「身長5フィート8インチってどのくらい?」「2.54cmは何インチ?」「1間って何メートル?」
日常生活や仕事で、こんな疑問に直面することってありませんか。長さの単位は世界中で様々なものが使われていて、それらを換算するのはなかなか大変です。
今回は、長さの単位換算について、メートル法からヤード・ポンド法、日本の尺貫法まで、よく使われる単位の換算方法を分かりやすく解説していきます。
まずは基本!メートル法の単位を理解しよう

メートル法は世界標準の単位系
メートル法は、世界で最も広く使われている長さの単位系です。日本をはじめ、ほとんどの国で公式に採用されています。
メートル法の基本単位は「メートル(m)」で、この1メートルを基準に、様々な単位が作られています。
メートルの定義
現在、1メートルは「光が真空中を1/299,792,458秒間に進む距離」と定義されています。
これは1983年に決められた定義で、非常に正確な基準になっています。それ以前は、地球の赤道から北極までの距離の1000万分の1として定義されていた時代もありました。
メートル法の接頭語を覚えよう
メートル法では、基本単位に接頭語をつけることで、大きさの異なる単位を表します。
大きい方の接頭語
- キロ(k):1,000倍
- メガ(M):1,000,000倍(100万倍)
- ギガ(G):1,000,000,000倍(10億倍)
小さい方の接頭語
- センチ(c):1/100(100分の1)
- ミリ(m):1/1,000(1000分の1)
- マイクロ(μ):1/1,000,000(100万分の1)
- ナノ(n):1/1,000,000,000(10億分の1)
これらの接頭語は、長さだけでなく重さや容積など、他の単位にも使われます。覚えておくと便利ですよ。
よく使うメートル法の単位換算
日常生活でよく使う単位を中心に、換算方法を見ていきましょう。
ミリメートル(mm)とセンチメートル(cm)
基本の関係
- 1cm = 10mm
- 1mm = 0.1cm
換算の方法
- mmからcmに変換:10で割る
- cmからmmに変換:10をかける
例
- 25mm = 25 ÷ 10 = 2.5cm
- 3.5cm = 3.5 × 10 = 35mm
定規を思い浮かべてみてください。1cmの間に細かい目盛りが10本ありますよね。あれが1mmずつの目盛りです。
センチメートル(cm)とメートル(m)
基本の関係
- 1m = 100cm
- 1cm = 0.01m
換算の方法
- cmからmに変換:100で割る
- mからcmに変換:100をかける
例
- 150cm = 150 ÷ 100 = 1.5m
- 2.3m = 2.3 × 100 = 230cm
身長を考えると分かりやすいです。身長150cmは「1メートル50センチ」つまり1.5mですね。
メートル(m)とキロメートル(km)
基本の関係
- 1km = 1,000m
- 1m = 0.001km
換算の方法
- mからkmに変換:1,000で割る
- kmからmに変換:1,000をかける
例
- 2,500m = 2,500 ÷ 1,000 = 2.5km
- 3.2km = 3.2 × 1,000 = 3,200m
学校の運動場を思い出してください。トラック1周が大体400mくらいで、それを2周半すると1kmになります。
ミリメートル(mm)とメートル(m)
基本の関係
- 1m = 1,000mm
- 1mm = 0.001m
換算の方法
- mmからmに変換:1,000で割る
- mからmmに変換:1,000をかける
例
- 350mm = 350 ÷ 1,000 = 0.35m
- 1.2m = 1.2 × 1,000 = 1,200mm
ヤード・ポンド法の単位を理解しよう
ヤード・ポンド法とは
ヤード・ポンド法は、主にアメリカ、イギリス、カナダなどで使われている単位系です。
日本では公式には使われていませんが、テレビやパソコンの画面サイズ(インチ)、身長の表記(フィートとインチ)などで目にする機会があります。
ヤード・ポンド法の主要単位
インチ(inch、in、”)
インチは、もともと人の親指の幅を基準にしていたと言われています。
現在は、1インチ = 2.54cmと正確に定義されています。
フィート(foot、feet、ft、’)
フィートは「足」という意味で、人の足のサイズが由来です。
1フィート = 12インチ = 30.48cmです。
ヤード(yard、yd)
