「長いコードをSlackに貼り付けたら、チャット欄が埋まっちゃった…」
こんな経験ありませんか?普通にコードをペタッと貼り付けると、画面がスクロールだらけになって、他のメンバーの迷惑になってしまいます。
そんな時に便利なのが、Slackのテキストスニペット機能です。この機能を使えば、長いコードやログファイルをスマートに共有できるんですよ。
この記事では、Slackのテキストスニペット機能について、基本的な使い方から便利なテクニックまで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
テキストスニペットって何?

まず基本から押さえておきましょう。
テキストスニペット(text snippet)とは、Slackでコードや長い文章を折りたたんで共有できる機能のことです。「スニペット」は英語で「断片」という意味で、プログラミングの世界では「コードの切れ端」を指します。
普通にメッセージとして貼り付けると画面を占領してしまうようなコードも、スニペット機能を使えばファイルとして添付される形になり、他の人の邪魔になりません。
スニペットと普通のメッセージの違い
普通のメッセージでコードを貼り付けると、こんな感じになります。
山田: このコードを見てください
def hello():
print("Hello, World!")
for i in range(10):
print(i)
return True
これだとチャット欄が縦に長くなって読みづらいですよね。
一方、スニペット機能を使うと、コードがファイルとして添付され、クリックすると別画面で開く形になります。しかも、プログラミング言語に応じて色分け(シンタックスハイライト)もしてくれるので、圧倒的に読みやすくなるんです。
テキストスニペットで何ができるの?
スニペット機能の主な特徴を見ていきましょう。
シンタックスハイライト機能
プログラミング言語を指定すると、その言語の文法に合わせて自動的に色分けしてくれます。対応している言語は100種類以上!
Python、JavaScript、Java、Ruby、Go、PHP、C++など、主要な言語はほぼ全てカバーされています。HTMLやCSS、JSONといったマークアップ言語にも対応していますよ。
タイトルと説明を付けられる
「どんなコードなのか」をタイトルで明示できるので、後から見返す時に便利です。共有時にメッセージも添えられるので、「ここを見てほしい」といった補足説明もできます。
ダウンロードも可能
スニペットとして共有されたファイルは、受け取った人がダウンロードして自分のパソコンに保存できます。コピー&ペーストよりも手間が省けますね。
編集できるのは作成者のみ
スニペットを編集できるのは作成した本人だけです。他の人が勝手に書き換えることはできないので、安心して共有できます。
テキストスニペットの作成方法
それでは実際の使い方を見ていきましょう。
基本的な作成手順
デスクトップ版のSlackで以下の手順を踏みます。
ステップ1:スニペット作成画面を開く
メッセージ入力欄の左側にある 「+」アイコン(または 「⚡」アイコン)をクリックしてください。バージョンによってアイコンが違うことがあります。
メニューが表示されたら、「コードまたはテキストのスニペットを作成する」(英語版なら「Create a code or text snippet」)を選択します。
ステップ2:内容を入力する
スニペット作成用のウィンドウがポップアップで開きます。ここで以下の項目を設定していきます。
- タイトル:スニペットの名前(例:「ログイン機能のコード」)
- ファイルタイプ:プログラミング言語を選択(例:Python、JavaScript)
- 内容:実際のコードやテキストを入力またはペースト
タイトルは省略しても構いませんが、付けておいた方が後で探しやすくなります。
ステップ3:共有設定をする
スニペットを作成するだけで終わりにするか、すぐに誰かと共有するかを選べます。
すぐに共有したい場合は、「このファイルを共有」にチェックを入れて、共有先のチャンネルまたは人を選びます。メッセージ欄に補足説明を書くこともできますよ。
ステップ4:作成ボタンをクリック
全ての設定が終わったら、「スニペットを作成」ボタンをクリックすれば完了です。
便利なショートカットキー
実は、もっと速くスニペットを作る方法があります。
メッセージ入力欄で文字を打ち始めた後、以下のショートカットキーを押すと、入力中のテキストが自動的にスニペット作成画面に転送されます。
- Mac:⌘(Command) + Shift + Enter
- Windows / Linux:Ctrl + Shift + Enter
これを使えば、いちいちメニューから選ぶ手間が省けて作業がスピードアップしますよ。
実際の使用例
具体的にどんな場面で使うと便利なのか、例を見ていきましょう。
例1:エラーログの共有
システムにエラーが出た時、ログファイルを共有したいことがありますよね。
タイトル:本番環境エラーログ 12/16
ファイルタイプ:Plain Text
内容:
[2024-12-16 14:23:45] ERROR: Database connection failed
[2024-12-16 14:23:46] ERROR: Retry attempt 1/3
[2024-12-16 14:23:47] ERROR: Retry attempt 2/3
...
