機能が標準装備
- Galaxyならではの機能と連携
OPPOブラウザやXiaomiブラウザなど
- 端末のUI・デザインと統一感がある
- メーカー独自の便利機能が使える
- 軽量で動作が軽快なことが多い
なぜ2つもブラウザがあるの?
実は、これには理由があります。
Chromeは最先端の技術を搭載していて高性能ですが、Googleのライセンスを受けた端末でないと搭載できません。また、すべてのAndroid端末で安定して動作するとは限りません。
そのため、スマホメーカーは「確実に動く」独自ブラウザを開発・搭載しつつ、Chromeも選択肢として提供しているんです。
現在の主要Androidブラウザ一覧
Androidで使える代表的なブラウザをまとめてみました。
Google Chrome
- 開発元: Google
- 特徴: 世界で最も使われているブラウザ。同期機能が強力
- おすすめな人: Googleサービスを頻繁に使う人、パソコンともブックマークを共有したい人
Samsung Internet
- 開発元: Samsung
- 特徴: Galaxyシリーズに最適化。広告ブロック機能標準搭載
- おすすめな人: Galaxyユーザー、プライバシーを重視する人
Firefox
- 開発元: Mozilla
- 特徴: プライバシー保護が強力。カスタマイズ性が高い
- おすすめな人: プライバシー重視、Chrome以外を使いたい人
Microsoft Edge
- 開発元: Microsoft
- 特徴: Chrome系エンジン採用で互換性良好。読み上げ機能が便利
- おすすめな人: Microsoftサービスを使う人、Windows PCと連携したい人
Brave
- 開発元: Brave Software
- 特徴: 広告ブロックが標準で強力。プライバシー保護に特化
- おすすめな人: 広告を徹底的にブロックしたい人
Opera
- 開発元: Opera
- 特徴: 無料VPN内蔵。データ圧縮機能で通信量削減
- おすすめな人: データ通信量を節約したい人、VPNを使いたい人
デフォルトブラウザの設定方法
複数のブラウザをインストールしている場合、リンクをタップしたときにどのブラウザが起動するか設定できます。
Android 6.0以降の設定方法
手順1: 設定アプリを開く
ホーム画面または画面上部から下にスワイプして、歯車アイコンの「設定」をタップします。
手順2: アプリ設定を開く
「アプリ」または「アプリと通知」をタップします(機種によって表示が異なります)。
手順3: デフォルトアプリを選択
「デフォルトのアプリ」または「標準のアプリ」をタップします。
手順4: ブラウザアプリを変更
「ブラウザアプリ」をタップし、使いたいブラウザ(ChromeやFirefoxなど)を選択します。
これで設定完了です。次回からリンクをタップすると、選択したブラウザが自動的に開きます。
Android 5.1.1以前の設定方法
古いバージョンのAndroidでは、設定方法が少し異なります。
- 「設定」→「アプリ」を開く
- 現在のデフォルトブラウザ(「ブラウザ」など)をタップ
- 「デフォルトで起動」または「標準で起動」をタップ
- 「設定を消去」または「標準設定をクリア」をタップ
次回リンクをタップしたときに、どのブラウザで開くか選択画面が表示されます。そこで「常に」を選択すれば、デフォルトブラウザとして設定されます。
機種別の違いに注意
Samsung、OPPO、Xiaomi、Huaweiなどのメーカーは独自のAndroid UI(カスタムスキン)を使用しているため、設定メニューの名前や配置が異なることがあります。
基本的な流れは同じなので、「設定」→「アプリ」→「デフォルト」という順番で探してみてください。
ブラウザの選び方:どれを使えばいい?
たくさんのブラウザがあると、どれを選べばいいか迷いますよね。用途別におすすめを紹介します。
初心者・一般的な使い方なら
おすすめ: Google Chrome
- 多くの人が使っているので、困ったときに情報が見つかりやすい
- パソコンのChromeと同期できて便利
- アップデートが頻繁で安心
プライバシーを重視するなら
おすすめ: Brave または Firefox
- 広告ブロックが標準装備
- トラッキング(追跡)をブロック
- プライバシー保護機能が充実
データ通信量を節約したいなら
おすすめ: Opera
- データ圧縮機能で通信量削減
- 無料VPNも使える
- 広告ブロックで通信量をさらに削減
Galaxyユーザーなら
おすすめ: Samsung Internet
- Galaxyの機能と完璧に連携
- エッジパネルからのアクセスが便利
- 広告ブロック機能も標準装備
セキュリティ上の重要な注意点

ブラウザを使う上で、絶対に知っておいてほしいセキュリティの話があります。
古いAndroid標準ブラウザは使わない!
Android 4.3以前の「ブラウザ」アプリは絶対に使わないでください。
このブラウザはすでにGoogleが開発・メンテナンスを終了しており、セキュリティ上の脆弱性が放置されています。
もし古いAndroid端末に「ブラウザ」というアプリが入っていても、Chromeなど最新のブラウザを使うようにしましょう。
ブラウザを最新に保つ
どのブラウザを使う場合でも、常に最新バージョンに更新しておくことが重要です。
自動更新の設定方法
- Google Playストアを開く
- 左上のメニュー(三本線)をタップ
- 「設定」をタップ
- 「アプリの自動更新」をタップ
- 「Wi-Fi接続時のみ」または「ネットワークの指定なし」を選択
怪しいサイトに注意
どんなに良いブラウザを使っていても、フィッシング詐欺や悪意のあるサイトには注意が必要です。
注意すべきポイント
- URLをよく確認する(偽サイトは微妙にURLが違う)
- 怪しいリンクはクリックしない
- 個人情報の入力は慎重に
- HTTPSで暗号化されているか確認(URLの最初が「https://」になっているか)
よくある質問
Q1: ChromeとAndroid標準ブラウザの違いは?
