Windowsでアプリを起動しようとしたら、「既に実行されています」「Another instance is already running」というエラーが表示される。でも、タスクマネージャーを見ても起動していない…。
こんな経験、ありませんか?
このエラーは様々な状況で発生し、アプリの起動を妨げてしまいます。でも安心してください。ほとんどの場合、簡単な操作で解決できます。
この記事では、Windows 10/11で「既に実行されています」エラーが出た時の原因と解決方法を、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
「既に実行されています」エラーとは?

このエラーは、プログラムが「もう起動しているよ」と誤認識してしまい、新たに起動できなくなる状態です。
実際には起動していないのに、バックグラウンドでプロセスが残っていたり、システムが間違った情報を持っていたりすることで発生します。
よくあるエラーメッセージ
このエラーは、状況によって様々な表示のされ方をします。
日本語の場合:
- 「既に実行されています」
- 「本アプリケーションは既に実行中です」
- 「別のインストールが既に実行されています」
- 「インストール アシスタントは既に実行されています」
英語の場合:
- “Another instance is already running”
- “Program is already running on this computer”
- “Another installation is already running”
- “Installation Assistant is already running”
見た目は違いますが、原因と対処法は基本的に同じです。
エラーが発生する主な状況
1. アプリケーション起動時
- メッセンジャーアプリ(Messenger、LINE、Skypeなど)
- ゲーム(League of Legends、Steam関連など)
- ビジネスソフト
2. ソフトウェアインストール時
- 新しいソフトをインストールしようとした時
- ソフトをアップデートしようとした時
- Windows Updateと同時にインストールを試みた時
3. Windows Update関連
- Windows 11インストールアシスタント
- Windows 10 Update Assistant
それぞれの状況に応じた解決方法を見ていきましょう。
解決方法1:タスクマネージャーでプロセスを終了する
もっとも基本的で効果的な方法です。
手順
ステップ1:タスクマネージャーを開く
以下のいずれかの方法で開けます。
- Ctrl + Shift + Esc を同時押し(おすすめ)
- タスクバーを右クリック →「タスクマネージャー」を選択
- Ctrl + Alt + Delete → 「タスクマネージャー」を選択
ステップ2:問題のプロセスを探す
- タスクマネージャーが簡易表示の場合は「詳細」をクリック
- 「プロセス」タブを確認
- 起動しようとしているアプリ名で検索
例えば:
- Windows 11インストールアシスタント → 「Windows 11 Installation Assistant」
- Messenger → 「Messenger.exe」
- Steam → 「Steam.exe」
ステップ3:プロセスを終了する
- 該当するプロセスを右クリック
- 「タスクの終了」をクリック
- 確認画面が出たら「プロセスの終了」をクリック
ステップ4:確認
プロセスが見つからない場合は、「詳細」タブも確認しましょう。
- 「詳細」タブをクリック
- プロセス名(.exeファイル)を探す
- 見つかったら右クリック →「タスクの終了」
プロセスを終了したら、アプリを再度起動してみてください。
見つけるべきプロセス名の例
- Windows 11インストールアシスタント:Windows11InstallationAssistant.exe
- Windows Update:Windows10UpgradeAssistant.exe
- メッセンジャー:Messenger.exe、msngr.exe
- Steam:Steam.exe、steamwebhelper.exe
解決方法2:パソコンを再起動する
シンプルですが、意外と効果的です。
なぜ再起動が有効なのか
パソコンを再起動すると:
- すべてのプロセスが一度終了する
- メモリがクリアされる
- 一時的な不具合がリセットされる
特に、長時間パソコンを起動したままだと、メモリ不足などでこのエラーが起きやすくなります。
正しい再起動の方法
Windows 11の場合:
- 「スタート」ボタンをクリック
- 「電源」アイコンをクリック
- 「再起動」をクリック
Windows 10の場合:
- 「スタート」ボタンをクリック
- 「電源」をクリック
- 「再起動」をクリック
完全シャットダウンからの再起動(より効果的):
- Shiftキーを押しながら「シャットダウン」をクリック
- パソコンが完全に停止したら、電源ボタンを押して起動