こんな感じでスニペットにすれば、長いログも見やすく共有できます。
例2:コードレビューの依頼
同僚にコードを見てもらいたい時にも便利です。
タイトル:ユーザー登録機能
ファイルタイプ:Python
メッセージ:このコードをレビューしてもらえますか?特に25行目のバリデーション処理を確認してほしいです。
スニペットにタイトルを付けて、メッセージで「どこを見てほしいか」を明示すると、相手も助かります。
例3:設定ファイルの共有
開発環境の設定を共有する時にも活躍します。
タイトル:開発環境の.envファイル
ファイルタイプ:Plain Text
内容:
DATABASE_URL=postgresql://localhost/mydb
API_KEY=xxxxxxxxxxxxx
DEBUG=true
設定ファイルは長くなりがちなので、スニペット形式で共有すると整理されて見やすいです。
例4:定型文やマニュアルの保存
コードだけじゃなく、普通のテキストでも使えます。
タイトル:新メンバー向け初日の流れ
ファイルタイプ:Markdown
内容:
# 初日にやること
1. Slackアカウント設定
2. GitHubへの招待
3. 開発環境セットアップ
...
よく使う説明文やマニュアルをスニペットで保存しておけば、必要な時にサッと共有できます。
作成済みスニペットの管理方法

自分が作ったスニペットを後から見直したい時はどうすればいいでしょうか。
スニペットの一覧を見る方法
デスクトップ版の場合:
- 画面左上の「その他」にマウスを合わせる
- 「ファイル」を選択
- 「すべてのファイル」をクリック
- 「ファイルタイプ」のドロップダウンメニューから「スニペット」を選択
これで、自分が作成したスニペットの一覧が表示されます。
スニペットの編集
作成済みのスニペットを編集したい時は、スニペットを開いて編集ボタンをクリックします。ただし、編集できるのは作成者本人だけなので、他の人が作ったスニペットは変更できません。
スニペットの再共有
一度作ったスニペットを別のチャンネルでも共有したい時は、スニペットにマウスを合わせて「ファイルを共有」をクリックします。共有先を選んで転送するだけなので簡単です。
コードブロックとの使い分け
「あれ?バッククォート(`)で囲むコードブロックもあるよね?」と思った方、するどいですね。
Slackにはテキストスニペット以外にも、コードを表示する方法があります。それがコードブロックです。
コードブロックとは
バッククォート記号(`)で文字を囲むと、その部分がコードとして表示されます。
インラインコード(1行)
このファイルは`config.js`です
複数行のコードブロック
\`\`\`
def hello():
print("Hello")
\`\`\`
バッククォート3つ(“`)で囲むと、複数行のコードブロックになります。
どっちを使えばいいの?
使い分けの目安は以下の通りです。
コードブロックを使う場面:
- 短いコード(5〜10行程度まで)
- 会話の流れの中でサッと見せたい時
- 簡単なコマンドや設定値を示す時
スニペットを使う場面:
- 長いコード(10行以上)