Android 4.3以前の「標準ブラウザ」は開発が終了しており、現在は使用が推奨されていません。現在のAndroidでは、Chromeが実質的な標準ブラウザとして機能しています。
Q2: デフォルトブラウザを変更すると、今までのブックマークは消えますか?
いいえ、消えません。それぞれのブラウザアプリ内にブックマークは保存されているので、デフォルト設定を変更しても影響ありません。
Q3: 複数のブラウザを同時に使えますか?
はい、使えます。デフォルト設定は「リンクをタップしたときにどれを起動するか」を決めるだけで、他のブラウザも普通に使えます。
Q4: どのブラウザが一番速いですか?
一概には言えませんが、一般的にはChrome、Brave、Edgeあたりが高速です。ただし、端末のスペックやネット環境によっても変わります。
Q5: パソコンのブラウザと同期できますか?
はい、多くのブラウザが対応しています。Chrome、Firefox、Edge、Operaなどは、パソコン版と同じアカウントでログインすれば、ブックマークや履歴を同期できます。
Q6: 広告をブロックしたいのですが?
Brave、Firefox、Samsung Internetなどは広告ブロック機能が標準装備されています。Chromeの場合は、設定から「煩わしい広告」をブロックする機能があります。
Q7: メーカー独自のブラウザは削除できますか?
プリインストールされているアプリなので、完全に削除はできない場合が多いです。ただし「無効化」することで、非表示にできる機種もあります。
ブラウザが見つからない・開けないときの対処法
「ブラウザがどこにあるかわからない!」という場合の対処法です。
ホーム画面から探す
ブラウザアプリのアイコンは、通常以下のような見た目です:
- Chrome: カラフルな円のアイコン
- 地球儀のアイコン: メーカー独自ブラウザ
- 青い「e」: Microsoft Edge
- オレンジのキツネ: Firefox
アプリ一覧から探す
ホーム画面で見つからない場合:
- 画面を下から上にスワイプ(または画面をピンチイン)してアプリ一覧を表示
- 「Chrome」や「ブラウザ」「インターネット」などを探す
検索機能を使う
それでも見つからない場合:
- ホーム画面上部の検索バーをタップ
- 「Chrome」や「ブラウザ」と入力
- 検索結果からアプリを起動
インストールされていない場合
もしChromeがインストールされていない場合は、Google Playストアからダウンロードできます。
- Playストアを開く
- 「Chrome」で検索
- 「インストール」をタップ
便利な使い方:もっとブラウザを活用しよう
基本的な使い方だけでなく、便利な機能も知っておきましょう。
シークレットモード(プライベートブラウジング)
閲覧履歴を残さずにWebページを見たい場合に便利です。
Chromeでの起動方法
- Chromeを開く
- 右上の「︙」(3点リーダー)をタップ
- 「新しいシークレットタブ」をタップ
シークレットモードでは、Cookie、履歴、検索履歴などが端末に保存されません。
ブックマークの同期
複数のデバイスでブックマークを共有できます。
Chromeの場合
- Chromeを開く
- 右上の「︙」をタップ
- 「設定」→「同期とGoogleサービス」をタップ
- Googleアカウントでログイン
これで、パソコンやタブレットのChromeとブックマークが自動的に同期されます。
タブグループ機能
複数のタブを整理したいときに便利です(Chromeなど一部のブラウザ)。
関連するタブをグループ化して、色分けや名前をつけて管理できます。
ページ内検索
長いWebページで特定の言葉を探したいときに使います。
- 右上の「︙」をタップ
- 「ページ内検索」をタップ
- 探したい言葉を入力
まとめ:自分に合ったブラウザを見つけよう
Android標準ブラウザについて、ここまでの内容をまとめます。
重要なポイント
- Android 4.3以前の「標準ブラウザ」は開発終了。使用は非推奨
- 現在はChromeが実質的な標準ブラウザ
- メーカー独自ブラウザも便利な機能が多い
- デフォルトブラウザは設定で簡単に変更できる
- セキュリティのため、ブラウザは常に最新に保つ
用途別おすすめブラウザ
- 初心者・一般的な使い方: Google Chrome
- プライバシー重視: Brave / Firefox
- データ節約: Opera
- Galaxyユーザー: Samsung Internet
- Windows PCとの連携: Microsoft Edge
どのブラウザが「一番良い」ということはありません。自分の使い方や好みに合わせて選んでください。
複数のブラウザを試してみて、一番使いやすいものをデフォルトに設定するのがおすすめです。気に入ったブラウザが見つかれば、インターネットがもっと快適になりますよ!
セキュリティには十分注意しながら、Androidでのブラウジングを楽しんでくださいね。

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