ヤードは、1959年の国際協定で正確に定義されました。
1ヤード = 3フィート = 36インチ = 0.9144mです。
マイル(mile、mi)
マイルは距離を表す大きな単位です。
1マイル = 1,760ヤード = 5,280フィート = 1.609kmです。
各単位の関係
- 1フィート = 12インチ
- 1ヤード = 3フィート = 36インチ
- 1マイル = 1,760ヤード = 5,280フィート
メートル法とヤード・ポンド法の換算

国際的な場面でよく必要になる換算を見ていきましょう。
インチとセンチメートル
基本の関係
- 1インチ = 2.54cm(正確な値)
- 1cm = 約0.3937インチ
換算の方法
- インチからcmに変換:2.54をかける
- cmからインチに変換:2.54で割る
例
- 10インチ = 10 × 2.54 = 25.4cm
- 50cm = 50 ÷ 2.54 = 約19.69インチ
テレビやスマートフォンの画面サイズでよく使いますね。たとえば「6インチのスマホ」は、6 × 2.54 = 15.24cmの画面サイズです。
フィートとメートル
基本の関係
- 1フィート = 0.3048m(正確な値)
- 1m = 約3.281フィート
換算の方法
- フィートからmに変換:0.3048をかける
- mからフィートに変換:0.3048で割る
例
- 5フィート = 5 × 0.3048 = 1.524m
- 2m = 2 ÷ 0.3048 = 約6.56フィート
身長で使われることが多いですね。たとえば「5フィート6インチ(5’6″)」は、5 × 30.48 + 6 × 2.54 = 152.4 + 15.24 = 167.64cmとなります。
ヤードとメートル
基本の関係
- 1ヤード = 0.9144m(正確な値)
- 1m = 約1.094ヤード
換算の方法
- ヤードからmに変換:0.9144をかける
- mからヤードに変換:0.9144で割る
例
- 100ヤード = 100 × 0.9144 = 91.44m
- 100m = 100 ÷ 0.9144 = 約109.4ヤード
アメリカンフットボールのフィールドが100ヤード(約91m)と覚えると分かりやすいかもしれません。
マイルとキロメートル
基本の関係
- 1マイル = 1.609km(より正確には1.609344km)
- 1km = 約0.621マイル
換算の方法
- マイルからkmに変換:1.609をかける
- kmからマイルに変換:1.609で割る
例
- 10マイル = 10 × 1.609 = 16.09km
- 50km = 50 ÷ 1.609 = 約31.07マイル
アメリカで運転する時や、マラソンの距離(フルマラソンは約26.2マイル)などで使います。
日本の尺貫法も知っておこう
尺貫法とは
尺貫法は、日本で古くから使われてきた伝統的な単位系です。
現在は公式な取引には使えませんが、建築や着物、日本の伝統文化の分野では今でも使われています。
尺貫法の主要単位(長さ)
寸(すん)
1寸 = 約3.03cm
指の幅くらいの長さです。
尺(しゃく)
1尺 = 10寸 = 約30.3cm
大人の手を広げた時、親指の先から中指の先までの長さが由来とされています。
間(けん)
1間 = 6尺 = 約1.818m
建築でよく使われる単位です。畳の長辺が1間に相当します。
丈(じょう)
1丈 = 10尺 = 約3.03m
町(ちょう)
1町 = 60間 = 約109m
里(り)
1里 = 36町 = 約3.927km
「千里の道も一歩から」の「千里」は、約3,927kmということになりますね。
尺貫法とメートル法の換算
基本の換算値
- 1尺 = 10/33m = 約0.303m = 約30.3cm
- 1寸 = 1/33m = 約0.0303m = 約3.03cm
- 1間 = 6尺 = 20/11m = 約1.818m
例
- 3尺 = 3 × 30.3 = 約90.9cm
- 1間半 = 1.5 × 1.818 = 約2.727m
- 2m = 2 ÷ 0.303 = 約6.6尺
和室の畳は「半間×1間」のサイズが基本で、約91cm×182cmです。
換算のコツと覚え方
暗記しておくと便利な換算値
メートル法内
- 1m = 100cm = 1,000mm
- 1km = 1,000m
メートル法とヤード・ポンド法
- 1インチ = 2.54cm(これが一番重要!)
