スマホで見ている動画を「もっと大きな画面で見たいな」と思ったことはありませんか?
そんな時に便利なのが「Chromecast Built-in」です。この機能があれば、スマホやタブレットの画面を簡単にテレビに映し出せます。
今回は、Chromecast Built-inの基本的な仕組みから使い方まで、わかりやすく説明していきますね。
Chromecast Built-inって何?

Chromecast Built-inは、Googleが開発した「キャスト機能」がテレビやスピーカーに最初から組み込まれている技術のことです。
キャストとは?
「キャスト」というのは、スマホやタブレット、パソコンに表示されている動画や音楽を、Wi-Fi経由でテレビやスピーカーに送信して再生することを指します。まるでスマホがリモコンになったような感覚で、大画面や高音質スピーカーでコンテンツを楽しめるんです。
Built-in(ビルトイン)の意味
「Built-in」は「内蔵されている」という意味の英語です。つまり、Chromecast Built-inは「Chromecast機能が内蔵されたデバイス」ということになります。
別売りのChromecast端末を購入してテレビに接続する必要がないため、配線もスッキリしますし、購入する手間も省けます。
通常のChromecastとの違いは?
Chromecast Built-inを理解するには、通常のChromecastとの違いを知っておくと便利です。
通常のChromecast
通常のChromecastは、小型のドングル型デバイス(USBメモリのような形状)をテレビのHDMI端子に差し込んで使います。すでにテレビを持っている人が、比較的安価(数千円程度)にキャスト機能を追加できるのが魅力でした。
Chromecast Built-in
一方、Chromecast Built-inは、テレビやスピーカーそのものにキャスト機能が組み込まれています。外付けのデバイスが不要なので、テレビ周りがごちゃごちゃしません。
主な対応メーカーには、SONY(ブラビア)、SHARP(アクオス)、Philips(フィリップス)、BOSEなどがあります。特に、Android TVやGoogle TV搭載のテレビには、標準でChromecast Built-in機能が搭載されていることが多いです。
Chromecast Built-inでできること
Chromecast Built-inを使うと、具体的にどんなことができるのでしょうか?
動画配信サービスの視聴
スマホで見ていたYouTube、Netflix、Amazonプライムビデオ、Disney+、Huluなどの動画を、テレビの大画面で楽しめます。スマホの小さな画面で目を凝らす必要がなくなります。
音楽やポッドキャストの再生
Spotify、YouTube Music、Apple Music、Pandoraなどの音楽ストリーミングサービスや、Googleポッドキャストなどのコンテンツを、高音質なスピーカーで聴けます。
写真や動画の共有
スマホに保存している写真や動画を、家族や友人とテレビの大画面で一緒に見られます。旅行の思い出を共有する時などに便利です。
画面のミラーリング
Android端末なら、スマホやタブレットの画面そのものをテレビに映し出すことも可能です。プレゼンテーションやゲームのプレイ画面を共有したい時に活躍します。
パソコンのブラウザ画面を表示
Google Chromeブラウザを使っていれば、パソコンで開いているウェブページをテレビに映せます。大人数で情報を共有したい時に便利ですね。
現在、1000以上のアプリがChromecast Built-inに対応しています。動画や音楽だけでなく、ゲームやスポーツ関連のアプリも含まれています。
Bluetoothとの違いは?
「スマホの音楽をスピーカーで聴くなら、Bluetoothでもできるんじゃない?」と思うかもしれません。確かに似ていますが、実は大きな違いがあります。
再生の仕組みが違う
Bluetoothの場合、スマホがコンテンツを再生して、その音をスピーカーにワイヤレスで飛ばしています。つまり、スマホが音楽プレイヤーの役割を果たしているんです。
一方、Chromecast Built-inでは、テレビやスピーカー自身がインターネットに接続して、直接コンテンツをストリーミング再生します。スマホはあくまで「リモコン」の役割に留まります。
スマホを自由に使える
この違いは実用面で大きなメリットを生みます。
Bluetooth接続中は、スマホで音楽アプリを起動し続けなければいけません。さらに、メールの通知音や着信音などもスピーカーから流れてしまうため、せっかく音楽に浸っているのに邪魔されてしまいます。
Chromecast Built-inなら、音楽再生中でもスマホで別のアプリを使えますし、通知音に邪魔されることもありません。音楽はずっと流れ続けます。
動画にも対応
Bluetoothは基本的に音声のみですが、Chromecast Built-inは動画も対応しています。これも大きな違いの一つです。
使うために必要なもの
Chromecast Built-inを使い始めるには、以下のものが必要です。
Chromecast Built-in対応のテレビまたはスピーカー
当然ですが、この機能が内蔵されたデバイスが必要です。購入前に「Chromecast Built-in対応」や「Google Cast対応」と記載されているか確認しましょう。
Wi-Fi環境
Chromecast Built-inはWi-Fi経由で通信するため、自宅に無線LANルーターが必要です。スマホやタブレット、そしてテレビやスピーカーを同じWi-Fiネットワークに接続する必要があります。
スマホ、タブレット、またはパソコン
コンテンツをキャストするための「リモコン代わり」となるデバイスが必要です。AndroidでもiOSでも、どちらのスマホでも使えます。パソコンの場合は、Google Chromeブラウザがインストールされていれば利用可能です。
Google Homeアプリ(初回設定時)
初めてChromecast Built-in機能を設定する際には、Google Homeアプリをスマホにダウンロードする必要があります。このアプリを使って、テレビやスピーカーをWi-Fiに接続し、初期設定を行います。
基本的な使い方