- ファイルとして保存・ダウンロードしてほしい時
- シンタックスハイライトで見やすくしたい時
- タイトルを付けて整理したい時
要するに、短くてシンプルならコードブロック、長くて本格的ならスニペットという感じです。
スニペット機能の注意点
便利な機能ですが、いくつか注意点もあります。
モバイルアプリでは作成できない
残念ながら、スニペットの作成はデスクトップ版のみです。スマホアプリからは閲覧とダウンロードはできますが、新しく作ることはできません。
外出先でどうしてもスニペットを作りたい時は、パソコンに戻るまで待つか、一旦メモ帳アプリなどに書いておきましょう。
共有範囲に注意
スニペットを作成する時に共有設定をしないと、他の人からは見えません。作っただけで安心せず、きちんと共有先を指定しましょう。
逆に言えば、下書きとして一旦保存しておいて、後で共有することもできるということです。
検索できる内容
スニペットはSlackの検索機能で見つけることができます。検索対象になるのは以下の部分です。
- スニペットのタイトル
- スニペットの本文
- 共有時に添えたメッセージ
ただし、スニペットの中身まで完璧に検索できるわけではないので、タイトルはできるだけ分かりやすく付けておくことをおすすめします。
よくある質問
スニペット機能について、よくある疑問にお答えします。
Q. どの言語に対応していますか?
A. 100種類以上のプログラミング言語とマークアップ言語に対応しています。主要なものを挙げると、Python、JavaScript、Java、Ruby、Go、PHP、C++、C#、HTML、CSS、JSON、XML、Markdown、SQLなどです。ファイルタイプのドロップダウンメニューから選べるので、実際に確認してみてください。
Q. スニペットに文字数制限はありますか?
A. Slackの公式ドキュメントには明確な文字数制限は書かれていませんが、実用上は数千行のコードでも問題なく扱えます。ただし、あまりに大きなファイルは読み込みに時間がかかる可能性があります。
Q. 他の人が作ったスニペットを編集できますか?
A. いいえ、編集できるのは作成者本人のみです。他の人のスニペットを編集したい場合は、ダウンロードして自分で新しいスニペットを作り直す必要があります。
Q. スニペットを削除するにはどうすればいいですか?
A. スニペットを開いて、右上のメニュー(三点リーダー)から「削除」を選択します。削除したスニペットは元に戻せないので、注意してください。
Q. プライベートなスニペットは作れますか?
A. はい。スニペット作成時に「このファイルを共有」のチェックを外せば、自分だけが見られるプライベートなスニペットになります。後から共有することも可能です。
スニペット機能を活用するコツ
最後に、スニペット機能をもっと便利に使うためのコツをご紹介します。
タイトルには日付を入れる
定期的に同じような内容のスニペットを作る場合(例:毎週のログファイルなど)は、タイトルに日付を入れておくと後で探しやすくなります。
例:「エラーログ_2024-12-16」「週次レポート_12月第3週」
ファイルタイプは正確に選ぶ
シンタックスハイライトを最大限活用するために、ファイルタイプは正確に選びましょう。「Auto Detect」(自動判定)もありますが、手動で選んだ方が確実です。
検索しやすい名前を付ける
「test.py」「sample.txt」みたいな曖昧な名前より、「ユーザー登録API_v2」「データベース接続設定_本番環境」のように具体的な名前を付けると、後で検索する時に見つけやすくなります。
チームでルールを決める
チーム全体でスニペットを使う場合は、命名規則や使い分けのルールを決めておくと便利です。例えば「議事録は必ずMarkdown形式で作る」「コードレビューのスニペットには必ず[Review]とタイトルに付ける」など。
まとめ:スニペットでスマートなコード共有を
Slackのテキストスニペット機能、いかがでしたか?
最後に、今日紹介した内容をおさらいしておきましょう。
スニペット機能の基本
- 長いコードやテキストをファイルとして共有できる
- シンタックスハイライトで読みやすい
- 100種類以上の言語に対応
- デスクトップ版のみで作成可能
作成方法
- メッセージ欄の「+」または「⚡」アイコンから
- ショートカット:⌘+Shift+Enter(Mac)/ Ctrl+Shift+Enter(Windows)
- タイトル、ファイルタイプ、内容を設定
- 共有先を指定して完成
使い分けのポイント
- 短いコード(10行以下)→ コードブロック(“`)
- 長いコード(10行以上)→ スニペット機能
- ファイルとして保存したい → スニペット機能
エンジニアだけじゃなく、長い文章やログファイルを共有する機会がある人なら、誰でも役立つ機能です。
「いつもコピペで大変だった」という方は、ぜひ一度試してみてください。チームのコミュニケーションが、きっともっとスムーズになるはずですよ!

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