- 1フィート = 約30cm(正確には30.48cm)
- 1マイル = 約1.6km(正確には1.609km)
メートル法と尺貫法
- 1尺 = 約30cm(正確には30.3cm)
- 1間 = 約1.8m(正確には1.818m)
身近なもので覚える方法
1cm
親指の爪の幅、または指の太さくらい。
1mm
シャープペンシルの芯の太さ(0.5mmのものもありますが)。
1m
大人が両手を左右に広げた時の長さ。
1インチ(2.54cm)
親指の幅くらい。
1フィート(約30cm)
大人の足のサイズよりやや大きめ。
1ヤード(約90cm)
大人の一歩(大股)の距離。
実践!よくある換算問題
具体的な例題で換算の練習をしてみましょう。
問題1:画面サイズの換算
「27インチのモニターは何cmですか?」
解答
27インチ × 2.54cm = 68.58cm
約68.6cmです。これは対角線の長さなので、実際の画面の縦横はこれより小さくなります。
問題2:身長の換算
「身長5フィート10インチは何cmですか?」
解答
まずフィートをcmに:5 × 30.48 = 152.4cm
次にインチをcmに:10 × 2.54 = 25.4cm
合計:152.4 + 25.4 = 177.8cm
約178cmですね。
問題3:距離の換算
「マラソンの42.195kmは何マイルですか?」
解答
42.195km ÷ 1.609 = 約26.22マイル
これがフルマラソンの「26.2マイル」という表記の由来です。
問題4:建築の換算
「6畳の部屋の広さは何平方メートルですか?」
解答
1畳 = 半間 × 1間 = 約0.91m × 約1.82m = 約1.656㎡
6畳 = 1.656 × 6 = 約9.9㎡
約10㎡(10平方メートル)です。
長さの単位換算一覧表
よく使う換算をまとめて表にしました。ブックマークしておくと便利です。
メートル法の換算
| 単位 | メートル換算 |
|---|---|
| 1km | 1,000m |
| 1m | 100cm = 1,000mm |
| 1cm | 10mm = 0.01m |
| 1mm | 0.1cm = 0.001m |
ヤード・ポンド法の換算
| 単位 | メートル法換算 |
|---|---|
| 1マイル | 約1.609km |
| 1ヤード | 約0.914m = 約91.4cm |
| 1フィート | 約0.305m = 約30.5cm |
| 1インチ | 2.54cm = 25.4mm |
尺貫法の換算
| 単位 | メートル法換算 |
|---|---|
| 1里 | 約3.927km |
| 1町 | 約109m |
| 1間 | 約1.818m = 約182cm |
| 1丈 | 約3.03m |
| 1尺 | 約30.3cm |
| 1寸 | 約3.03cm |
換算する時の注意点

有効数字に気をつける
換算計算をする時、元の数値の有効数字を考慮することが大切です。
たとえば、「約5m」という測定値を厳密に「5.000000…m」として計算する必要はありません。「約5m = 約16.4フィート」という程度の精度で十分な場合が多いです。
用途に応じた精度を選ぶ
日常生活では、小数点以下1〜2桁もあれば十分です。
しかし、精密機械の設計や科学実験では、もっと細かい桁数が必要になることもあります。
概算の技術も役立つ
正確な計算ができない状況では、概算も有効です。
- 1インチ ≒ 2.5cm(実際は2.54cm)
- 1フィート ≒ 30cm(実際は30.48cm)
- 1マイル ≒ 1.6km(実際は1.609km)
このように覚えておけば、暗算でも大体の値が分かります。
まとめ:長さの換算をマスターしよう
長さの換算について、メートル法、ヤード・ポンド法、尺貫法の主要な単位と換算方法を解説してきました。
覚えておきたい重要ポイント
- メートル法の接頭語(キロ=1000倍、センチ=1/100、ミリ=1/1000)
- 基本の換算値
- 1インチ = 2.54cm
- 1フィート = 30.48cm
- 1ヤード = 0.9144m
- 1マイル = 1.609km
- 1尺 = 約30.3cm
- 1間 = 約1.818m
- 換算の基本
- 大きい単位から小さい単位:かけ算
- 小さい単位から大きい単位:わり算
- 身近なもので実感する
- 1cm = 指の幅
- 1m = 両手を広げた長さ
- 1インチ = 親指の幅
- 1フィート = 足のサイズより少し大きめ
最初は複雑に感じるかもしれませんが、よく使う換算値を覚えて、実際に計算してみることで、だんだん慣れてきます。
日常生活では、画面サイズ、身長、距離など、意外と長さの換算を使う場面は多いものです。この記事を参考に、長さの単位換算をマスターしてくださいね!

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