Chromecast Built-inの使い方は、とてもシンプルです。
初回設定の手順
- テレビまたはスピーカーの電源を入れる
- スマホにGoogle Homeアプリをダウンロードする
- Google Homeアプリを開き、「新しいデバイスを追加」を選択する
- 画面の指示に従って、デバイスをWi-Fiに接続する
- デバイスに名前を付ける(「リビングのテレビ」など)
初回設定は、画面の指示に従うだけで数分で完了します。
コンテンツをキャストする方法
- スマホで動画や音楽アプリを開く(YouTube、Netflixなど)
- アプリ内で「キャスト」アイコン(四角と扇形を組み合わせたようなマーク)を探してタップする
- キャスト先のデバイス(テレビやスピーカー)を選択する
- 再生したいコンテンツを選ぶ
これだけです。キャストが始まれば、スマホは「リモコン」として機能し、再生、一時停止、音量調整などの操作ができます。
パソコンから画面をキャストする場合
- Google Chromeブラウザを開く
- 右上のメニュー(3つの点)をクリック
- 「キャスト」を選択
- キャスト先のデバイスを選ぶ
タブ全体ではなく、パソコンの画面全体を映したい場合は、「ソース」から「画面全体をキャスト」を選択できます。
音声コントロールも可能
Google Assistantに対応したスマートスピーカーがあれば、声だけでコンテンツをキャストすることもできます。
例えば、「OK Google、Netflixでストレンジャー・シングスをテレビに映して」と話しかければ、自動的に再生が始まります。リモコンに触れる必要すらありません。
ただし、一部の古いテレビモデルでは、音声コントロール機能が使えない場合もあります。
よくあるトラブルと対処法
Chromecast Built-inを使っていると、たまにうまくいかないことがあります。ここでは代表的なトラブルと解決策を紹介します。
「キャストするデバイスが見つかりません」と表示される
これは最もよくあるトラブルです。原因の多くは、スマホとテレビが異なるWi-Fiネットワークに接続されていることです。
自宅に複数のWi-Fiネットワークがある場合(2.4GHzと5GHzなど)、スマホとテレビの両方が同じネットワークに接続されているか確認しましょう。
それでも解決しない場合は、テレビを再起動してみてください。多くの場合、これで問題が解決します。
接続が頻繁に切れる
Wi-Fiの電波が弱い場合、接続が不安定になることがあります。ルーターとテレビの距離を近づけるか、Wi-Fi中継器の導入を検討してみましょう。
一部のアプリでキャストできない
すべてのアプリがChromecast Built-inに対応しているわけではありません。また、Netflixなど一部のアプリでは、初回使用時に追加の設定が必要な場合があります。
アプリ内でキャストアイコンが表示されない場合は、そのアプリが対応していない可能性があります。
デバイス登録数の注意点
Chromecast Built-inには、知っておくべき注意点があります。
多くの動画配信サービスでは、同時にログインできるデバイス数に制限があります。Chromecast Built-in搭載のテレビは、1台のデバイスとしてカウントされます。
例えば、あるサービスで同時ログイン数が5台までの場合、Chromecast Built-in搭載テレビ1台とスマホ1台を使うと、2台分とカウントされます。
ちなみに、従来の外付けChromecast端末は、多くの場合デバイスとしてカウントされませんでした。これはChromecast Built-inとの違いの一つです。
どんな人におすすめ?
Chromecast Built-inは、以下のような人に特におすすめです。
テレビの買い替えを検討している人
新しくテレビを購入する予定があるなら、Chromecast Built-in搭載モデルを選ぶと便利です。特に、Android TVやGoogle TV搭載のテレビには標準で付いているため、追加費用なしでキャスト機能が使えます。
配線をすっきりさせたい人
テレビ周りのケーブルや機器をなるべく減らしたい人にとって、内蔵型のChromecast Built-inは理想的です。
複数の部屋で音楽を楽しみたい人
Chromecast Built-in対応のスピーカーを複数の部屋に設置すれば、Google Homeアプリでグループを作成して、家中で同時に同じ音楽を流すこともできます。
既にテレビを持っている人は外付けChromecastも検討を
ただし、すでにテレビを持っていて、大きな出費を避けたい場合は、外付けのChromecast端末を購入するのも選択肢の一つです。こちらは数千円程度で購入でき、既存のテレビにキャスト機能を追加できます。
まとめ
Chromecast Built-inは、スマホやタブレットの画面を簡単にテレビやスピーカーに映し出せる便利な技術です。
テレビやスピーカーに最初から組み込まれているため、外付けデバイスを購入する必要がなく、配線もスッキリします。1000以上のアプリに対応しており、動画、音楽、写真など、さまざまなコンテンツを大画面や高音質で楽しめます。
Bluetoothと違って、キャスト中もスマホで別の作業ができるのも大きなメリットです。
設定も簡単で、Wi-Fi環境とスマホがあればすぐに始められます。新しくテレビやスピーカーを購入する際は、Chromecast Built-in対応かどうかをチェックしてみてくださいね。
スマホで見ていた動画を大画面で楽しみたい時、家族や友人と写真を共有したい時、Chromecast Built-inがあなたのデジタルライフをより豊かにしてくれるはずです。


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