これで、より徹底的にシステムがリセットされます。
解決方法3:スタートアップ設定を確認する
アプリが自動起動する設定になっていると、このエラーが発生しやすくなります。
自動起動を無効にする手順
方法1:タスクマネージャーから
- タスクマネージャーを開く(Ctrl + Shift + Esc)
- 「スタートアップ」タブをクリック
- 問題のアプリを探す
- 右クリック →「無効化」をクリック
方法2:設定アプリから(Windows 10/11)
- 「設定」を開く(Windowsキー + I)
- 「アプリ」→「スタートアップ」をクリック
- 問題のアプリのスイッチをオフにする
解決方法4:ソフトウェアを再インストールする

プログラムファイルが破損している場合、再インストールが効果的です。
正しいアンインストール手順
ステップ1:通常のアンインストール
- 「設定」を開く
- 「アプリ」→「インストールされているアプリ」または「アプリと機能」をクリック
- 問題のアプリを探す
- 「…」(三点リーダー)をクリック →「アンインストール」
ステップ2:完全にクリーンアップ(重要)
アンインストール後、以下の場所に残っているファイルも削除します。
- C:\Program Files を開く
- アプリのフォルダが残っていないか確認
- 残っていたら削除
- C:\Program Files (x86) も同様に確認
- AppDataフォルダも確認
- Windowsキー + R →「%appdata%」と入力 → Enter
- アプリのフォルダを探して削除
- 「%localappdata%」も同様に確認
ステップ3:パソコンを再起動
ステップ4:再インストール
公式サイトから最新版をダウンロードしてインストールします。
解決方法5:Windows Updateとの競合を解決する
複数のインストール作業は同時にできません。
「別のインストールが既に実行されています」の場合
このエラーは、Windows Updateなど他のインストーラーが動いている時に発生します。
対処法:
1. Windows Updateが動いていないか確認
- 「設定」→「Windows Update」を開く
- 更新プログラムがダウンロード・インストール中でないか確認
- 実行中なら完了を待つ
2. Windows Installerサービスを確認
- Windowsキー + R →「services.msc」と入力
- 「Windows Installer」を探す
- 状態が「実行中」になっていたら待つ
- 停止している場合は何も操作不要
3. タスクマネージャーでmsiexec.exeを終了
- タスクマネージャーを開く
- 「詳細」タブで「msiexec.exe」を探す
- あれば右クリック →「タスクの終了」
解決方法6:システムファイルを修復する
システムファイルが破損していると、様々なエラーが発生します。
SFCスキャンの実行
手順:
- スタートボタンを右クリック
- 「ターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を選択
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリック
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す
sfc /scannow
- スキャンが完了するまで待つ(10〜30分程度)
- 完了したらパソコンを再起動
DISMスキャンの実行
SFCで解決しない場合は、DISMスキャンも試してみましょう。
- コマンドプロンプト(管理者)を開く
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- スキャンが完了するまで待つ(30分以上かかる場合も)
- 完了したら再度SFCスキャンを実行
- パソコンを再起動
解決方法7:クリーンブートを実行する
サードパーティ製のソフトが干渉している可能性があります。
クリーンブートとは
Windowsを最小限のドライバーとスタートアッププログラムだけで起動する方法です。
これにより、問題の原因がサードパーティ製ソフトかどうかを特定できます。
クリーンブートの手順
ステップ1:システム構成を開く
- Windowsキー + R →「msconfig」と入力 → Enter
- 「システム構成」ウィンドウが開く
ステップ2:サービスを無効化
- 「サービス」タブをクリック
- 「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェック
- 「すべて無効」をクリック
- 「適用」をクリック
ステップ3:スタートアップを無効化
- 「スタートアップ」タブをクリック
- 「タスクマネージャーを開く」をクリック
- スタートアップ項目をすべて「無効化」
ステップ4:再起動
- システム構成ウィンドウで「OK」をクリック
- 「再起動」を選択
ステップ5:問題を確認
クリーンブート状態でエラーが発生しなければ、サードパーティ製ソフトが原因です。
一つずつサービスとスタートアップを有効にして、原因を特定しましょう。
特定のケース別の解決方法

Windows 11インストールアシスタントの場合
方法1:タスクマネージャーで終了
- Ctrl + Shift + Esc でタスクマネージャーを開く
- 「Windows 11 Installation Assistant」を探す
- 右クリック →「タスクの終了」
方法2:Update Orchestrator Serviceを停止
- Windowsキー + R →「services.msc」と入力
- 「Update Orchestrator Service」を探す
- 右クリック →「停止」を選択
方法3:アンインストール
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- 「Windows 11 Installation Assistant」を探す
- 「…」→「アンインストール」
Messengerなどのメッセンジャーアプリの場合
システムトレイを確認:
- タスクバー右端の「^」(隠れているアイコンを表示)をクリック
- メッセンジャーのアイコンが表示されていないか確認
- あれば右クリック →「終了」または「ログアウト」
アプリを修復:
- 「設定」→「アプリ」→アプリを選択
- 「詳細オプション」をクリック
- 「修復」をクリック
- 効果がなければ「リセット」もクリック
Ad-Aware Web Companionが原因の場合
一部のユーザーで、Ad-Aware Web Companionというソフトが原因で、パソコン起動時にこのエラーが出ることが報告されています。
対処法:
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- 「Ad-Aware Web Companion」を探す
- アンインストール
- パソコンを再起動
よくあるトラブルと追加の対処法
プロセスがタスクマネージャーに表示されない
対処法1:詳細タブを確認
「プロセス」タブに表示されなくても、「詳細」タブには表示されることがあります。
対処法2:ログオフしてから再ログイン
- Windowsキー → ユーザーアイコン
- 「サインアウト」をクリック
- 再度サインイン
エラーが繰り返し発生する
原因:
- ソフトウェアの不具合
- システムファイルの破損
- ウイルスやマルウェアの感染
対処法:
- ソフトウェアを最新版にアップデート
- システムファイルを修復(SFC/DISMスキャン)
- ウイルススキャンを実行
- それでも解決しないなら、ソフトウェアの開発元に問い合わせ
再起動してもすぐにエラーが出る
スタートアップから削除:
アプリが自動起動する設定になっている可能性があります。
- タスクマネージャー →「スタートアップ」タブ
- 該当アプリを無効化
削除できないロックファイルがある
セーフモードで削除:
- 「設定」→「システム」→「回復」
- 「今すぐ再起動」(PCの起動をカスタマイズする)
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」
- 「再起動」をクリック
- 「4」または「F4」キーを押してセーフモードで起動
- ファイルを削除
予防策:エラーを起こさないために
定期的にパソコンを再起動する
長時間起動したままだと、メモリに不要なプロセスが溜まります。
少なくとも週に1回は再起動しましょう。
ソフトウェアを最新版に保つ
古いバージョンのソフトは不具合を起こしやすくなります。
定期的にアップデートを確認してください。
正しい終了方法を使う
アプリを終了する時:
- ×ボタンで閉じるだけでなく、アプリのメニューから「終了」を選ぶ
- タスクトレイにアイコンが残っていないか確認
パソコンをシャットダウンする時:
- 強制終了(電源ボタン長押し)は避ける
- 正規の手順でシャットダウンする
同時に複数のインストールをしない
- Windows Updateの実行中は他のソフトをインストールしない
- 一つのインストールが完全に終わってから次を実行
まとめ:順番に試して確実に解決
「既に実行されています」エラーは、正しい手順で対処すれば必ず解決できます。
この記事のポイント:
- もっとも効果的な方法はタスクマネージャーでプロセスを終了すること
- パソコンの再起動も意外と有効
- スタートアップ設定を見直すと再発を防げる
- ソフトウェアの再インストールで根本解決
- システムファイルの修復も検討する
- クリーンブートで原因を特定できる
推奨する対処の順番:
- タスクマネージャーでプロセスを終了
- パソコンを再起動
- スタートアップ設定を確認
- ソフトウェアを再インストール
- システムファイルを修復
- クリーンブートを実行
- それでもダメなら開発元に問い合わせ
焦らず、一つずつ試していけば、必ず解決できますよ。
特にタスクマネージャーでのプロセス終了と再起動だけで、ほとんどのケースは解決します。まずはこの2つを試してみてくださいね!

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